先生、あのね。[BL]
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#1 [うさみ。]
「先生、あのね。」


いつだったか昔、

そんな作文を書かされたことがあるのを覚えてる。

だいたいは
そう、
たしか自分のちょっとした秘密なんかをこっそり先生に伝えるようなそんな作文を書いたはず。


だけど記憶のどこを探しても、


「俺、先生のことが好き。」

なんて、
そんなストレートな恋文を書いた記憶見当たらねえよ!!

>>2 「先生、あのね。」

⏰:11/12/10 23:10 📱:P906i 🆔:CjFZ9Qc2


#2 [うさみ。]
はじめまして、
うさみです。

BLってなあに?
おいしいの?
もしくは、
BLだと?!そんなもの認めな(ry

な方は今すぐ回れ右でお願いします!

拙い文章ですが
一生懸命書いていくので
楽しんでいただけたら幸いです。
よろしくお願いします(〃´`〃 )


うさみ。

⏰:11/12/10 23:20 📱:Android 🆔:XHAJm/VU


#3 [うさみ。]
【第一話 遅刻の判定に文句なんて言わせない】


「井上ー」

「はーい」

「笠原ー」

「はあーい」


ここはとある学校の、とある教室。
どこにでもある、ごく普通な朝のホームルームの風景。

朝っぱらからそんな教室の中、高らかな声で生徒名簿を読み上げるのはこの俺、

間宮望(まみや のぞむ)、25歳。
某有名大学卒の、只今高校教師三年目。


「百瀬ー」

「…………。」

⏰:11/12/10 23:50 📱:Android 🆔:XHAJm/VU


#4 [うさみ。]
俺は勉強もスポーツもそれなりに出来て、顔も運良く整って生まれてきたおかげで万年女に困ることもなく、
身長こそ少し低いものの、特にこれといった苦労も不満もなしに今日まで生きてきた。

きっとこれからも、そうなはずだった。


「百瀬ー、…百瀬優人ー、」

「………………。」

「…も、」

「せんせー、モモまだ来てないよー」


あいつに会うまでは。

⏰:11/12/10 23:56 📱:Android 🆔:XHAJm/VU


#5 [うさみ。]
( またか…。)


生徒の声に返事をしつつ、手元の名簿にチェックを入れた。
一学期が始まって、はや一ヶ月。
チェックの数は日に日に増えている。



「誰か理由分かるヤツいるー?」


こんな問いかけももう何度目だろう。
答えなんて分かっているのに。

⏰:11/12/11 00:16 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#6 [うさみ。]
「どうせ寝坊かなんかだと思いまーす。」

………ほら、やっぱり。

「だれかアイツと連絡とれるヤツいたら、連絡してみてくれないかー?携帯出して良いから。」

そう言って持っていたボールペンをくるくると無意味に回転させて気を紛らわすも、効果はとくに無し。

席の端からは百瀬と親しい友人が優しいことにちゃんと返事をくれるから助かってはいるのだが。


「モモ今携帯止まってるって言ってたよー」

苛立ちは募るばかり。

「そっか、わかった、さんきゅー。」

俺は心の中で小さく溜め息を吐いた。

⏰:11/12/11 00:26 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#7 [うさみ。]
そうしているうちに名簿も読み終え、
特に変わったこともないので適当な締めの言葉を並べ俺はホームルームを終わらせる。

だらだら長ったらしいホームルームなんて、俺が生徒なら御免だから。


そして教室をあとにしようとドアに右手をかけた時、生徒たちの話し声が耳を掠めた。

「でも、モモって不思議だよなー」

「えーなんでー?」

「だってこんだけ遅刻、早退、欠席してるけど毎回テスト上位じゃん?おまけにうちの特進選抜の時は成績トップ。」

「あー、たしかに。」

「見た目もあんなチャラいしな〜」



たしかに。

そう言って頷く女子生徒と同じような相槌を内心で打ちながら、俺は教室を出た。

⏰:11/12/11 00:58 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#8 [うさみ。]
俺の受け持つこのクラス2年A 組は、別名“特A ”。

1年の三学期末の実力テストで上位成績優秀者のみを選抜した特進クラスのことを意味している。


そんなクラスを教師三年目の俺が任されることになった時は、心底驚いたものの、自分の実力を買われたのだと自負し、今に至る。

人数も多くないからせめて名前と備考は覚えておこうと、学期前に1年時の生徒調査書に目を通した時は俺もあの生徒たちのように、アイツを不思議に思った。


今も、だけど。

⏰:11/12/11 01:08 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#9 [うさみ。]
「う゛っ!!」


そんな回想に頭を使っていたためか、いつの間にか目の前を見ていなかった俺は何かに顔面をぶつけた。

ぶつけた箇所がジンジンと痺れ、痛い。


俺としたことが。

少々痛い顔を片手で庇いつつ、ぶつかった障害物に目を向けると同時に聞き覚えのある少しクセのある声が頭上で鳴った。


「わ、せんせー、大丈夫?」

この声、

「…………ももせ…。」


今日の遅刻の張本人。

⏰:11/12/11 12:28 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#10 [うさみ。]
俺のクラスの遅刻、早退、欠席の常習犯、
百瀬優人(ももせ ゆうと)。


脱色しているであろう明るい茶髪にキラキラと光るピアスがちらつく。
そんな百瀬は俺の目線に合わせて少し膝を曲げ、心配そうにこちらを窺う。


「あー、ちょっと赤くなってるよ?冷やす?」

「ひっ…」

自らの冷えきった手を俺の顔に当ててくるそいつは、俺の反応にイタズラっ子のような笑顔を浮かべた。


この笑顔、まじでイライラする。

⏰:11/12/11 12:52 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#11 [うさみ。]
「あは、先生かーわいっ」


笑うと綺麗に並んだ白い歯が見えて、長い睫毛や色形の良い薄い唇、おまけに筋の通った高い鼻が憎らしい。

「…百瀬、先生をからかうな。」

俺は自分より背の高いソイツを不本意ながら見上げ、これでもかと言うほど睨み付ける。

が、その整った笑顔がくずれることはない。

「だって先生が可愛いから。」



それがかえって俺の中で毒々しい感情を生むのだ。

⏰:11/12/11 13:35 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#12 [うさみ。]
「お前な、今日で遅刻何回目か分かってんのか?テストだけ受けてれば3年に上がれると思うなよ?真面目に学校来い。」


日誌を軽くペラペラと振りながらそう言うと、百瀬は特に詫びる様子もなくまたヘラっと笑った。

「えー、先生が朝にモーニングコールでもしてくれたら、毎朝ちゃんと学校来るよ。」

「バカか。」

女を口説くような口振りを冷たくあしらうと少し悲しげな顔をして百瀬は唇を尖らせた。

どうせその顔も作ってんだろ。
そんなんで俺が騙せると思うなよ。

そう言わんばかりの顔で俺は呆れた目で百瀬を見た。

⏰:11/12/11 13:57 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#13 [うさみ。]
「…あと、お前この前のテスト現国だけ赤点。今日補習だからサボんなよ。」

俺は斜め上の端正な顔の前にビシッと指をさし、皮肉たっぷりにそう言い放った。

「えー…、」

漸くの期待通りの反応に俺は口角を上げる。

ふっ、心底めんどくさがるがいい。
そして落ち込めばいいさ。
なんせ現国は俺の担当教科。
百瀬は俺の授業に出たことないから知らないだろうが、俺は鬼の間宮と呼ばれるほど授業は厳しいんだぞ。

半端な態度で補習から解放してやるつもりは無いからな!!

覚悟しろ、あーはっはっはっ!!


「先生、顔緩んでるよ?」

「え?!あ、いや何でもない。」


いけないいけない、ポーカーフェイスを守らねば。
咳払いをして百瀬を見上げると、やはり少し不満げな顔を浮かべる百瀬。

⏰:11/12/11 15:23 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#14 [うさみ。]
暫く考えるような素振りを見せたあと、百瀬はふと尋ねた。


「現国って先生の担当だっけ?補習も先生がすんの?」


何を今さら。
まぁ、授業すらまともに出ないんだからそんなことを聞くのも無理はないか。

俺は頭の中で一人ツッコミと自己解決をしたあと、仏頂面で頷いた。


すると、急に百瀬の顔がパッと明るくなる。

⏰:11/12/11 15:37 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#15 [うさみ。]
「じゃあ出る!やった、すっげー楽しみ!!」


は?

