偽コイビト

……

……

……。

転校生

木下要（ｷﾉｼﾀｶﾅﾒ）

と…いうらしい。

席に着くなり、もう
既に女子に囲まれている

「要くん。アドレス
教えて」

「うん。いいよ」

「ずるい～私が先」

「ちょっと横から邪魔しないでよ」

「あんたが邪魔よ」

一人の男を女何人で
奪う必要ないだろうに…

そんなにキャーキャー
言うほどかな？

転校生の木下要は

金髪で色白く

イケメンっていうより
かわいい男の子って感じ

でもたしかに女子が
キャーキャー言うの

わかるような気がする…
駿には負けるけどね（笑）

「イケメンだけど
アタシのタイプじゃないわ」

夏美は少しガッカリしたように呟いた

わたしがジッっと見ていると
転校生と目が合ってしまった…。

「！」

わたしは慌てて目を逸らす

が…！

気がついたらわたしの
目の前に来ていた

「なに？もしかして
俺の顔になんかついてる？」

「え？いや…」

「きみ名前は？」

「え？」

「名前」

「小野寺香奈です」

女子が…睨んでる～！

「香奈ちゃんかぁ～
かわいい名前だね」

「あ、うん」

女子の視線が怖いんですけどー。

「香奈ちゃん可愛いね」

「えっ？あ、それは
どうも」

褒められてるの？
それともお世辞？

「俺のこと、今日から要って呼んで俺も香奈ちゃんって呼ぶから」

「あ、うん」

わたしが要と話してると
駿が登校してきた

「お前だれ？」

「あ、駿。珍しく遅刻？」

「つか、こいつ誰？」

駿はわたしの言葉を
無視した

「わたしの質問無視かよ！え～と今日転校して来た木下要くん」

「は？転校生？転校生が俺の彼女に何か用？」

駿は少しキレてる

「要くん。いつまで
話してるのさ～」

「ごめんごめん。いま
戻るよ。香奈ちゃん
またお話ししようね」

「あ、うん」

要くんは女子に呼ばれて戻っていった

「なんだあいつ」

要くんが戻ったと同時に
駿がそう呟いた

……

……

……。

「香奈ちゃん♪一緒に
帰ろっ♪」

「えっ？」

要が転校して来て
２日目
突然、一緒に帰ろうっと言われ戸惑うわたし

「ごめん。無理だよ」

「どうして？」

「要も知ってるでしょ？わたし付き合ってる人いるから」

「知ってるよ。」

そう言ってニコッと
やさしく笑う要。

「でも関係ないし？」

「っ……。」

わたしは困ってその場で
固まってしまった

「おい。転校生」

そんなわたしを見兼ねて
駿が慌ててこっちに来た

「こいつ俺の彼女。
馴れ馴れしくしないでくれない？」

要は少し笑いながら

「２人は本当に付き合ってるの？」

「「！」」