心霊夜話
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#116 [怪男]
そんな勇紀のストレス発散法は
人や物に当たる事でも、カラオケで熱唱する事でもない…
知り合いから勧められた薬…いわゆる麻薬だった。
あれは一カ月前の事。
数学の授業が終わるといつものように素早くトイレに駆け込み、個室で嘔吐した。
はあはあ、と息をしているとトイレに誰かが入ってくる足音。
口を押さえて黙っていると再び吐き気が襲い
『ガハッ!』
と、なんとも言えない声と共に便器の中に汚物を出してしまった。
:11/12/17 13:25
:W62P
:☆☆☆
#117 [怪男]
「(マズい…聞かれた!)」
そう思っていると突如、勇紀が入っている個室がノックされ…
「あのぉ〜大丈夫っすか?」
と、チャラ男っぽい声の男がドア越しに聞いてきた。
勇紀が黙っていると、やがて男はとんでもない行動に出る。
ジャンプをしドアの上に両手をかけると、その間から個室の中を覗いてきたのだ。
:11/12/17 13:38
:W62P
:☆☆☆
#118 [怪男]
勇紀がその行動に気がついて反射的に上を見上げると
そこに髪を金色に近い感じの色に染めた、まさにチャラ男というべき人物が勇紀を凝視していた。
バッチリ目が合ってしまい、数秒間見つめ合った後…チャラ男が最初に口を開いた。
「具合悪いの?」
一見、心配そうな言葉に聞こえるが彼の目は笑っていた。
心配してるように見せて、どこか面白がっているような…。
:11/12/17 13:50
:W62P
:☆☆☆
#119 [怪男]
しばらく気まずい雰囲気が続いた後
勇紀は苦笑いして言った。
「あ…うん、大丈夫」
するとチャラ男は少しニヤニヤさせた顔を引っ込めて床に下りる。
水を流してドアを開け、男が見ている中…蛇口で手を洗い、さっさとトイレから出ようとしたその時…
「ちょっと待って!」
後ろでチャラ男が勇紀の腕を掴んで言った。
:11/12/18 15:27
:W62P
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#120 [怪男]
勇紀は驚いたように男の方を振り返る。
すると彼は歯を出してニカっと笑うと、いきなり勇紀の肩に手をやってきた。
「な、なに…?」
どのクラスの男だろうか、やけに馴れ馴れしい。
チャラ男の行動にただオドオドしていると、今度は勇紀の耳元でこう囁いてきた。
「よく吐くの?」
小さく笑いながらそう言ってくる男に頭にきた勇紀は、肩に置かれた手を払いのける。
:11/12/18 15:40
:W62P
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#121 [怪男]
「なんだよ!ただ聞いただけじゃねーかよ!オイ!」
なぜかチャラ男は逆ギレしてきた。
気があまり強くない勇紀は、チャラ男の突然の大声に、思わず腰が抜けたように床にへたり込む。
すると彼は怒り顔からすぐ普通の表情に戻り、へたり込む勇紀の前にしゃがんで、さっきと同じく歯を出してニカっと笑いながら言った。
「悪い、驚いちゃった?」
勇紀は、怒った所ではなく表情や態度がすぐに変わる彼に少し恐怖を覚えた。
:11/12/18 15:56
:W62P
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#122 [怪男]
「立てる?」
「だ、大丈夫」
勇紀がゆっくり立ち上がると、チャラ男は制服のポケットに手を入れ、その中から取り出した何かをグーで握りしめたまま勇紀の方に突き出して言った。
「お詫びにこれやるよ。手ぇ出して」
言われた通り手を差し出す勇紀。
チャラ男のグーの手から勇紀の手の平へ何かが落とされる。
恐る恐る手の平に目をやると、そこには小さなカプセルが三つあり、その中には白い粉が詰まっていた。
:11/12/19 11:35
:W62P
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#123 [怪男]
「これなに? 風邪薬?」
「そ…そうだよ。さっき吐いてたじゃん?だからやっぱ具合悪いのかなぁと思ってさ」
一瞬だけ口ごもったのが引っかかった 勇紀だが、その時はまだこのカプセルに入った白い粉の正体が覚醒剤だとは知らず…
「ありがとう」
と、そのカプセルをありがたく貰ってしまった。
:11/12/19 11:53
:W62P
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#124 [怪男]
その日はこのカプセルを飲む事はなく、ずっと制服のポケットに入れたまま、翌々日を迎える。
一時限目、二時限目と授業が続き昼食の時、手を洗ってからハンカチを取り出すのにポケットに手を突っ込むと、一昨日チャラ男から貰ったカプセルが入っているのに気がついた。
「(五時限目は数学だし…飲んでおくか)」
そう思い、ズボンのポケットから財布を出して一階にある自動販売機へと向かった。
:11/12/19 12:24
:W62P
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#125 [怪男]
自動販売機でペットボトルの水を買うと、その場でカプセル三つを口に入れ、最後に水を含む。
一瞬だけ苦い味がしたのが気になったものの、薬の味はだいたいこんなもんだろうと思い教室に戻った。
身体に異変が起きたのは、次の授業から20分ほど経過した時だった。
さっきまで何度も欠伸をするくらい眠かったはずが突然目が冴えてきて、身体が熱くなってきたのだ。
それも制服の上着を脱ぎ捨てたくなるくらいに。
「(なんだろ…熱い…)」
身体が熱くなるにつれて頭がボーっとし、顔も真っ赤になり、鼻息も荒くなる。
勇紀は、まるで赤いものを見て興奮している牛のような表情になっていた。
:11/12/23 00:47
:W62P
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