キモオタな俺が美女と付き合えるチャンスを逃した話
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#1 [色えんぴつ]
今俺は猛烈に興奮している。
年齢=彼女いない歴
デブ、メガネ、ハゲかけの28才。
一応、仕事はしている。
いや、そんなことはどうでもいい。
何故俺がこんなにも興奮しているか。
こんなにも舞い上がっているか。
今はそこに注目してほしい。
俺の幼い記憶のエピソードと共にお届けする。
:14/08/29 00:48 :SBM302SH :/Y.32Epo
#2 [色えんぴつ]
時を遡り、俺の中学生の頃の話からはじめる。
俺。中学2年生。
もちろんこの頃からオタク気質で、一緒にいる奴らも地味、暗い、いじめられっ子、そんなんばっかと一緒にいた。
特にいつも一緒にいたのは、絵にかいたようにジャイアンみたいなのと、スネ夫みたいな外見の二人。
今じゃデブの俺も中学生の頃は痩せてて、クソださいメガネをかけていたから、のび太とする。
俺たち3人はいつも休み時間など、平和に過ごしていた。教室の隅で。
:14/08/29 00:55 :SBM302SH :/Y.32Epo
#3 [色えんぴつ]
好きなアニメの話をしたり、特に一言もかわすことなく個々にやりたいことをやって、時間が過ぎていっていた。
それが俺の平和な日常だった。
もちろん、同級生にはヤンキーもいたしギャルもいた。
そんなのとは絶対かかわらないようにした。
幸い、ジャイアンもスネ夫も俺も、そうゆう奴らには目をつけられる事もなくいじめられる心配もなかった。
と言うか、ただ単に存在感が無かった。
:14/08/29 00:59 :SBM302SH :/Y.32Epo
#4 [色えんぴつ]
「ジャイアン〜この前ガチャでとったフィギアとこれ、交換してよー!」
ある日の休み時間。
唯一俺らに話しかけてくる女子がいた。
こいつはちびまる子の花輪くんの事が好きなブスな女の子にソックリ。
ミギワさんだっけ?
「え!?…あ、ううん。いいけど…。」
リアルミギワさんだけに、迫力のある顔面。ジャイアンと同じくらいデブで、眉毛ぼーぼーで天パのくせして、ピンクやら水玉やらのデカイリボンをいつもつけてやがる。
:14/08/29 01:05 :SBM302SH :/Y.32Epo
#5 [色えんぴつ]
見た目はジャイアンのくせに、中身はキモオタ。
うじうじしながら答えるジャイアン。
多分ジャイアンはミギワさんが好きだった。
でも俺たちはそんな恋ばななんてしないから、その真相は今だ不明だ。
ミギワさんは、今時流行りのオタサーの姫のような存在だった。
ドブスで、これといって良いところがあるわけでもないのだが、立場が弱いと思われてる俺たちに何かとちょっかいをかけてきては、姫のような振る舞いで俺たちの輪に入ってくる。
:14/08/29 01:10 :SBM302SH :/Y.32Epo
#6 [色えんぴつ]
そんなことを言いつつも、女の子に免疫がひとつもない俺たちは、近付かれるとこんなブスなミギワさんにでさえドキドキしてしまい、やっぱり少し優しくしてしまう。
だって、こんな冴えない俺達に話しかけてくる女子なんてこれから先、一生ないだろう。
そう思っていたから。
:14/08/29 01:20 :SBM302SH :/Y.32Epo
#7 [色えんぴつ]
そんなある日。
担任の先生が突然席替えをすると言い出した。
クラスのみんなはテンションが上がってワクワクしている様子。
それとは対照的に俺の心は、
どうか、クラスの目立つ奴とは近い席になりませんように…。
出来れば、窓際の一番後ろ…。
この念でいっぱいだった。
:14/08/29 01:25 :SBM302SH :/Y.32Epo
#8 [色えんぴつ]
結果。
廊下側の一番後ろの席。
ヨシ。
なかなか良い席じゃないか。
ホッとする俺。
ジャイアンとスネ夫の位置を確認すると、スネ夫が窓際の前から2番目。
ジャイアンがなんと、教室のど真ん中の席だった。
しかも、隣にはムードメーカー的な男子…。
あーあ、ジャイアン絶対いじられるぞ。
:14/08/29 01:28 :SBM302SH :/Y.32Epo
#9 [色えんぴつ]
休み時間さっそく、スネ夫とジャイアンが俺の席に集合。
ジャイアンの不運を励ます俺とスネ夫。
想像以上に落ち込むジャイアン。
気の毒だ。
「それより、のび太!おまえすげー良い席じゃんか!」
スネ夫が興奮ぎみに俺にそう言う。
「あぁ、まぁ。一番後ろだからね。」
「そうじゃなくて!隣!!!」
:14/08/29 01:31 :SBM302SH :/Y.32Epo
#10 [色えんぴつ]
隣?
