心霊夜話
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#136 [怪男]
 
 
 
 
 すると赤木はカーテンを少し捲って勇紀の方に顔だけを覗かせて言った。

 「安坂、今日学校終わったら校門の前に来て」

 そう早口で言うと顔を引っ込めて先生の方に戻っていった。


 それからしばらくして授業の終わるチャイムが鳴り、廊下が慌ただしくなる。


 「具合はどう?安坂くん」

 そう言いながら先生がカーテンをシャッと開ける。


 すぐに勇紀の顔を見て

 「まだちょっと顔赤いわね。一応熱計ってみようか」

 と言うと白衣の胸ポケットから体温計を取り出して勇紀に渡す。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 12:57 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#137 [怪男]
 
 
 
 
 「じゃあ私ちょっと職員室に行ってくるから…熱計り終えたら体温をここに記入してね。まだ身体が重いようならまだここで休んでてもいいし」

 そう言って先生は紙とボールペンも勇紀に手渡す。


「ありがとうございます…」

 身体はまだ熱く頭はボーっとするものの、興奮は収まりかけていた。

 先生が保健室を出て室内がシーンと静まり返る中、勇紀は体温計を脇に挟んで電子音が鳴るのを天井を見つめながら黙って待つ。
 
 
 
 

⏰:12/01/02 13:23 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#138 [怪男]
 
 
 
 
 ピピピピピ―

 三分ほどして電子音が鳴り体温計を脇から外して見る。

 「37.6度…」

 ポツリと呟きベッドから起き上がると、紙に体温を記入した。

 
 ―その時である。

 ガチャッと扉が開く音がした。


 先生かな?と思いカーテンを開けて見ると、そこにいたのは先生ではなく、あのチャラ男こと赤木だった。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:13 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#139 [怪男]
 
 
 
 
 「よっ!安坂!」

 相変わらず馴れ馴れしい態度でニコニコしながら勇紀に近づいてくる。

 勇紀はすぐに尋ねた。


 「あの薬何だったの?」

 赤木は勇紀にそう聞かれるとしばらく黙ったが、やがて口を開いたと思うと…


 「ところで…アレ飲んでどうだった?」

 と、逆に質問してきたのだ。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:15 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#140 [怪男]
 
 
 
 
 「ど、どうって……」

 「なんつーかさ、雲の上にいるような感じで気持ちよくなかった?」

 「え…なんかよく覚えてないけど、確かに…」

 勇紀がそう言うと赤木は小声で答えた。

 「あれ、覚醒剤だよ」

 「……!!」

 勇紀はその衝撃的な事実を聞いて、一瞬耳を疑い言葉も失う。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:16 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#141 [怪男]
 
 
 
 
 「ま、まさかぁ」

 こんなチャラチャラした男のいう事だ、どうせ冗談だろうと苦笑いしながら軽くあしらう勇紀。

 すると赤木はニコニコ顔から真顔に変え一言…

 「マジだよ」

 そんな彼の表情を見た勇紀の苦笑いがピタリ止んだ。

 「…本当…に?」

 「マジ。知り合いに売買屋を紹介してもらってさ」

 「…………」

 勇紀の顔が次第に青ざめていく。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:18 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#142 [怪男]
 
 
 
 
 「よかったらお前も買ってみなよ。売買屋紹介してやるから」

 「い、いや俺はそんなの…」

 「気持ちよかったんだろ?飲んだら嫌な事も忘れられるんだぜ?」

 「嫌な事…?」

 「そっ。勉強とかでストレス溜まる時あんじゃん?そういう時に便利なんだよ」

 「…………」

 勇紀は少し考え込んでから、赤木の顔を見て言った。

 「く、詳しく教えて!」

 
 ―これがきっかけだった。

 覚醒剤が勉強のストレスに効くと赤木に言われ心が揺らぎ結局、麻薬の道へと入り込む事になった勇紀。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:20 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#143 [怪男]
 
 
 
 
 ―その数日後の朝

 勇紀は学校へ向かう前に、赤木に紹介された麻薬の売買屋と会うことになった。

 もちろん家族には秘密にしたまま…。


 その日、勇紀は『コンビニで文房具を買っていく』という口実を作りいつもより早く家を出た。


 家から少し離れた人通りの少ない路地裏で売買屋が現れるのを緊張しながら待つ。


 しばらくして、背後から突然声をかけられた。

 「おい」

 低い声がして後ろを振り向くと、そこには年齢が40歳くらいの顔は髭面、小太り体型で帽子を目深に被ったスーツ姿の男性が立っていた。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:23 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#144 [怪男]
 
 
 
 
 「あ…」

 そんな男性を前にして表情が強ばる。


 「赤木の?」

 少しの沈黙の後、男性がポツリと尋ねると勇紀は小さく首を縦に振って頷いた。


 「買うの初めて?」

 「え……あ、はい」

 「だったらタダでやるよ」

 男性は無表情でそう言い終えると、サラリーマン誰もが持つ黒い鞄を開けてゴソゴソと中に手をやる。


 「じゃあこれ」

 中から取り出して手渡されたのは、白い粉が入った小さな透明の袋だった。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:26 📱:W62P 🆔:☆☆☆


#145 [怪男]
 
 
 
 
 手の中の袋を珍しそうに見つめていると

 「さっさと鞄にしまえ」

 と威圧的な声で男性に言われ、慌ててすぐ鞄にしまう。


 「俺から買ったって事は秘密だからな。覚えとけよ」

 「は…はい」

 こうして売買は五分足らずで終わり、男性の去っていく姿を最後まで見送った後、勇紀も歩き出した。
 
 
 
 

⏰:12/01/04 12:29 📱:W62P 🆔:☆☆☆


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