いや、俺こんな反応期待してないんですケド。
ていうか喜ばれるとむかつくをんですケド。


「放課後だよね?オッケー、じゃまたあとで!」

俺が豆鉄砲でも食らったように驚き立ち尽くしているうちに、百瀬は勝手に話をまとめ疾風の如く去っていった。

⏰:11/12/11 15:41 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#16 [うさみ。]
なんだ、アイツ。

やっぱり変なヤツだ。
補習で喜ぶなんて。

まぁ、いい。
そんな顔できるのも今のうちだけだ。
どうせ俺の補習を一回経験すればそんな反応出来なくなるだろう。

そうだ、アイツはきっと怖いもの知らずなんだ。
俺がアイツに補習のイロハを叩き込んでやる!

そう思い俺は心の中で高笑いをした。



怖いもの知らずなのは自分だったなんて、この時はまだ思いもせずに。……────

⏰:11/12/11 15:46 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#17 [うさみ。]
【第二話 体育会系の早弁は2限目がベター】

放課後の教室。

ドアを開けると一番前のど真ん中に、女子生徒数人とじゃれ合うチャラ男が一人。


「おいコラ、百瀬。補習は女とイチャつく時間じゃねえんだよ。」


そんな奴らに一喝飛ばせば、静まりかえる教室。

ったく、サボらず時間通りに教室来たかと思えば、女連れ込みやがって!!
俺の補習をなんだと思ってんだよ!

いい加減にしないと俺の昇竜拳が火を吹くぞ、マジで。


不機嫌きわまりない声で百瀬を叱りつけると、百瀬はこれまた悪びれのない調子でヘラヘラと笑った。

⏰:11/12/11 19:05 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#18 [うさみ。]
「ごめーん、せんせ。補習だから今日の約束キャンセルって言ったらついてきちゃって。」

「王子、補習なんかサボればいいじゃん〜」

「王子らしくないしぃ〜」

「あは、オレ、王子じゃないし〜♪」


ヘラヘラと笑う百瀬の両脇で、頭の悪そうな鼻声と上目使いを駆使する女子たち。

そんな彼女たちと楽しげに口調を合わせる百瀬。


なに、こいつ王子とか呼ばれてんの?
まぁたしかに、容姿は王子って感じするけど。

でもでもこんな素行と女グセの悪い王子見たことねえし!!
こんなんが王子とか認めねぇ。絶対認めねぇ。

⏰:11/12/11 19:14 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#19 [うさみ。]
「10秒以内にソイツらどうにかしろ。出来ないなら補習無し。お前の今学期の単位も無し。」

「えぇっ?!せんせー、それ厳しすぎだから!」

百瀬のふやけた笑顔が焦りの表情に変わる。

「厳しくて結構。」

だって俺、お前キライだし。
お前みたいなふわふわふざけたヤツは、俺のカンに障る。

え?公私混同?
何それ、聞こえなーい。

⏰:11/12/11 19:24 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#20 [うさみ。]
百瀬は笑顔から王子顔にシフトチェンジし、急に声色を変えた。


「今日は頼むから許してよ?俺が単位落としたらこれからみんなと遊べなくなるし。俺みんなのことスキだからさ、今日補習頑張りたいの。分かって?」


その瞬間、教室の空気は例えるならばピンク色。
ついでに言うならハートかなんかが飛び交ってそうな。

なにここ。
ここ教室だよね?ラブホじゃないよね?
吐き気してきた。誰か洗面器持ってきてー。


俺がそんな風に顔をしかめているうちに、
女子生徒たちはうっとり顔を火照らせて、大人しく帰っていった。


恐るべし、王子パワー…。

⏰:11/12/11 19:32 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#21 [うさみ。]
「さ!せんせー、邪魔者も消えたし補習しよ?」

「邪魔者ってお前…」

百瀬くん、それはちょっと酷くないかい。
思わず出ていったギャル達に情がわきそうになった。

そんな自分を、いかんいかん、と頭を振って我に戻す。

「だって邪魔なんでしょ?」



屈託の無いその笑顔は天使か悪魔か。

「そうだけど…」

やっぱコイツ、不思議っていうか解せないわ。

⏰:11/12/11 21:00 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#22 [うさみ。]
さっさと補習を始めよう。うん。

自分に軽く言い聞かせて頷き、持ってきた荷物の中から事前に準備した追試用の答案を探した。

今日はこれを解いて解説からの本テスト。
どうだ、二回のテスト地獄。
ダルいだろ!つらいだろ!!
言っとくけど、満点とるまで帰さねえから!


自信たっぷりにガサガサと手荷物を漁るが、一向にお目当ての物が見つからない。

⏰:11/12/11 21:11 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#23 [うさみ。]
無い。

「先生?補習始めないの?」

「………………。」

「先生?」

「……………………。」

「せーんせ。」

「………………………。」

「せんせーってば。」

「………………………。」

無い無い無い無い無い!!

なんで?!
たしか昼にパソコンから印刷したはず…

……………あ、コピー機混んでて後回しにしたんだった。

「もしかして忘れ物でもした?」


俺としたことが。(二回目)

⏰:11/12/11 21:16 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#24 [うさみ。]
「一分待ってろ。」


そう言い残して教室を飛び出て一分。

「おかえりー!…あれ、なんも持ってないじゃん。」

「……コピー機故障中だった。」

職員室に入れば、
業者がコピー機前を占領。
無言で退却した俺。

「あは、ドンマイ!先生」


今日の俺、ついてない!
すっげーついてない!!
なんかカッコ悪いじゃん、チクショー。

⏰:11/12/11 21:20 📱:Android 🆔:xH1.3UGc


#25 [藻屑o]
おもしろいです∪・ω・∪

⏰:11/12/11 22:38 📱:P03A 🆔:enPvjADs


#26 [うさみ。]
>>25 藻屑oさん

ありがとうございます( //`ω´// )ゞキリッ
最高の誉め言葉っす!
更新がんばりまーすっ≡3

⏰:11/12/12 00:04 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#27 [うさみ。]
>>24

「てことは今日は補習なし?」

机に頬杖を付きそう尋ねる百瀬に返す言葉が見つからない。

ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!!

地団駄でも踏みたいところをグッとこらえ、俺はファイルから原稿用紙を数枚取り出した。

「補習はまた今度にする!!でもお前遅刻とか早退、欠席で内申悪いから罰として作文書け。」


もはやこれはただのアテツケ。

単位制のウチに正直出席率とか関係無いし。
指定校とか狙ってんなら別だけど。


自分の怒りのやり場を見失った俺は、思いつきの課題を百瀬に押し付け、教卓前の椅子に腰かけた。

⏰:11/12/12 00:10 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#28 [うさみ。]
「作文ー?先生、無茶苦茶じゃんー。」

「ごちゃごちゃ言わんとやれ。」

眉を下げて困った顔をする百瀬に半ば意地になった俺は無愛想にそう言った。
居るよね、こういう自分の非を認めない先生。
生徒の時は分かんなかったけど、今なら少し気持ち分かるかも。
なんつって。


「書き終わったら読め。そしたら今日は帰してやる。」

あくまで教師の威厳を乱用する俺に呆れたような笑みを作り、百瀬はシャーペンをカチカチと押した。

「じゃあ、テーマは?」

テーマ…
そうか、自由作文は時間かかるヤツいるし、テーマくらい決めてやるか。

百瀬の問いかけに暫く唸ったあと、俺は閃いたように口を開いた。

⏰:11/12/12 00:59 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#29 [うさみ。]
「そうだな、テーマは『先生、あのね』。小学生の時書いたことあんだろ。アレ。なんか先生に対して書け。」

我ながらなんてふざけたテーマを思い付いたものだろうか。
あまりのくだらなさに笑いすら出たが、百瀬は案外それを真剣に受け止めた。

「先生、あのね…か。んー…。」


クルクルとペンを回し悩む百瀬を横目に、俺はいい気味だと大人げなく含み笑いを浮かべる。

そして、時間潰しのために持ってきていた本をおもむろに手に取ると百瀬の監視など忘れ内容に没頭した。

⏰:11/12/12 01:06 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#30 [うさみ。]
今思えば、
この時から俺の運命は狂いだしていたのだ。


あの時
コピー機が故障していなければ
ちゃんと答案を準備していれば
俺が勢いであんな作文押し付けなければ、

俺が普通の人生を踏み外すこともなかったのに。

どうしてくれる。
なぁ、百瀬。


しかし
そんな後悔を、
この時の俺は知る由(ヨシ)もなく。

⏰:11/12/12 08:18 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#31 [うさみ。]
それからどれくらい経ったか、ふいに百瀬が俺の肩を叩いた。

それによって、強制的に俺は現実世界に引き戻される。
いいとこだったのに。

続きが気になって本に未練を残しつつ、閉じたソレを教卓に置くと俺は百瀬を見た。


「書けた?」

「一応。」

「ふーん、じゃあ読んで。」

「やっぱ読まなきゃダメ?」

「そりゃ罰だからな。」

「…………。」

淡白な質疑応答。
不味そうな顔で原稿用紙を見つめる百瀬。

はーん、さては相当しょーもないことを書いたんだな。
読み上げるのもイヤなほどの。

⏰:11/12/12 11:33 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#32 [うさみ。]
「俺的には一人でこっそり読んでもらいたいっていうか…」


