拝啓、中二の僕へ。
最新 最初 🆕
#5 [だーいし]
いつも通りの授業を受け、いつも通りの休み時間を過ごし、そしていつも通り部活動に向かった。真也の部活はバスケットボール。真壁も同じだった。 二人が通う中学は決して強いとは言えないが、二人ともレギュラーメンバーだった。

部活終わり、二人は校則で禁止されている「買い食い」を近所のコンビニでする。これも日課だった。

『あっ!そういえば明後日席替えだろ?』

『あぁ。』

『あぁ。て!楽しみじゃねえのか?一ヶ月に一回の行事じゃねえか!』

『別に。てか今の席でいいし。』

⏰:12/04/23 03:48 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#6 [だーいし]
『何言ってんだ!美緒ちゃんと横になるチャンスだろ!?』

『別に俺は…』

『でも残念!俺が頂きます!』
『ははっ、頑張って。』

しばらくコンビニの前で喋り解散した。

『じゃあ、家着いたらメールするから!』

真壁は家に入っていく真也に言った。

『彼女かって。』

⏰:12/04/23 03:52 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#7 [だーいし]
『ただいまー。』

『あら、おかえり。ご飯もうちょっとだから。』

真也は三人暮らし。父の真二は単身赴任中で今は母の真矢と二人暮らしだ。
『あっ!そうそう、真也!』

二階に上がっていく真也を引き留めた。

『なに?』

『あんたに手紙きてたわよ。はい。』

『手紙?』

真矢は真也に手紙を渡した。

『ラブレターじゃない?フフッ。』

『いつの時代だよ。』

⏰:12/04/23 03:58 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#8 [だーいし]
真也は自分の部屋に着くなり、ベッドに横になり封筒の封を切った。

『「多田木真也様」……差出人書いてねーな。』

中には手紙が一枚入っていた。

【拝啓、中二の僕へ。いきなりの手紙でビックリしていると思う。実は今、この手紙を書いているのは数十年後の僕、そう七十歳の多田木真也なんだ。信じても…】

『真也ー!ご飯出来たわよー!』

下から真矢が呼んでいる。

『あーい!』

真也は手紙を破りゴミ箱に捨てた。

『あのクソガキ。』

真也は下へ向かった。

⏰:12/04/23 04:05 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#9 [だーいし]
次の日。
駐輪場のいつもの場所に自転車を置いていると、

『おははよーん!真也!昨日のテレビ見たか?』

『あのさ、やるならもうちょとマシなドッキリしてくれよ!』
『そうそう!あれ多分芸人さん気づいてたよな!』

『じゃ!な!く!て!お前だよ!お前!』

『へっ?俺?』

『今どき手紙形式のドッキリなんて誰も引っかからねーぞ。』
真壁はキョトンとしていた。
『真也氏。なんの事?』

『もういい。』

真也は真壁を置いて足早に教室に向かった。

⏰:12/04/23 04:11 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#10 [だーいし]
『ただいまー。』

『あっおかえり。真也、また手紙きてるわよ。』

『また?』

真也は自分の部屋に着くなりベッドに横になり封筒の封を切った。

『あの感じだと真壁が犯人じゃなさそうだし…最後まで読んでみるか。』


【拝啓、中二の僕へ。恐らく僕の事だ。最初はドッキリだと思い一通目は破って捨てただろう。】

真也は眉毛をピクリと動かした。

【そう思い一通目には大した内容は書いていない。】

⏰:12/04/23 04:16 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#11 [だーいし]
【一通目にも書いたが、私は七十歳の多田木真也だ。信じてもらえないと思うがこれは事実だ。訳あって人生をやり直したいと思い今、手紙を書いている。】

『人生をやり直したい?』

【このまま行くと、私は最悪の人生を歩む事になるんだ。中二の私、力を貸して欲しい。】

『最悪の人生?バカバカしい。』

真也は手紙を破ろうとした。 ふと手紙の裏面が目に入った。
【※破ろうとするとこの面が見えるはずだ。】

真也はハッとした。

⏰:12/04/23 04:24 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#12 [だーいし]
真也はとりあえず最後まで読んで見る事にした。

【一度破ろうとしてとどまってくれた事に感謝する。なぜ人生をやり直したいのか、未来の自分がどうなるのかは追々伝える。明日、席替えがあると思う。】

『なっ。』

真也は少し驚いた。

【担任はアミダくじでやろうと言い出すと思う。右から三番目を選んでくれ。美緒ちゃんの横になる。これで信じてもらえるだろう。】

『マジか?』

手紙には後は何も書いていなかった。

『ま、まさかな。』

真也は半信半疑だった。

⏰:12/04/23 04:31 📱:S003 🆔:rb4y0yyk


#13 [だーいし]
そして、ろくに眠れないまま変わらぬ朝をむかえた。
自転車を駐輪場に停め、真也は大きく欠伸をしながら教室へと向かう。

『右から三番目…』

真也の脳裏に手紙の文字が浮かぶ。

自分の席に着くやいなや、真壁が近づいてきた。

『真也ー!今日は待ちに待った席替えだな!』

『あぁ。』

『なんだー!?テンション低っ!上げてけ、上げてけ!』

『なぁ、真壁。席替えって、今回どんな決め方するんだろうな。』

⏰:12/04/25 01:39 📱:S003 🆔:cX90P95M


#14 [だーいし]
真壁の頭に?が浮かぶ。

『なんだその質問。決まってんだろ、「じゃんけん」だよ!性懲りもなく。棚橋の野郎、いつもそうじゃん。オレ弱いのに……』

真壁は両手で顔を覆い泣くふりをする。

『ハハッ、だよな。』

そういうと真也は窓の外を見た。

棚橋というのはこのクラスの担任の体育教師で一年の時と同じである。席替えの時はいつも「じゃんけん」をし、勝った者から好きな席を選べるという方式をいつもとっていた。

⏰:12/04/25 01:44 📱:S003 🆔:cX90P95M


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194