偽コイビト
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#257 [なな]
だけどそんな沈黙を
最初に切ったのは駿だった




「あのさ」



「うん…」




別れを言われるような
気がして


少し怖い



もし別れ話しでも…
聞かなきゃいけないから
辛い



「あのことなんだけどさ、」


「えっ?」


「俺、信じてるから…
お前のこと」

⏰:15/07/30 14:54 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#258 [なな]
駿の口から出た言葉は
わたしの想像とは違った

駿の話しはわたしと
要の写真のことだった



しかも{信じる}って
そう言った



「信じてるなんって…
嘘でしょ?」



だって、駿はずっと
怒ってたじゃん




じゃあ…あれは
一体?


そう聞こうとしたとき

⏰:15/07/30 15:01 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#259 [なな]
再び駿が口を開く


「お前のことは最初から
信じてた」


そして
もう一度、そう言った



「えっ!?」



「ただ…」



「ただ?」



駿の言っていることが
よくわからない



「その…なんていうか…」



「…?」

⏰:15/07/30 15:06 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#260 [なな]
「ただ…その…お前が…
なんていうか」


駿は少し照れながら
話しを続ける



「お前が俺以外の男にさ
そういうことされたのが
ずっと気に入らなくて」



「えっ?」



「それでずっと怒ってた…それだけだ。」



わたしは駿の話しを
全部聞いて

固まってしまった

⏰:15/07/30 15:20 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#261 [なな]
それって…つまり

わたしの
間違いじゃなければ


嫉妬ってことだよね?


いままでずっと
嫉妬してたってこと?



「でさ、ここからが
大事な話し」


「えっ?」



「なんでこんな気持ちになるのか、自分の気持ちを整理してたんだ。ずっと…」

「う、うん」


「で、わかったんだ
自分の気持ち」

⏰:15/07/30 16:47 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#262 [なな]
「う、うん…」


わたしが返事をすると
駿は歩み寄ってきて












「えっ?」




気づいたら、わたしは
抱きしめられていた



「聞きたい?俺の気持ち」


駿は優しく
わたしを抱きしめて

そう呟いた

⏰:15/07/30 17:07 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#263 [なな]
「うん…。」



聞きたいよ?
当たり前じゃん


















「…好きだ」











その瞬間…わたしは
涙が零れた

⏰:15/07/30 17:09 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#264 [なな]
「い、いま…なんて
言ったの?」










本当は聞こえたけど
もう一度聞きたくて…









「好きだ…。」











聞こえてないフリをした
わたしに駿はもう一度、
呟いた。

⏰:15/07/30 17:18 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#265 [なな]
これは夢ですか?
それとも現実ですか?







「って…何度も言わせんなよ」





いいえ、夢ではありません





「だって…」





わたしも好きだから
何度も聞きたいもん





「わたしも…」


「ん?」

⏰:15/07/30 17:22 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


#266 [なな]
「わたしも好き…」


わたしがそう言うと
駿は「…知ってる」って

答えた




「えっ?知ってなの?いつから?」



「結構前から」

⏰:15/07/30 17:25 📱:au/SH34 🆔:ybKH0jVc


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