言いにくそうに伏し目がちでそう言う百瀬を見て、俺の推理は確信に変わり、これはなんとしても読ませたいという好奇心から勢いに任せ口調を強めた。


「だーめだ。読むまで帰さねえから。」

「……………。」

「そんな目しても無駄。」


抵抗をあっさりはね除けて、その手に原稿を掴ませる 。


「…………じゃあ読むけど、驚かないで聞いてほしい。」

「?…おう。」


やけに真面目な顔をする百瀬に戸惑いつつ、俺は頷いた。

⏰:11/12/12 14:54 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#33 [うさみ。]
「じゃあ読むよ?
………先生、あのね。えーっと、俺は、先生にずっと言ってなかったことがあります。」

「へえー、なんだよ」

漸く苦々しい顔で百瀬は手に持っていた原稿を読み始め、俺はそれを間間に相づちを打ちながら聞いた。

そして、

( ずっと言ってなかったこと、というのはつまり何か悪いことでもして隠してたってことか?
そりゃ、今ここで読み上げんのは気持ち的にマズイわな。)

なんて、勝手な解釈をしながらそれを楽しんでいた。


その話の先に、何が待っているかなんて知らずに。

⏰:11/12/12 16:09 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#34 [うさみ。]
「別に言うつもりは無かったんだけど、なんかもう言わないとスッキリしないっていうか、俺がイヤっていうか。
なんかもやもやすんの苦手だから、この際言ってしまおうと思います。」


「おー、言ってしまえ言ってしまえ。」

懺悔か何かだと誤解したままの俺は、百瀬の言葉を煽るように茶化し、続きを急かした。

全く、無知とは恐ろしい。


反対に百瀬は、一番重要な“ずっと言ってなかったこと”を手前に口ごもり、なかなか続きを読もうとしなかった。

教室には、なんとも煮えきらないぬるい空気が漂う。

⏰:11/12/12 16:14 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#35 [うさみ。]
短気且つせっかちな俺は、その空気に耐えれず眉間にシワを寄せた。


「なんだよ、さっさと言えよ。終わんねえだろ?俺も早く帰りたいんだよ。」


窓の外はもう鮮やかな夕焼け空。
人の家の前を通れば、美味しい晩飯の匂いでも漂ってきそうな。



一人暮らしで現在フリーの俺にはそんなメシは疎遠だが、たまにはなんか作ってみるか。



なんて思っちゃうほど見事な夕空だった。

⏰:11/12/12 16:32 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#36 [うさみ。]
無性に早く帰りたくなって、不機嫌さを増した俺に百瀬はさらに困った表情を強くしたが、やがて覚悟を決めたようにその顔を引き締めた。


真面目な顔をするとやっぱ男前なのな。

なんだか王子とか呼ばれる理由もわかる気がする。

切れ長の綺麗な目に見つめられると男の俺でもまんざらでなく、胸がドキンと鳴った。


まさにそれは王子フェイス。
自覚があるのか無いのか、その顔で俺に一歩グッと近づくと、百瀬はゆっくりと口を開いた。



「俺は…………、」

⏰:11/12/12 16:41 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#37 [うさみ。]
ゴクン.


思わず生唾を飲んで続きを待つ。

「実は……、」

ドクン…ドクン….


焦らすような口ぶりに心臓の脈が上がり、それに伴って俺の顔は血色を良くした。


「俺…、」

「おう…。俺?」


なんだ?!
実はなんなんだ?!
言ってしまえ百瀬!!
寛大な間宮先生が今ならなんでもドーンと受け止めてやる!
言ってしまえ───…っ!!!!





「先生が好きなんだ。」


へ?

⏰:11/12/12 16:54 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#38 [藻屑o]
続き楽しみです◎


感想板あったら貼って
いただけますか><?

⏰:11/12/12 18:09 📱:P03A 🆔:85kx06S.


#39 [うさみ。]
>>38 藻屑o さん

たびたびコメントありがとうございます(〃`ω´〃)やる気100倍です!笑
感想板ですか?(゜○゜;)
わたしがそんなもの作っていいのでしょうか、、( ´`; )))
わたしの携帯スマホなんでスレ立てれないんで、厚かましくなければこの小説のタイトルで立ててやってくださいm(_ _*)m

ちなみにこっちのスレは友達の携帯借りてこっそり立てました←

⏰:11/12/12 19:13 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#40 [うさみ。]
>>37続き

は?
えっ?
はい…???


「ちょ、おま、今なんて…、」

予想外の流れに俺の頭はパニック状態。


なのに百瀬は、

「だから、俺、先生のことが好きなんだよ。」


一度言ってしまえばタメラワズニなったのか、さっきより語気を強め、はっきりとその気持ちを口にした。

⏰:11/12/12 21:38 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#41 [うさみ。]
俺はパニック極まりない頭をフル回転させ、その言葉の一つ一つを解析し始めた。


えーっと、まず、


「先生っつーのは誰の…」

「あんた宛てに書いた作文なんだから、あんたしか居ないでしょ。」




ですよネ。

⏰:11/12/12 21:42 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#42 [うさみ。]
ということはつまり、

百瀬は俺が好きだと。

それをずっと黙ってたけど、
今日このタイミングで意を決して言ったと。

ほおー。
へえ。
ふーん…?


うん、
それさ、かなり、

「冗談にしてはスベってんぞ、百瀬。」

「なっ…!!」


だって俺男だよ?
百瀬も男だよ?


なのに、
好きとかそんなの、
…あるわけないじゃんね?

⏰:11/12/12 21:51 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#43 [うさみ。]
>>40
タメラワズニなったのか、×
躊躇わなくなったのか、 ○
申し訳ないですOrz

⏰:11/12/12 21:52 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#44 [うさみ。]
>>42続き

驚いた顔のあとに何やら眉根を潜め声を張り上げる百瀬。


「冗談でこんなこと言うかよ!!!!」

「だ、だってお前チャラいし…。」


その気迫に気圧されて百瀬を直視することも出来ずに俺は言い訳するような口調で語尾を濁す。

そんな俺の言葉が百瀬に火をつけたのか、百瀬はさらに俺に詰め寄ってきた。


「はぁ?!別に俺チャラくないし!ていうか、好きとか言ったの先生が初めてだから!!!!」

「お前が“初めて”とか使うと余計にチャラいって…」


だいたいなに必死になってんの…?
そんなに補習から解放されたいわけ?

⏰:11/12/12 22:07 📱:Android 🆔:FwVhNS26


#45 [うさみ。]
「なんだよそれ。意味分かんねえし…」

いやいやいや。
お前のが意味分かんないかんね。

放課後の教室で
担任捕まえて告ってるお前のが、
100パー意味分かんないかんね!!!!


「お前ほんと俺をからかうのもいい加減にしろよ?作文書き直せ。」


必死さゆえか、柄になく少しイラついている百瀬を目の前に、心の中では酷く動揺が渦を巻きつつも俺は冷静な声で百瀬に言った。

なのに性懲りもなく冗談を重ねてくる百瀬。

「だから、からかってなんか…っ」

「まだ言うか、この子は!!!!」

お母さんはそんな子に育てた覚え、ありません!!

⏰:11/12/13 01:09 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#46 [うさみ。]
なんてうっかりオカン口調になるのを寸でのところで飲み込み、冷静な自分を保とうと俺も必死になる。

が、

「だって俺は本当にあんたが…っ」

「あ゛ーもう!!!しつこいヤツだな!!!!じゃあ、証拠でも見せてみろよ!!」

「証拠?」

「ああ、証拠だ!!本当に俺が好きだっつーんなら証拠見せやがれっ」


そんな努力は儚く脆く、
俺はついつい口走ってしまったのだ。

後悔を加速させるだけのその言葉を。

⏰:11/12/13 01:18 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#47 [藻屑o]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4977/


感想板たてさせて
もらいました∪・ω・∪


ありがとうございますo

⏰:11/12/13 07:05 📱:P03A 🆔:YIjLHZvY


#48 [うさみ。]
>>47 藻屑o さん
おぉー!!( 〃ω〃 )
ありがとうございます(〃ω〃 )゛ペコペコ
筆もペースもゆるゆるな作者ですが感想板があるからにはがんばっていきまーす


よっしゃ書くぞー!!!