スネ夫がこっそりと、黒板の前で固まる女子グループを指差して言った。
「桃川さんの隣じゃねぇかよ!」
「…いいなぁ。」
落ち込んでいたジャイアンまで顔を赤らめながら羨ましがった。
それもそのはず。
確かに隣の席は桃川さんとゆう女子だ。
ここで、桃川さんについて、少し説明する。
俺の学年には三大美女と名付けられた、有名な三人組がいる。
:14/08/29 01:37 :SBM302SH :/Y.32Epo
#11 [色えんぴつ]
一人は、金田さん。
金髪でヤンキーっぽいオラオラ女子。
背がスラッと高くてスタイルのいい美人だ。
文化祭や体育祭はやたらと張り切るタイプ。
二人目は、青山さん。
中2とは思えないくらい派手なギャルだ。
スカートもケツぎりぎりの所まで短くして、俺らの時代はルーズソックスが流行っていたけど(今もなのか、よくわかりませんか)、この中学で一番最初に履いたのが青山さんらしい。女子のカリスマ的存在。
そして、三人目は桃川さん。
小柄で色白、アイドルっぽい顔立ちに、巨乳とゆう反則すぎる武器を持った、エロチック女子だ。
:14/08/29 01:46 :SBM302SH :/Y.32Epo
#12 [色えんぴつ]
学年では有名な三大美女として、三人共仲良くしてるけど、普段はそれぞれ、金田さんならヤンキーの友達。青山さんならギャルの友達。そして、桃川さんは生徒会なんかもやっているので真面目だけど、俺たちみたいに地味ではなく、明るくて爽やかな友達といた。
ジャイアンもスネ夫も、昔からそんな桃川さんのファン。
同じクラスになってからは、変態のようにいつもこっそり桃川さんを観測していた。
でも実は俺は…。
「俺はやっぱり金田さん派だからなぁ。」
そう、俺は金田さんのようにスラッとした美人がタイプなのだ。
:14/08/29 01:53 :SBM302SH :/Y.32Epo
#13 [色えんぴつ]
「出たよ!のび太のドM発言!」
キモオタの俺がヤンキーの金田さん推しとゆう度に、スネ夫はドM扱いしてくる。
まぁ、確かに…。
そうかもしれません…。
「なぁのび太〜、一言でも良いから桃川さんと会話してみろよぉ。」
モジモジしながらジャイアンが俺の脇腹をツンツンしてくる。
「会話!?そんなん無理に決まってんだろ!三大美女だぞ!?」
三大美女じゃなくても女子とは、はなから話せませんが。
:14/08/29 01:58 :SBM302SH :/Y.32Epo
#14 [色えんぴつ]
そんなこんなで、なんだかんだ俺たちも席替えを楽しんでいた。
新しい席に着いて、一週間ほどがたった頃だ。
自習の時間があった。
席に着いて好き勝手やるみんな。
俺は一番後ろの席とゆう事を良いことに、プリントの裏に漫画を書いて暇潰しをしていた。
暇なときはいつもついつい好きな漫画を真似て書いてしまう。
「ねえのび太くんっていつもそうやって、なにかいてるの? 」
:14/08/29 02:03 :SBM302SH :/Y.32Epo
#15 [色えんぴつ]
突然話しかけられて、一瞬フリーズする俺。
今のび太くんって言ったよな?
