先生、あのね。[BL]
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#126 [うさみ。]
独り暮らしの男の家の冷蔵庫は寂しい。
大抵が長期間保存のきくものか、
その期限すら切れているもの、
そして疎らに揃えられた安い酒だ。
その日俺は冷蔵庫を開けてため息をついた。
「げ、さいあく。」
ストックしていたはずのビールでさえも、うっかり切らしてしまったからだ。
:12/03/13 01:11
:Android
:RNOp6Shk
#127 [うさみ。]
酒なしに疲れた心身を癒すことができようか。
いや出来ない。
俺は冷蔵庫を閉め、
財布をケツのポケットに入れて
早々部屋を出た。
近場に徒歩五分のコンビニがある。
寝酒と少しのアテを買いにいこう。
頭の中はそれだけだった。
それだけだった、はずだったのだ。
:12/03/13 01:15
:Android
:RNOp6Shk
#128 [うさみ。]
なのにどうして見てしまったのだろう。
中に入って目に飛び込んできたのは、
もう見慣れた明るい茶髪と背中。
「も…、」
思わず見慣れた背中に声を掛けようとしたとき、それ遮ってよく通る声が鳴った。
「モモ?ちょっとこっち来てー」
咄嗟に名前を呼びかけた口を閉じ、その声を辿る。
するとそこには、百瀬に手招きをしている二十代後半と思える黒髪の女がいた。
:12/03/13 15:21
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:RNOp6Shk
#129 [うさみ。]
「ん?」
返事をして駆け寄る横顔はやはり百瀬だった。
疚しいことなんて何もないはずなのに、
二人が寄り添う姿を見て俺は商品棚の影に体を隠した。
辛うじて二人が見えるように頭を覗かせるように。
この女は百瀬のなんなんだろう。
なんでこんな時間に一緒にいるんだろう。
家族?
いやあいつの家族構成に姉は居なかったし、母親にしては若すぎる。
だいたい百瀬の家は俺の家とは真逆。
家族とコンビニに来てるシチュエーションなら自分の家の近辺がベターだ。
:12/03/13 15:34
:Android
:RNOp6Shk
#130 [うさみ。]
と、するとつまり…
推測が確信に変わる瞬間。
それは簡単に訪れる。
二人は俺に気づかないまま、
提げていたカゴを持ってレジへと向かった。
しかし突如、
女の方がレジを目の前に踵を返したのだ。
驚いた俺の肩がビクリと跳ねた。
気づかれないように息を殺す。
BGMの流れた店内でそんな行為、まったく意味を持たないというのに。
:12/03/13 16:26
:Android
:RNOp6Shk
#131 [うさみ。]
「どうかした?」
女を追って近寄った百瀬がそう言うと、
女は棚から四角い箱を手に取り見せた。
そう、それは、
「これ、忘れてたなって。」
「あ…」
間違いなく、コンドーム。
:12/03/13 16:30
:Android
:RNOp6Shk
#132 [うさみ。]
そのまま二人は会計を済ませ、俺の市会から消えた。
何あれ。
あいつ俺のこと好きなんじゃねえの?
なんでそんなもん買ってんの?
今からどこ行くって何すんの?
苛立ちが苛立ちを助長する。
そして俺の頭の中で何かがプツンと切れた。
「…そういうことか。」
結局俺はからかわれてたんだな。
ふざけんなよ。
体内から滲み出るようなモヤモヤとどす黒い感情を圧し殺し、俺は酒とアテを買ってコンビニを出た。
:12/03/13 22:26
:Android
:RNOp6Shk
#133 [うさみ。]
>>132 市会から→×
視界から→○
どこ行くって→×
どこ行って→○
:12/03/13 22:27
:Android
:RNOp6Shk
#134 [うさみ。]
家に買えるなり俺は缶ビールのプルタブを乱暴に飽け、中身を流し込んだ。
「……………。」
言葉にならない、なんともモヤモヤした気持ちが体内を支配する。
むしゃくしゃする。
なんだよ。
ちゃんと彼女いんじゃん。
なのになんで俺をからかうわけ?
からかわれた俺の気持ちは?
俺は……、
.
:12/03/14 21:39
:Android
:gpB/mcMs
#135 [うさみ。]
「だあぁあぁぁぁぁッッ〜〜!!!!」
こんなの俺らしくない!
これじゃ俺が本気で百瀬の言葉考えてたみたいじゃん!!!!!!
俺はもとから百瀬の言葉なんか
一度だって本気にしたことない。
絶対ない!
頭を乱暴に掻き乱しながら、
俺は心の中で言い聞かせるような言葉を唱え続ける。
:12/03/15 13:59
:Android
:7nLIMgf.
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