⏰:11/12/13 16:12 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#49 [うさみ。]
>>46から

その瞬間、百瀬はきょとんとした顔で停止した。

「証拠ってどうしたら…」

「知らねえよ!!自分で考えろバカっ」


もはや教師の威厳など何処へやら。
膨れっ面で投げやりにそう言うと、百瀬はますます考え込む。

そして暫くすると何やら思い付いたように俺との距離を詰めた。

その顔はおもっきしマジメな表情で。
その顔でそんな表情されると、無駄に心拍数上がんだよ、チクショォォォ!!!!!!

「なになになに?!なんで近づいてくるわけ!!」

「良いからじっとして。」

「いや無理だから!!!!つうか近い近い近い!!!!距離!!顔!!!寄りすぎっ」

良いからって何がいいんだ、バカ百瀬!

俺は赤面する自分に焦りつつ、さらにその距離の近さに焦りつつ。
頭再びパニック状態に陥った。

⏰:11/12/13 19:36 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#50 [うさみ。]
「ちょ、暴れんなって…。」

「いやいや、そりゃ暴れるでしょうよ!!!!!!近いもん!!!!!!なんかすっげー近いもん!!!!」

「もう、…ちょっとマジじっとして。」

「?!?!?!」


近寄ってきた百瀬と軽く揉み合いになったが、さすがはガタイの良ろしい百瀬くん。

すくすく伸びた身長と見た目は細いのに意外と強い腕力によって、俺の両手はその片手にいとも簡単に封じ込まれた。



こんなことなら
もうちょっと筋トレしてればよかった…。

⏰:11/12/13 19:50 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#51 [うさみ。]
そんな後悔も束の間、
再びその吸い込まれるように真っ直ぐ瞳と向かい合う。

ドクン、ドクン…

両耳を支配する自分の鼓動。

焦げ茶色の目に自分が写って、
なんかもう本当に吸い込まれそうになった。

そうするうちに抵抗するのも忘れて百瀬と真っ直ぐ見つめあってしまう俺。

そして…───、


「言っとくけど、先生が悪いんだからね」



百瀬と俺の唇が重なった。

⏰:11/12/13 19:56 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#52 [うさみ。]
そう、

その色形の良い薄い唇に俺の唇が重なって。

なんか思ったより柔らかい…
体温も心地よくて…



女の子とは違うけど、
あ、なんかちょっと、
気持ち良い…かも……─────



ん?
え?アレ?

…………ドンッッ!!!!

「…って、オォォォイ!!!!!ちげぇだろーよ!!!!!」

⏰:11/12/13 20:15 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#53 [うさみ。]
我に戻った俺は力の限りを尽くして百瀬の体をひっぺがした。

とりあえず体は離れたものの、俺の全力に百瀬はよろめきもせず、俺の両手首も未だ拘束されたまま。

そんな俺の言動に、百瀬は腑に落ちない表情で俺を見下ろす。

「違うって何が。」

「何がって!!何もかもだよ!」

何をどう解釈したんだよ、コイツは。
もう俺ついていけない、マジで。

もはや半泣き状態で百瀬を見上げると、百瀬はさも当たり前かのように話を続けた。

「せんせーが証拠見せろって言うから。」

「あ…」

なるほど。

証拠=キス

あー、

「百瀬、極端だろソレは…」

⏰:11/12/13 21:27 📱:Android 🆔:mfDCA6As


#54 [うさみ。]
教室の隅っこで壁際に立たされ、両手首なんか器用に拘束されちゃって密着してる俺と百瀬。


端から見れば、どんな風に見えるんだろうかコレは。
どう見てもアブナイよね。うん。
担任の俺が生徒の百瀬と体寄せあって唇重ねあって。


ちょっと気持ちよくなってしまった俺も、ほんとどうかしてる。


こんなはずじゃ、
こんなはずじゃ無かったのに…

⏰:11/12/14 11:51 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#55 [うさみ。]
窓から零れてくる夕日によって上手く開かない目に映るのはやっぱり王子サマな百瀬で。


何処からともなく吹いてきた風が俺たちの間を吹き抜けると色の抜けた薄茶色の髪からふわりといい匂いがした。

その甘いなんとも言えない良い匂いが鼻腔から脳までを通りすぎる頃には、もう俺の全神経は瞬く間に百瀬に対して従順で。



既に俺の状況把握能力のキャパは、裕に越えていた。

⏰:11/12/14 11:59 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#56 [うさみ。]
完全にその雰囲気に呑まれた俺が思考停止状態で百瀬を見つめていると、ふいに百瀬は苦く笑った。

そして小声で何やら呟く。


「ダメだ、先生。俺もう我慢出来ないかも…」

「え?…っんふぁ…っ///」


ぼうっとしていたせいか、上手く聞き取れず無意識に聞き返した直後、百瀬は俺の後頭部を余った左手で掴むと髪を指に絡めるようにしてソレを引き寄せた。



再びあの感覚が俺を襲う。

⏰:11/12/14 12:09 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#57 [うさみ。]
いや、さっきよりずっと濃厚な。

聞き返す際に開いた口に、百瀬は戸惑いなく舌を絡める。


「ん…はっ、ちょっ、も…もせ…っんン///」

「せんせ、もっと舌絡めて」

舌が絡まるほどに、
頭の奥がジンジン痺れてくる。

舌を使って器用に絡めてくる百瀬は時折俺の唇を舐めたり甘噛みしたりして、俺の快感を誘った。

それは確かに気持ちよくて、必死に我慢してるのに出したくない声が溢れてしまう。


…こいつ、相当上手い。


頭では抵抗しなければいけない、と分かっているのに体は裏腹な態度で押すことも引くこともできずにただそれを受け続けていた。

⏰:11/12/14 12:29 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#58 [うさみ。]
そうして暫くそれが続くうちに、俺の体は正直になった。
異変を起こしたのだ。


「ん、あっ、ぐ…?!///」

例えるならばそう、何か爬虫類でも潰したような、なんともカッコ悪い声が思わず口から漏れた。

「…………?」

百瀬は一瞬不思議な目で俺を見たが、俺の異変には気づかずにまた奪うように唇へとかぶりつく。


それが救いだと、俺は咄嗟に腰を引いた。
下半身に確かな違和感を感じてしまったから。

⏰:11/12/14 12:34 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#59 [うさみ。]
やばいやばいやばい。

なにちゃっかり反応しちゃってんの、俺の息子。
つうか、普通男が男に口ん中弄られてムスコおっ勃てるか?俺のバカ!!!
確かにすっごい気持ち良いけど…


これは俺のプライドにかけて、なんとしても百瀬にはバレたくない。


さっきまでその気持ち良さに呑まれていた俺の頭はイヤでも覚めて、試行錯誤に走りだす。

抵抗しても通じない。
なら、百瀬が満足するまでなんとかバレなければ良い。

そう結論付けた俺はさらに腰を引いた。



しかし、それが裏目に出たのだ。

⏰:11/12/14 16:44 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#60 [うさみ。]
なんとか密着した体に隙間を作ろうと、俺は必死に身をよじる。

が、

「ちょ…、先生、そんな動くとやりにくい…って」

「?!わっ?!やめ……っ」

それは百瀬にとって鬱陶しさ極まりなかったらしく、ふいに百瀬は俺の逃げる腰を引き寄せた。

いきなりのことに俺の体の軸は耐えることができず、あっさりとその重力の言いなりとなる。


マズイ。
非常にマズイ。

俺は無駄だと知りながらも必死に体をバタつかせ抵抗した。

「ちょ、も、百瀬っ、離し……っ」

だってこんな密着したらイヤでも…

「あれ、先生…」

「な、なに…かな?」

「もしかして、…………勃ってる?」


バレてしまう。

⏰:11/12/14 16:59 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#61 [うさみ。]
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥、先生?」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「ったく、可愛いな、あんたは。」


間宮望、25歳。

この歳で8つも下の男に可愛いなんて言われるのはまさしく一生の不覚で、穴があるなら入りたい。


入って、出来ることなら来年まで冬眠でもしてしまいたいほど、
俺は羞恥心に苛まれた。

⏰:11/12/14 17:06 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#62 [うさみ。]
何も返事ができず、代わりに顔ばかり赤くなる俺に百瀬はその切れ長の目を細めて笑うと


「今楽にしてあげるからね?」

なんつって、俺のベルトに手をかけた。


「や、百瀬、やだっ、いいって…!!!そんなっ」

カチャカチャと片手で器用にベルトを開けながらいざ奉仕せんとする百瀬に俺は心底抵抗する。

「ももせ…っ、ホントにいっ…んふ…ぅ///」

しかし、そんな行動は虚しく、
百瀬は俺の言葉を遮るように唇を奪い、俺の自由を奪った。


そして外れたベルトによって入り口を緩くしたズボンの隙間にとうとう百瀬の手が入ってきた。

⏰:11/12/14 17:30 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#63 [うさみ。]
触れてさらにモノは硬くなる。
先走ったソレが既にモノを濡らしていたらしく、初っぱなから滑り出しよく百瀬野手は俺のモノを攻め立てた。