俺のこと??
てか、この声ってやっぱり…
桃川さん!?
予想外の状況を読み込めず、目を見開いたまま桃川さんを見つめてしまう俺。
すると桃川さんは不思議そうにそんな俺をじっと見つめ、ふふっと微笑みながら俺のプリントを覗きこんだ。
:14/08/29 02:06 :SBM302SH :/Y.32Epo
#16 [色えんぴつ]
初めて桃川さんと目があったし、こんなに近くで見れる日が来るなんて思っていなかった為、明らかに俺は動揺していた。
え…。え…。
いや待て、ドキドキしてる場合じゃない。
優等生で真面目な桃川さんだけど、あの金田さんや青山さん、他のヤンチャな男子とだって仲良いんだから、変な奴と思われたら俺…いじめの標的にされる!!!
そんなのはごめんだ。
桃川さんとはなるべく関わらないようにしよう。
:14/08/29 13:51 :SBM302SH :/Y.32Epo
#17 [色えんぴつ]
「わぁ、すごーい!のび太くん、すごい絵上手なんだ!!!見せて見せて!」
そんな俺の思いも知らず、桃川さんはグイグイ俺に近付いてくる。
「え、え、あの…。」
緊張でうまく言葉が出ない。
「すごーい、本物の漫画みたい〜。」
キャッキャッとはしゃぐ桃川さんからは、嗅いだことのない爽やかで、甘い薫りがした。
それにしても、噂通りやっぱりすげー乳がデカイなぁ。中学生のくせに、そのスタイルは反則だぜ。
「フゥー…。フゥー…。」
:14/08/29 13:56 :SBM302SH :/Y.32Epo
#18 [色えんぴつ]
は!
ヤバい、鼻息がどんどん荒くなる俺。
「か、返してよ…。たいしたことないから…こんなの…。」
俺は桃川さんからプリントを奪い取り、机にうずくまった。
「あ!まだ見てないのに…!!」
すると、桃川さんはとんでもない行動に出た。
「のび太くん〜!!見せてよ〜!!」
プリントを取り返す為にうずくまった俺の後ろに回り込み、俺の腰に手を回しプリントを掴もうとする。
「え…!???」
ちょ、ちょっと待て。む、胸が当たってます!やばいやばいやばい、そんなに動くな。
「えーい!きゃはは。」
はしゃぐ桃川さん。
ち○こが膨らむ俺。
:14/08/29 14:01 :SBM302SH :/Y.32Epo
#19 [色えんぴつ]
「や、やめてよ…。」
もう俺は顔も耳も真っ赤であろう。
それでも胸をガンガン押し付ける桃川さん。
はぁ…。柔らかけ〜。気持ちいい。
「こら!のび太!桃川!何さわいどる!」
ひ!
監視役の教師に一喝され、クラス中のみんなが俺達に注目する。
状況を知らないみんなからすれば、キモオタの俺に後ろから抱きつく三大美女の桃川さん。
教室の空気が一瞬にしてザワつく。
:14/08/29 14:07 :SBM302SH :/Y.32Epo
#20 [色えんぴつ]
「いちゃつくなら廊下でやらんかい!」
ニヤリと意地悪そうに言う爺さん先生。
桃川さんは下をペロッと出して「ヘヘ、スすいませーん。」と言い席に戻った。
ホッとする俺。
しかし、クラスの視線が痛い…。
何故こんな状況になったのかを不思議そうに見てくるのだ。
目立つことを一番避けて学校生活を送ってきたとゆうのに…俺は桃川さんを怨めしく思った。
:14/08/29 14:16 :SBM302SH :/Y.32Epo
#21 [色えんぴつ]
すると桃川さんの前に座る、学年一のイケメンのモテ男、後藤くんが俺に聞こえるような声で桃川さんに言った。
「桃川。大丈夫か?何してたんだよ?」
振り向きながら桃川さんの髪の毛を撫でるイケメン後藤。
後藤くんと、 桃川さん。
なんてお似合いなんだ。もう桃川さんは隣の俺なんかじゃなく前の席の後藤くんとずっと仲良くしててくれよ。
こんな注目されるのは、二度とごめんだぜ。
:14/08/29 14:22 :SBM302SH :/Y.32Epo
#22 [色えんぴつ]
「ううん。別になにも。」
桃川さんは小悪魔的な笑顔で後藤くんの手をかわす。
その光景をつい見いってしまった俺は桃川さんと目が合い、とっさに目をそらした。
「のび太くんと私の秘密だもん。ね!?のび太くん!」
ギョギョギョ。
思いもよらない発言にまた言葉が出ない俺。
ふと後藤くんを見ると、不機嫌そうに俺を睨んでいた。
ヤバイ。勘違いされてるじゃないか。俺は無罪かのに!
