漆黒の夜に君と。V[BL]
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#60 [ちか]
漸く冥の部屋が見えてくる。
はやく、
はやく会いたい。
気づいてやれなくてごめん、と言って、それから、それから‥‥―――
焦る気持ち苛立って
自分を叱咤する。
もう部屋はすぐ目の前に、…――
:11/10/12 17:15
:Android
:5fifT23Y
#61 [ちか]
一人の寂しさは自分が一番よくわかっている。
3…
そのつらさは決して慣れられるようなものじゃない。
2…
それでも独りが平気なんて、
1…
そんな人間、
居るはずないのにっ……――――
:11/10/12 17:16
:Android
:5fifT23Y
#62 [ちか]
― 冥side. ―
時計の針はついに頂点をさそうとしていた。
無心でカウントを数える。
「6………5………4………、」
虚しい年越しになっちゃったな。
そんなことを時々考えながら。
「3‥‥2‥‥1‥、ぜ…」
ガチャッ‥‥――
背中越しにドアの開く音がして、
思わず振り返った。
そこに居たのは、…――
:11/10/12 17:42
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:5fifT23Y
#63 [ちか]
「恭‥弥…――」
嘘。
なんで。
夢?
居るはずのない恭弥の姿がはっきりと見える。
そんなのありえないのに。
信じられずに俺は何度も目を擦った。
だけど、やっぱりそこに居る。
「冥…―――」
紛れもなく会いたかった人が。
:11/10/12 18:06
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:5fifT23Y
#64 [ちか]
「な…んで、」
なんで居るの?
そう聞く前に抱き締められた。
「2日に帰るんじゃ…」
頭が混乱すると同時に、目頭に熱いものがこみ上げてくる。
恭弥が強く抱き締められ抱き締めるから。
その温度があまりにも心地良いから。
俺はその締め付けに応えるように、その広い背中に両手を回した。
「ただいま。」
その声を聞いた瞬間、こみ上げていたものが一気に溢れた。
:11/10/13 00:33
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:iMqIqKtk
#65 [ちか]
「泣かないでよ。」
「な゛、な゛い゛て゛ね゛え゛よ゛〜…」
涙声では何を言っても同じだと分かってはいるが、否定してしまうのはいつものクセだ。
そんな俺の頭を恭弥は優しく撫でる。
暫くそうして落ち着いたあと、
「今年は一番最初に冥に会えた。」
なんて、そんなことを甘い声で言うもんだから、心臓が出そうになるくらいドキドキとした。
:11/10/13 00:38
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:iMqIqKtk
#66 [ちか]
この密着では心臓の音が聞こえてしまいそうで、思わず距離をとった。
そんな俺を恭弥は不安げな顔で覗きこむ。
「怒ってる?」
「べつに、そんなんじゃねーよ…」
「じゃあなんで目そらすの。」
顔見たらまたドキドキしそうだから
なんて言えるわけもなく。
俺は俯いたまま口を開いた。
「そんなことよりさ、初詣行きたい」
:11/10/13 00:41
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:iMqIqKtk
#67 [ちか]
「初詣…、僕行ったことないんだよね」
「えぇぇ?!?!?」
日本人らしからぬ爆弾発言を聞いた俺は思わず顔を上げた。
目の前にはキョトンとした恭弥の顔。
「え…これってそんなに驚くことなの?」
驚くもなにも…
「日本人の正月は初詣と甘酒だって!!!!」
そう宣言して、
俺は強引に恭弥の手を掴み立ち上がった。
「行こ、初詣!」
そう言って無理矢理連れ出した外は一面雪景色だった。
:11/10/13 00:48
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:iMqIqKtk
#68 [ちか]
「……これが初詣……。」
恭弥はカルチャーショックでも受けたかのように神社の前で立ち尽くしている。
「なにびっくりしてんの。まったく、これだから金持ちは。はい、甘酒。」
あきれ口調で差し出した甘酒も初見なのか受け取ったあと、まじまじと見つめ、恭弥は一口煽った。
「……甘い。」
「当たり前じゃん!甘酒なんだから!」
天然過ぎるそれにツッコミを入れて、俺たちは参拝の行列に並んだ。
その時、
:11/10/13 00:52
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:iMqIqKtk
#69 [ちか]
「あれ?冥?」
聞き覚えのある声。
振り返ると、居たのは
「あ、透!」
相変わらずマフラーに顔を深く埋めた透が立っていた。
その後ろにはおじさんやおばさんも居る。
冬休みに入ってから、
あまり会っていなかったもんだからついついテンションは上がった。
「あけおめ!」
「おー、あけおめ。お前、誰と初詣…。」
あけおめ、と言いながら大きな手で俺の頭をくしゃくしゃと撫でる透。
透も機嫌が良いみたい。
が、
恭弥と目が合った瞬間、空気が凍った。
:11/10/13 00:58
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