「………っあッ、く…っ」

「キスだけでこんななるなんて、前提で意外と感じやすいんだね。」


おいおい、これどこのなんつーAVだよ。

この顔にんな事言われるともう、俺、恥ずかしさとかいろいろ混ざりすぎて昇天しそう。

「つ‥‥‥っ、」

「我慢せずに声出せばいいのに」

⏰:11/12/14 17:51 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#64 [うさみ。]
>>63
百瀬野手は ×
百瀬の手は ○

⏰:11/12/14 17:53 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#65 [うさみ。]
>>63
前提で意外と ×
先生、意外と ○

⏰:11/12/14 19:34 📱:Android 🆔:uXo7h.zc


#66 [うさみ。]
百瀬は器用な手つきで俺をどんどん限界に追いやった。

男同士だからか、快感と感じる部分が手に取るように分かると言わんばかりに百瀬は上手い。


「あ…っ、も、もせ…、そこっ……ん、」

「なに、先生?ここがいいの?」


頭が麻痺していくようなソレは恐怖と快感の狭間で俺を混乱させていく。

脈打つ俺の自身はすでに限界を示唆しているが、それを俺はなんとか残り少ない理性で止めていた。


なのに。

⏰:11/12/18 15:42 📱:Android 🆔:hftGI.AU


#67 [うさみ。]
「せんせー意地張ってる余裕ないんじゃない?」

「うっ…せ、意地なんか…っ、張ってな…ッあ///」

「ふーん?ココと言ってること全然違うけど。」

「ちょ…あッ、百…瀬、ホントにやめっ…!!」


たしかに口から溢れる意地と虚勢とは裏腹に、そろそろ本当に限界が来ていた俺を嘲るように、百瀬は行為を続ける。

俺はそれに抗うようにいつの間にか自由になっていた両手で百瀬の体を押した。

だって、


こんなとこで、
生徒に、
イク姿なんて、

絶ッッッッ対見せらんねえよ!!!

⏰:11/12/18 16:21 📱:Android 🆔:hftGI.AU


#68 [うさみ。]
「ももせ…っ、頼むからッ…!!!!」

頼むからもうこれ以上は。

俺は懇願するような目で百瀬を見上げた。
だけど百瀬はまだ苦い笑顔を浮かべ、力の抜けた俺の手をそっと握る。


「だから先生、その顔がダメなんだって…」

言って百瀬は急に俺の下肢の間にしゃがみこんだ。

そして戸惑いなく、目の前で頭をもたげるソレを口に含む。

「ッ!!///はッ……、つ、」

唾液が絡みつき、粘膜がまとわりつくその感覚に背筋まで快感が走った。

お前何して…っ
男が男のソレを口に含むことに抵抗ないのか?!

そう問いたくても声は声にならず、息ばかりが教室に漏れた。

そのまま百瀬は俺の先端を少し強めに吸い上げる。


「はあッ、…───んあっ…────!!!!」



そして俺はあっけなくイった。
よりによって、百瀬の口内に欲を吐いて。

⏰:11/12/18 21:11 📱:Android 🆔:hftGI.AU


#69 [うさみ。]
「はぁ…っ、はァッ…」

「わ、せんせー、顔真っ赤。クスッ」

百瀬はそう言って喉を鳴らすように白濁を飲み込んだ。

ぎょっとして俺は思わず指を差す。

「おま、なにしてっ!!!…──」

そんな俺を見て、百瀬は自分の口端に垂れる残りのソレをぺろりと舐めながら笑った。

「あは、つい。」

「あは、じゃねぇ!!!お前、“あは”って笑えばなんでも解決するわけじゃねえかんな?!?!わかってる?!ホントにわかってる?!」


「…先生、喋るとなんか残念だよね。」


どういう意味ですか、コノヤロー。

⏰:11/12/19 00:07 📱:Android 🆔:TZoXXigA


#70 [うさみ。]
もう何を言う気にもなれず、俺は知らずのうちにずり落ちていた下着とズボンを上げベルトをはめる。

すると膝立ち状態だった百瀬も立ち上がる。

そして俺に問いかけた。



「先生、これで俺が本気って分かってくれた?」

⏰:11/12/19 00:34 📱:Android 🆔:TZoXXigA


#71 [うさみ。]
ギクリ。


と言うどこぞの漫画の効果音がまさに似合うような風に、俺は肩をすぼめた。

思えば、
自分の言葉のアヤから始まったさっきのご奉仕タイム。

瞬間で感覚や記憶のすべてが甦り、俺を赤面させた。

俺はなんつう失態を…────
みるみる体が熱くなる。
いかん、このままでは俺の体内成分が羞恥心100パーセントになってしまう。
非常にいかんです!!!!!


しかしそんな目眩く葛藤を脳内に繰り広げる俺などお構い無しに、
百瀬は無言の俺に詰め寄る。


「ねえ、先生?分かってく…────」


眩しいほどの王子フェイスで。

⏰:11/12/19 00:41 📱:Android 🆔:TZoXXigA


#72 [うさみ。]
「〜〜…ッッ、全然っっっ分かんねえよ、変態百瀬!!!!」



気づけば、
そう叫び散らして教室を飛び出していた俺。




だって、
あの距離、
あの顔、
あの声で詰め寄られると、
頭真っ白になったんだよおおぉぉぉ!!!!!!!!

⏰:11/12/19 13:50 📱:Android 🆔:TZoXXigA


#73 [うさみ。]
それからはよく覚えていない。


廊下を爆走して、
なんか他の先生に会った気がするけどそんなんもう知るかって感じで。




気がつけば、


「朝………。」


家のリビング、粗雑に広げられた荷物の側で、翌朝を迎えていた。

⏰:11/12/19 13:55 📱:Android 🆔:TZoXXigA


#74 [うさみ。]
遮光カーテンのスキマからわずかに朝日が漏れ、俺の目を焼く。
その眩しさに顔をしかめつつ、しわくちゃになったワイシャツを脱いだ。

───────────………
─────────……
──────…

本当ならもっと動揺してもいいはずなのに、昨日とはうって違って俺は落ち着いた内心でいつも通りの電車に乗り、いつも通りの道を歩き、いつも通りの門をくぐっていつも通りの学校に着いた。

⏰:11/12/24 09:52 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#75 [うさみ。]
ただ一つ、いつも通りじゃなかったこと。

それは…──

「も……もせ………」


ホームルームの始まりを暗示するチャイムが鳴り、教室に入った俺を待ち構えるように教卓に腰を降ろし、
クラスメイト達と何やら写真を見ている百瀬の姿があったことだ。

ホームルームに間に合う時間に学校に来たこともないやつだから、きっと昨日の今日だし会うこともないだろうとタカをくくっていた俺は、予想外の光景に面喰らって立ち尽くす。

⏰:11/12/24 09:58 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#76 [うさみ。]
そんな俺を嘲るように百瀬はこちらを見て、ニヤリと笑った。

「淫乱せんせー、おはよ。」

「なっ?!?!」


さらに赤面する俺に、これ見よがしで百瀬は友人達と共有していた写真を一枚手に取り、俺に向ける。

その写真に写っていたのは



まさに昨日の俺のあられもない姿。

⏰:11/12/24 10:02 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#77 [うさみ。]
「良いもん撮れちゃったなー。せんせー、男相手にこんな気持ちよさそうな顔してやーらしーい。」

怪しげに笑う百瀬に俺は目を白黒させる。

百瀬の周りではクラスメイト達がクスクスと笑い、口々に俺を罵った。


教師生活三年目、
この学校に来た三年前はまさか自分がこんな場面に陥るなんて想像もしなかっただろう。

⏰:11/12/24 10:08 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#78 [うさみ。]
ありえない。

こんな展開、マジでありえない。

「せんせー、どうせなら昨日の続き、する?」

ありえない。
ありえない。
100パー絶対マジでありえない。


「せーんせ?」


ありえないから!!!!!!!!