:14/08/29 14:26 :SBM302SH :/Y.32Epo
#23 [色えんぴつ]
そらからとゆうもの、何故か桃川さんはちょっちゅう俺にちょっかいをかけてくるようになった。
桃川さんが俺に話しかけるせいで、後藤くんや、クラスのイケてるグループの奴らも俺に話す事が増えてきた。
それでもいじめられることもなく、それ以上に仲良くなることもなく、別に何も害は無かったから安心した。
相変わらず可愛い桃川さんには緊張するけど、毎日話すことで少しずつ最初より会話が出来るようになった。
「のび太くん!この前の漫画の続き書けた??」
「うん。持ってきたよ。はい。」
:14/08/29 14:31 :SBM302SH :/Y.32Epo
#24 [色えんぴつ]
何故だか桃川さんは俺が書いた漫画にハマり、書くたびに見せることになっていた。
しかも俺が漫画を書いていることは、後藤くんたちには内緒にする桃川さん。
俺は別に内緒にしてもらわなくても良いんだけど…。
:14/08/29 14:33 :SBM302SH :/Y.32Epo
#25 [色えんぴつ]
ある日の休み時間の事だった。
「のび太くーん!ねぇ、この漫画、のび太くん持ってない?」
話しかけてきたのは、ミギワさんだった。
最近までは女子と言ったらミギワさんしか話したこと無かったけど、ここ最近桃川さんと毎日話しているせいか、ミギワさんの顔面の迫力がより一層増して感じた。
やっぱ桃川さんは可愛いよなぁ。
あれ?何俺桃川さんのこと考えてるんだろう。
まずいまずい。俺なんかが叶う相手じゃないんだから、調子に乗ったらそこでおしまいだぜ。
:14/08/29 14:37 :SBM302SH :/Y.32Epo
#26 [色えんぴつ]
ジャイアンとスネ夫と俺の三人に自然に溶け込むミギワさんと、休み時間を過ごし、チャイムが鳴って、席につく俺。
なんだかじっと俺を見つめる先に座っていた桃川さん。
あまりにも直視してくるので、「な、なに…?」
と、恐る恐る聞くと、少し膨れて言った。
「のび太くんってさぁ、ミギワさんと仲良いんだぁ??」
「え!?いや、仲良いってゆうか…。」
「え!?付き合ってるの?!」
「は!?いやまさか!!ただの友達みたいなもんかな…。」
「なーんだ、良かった。」
「…。」
:14/08/29 14:50 :SBM302SH :/Y.32Epo
#27 [色えんぴつ]
良かっただと…?
それは一体どうゆう意味が込められてるんだ…。
まさか…いやいや、そんなわけない。
調子に乗ってパラダイス気分になったところで、地獄に突き落とされる、そんなオチが目に見えてるじゃないか。
「俺なんかにそんな…彼女なんて…出来るわけないでしょ…。フゥーフゥー。」
鼻息混じりにボソッと呟く俺。
:14/08/30 22:37 :SBM302SH :QzfBa6IA
#28 [色えんぴつ]
「そうかな?確かにのび太くんそうゆうの興味なさそうだけど、彼女いても全然おかしくないのに!」
桃川さんは、毎日俺にちょっかいかけて、こんな風に俺をいい気分にして、一体何を企んでるんだろう。
もしかしたらとても恐ろしい女かもしれない…。
早く席替えして、桃川さんから離れたいよ。
「」
:14/08/30 22:41 :SBM302SH :QzfBa6IA
#29 [色えんぴつ]
「だってほら、メガネ外したら、すごい可愛い目してるし。」
なに!!!???
