漆黒の夜に君と。V[BL]
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#302 [ちか]
「えっと…、外科部長なんて言ってたかなぁ」
同僚が思い出してる間に容器の中の残りを流し込んだ。
また吹き出しては今度こそ研究材料に支障を来しかねない。
そうこうしているうちに同僚は思い出したように明るい声をあげた。
「あ、思い出しました、思い出しました!たしか今週末の金曜ですよ。なんでも大がかりな手術だから、優秀な医者を何人もそろえてるっておっしゃってました。」
「へぇ…」
金曜日か。
来週と聞いて少し嫌な予感がしたが、当たったな。
ちょうど金曜は研究の途中経過を他の病院で同じ研究をしている仲間と話し合うことになっている。
脳外科が専門の俺にはそもそもオペに立ち会うこともまず無いのだが、せめてその前の数時間会えれば、スケジュール的にナシか…。
って、
:11/10/30 23:08
:Android
:nfDV2Ves
#303 [ちか]
「だからどの面下げて会うつもりなんだよ!!!」
カランと音を立てて空き缶が床を転がる。
「せ、先生…?」
怯えるように顔を覗きこまれ、俺はすぐに理性を取り戻した。
「あ、いや!な、なんでもない、こっちの話だ…」
ああ〜もう俺、マジ何やってんだよ。
これじゃ前より重症じゃねぇかよ。
すっかり嫌われてしまった今、会って何になる。
というか、自分で嫌われるように仕向けておきながら、優里のことが気にかかるなんていくらなんでもムシが良すぎだ。
俺にそんな資格はない。
:11/10/31 01:08
:Android
:/uPp3Gos
#304 [ちか]
自分の中の葛藤に頭を悩ませていると、同僚は付け足すように話を続ける。
「ま、まぁ、でも、難しい手術らしいですよ。もともと優里くんがあの歳になるまで身体的にリスクが大きすぎて手術自体できなかったみたいですから。外科部長は、術後に影響が出ず無事にオペが成功する確率は40%前後だっておっしゃってたし…」
「40%…。」
思わず俺はその数字を繰り返していた。
それは決して高い確率ではない。
むしろ、なんらかの影響が出ることを覚悟して受けなければならない確率の数字だ。
胸の奥がギュッ、と締め付けられる。
過去のトラウマと認めたくない感情の交差。
それは見てみぬふりをするには大きすぎるモノだった。
:11/10/31 04:08
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:/uPp3Gos
#305 [ちか]
>>301 匿名さま.
ありがとうございます(*^^*)
がんばります!
よかったら感想板にも遊びに来てくださいね♪
:11/10/31 08:00
:Android
:/uPp3Gos
#306 [ちか]
>>304続き
「…き、きっと手術前だから優里くんも大人しくしてるんですね!手術が終われば前より激しい特攻してきそうだから、先生覚悟しといた方がいいですよー?」
一瞬重くなった空気を掻き消すように同僚は明るく振る舞った。
しかし、今の俺にその言葉はキツい。
嫌われてしまった今、前より激しい特攻など微塵も考えられないのだから。
俺は苦々しい笑顔で同僚の言葉を受け流し、持ってきてもらった資料を整理し始める。
それを見ると同僚も気を利かせ、軽く挨拶をして静かに部屋を出ていった。
:11/10/31 15:16
:Android
:/uPp3Gos
#307 [ちか]
しかし本当は資料を整理するなんて形だけ。
目を通したところで、内容なんて頭に入ってこない。
認めたくないが、
頭の中はアイツで支配されていた。
しかし何度も頭の中であの約束が働きかける。
そしてこれ以上、踏み込んではいけないと忠告されているような気がしてならないのだ。
葛藤が葛藤を呼び、
考えは堂々巡りを繰り返していた。
:11/10/31 16:51
:Android
:/uPp3Gos
#308 [ちか]
会いに行くことは出来る。
しかし
会うことで満足するのは自分だけ。
会ったところで好きだと言われても約束がある限り、気持ちに答えることは出来ないのだから。
それは
約束に対しても
優里に対しても
中途半端な態度でしかない。
正しい選択はこれ以上関わらないこと。
:11/10/31 16:56
:Android
:/uPp3Gos
#309 [ちか]
.
「分かってんだよ、んなことは…。」
だからこそ
頭に感情がついてこず、
こうも悩んでいる。
力無く漏れた独り言は
虚しく部屋で響いた。
:11/10/31 16:59
:Android
:/uPp3Gos
#310 [ちか]
― 優里side. ―
あの一件があった以来、
また神崎には会わなくなった。
いや、
会えなくなった。
:11/10/31 18:40
:Android
:/uPp3Gos
#311 [ちか]
────……死んでもいい?!簡単に言うな!!!!!
生きたくても生きれない人間がこの世界にどれだけ居ると思って…っ!!────……
何度も脳内であの時のすべてが再生される。
あの時のアイツの表情(カオ)、
あんな表情(カオ)初めて見た。
踏み込んではいけない領域に触れてしまった。
直感でそう感じてから、
怖くて会えなくなった。
:11/10/31 18:48
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:/uPp3Gos
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