⏰:11/12/24 10:12 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#79 [うさみ。]
ガバッ

「はぁっ……───はぁ、……夢……か。」


目が覚めたは体によく馴染んだスプリングの上。

しわくちゃになったワイシャツも着てはいない。

遮光カーテンのからは少しの朝日が部屋に入り込んでいる程度だ。


「夢でよかったぁ……。」

独り言にしてはでかすぎるソレを、俺はこぼすように呟き安堵の息をもらした。

⏰:11/12/24 10:16 📱:Android 🆔:K1Lr0QYo


#80 [我輩は匿名である]
おもしろい(^O^)
夢でよかった…笑

⏰:11/12/25 07:25 📱:W64SH 🆔:bGlcdinY


#81 [うさみ。]
>>80 匿名さん

最高の誉め言葉ありがとうです
ほんと夢でよかったですよねぇ(´ω`)w
百瀬が悪い子じゃないんで
見ててあげてくださいね!!!!←

⏰:11/12/25 09:17 📱:Android 🆔:2rqFhMqc


#82 [うさみ。]
>>79続き

リアルすぎた夢を思い出しながら、
少し寝癖のついた髪を掻く。

あれは夢だったんだよな。
俺まだ家だもんな。
うん、夢だ、夢だ。


そんな風に言い聞かせながら。

そしてふと思った。


“百瀬に襲われたのも夢だったんじゃないか”

⏰:11/12/25 09:20 📱:Android 🆔:2rqFhMqc


#83 [うさみ。]
思った瞬間、
身が軽くなった。


そうか!
夢!夢か!
俺は長い夢でも見てたんだ!!!

「よりによって百瀬相手にヤる夢見るとか、どんだけ不満溜まってんだよ俺ー、
あは、あははは!!!!」


夢だと納得した俺は、
うなされたのか汗のかいた体をどうにかしようとバスルームに向かった。


しかし、
そこで見せつけられる、“現実”。

⏰:11/12/25 09:25 📱:Android 🆔:2rqFhMqc


#84 [うさみ。]
服を脱ぎ、
向かいあった形にある鏡をチラリと見れば、

体にちりばめられた無数の赤い、痕、痕、痕。

これは間違いなく
俗に言う……―――――、


「キスマーク……。」


ですよね。

⏰:11/12/25 09:27 📱:Android 🆔:2rqFhMqc


#85 [$゚*nana*゚$]
面白いP*
この小説大好きですっ★
頑張ってくださぃ~(-^〇^-)

⏰:11/12/25 12:07 📱:beskey 🆔:UYxRnNN2


#86 [うさみ。]
>>85 nanaさん

面白いとか作者側にはほんと最高の誉め言葉ですよマジで!あざす!
百瀬や先生は確実に全力本気なんですけどね(笑)
健気な奴らですよ、ったく←
続きもぜひ見てってくださーい

⏰:11/12/26 00:05 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#87 [うさみ。]
>>84続き

とりあえず、
襲われたとこまでは夢じゃなかったってことか。

「………………。」

赤い斑点に指を滑らせながら、
まじまじと鏡に映った自分を見る。


すると脳裏から鮮明に昨日の熱や感触が蘇ってきた。
それは下のソレに対しても然り。


⏰:11/12/26 00:10 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#88 [うさみ。]
舐められたり


ちょっと噛まれたり


時には吸われちゃったりなんかして…


なんかして。
なんかして。


⏰:11/12/26 00:20 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#89 [うさみ。]
「って!!!!!!!寝ぼけてんのか俺!!!!!」


ばちん、と平手が頬を打ち、
漸く記憶に解放された俺。


思い出すとか、ほんとどうかしてる。
忘れたいくらいだっつーのに…。


「……………どいつもこいつも思い出してんじゃねえよ、クソっ…。」


下部を見下ろしながら力なくそう呟いた俺は、その生理現象を朝のせいにして、バースルームのドアノブに手を掛けた。……─────


⏰:11/12/26 00:25 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#90 [うさみ。]
【 第三話 昼休みの購買は戦場 】


俺は今、非常に動揺している。

非っっっっ常に動揺している。

そりゃもうどれくらいかっつーと、
……………長くなるからやめておこう。



とりあえず、
動揺しているのである。

⏰:11/12/26 00:29 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#91 [うさみ。]
なんでかって?


んなもんこっちが聞きたいくらいだ。

なんで、よりによってこのホームルームの時間に俺の目の前に居るのが、


「百瀬優人………」

「はーい」


お前なんだ。

⏰:11/12/26 12:09 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#92 [うさみ。]
「お前、席あっちだろ。」

「俺、学校来てないうちになんか視力落ちたみたいで。」

「代わってもらった、と。」

「そういうこと。」



そういうこと。

じゃねええぇぇええし!!!!!!

⏰:11/12/26 12:18 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#93 [うさみ。]
やばい。
なんか、すんげぇ手震えるんですけど。
まともに百瀬を直視出来ないんですけど。
アレが正夢になりそうでほんとに怖いんですけど!!!!!!!!!!

「せんせ、顔色悪いよ?」

テメエのせいだっつーの!

「……………気のせいだろ。」

なんて
そんなことは言えないので
流すように言葉を返す。


そんな俺に百瀬はますます眉根を下げた。


なんでテメエが、んな顔するわけ。

⏰:11/12/26 17:40 📱:Android 🆔:IrK4LH.g


#94 [うさみ。]
って、
なにが悲しくてコイツとの会話にホームルームの時間を割かにゃならんのだ。
アホらしい。


ふと我に戻った俺は百瀬に構うのもやめて、淡々と今日一日の流れを話しホームルームをしめた。


「──────………つーわけで、ホームルーム終わるから俺に提出物とかあるやつは前持ってきて、その他は解散。」


提出物前に持ってこいとか言いながらすでに教室の戸に向かって歩き出している俺。


そして、
ほぼ体が廊下に出て片腕だけが教室に残った時、それをひき止める何者かの手。

⏰:11/12/28 12:38 📱:Android 🆔:hJHSyZtM


#95 [うさみ。]
なんということでしょう。

「なに。」

「あ、いや………、」

百瀬くんが僕の腕を掴んでいるじゃありませんか。

はて、これは百瀬くんの遊び心でしょうか。
うん、そういうのマジで

「用ないなら先生忙しいから離してくれるかな。」


要らない。

⏰:11/12/30 02:00 📱:Android 🆔:vaODHwCc


#96 [まゆにゃん☆]
楽しみにしてます

⏰:12/01/11 18:06 📱:W65T 🆔:8/vDOb1.


#97 [うさみ。]
>>96 まゆにゃんさん
長らくお待たせしました!!!

⏰:12/02/10 23:49 📱:Android 🆔:NMXSrmNE


#98 [うさみ。]
冷たく突き放すように吐き捨てて、掴まれた腕を振りほどく。

思いの外あっさり離れたその部位が少し痛い。

そのまま教室に余っていた残りを廊下に出し、再び歩き始める俺。
振り返るわけもなく、教室が徐々に遠ざかっていくその時。

⏰:12/02/10 23:58 📱:Android 🆔:NMXSrmNE


#99 [うさみ。]
「せんせ!!!」


振り向かなくても声が百瀬のものだということは容易に分かった。

びくっ、と跳ねた肩を気づかれないようにゆっくり下ろして無視を決め込む。

しかし、百瀬もそれは想定内だったようで、俺が振り向く間もなく叫んだ。


「今日お昼一緒に食べよ!!!」

こいつはもしや、
マジでアホなんじゃないだろうか。

⏰:12/02/11 00:02 📱:Android 🆔:QKzJQHNU


#100 [うさみ。]
昨日の抜かれた相手と
仲良く向かい合って飯を食えと?

それはつまり、
この期に及んでまだ俺に
生き恥をさらせということか?

んなの、


「…………お前まじ一回死んでこい。」



冗談じゃねえよ!!!!!

⏰:12/02/13 22:38 📱:Android 🆔:UpXZMEwY


#101 [うさみ。]
いけね、心の声がつい口から…


思わず片手で口を覆い、
ばつの悪そうな顔で振り向いた。

今時は「死ね」の一言で
教師の職を失う時代だっつーのに。
口悪いのなおさないとそのうちクビになりかねない。


焦る気持ちで振り向いたそんな俺の目に飛び込んできた光景は、

「ちょ…………、え、えええぇぇぇえぇえ?!?!?」


四階(ココ)の窓を開けて、
片足をそこに引っかけ今まさに飛び降りんとする百瀬の姿。

⏰:12/02/13 22:44 📱:Android 🆔:UpXZMEwY


#102 [うさみ。]
「ちょ、お前、何して…っ!!おいコラ百瀬、足下ろせ!!!」

超スーパーダッシュで駆け寄り思わず百瀬を後ろから羽交い締めにする。
周りの視線は俺たちに集中。
なんで朝からこんなことをしてるのだろうか。

無我夢中で引っかけた足を引っ張るが、長い足は窓枠を離そうとしない。


すると百瀬は真面目な眼差しで下を見ながら、

「だって先生が死ねって言ったんじゃん。だから俺今から死……、」


その目はもはや魚の死んだ目を彷彿とさせるように、俺に生気を感じさせなかった。


それはなにがなんでも従順すぎるでしょうよ!!!!

俺がいけないのか?!
俺が口に出したのがいけなかったのか?!?!