桃川さんは突然俺のもう何ヵ月も拭いてない油でぎとぎとのメガネを勝手に外して手に取り、近距離で俺の顔を見つめる。
俺はかなりの乱視で、残念ながらその瞬間の桃川さんの表情はハッキリ見えなかったけど、興奮しまくりだった。
「か、返してよ!!!」
真っ赤になりながら、桃川さんの手元に手を振りかざすと
…ムニュ
「きゃ!!!」
:14/08/30 22:50 :SBM302SH :QzfBa6IA
#30 [色えんぴつ]
ひえーーー!!!
この感触…間違いなく胸を揉んでいる。
「わっ!あ、あ、ご、ごめんなさい!」
幸運な事に誰にも見られてなかった。
しかし、さすがにこんなことをしたら桃川さんももう俺に関わらないだろうと、少し開き直っている自分もいた。
:14/08/30 22:54 :SBM302SH :QzfBa6IA
#31 [色えんぴつ]
「ううん。ごめんね、見えなかったんでしょ?」
桃川さんは怒ることなく、むしろ少し頬を赤らめて、油でぎとぎとのメガネを返してくれた。
スローモーションでメガネをかけながら、俺は何も言えずに下を向いていた。
「…ミ、ミギワさんってさ、明るいし…誰にでも平等ってゆうか、良い子だからよいと思うよ!もし、告白とかするなら協力するし…言ってね!」
気まずい雰囲気の中、桃川さんはそんなことを言った。
:14/08/30 22:59 :SBM302SH :QzfBa6IA
#32 [色えんぴつ]
ミギワさんは、俺なんかが言うことじゃないけど、みんなから痛い子だって思われてるような存在で、誰もミギワさんを誉める奴なんかいないし、それに比べてリア充の桃川さんが、ミギワさんを良い子だって言うなんて、意外すぎてビックリした。
目立ってあか抜けてる存在の人たちは、俺たちのような地味で暗い奴のことは、全員嫌っているんだと思っていた。
それと、少しだけ、ミギワさんとの恋を桃川さんに応援されるなんて、面白くないと思ってしまった。
俺にはミギワさんくらいがお似合いだろうけど…。
:14/08/30 23:05 :SBM302SH :QzfBa6IA
#33 [色えんぴつ]
学校の帰り道。
いつも通りジャイアンとスネ夫と3人で帰っていた。
「なぁのび太。おまえますます桃川さんと仲良くなってないか、最近。」
スネ夫がイラつきながら俺に言う。
「ねぇいつも、桃川さんと何話してるの??…桃川さん良い匂いする??」
ジャイアンは安定のキモオタ。
「そうかな?そのせいで後藤くんやら、他の女子やらにいじられて、こっちは毎日ストレス溜まるんだよ。」
:14/08/30 23:09 :SBM302SH :QzfBa6IA
#34 [色えんぴつ]
胸を揉んでしまったことや、桃川さんが、変に俺のことを褒めてくることはこいつらに言うと絶対めんどくさいので隠しておこう。
案外後藤くんや、他のクラスメイトと話すのも悪くないと思っていたけど、それも何故だか素直に認められない自分がいた。
何より俺達オタクは自分に自信がない為に、調子に乗りたくないのだ。
:14/08/30 23:11 :SBM302SH :QzfBa6IA
#35 [色えんぴつ]
「ねぇ、俺さ、一度で良いから桃川さんと話してみたい!のび太うまいことやって、俺と桃川さんが話せる空気作ってよ!」
スネ夫がそう言うと、ジャイアンはモジモジしながら
「俺は見てるだけで良いやぁ…。」
と言った。
「無理無理!俺にそんな事出来るわけないじゃん。いっつも話しかけてくるのは向こうだし…。」
「うわ!自慢かよ!」
「ただの事実だよ!」
言い合う俺達の様子を伺いながらジャイアンが小さな声で言った。
:14/08/30 23:16 :SBM302SH :QzfBa6IA
