好きじゃねぇ! BL
最新 最初 🆕
#8 [主]
ざわざわした教室。
俺は自分の席に座ると教科書などを整理して本を広げた。
どんなにうるさい環境でも自分だけの世界に浸れるのが俺の特技だ。
本の世界へと引きずり込まれていると担任が教室に入ってきた。

いつの間にか飛鳥も教室にいる。
なんの腐れ縁か、俺たちはずっと同じ学校、同じクラスである。

⏰:13/10/06 02:13 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#9 [主]
眠気と戦いながら、ようやく今日の授業はおわった。
が、
帰りのホームルーム。
「もうすぐ学祭だ!今から実行委員を決める。誰か立候補したいやつはいるか?」
担任が教室を見渡す。

いつもはギャーギャーうるさいクラスメートたちは信じられないほど静かに下を向いている。
目が合ったら押し付けられるかもしれないからだろう。

気まずい沈黙が流れる。

⏰:13/10/06 02:14 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#10 [主]
あぁ、くそ。めんどくせえな。
仕方なく手を挙げようとしたそのとき、
「はぁーい。俺やりますー。」
この沈黙に似つかわしくない能天気な声が聞こえた。
クラスメートが一斉に振り返る。

あいつだ....。
飛鳥がひらひら手を振りながら挙手している。

⏰:13/10/06 02:15 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#11 [主]
はぁ?なんであいつが。
めんどくさいことが大っ嫌いなあいつが
めんどくさい代表みたいな実行委員に立候補するなんて。

「えーっと。高科。じゃあお前に頼むが。いいか?」

「おう!宮っち!任せろ!」
宮っちとは担任のあだ名だが...

何考えてるんだ?

俺は訝しげな表情で飛鳥を見つめた。

⏰:13/10/06 02:16 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#12 [主]
さっきの沈黙が嘘のようにざわつく教室。
「ええっ!王子が実行委員とかうける〜」
「王子がんばって(笑)」

みんなの声援に手を挙げてにこやかに答えると前に出てきた。


「じゃあ、まず!副実行委員を決めたいと思います!」

⏰:13/10/06 02:16 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#13 [主]
「王子が実行委員ならやってもいいかなぁ」
なんてひそひそ話している女子がちらほら。
バカか...
俺は舌うちしたくなるのを我慢して、飛鳥を睨みつけた。


「副実行委員は!中西佳祐くんに任命します!」

⏰:13/10/06 02:17 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#14 [主]
......は?

はぁぁぁぁ!?
なんで俺!?名指し!?!?
俺はポカンとしてかなりのアホ面だっただろう。

「はい。じゃあ決まり!次は何したいか、だけど〜みんな適当に案出してよ。」

俺のことなど完全に無視して話し合いはどんどん次の話題へと広がっていく。

⏰:13/10/06 02:18 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#15 [主]
「ま、待て....」
俺の小さなつぶやきなど教室のうるささにかき消されて消えていった。

なんて日だ!!!
ってふざけてる場合じゃない。

好き勝手に意見が出て結局はカフェをするらしいことは決まったようだが...
そんなことは今の俺にはどうでもいいことだった。

⏰:13/10/06 02:19 📱:iPhone 🆔:pfPlVdY.


#16 [主]
結局その日の話し合いは終わり、他のクラスメートの役割分担やらを決めるのは明日に持ち越しとなった。

担任が軽くあいさつをしてから解散。
みんなわいわいと帰っていく。

俺はボーッとしたまま、しばらく席に取り残されていた。


なんて日だ...
深くため息をつき、机に突っ伏した。

⏰:13/10/06 21:46 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#17 [主]
「あれ?けいちゃん、帰らないの?」
頭上から声がする。
俺のことを”けいちゃん”などと呼ぶやつなんざあいつしかいない。

「てめー。ふざけてんのか。」
俺は顔を上げてそいつをおもいっき睨みつけてやった。

「相変わらず口悪いなぁ〜けいちゃん」
そう言ってにっこり笑う飛鳥。

⏰:13/10/06 21:47 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194