⏰:12/02/13 22:52 📱:Android 🆔:UpXZMEwY


#103 [うさみ。]
「何言ってんだよ!!!!さっきまで俺と昼飯食いたいつってたくせに!!!!早まるなよ!!」

ったく、ポジティブなんだかネガティブなんだか!
こいつホントに分けわかんねえマジで!


必死になってるせいで、自分の言葉を頭の中で整理することなく百瀬目掛け放っていく。

「じゃあ先生、一緒に昼飯食ってくれんの?」

「あー食う食う!!!一週間でも毎日でも食ってやるからとりあえずその足下ろせ!!」


そして、
うっかり厄介なことまで口走ってしまった。

⏰:12/03/07 22:48 📱:Android 🆔:keumm53I


#104 [うさみ。]
言った瞬間、百瀬はニッと笑い簡単に窓枠から足を離した。

「先生、今の約束忘れないでね?」

「なっ…?!」

百瀬がポンと俺の両肩を念を押すようにしてた叩く。

しまった。
完全にハメラレタ…。

そう気づくには遅すぎたのだろう、すでに俺から離れ教室に入ろうとしていた百瀬を目で追う。

⏰:12/03/07 22:55 📱:Android 🆔:keumm53I


#105 [うさみ。]
ばっちり目があって
百瀬はとびきりの王子スマイルを寄越した。

そして、
じゃあまたあとで、と言わんばかりにヒラヒラと片手を振る。


女子ならこの瞬間、胸が高鳴り顔が火照ること間違いなしなのだろう。



が、
俺は余計に背筋が凍っただけだった。

⏰:12/03/07 22:58 📱:Android 🆔:keumm53I


#106 [うさみ。]
【 第四話 購買で勝ち取ったプレミアパンの上手さはミシュラン級 】

「せーんせ、約束通り昼飯!」


その昼、
大袈裟に声を張り、上機嫌で職員室に踏み込んできたのはやはり百瀬だった。

ぎょっと目を丸くさせながら俺は背筋を強張らせる。
足取り軽くそんな俺に歩みよってくる百瀬は、俺の様子などお構いなしに。


「わ、悪い…今日昼飯買いそびれ…、」

「デスクの上にちゃっかりかじりかけのメロンパンがあるのは俺の気のせい?」


どうやら
ためしに下手な言い訳をついてみても
動じることすらないらしい。

⏰:12/03/08 00:59 📱:Android 🆔:4GFeFwCw


#107 [うさみ。]
このときばかりは『期間限定 いちごホイップ入り メロンパン』を恨んだ。

「でもさすがに職員室で生徒と昼飯は…」

チラッと周りを見ながら、
そういう空気の場所ではないことを
天然の来客に悟らせようと努力する。

すると百瀬は白い歯をキラリと見せながら満面の笑みで言った。

「わーかってるって!俺いいとこ知ってるから来て!ほら、立って!」

「え、ちょ、うわっ?!」

半ば無理矢理立たされた俺は、
やはりちゃっかり期間限定のメロンパンを掴み、なされるがまま職員室を後にした。

⏰:12/03/08 01:12 📱:Android 🆔:4GFeFwCw


#108 [うさみ。]
そして連れてこられたのは、

「保健室…」

「そ!俺の城でーす」

いつからこの消毒くさい部屋がお前の城になったんだよ。
つかむしろ消毒されてしまえ。

そんなことを内心で毒づいて百瀬を見上げる。

「あのなぁ、保健室まさは飯食うとこじゃねえし、篠崎先生が仕事してんだろ。」

「今篠崎先生いないよ?」

なにをバカな。
保険医が保健室にいなけりゃどこに居るっつーんだよ。

呆れながら俺は扉に手をかけた。
そして言葉を続けながらその一枚の板を引く。

「バカか。居るだろここにちゃんと、」

しかし言いかけてとまったのは

「ね?いないでしょ?」

そいつの言う通り誰も居なかったから。

⏰:12/03/10 10:46 📱:Android 🆔:5y8.4F3k


#109 [うさみ。]
殺風景な白壁に常備薬のかすかな匂いばかりが鼻を掠め、たしかに保険医の篠崎先生の姿はそこに無かった。

「俺、ここの先生と仲良しだから、ね」

「まさかお前……っ、」

この変態王子、まさか保険医にまで手を出したのか?
そして手なずけたのか?!
一体どういう…――、


「はいはいストーップ。せんせー今変なこと考えたでしょ?」

ギクリと肩が跳ねるのは、
自分の経験と想像が重なるから。

⏰:12/03/11 01:55 📱:Android 🆔:JRh42xgA


#110 [うさみ。]
「心配しなくても篠崎先生とは健全な仲だから」

ニコッと屈託のない顔を微笑みかけられると、緊張も緩み少しながらほっとした。

「さ、先生飯食お?」

言って百瀬は保険医のデスクの椅子に慣れた様子で腰かける。

まったくこいつのペースに呑まれるとこっちの調子まで狂ってしまうから厄介で。


俺は分かりやすくため息をついて、
その前の小さな椅子に同じく腰を下ろした。

⏰:12/03/11 02:01 📱:Android 🆔:JRh42xgA


#111 [うさみ。]
そして俺はふたたびかじりかけの菓子パンにかぶりついた。

そしてただ黙々と食った。

さっさと食ってしまえばあとは帰るだけだから。
俺がこいつと約束したのは『昼飯を一緒に食う』、だから。


そして
不思議なことに百瀬もそんな俺をただニコニコと見つめるだけで、止めに入るようなことはなかった。

⏰:12/03/12 01:30 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#112 [うさみ。]
なんかそれはそれで緊張するっていうか。
なんていうか。

変な緊張に気づかないようにするたびに口の中にパンの欠片が収まっていく。

どこぞの小動物のように両頬にありったけのパンを詰め込んだその時、

「っんぐ!!!?」


案の定むせた。

⏰:12/03/12 15:54 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#113 [うさみ。]
「うっ!?ゲホッ、っ…ゲホッ!!!!」

「え、先生?!大丈夫?!?!これ飲む?!」


慌てて差し出されたカフェオレを流し込んだ。


そして、

「し、死ぬかと思った……。」


なんとか蘇生完了。

⏰:12/03/12 15:59 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#114 [うさみ。]
目の前で百瀬も安堵の息を漏らした。


「ったく、なんか先生ってドジだよね。」

「黙れ。」

「口は悪いけど。」

「うるさい。」

俺が仏頂面で返すと、百瀬は困ったように笑う。
そして間をあけてから

「…相変わらず、だよね。」

と続けた。

「昔から知り合いだったわけでもないのにお前に“相変わらず”なんて言われる筋合い無い。」


言うと百瀬はさらに困ったように眉を下げ、笑った。

⏰:12/03/12 16:19 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#115 [うさみ。]
「あ」

固まった空気を解すように、
ふいに百瀬は俺を見てぽつりと呟いた。

言ってそのまま近づいてくる。
ぐんと縮まる距離。


「え、なに…」

最後まで問い掛ける間もなく、
俺は口端にかぶりつかれた。


「パン屑、ついてたよ。」


それはほんの一瞬だったのに
一気に全身が熱くなる。

⏰:12/03/12 16:36 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#116 [うさみ。]
「ちょ、調子に乗るなっ、このド変態!!!!」

「酷い言われよう。」

俺はヘラッと笑う百瀬を横目に下唇を噛んだ。


ああ〜、俺今絶対顔赤い。絶対赤いよなぁ。
悔しい。



こんなことで動揺している自分も、

昨日を思い出す自分も。

⏰:12/03/12 16:47 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#117 [うさみ。]
「俺、先生のそういうとこも好き」

「ッッ…〜っだから黙れって!!!!」


あっけらかんと、
しかしいたって真面目な顔でそんなことを言う百瀬を見て、
咄嗟に照れ隠しから目先の相手を殴る姿勢を取った。


が、あっさりその手首を掴まれてしまう。
所詮は照れ隠しだ。
降り下ろされるスピードなどたかが知れている。


「暴力反対。」

笑いかけられる度に俺の心拍数が上がる。
不覚ながらも。

⏰:12/03/12 17:02 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#118 [うさみ。]
「…………帰る。」


苛立ちを必死に押し殺してやっと吐いた言葉だった。

そのまま目を合わさずに踵を返す。


百瀬もそんな俺を追うわけでもなく、
なんなく入り口に差し掛かった。

そのとき、

「俺、明日もちゃんと学校来るから、先生も約束忘れないでね。」

後方からそんな声をかけられる。
返事などせずに俺はそのまま保健室を出た。


それから、“約束”という曖昧な言葉が俺の普通だった日常を縛る一つの呪文となった。

⏰:12/03/12 17:10 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#119 [うさみ。]
【 第五話 午後の授業は眠気との戦い 】