#36 [色えんぴつ]
「…じゃあさ、こうゆうのはどう??国語の先生さぁ、いつもチャイムが鳴ってから5分くらいは教室に来ないから、みんな席につくの遅いじゃん??俺とスネ夫が、先生が来るまでのび太の席に固まってるんだ。そしたら、もしかしたらチャンスがあるかもしれないよ。」
「それだ!!!」
スネ夫はご機嫌でその案を賛成。
そんなにうまく行くんだろうかと、俺はしぶしぶ了承。
だいたいいつも時間通り席につく俺らが、そんなことしたら不自然なんじゃないのか。
:14/08/30 23:19 :SBM302SH :QzfBa6IA
#37 [色えんぴつ]
そんなこんなで、いざ、決行。
キーンコーンカーンコーン
いつものようにチャイムが鳴っても席につかない生徒たち。
スネ夫とジャイアンは、慣れない雰囲気満載で俺の席のそばに固まって、俺と会話をする。
俺達からしたら、すごく慣れていない光景だが、まわりは特に気にしていない。
さすが存在感のない俺達。
:14/08/30 23:21 :SBM302SH :QzfBa6IA
#38 [色えんぴつ]
三人とも横目で桃川さんに釘付け。
桃川さんは、後藤くんに話しかけられて笑っていた。
「フゥー。フゥー…。」
ジャイアンの鼻息が荒い。
きっと、至近距離の桃川さんに、興奮しているんだろう。
「やべぇよ、全く話せる感じしないよ!」
スネ夫が焦ると、鼻息をピタリと止めてジャイアンが力強く言った。
「秘策があるんだ。」
:14/08/30 23:24 :SBM302SH :QzfBa6IA
#39 [色えんぴつ]
その瞬間ジャイアンが桃川さんの机のしたの方へ、胸ポケットに入っていたボールペンをわざと落とした。
カランカラン。
それに気付いて拾い、俺達の方を向く桃川さん。
桃川さんと目があったのか、スネ夫は直立不動で固まる。
ジャイアンがそんなスネ夫をドンと押し、桃川さんに、一歩近付く。
「おわっ!」
真っ赤っ赤のスネ夫。
「これ、スネ夫くんの?」
:14/08/30 23:27 :SBM302SH :QzfBa6IA
#40 [色えんぴつ]
「え!?あ!うん!そう。あ、ありがとう…。」
スネ夫の夢、叶う。
「はい!」
「あ…。ありがとう!…ございます…。」
もう、ふにゃふにゃのスネ夫。
「なんか珍しいね、ここに集まってるの。いつもベランダの扉の前にいるでしょ?スネ夫くんたち三人とも。」
「…。はい。たまたま、はは。」
:14/08/30 23:30 :SBM302SH :QzfBa6IA
#41 [色えんぴつ]
その時また後藤くんが、桃川さんに話しかけた為、会話終了。
こんな短い薄っぺらい会話でも、スネ夫のテンションとジャイアンの興奮はうなぎ登りだ。
「のび太、ありがとう!!!お前のおかげだ!!!」
「ココロの友よ〜!!」
爽やかな表情で席につくスネ夫とジャイアン。
:14/08/30 23:33 :SBM302SH :QzfBa6IA
#42 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/27 20:11 :Android :DE5DdzBs
#43 [わをん◇◇]
抑揚のない声とは対照的に、顔は少し悲しそうに見えた。
なんとなくそれ以上聞けなくて黙っていると、亮が口を開いた。
「ナナシさんはこの仕事好きですか?」
好きなわけない。
決して楽しいわけじゃない。
そこまで心を失ってはいない。
:22/11/03 18:47 :Android :DPKzmpdw
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