それから百瀬は毎朝遅刻せずに学校に来るようになった。
そして俺も律儀にあの約束を守り続けた。


なぜなら、

「最近例の問題児くんが真面目に学校に来てるそうじゃないか。」

「あぁ、まぁ…」


学年主任にそんな風にして声をかけられたからである。

⏰:12/03/12 17:31 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#120 [うさみ。]
曖昧な返事を打つ俺に、
隣のクラスを担任する佐佐木先生が入ってきたのはそんなタイミングだった。

「間宮先生相当好かれてるみたいですね。特Aの子達から聞きましたよ、約束してるんだって。」

清楚、おしとやか、女性らしい、そんな言葉のよく似合う彼女がそう言って笑う。
俺もつられて愛想笑いをした。

学年主任は「ほおー」と唸って感心したように顎髭を触る。


「教師が生徒に、ましてや問題児に好かれるなんてこのご時世なかなかないことだよ。良いことじゃないか。その調子で頼むよ。出席率は学年の問題でもあるから。」


遠回しに、”自分の出世にも関わるからどうにかするように“と暗示されているのはさすがに分かった。

⏰:12/03/12 17:41 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#121 [うさみ。]
佐佐木先生、めんどくさいことを口添えしてくれたな。

内心そんな風に考えながら頭を掻いた。

当の本人は気づいている様子もない。

つくづく零れそうになるため息をぐっと飲み込み、自分のデスクに腰を落とした。


……―――それから約2週間、
俺は仕方なく毎日約束通り百瀬と飯を食った。

⏰:12/03/12 17:44 📱:Android 🆔:oytJIUx2


#122 [うさみ。]
はじめは、
半径何メートル以内に来るなとか、
こっから先踏み込むなとか、
なんせ過剰なほど警戒しまくった。


しかし、
境界線を引けば百瀬はそれを越えようとしなかったし、あの日以降あんな展開になることもなく、そんな習慣はごく当たり前に俺の日常に溶けていった。


ただ黙々と飯を食って、
時々会話をする。

学校のこととかクラスのこととか、
当たり障りのない会話を。

それがいつもの昼休みになっていたのだ。

⏰:12/03/13 00:44 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#123 [うさみ。]
そんなある日のこと。

「ずっと気になってたんだけどさー、お前学校サボってた頃何してたの?」

何気なく口から出た疑問に、
百瀬はひどく目を泳がせた。

そんなに答えるに疚しいことをしていたのか?
自然と俺は百瀬に探るような視線を送る。


「バ、バイト三昧っていうか、昼夜逆転生活みたいな…。あは」

なんとも歯切れの悪い返事。
ここ何日かこいつと接しながら気づいたことが一つある。
こいつは嘘が下手だ。

⏰:12/03/13 00:51 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#124 [うさみ。]
「へえー?」

あえて深くは聞き込まず、
しかし嘘だと言うことを見抜いている程度は分かるように相づちを打つ。

すると百瀬が珍しく必死な顔で食らいついてきた。

「ほ、ホントだって!!俺バイトかけもちしてて、深夜もシフト入れてるから朝とか時々起きれなくて…、あ、でも約束してからはちゃんと起きてるよ?」

信用されていないと思いよほど焦ったのか、激しく饒舌になった百瀬に俺は思わず吹き出した。

「んな必死になんなよ。わかったわかった、先生は百瀬くんを信じましょう?」

茶化すように返事をすると百瀬はため息にも安堵にも似た息を吐いて、
勢いであげた腰をもう一度椅子に沈ませた。

⏰:12/03/13 00:58 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#125 [うさみ。]
なんだ、可愛いとこあるんだな百瀬も。



なんとなく自分の中で嫌いだった百瀬が
並みに昇格した頃には、

あの約束から1ヶ月ほど経っていた。



そんな5月半ばの、
程よい気温を保った夜のこと。

⏰:12/03/13 01:05 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#126 [うさみ。]
独り暮らしの男の家の冷蔵庫は寂しい。

大抵が長期間保存のきくものか、
その期限すら切れているもの、
そして疎らに揃えられた安い酒だ。



その日俺は冷蔵庫を開けてため息をついた。

「げ、さいあく。」

ストックしていたはずのビールでさえも、うっかり切らしてしまったからだ。

⏰:12/03/13 01:11 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#127 [うさみ。]
酒なしに疲れた心身を癒すことができようか。
いや出来ない。

俺は冷蔵庫を閉め、
財布をケツのポケットに入れて
早々部屋を出た。

近場に徒歩五分のコンビニがある。


寝酒と少しのアテを買いにいこう。
頭の中はそれだけだった。

それだけだった、はずだったのだ。

⏰:12/03/13 01:15 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#128 [うさみ。]
なのにどうして見てしまったのだろう。

中に入って目に飛び込んできたのは、
もう見慣れた明るい茶髪と背中。

「も…、」

思わず見慣れた背中に声を掛けようとしたとき、それ遮ってよく通る声が鳴った。

「モモ?ちょっとこっち来てー」


咄嗟に名前を呼びかけた口を閉じ、その声を辿る。
するとそこには、百瀬に手招きをしている二十代後半と思える黒髪の女がいた。

⏰:12/03/13 15:21 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#129 [うさみ。]
「ん?」

返事をして駆け寄る横顔はやはり百瀬だった。

疚しいことなんて何もないはずなのに、
二人が寄り添う姿を見て俺は商品棚の影に体を隠した。

辛うじて二人が見えるように頭を覗かせるように。

この女は百瀬のなんなんだろう。
なんでこんな時間に一緒にいるんだろう。

家族?
いやあいつの家族構成に姉は居なかったし、母親にしては若すぎる。


だいたい百瀬の家は俺の家とは真逆。
家族とコンビニに来てるシチュエーションなら自分の家の近辺がベターだ。

⏰:12/03/13 15:34 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#130 [うさみ。]
と、するとつまり…


推測が確信に変わる瞬間。
それは簡単に訪れる。

二人は俺に気づかないまま、
提げていたカゴを持ってレジへと向かった。

しかし突如、
女の方がレジを目の前に踵を返したのだ。

驚いた俺の肩がビクリと跳ねた。
気づかれないように息を殺す。
BGMの流れた店内でそんな行為、まったく意味を持たないというのに。

⏰:12/03/13 16:26 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#131 [うさみ。]
「どうかした?」

女を追って近寄った百瀬がそう言うと、
女は棚から四角い箱を手に取り見せた。


そう、それは、


「これ、忘れてたなって。」

「あ…」


間違いなく、コンドーム。

⏰:12/03/13 16:30 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#132 [うさみ。]
そのまま二人は会計を済ませ、俺の市会から消えた。


何あれ。

あいつ俺のこと好きなんじゃねえの?

なんでそんなもん買ってんの?

今からどこ行くって何すんの?


苛立ちが苛立ちを助長する。
そして俺の頭の中で何かがプツンと切れた。

「…そういうことか。」

結局俺はからかわれてたんだな。
ふざけんなよ。

体内から滲み出るようなモヤモヤとどす黒い感情を圧し殺し、俺は酒とアテを買ってコンビニを出た。

⏰:12/03/13 22:26 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#133 [うさみ。]
>>132
市会から→×
視界から→○

どこ行くって→×
どこ行って→○

⏰:12/03/13 22:27 📱:Android 🆔:RNOp6Shk


#134 [うさみ。]
家に買えるなり俺は缶ビールのプルタブを乱暴に飽け、中身を流し込んだ。


「……………。」


言葉にならない、なんともモヤモヤした気持ちが体内を支配する。


むしゃくしゃする。

なんだよ。

ちゃんと彼女いんじゃん。
なのになんで俺をからかうわけ?
からかわれた俺の気持ちは?
俺は……、

⏰:12/03/14 21:39 📱:Android 🆔:gpB/mcMs


#135 [うさみ。]
「だあぁあぁぁぁぁッッ〜〜!!!!」

こんなの俺らしくない!

これじゃ俺が本気で百瀬の言葉考えてたみたいじゃん!!!!!!
俺はもとから百瀬の言葉なんか
一度だって本気にしたことない。
絶対ない!


頭を乱暴に掻き乱しながら、
俺は心の中で言い聞かせるような言葉を唱え続ける。

⏰:12/03/15 13:59 📱:Android 🆔:7nLIMgf.


#136 [まゆにゃん☆]
更新待ってます☆

⏰:12/05/30 22:08 📱:W65T 🆔:GR.PKh8U


#137 [匿名]
あげあげ

⏰:12/12/28 15:10 📱:KYL21 🆔:☆☆☆


#138 [我輩は匿名である]
あげ!

⏰:13/06/12 00:29 📱:F02A 🆔:x11eez0w


#139 [&◆JJNmA2e1As]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/01 19:25 📱:Android 🆔:rYsbLV12


#140 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/19 18:44 📱:Android 🆔:A4ZzuHng


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