砂糖が甘い理由
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#104 [花]
チャリを飛ばしてD分。
細道から国道沿いに出ると,明るく電灯が光るコンビニに着いた。
きっと城谷はいるはずだ。
チャリを駐車場の際に起き,深呼吸をして胸をなで降ろす。 そして入る前にもう一度 あの言葉を練習する。
横目で覗いたレジの中に見えた―
髪を二つに結んだ女の子… 城谷だ。
:06/07/07 21:08 :F700iS :Kz.tby9A
#105 [花]
城谷の姿がしっかり確認されると,俺は怖じ気づいたように 心臓が揺れた。
しかし足は震えながらも動いていた。
城谷がいるコンビニの扉の方へ…
ピンポン ピンポ-ン
入ってしまった。
どうしようもなくなり城谷のほうを見ると
[いらっしゃいませ,こんばんわ]
城谷が軽く投げ掛けた。
そして城谷は俺の顔を見ると,驚いたように目を丸くしていた。俺は城谷から目を反らせなくなっていた。足も扉から動かない。
[達也…???]
城谷が俺の名前を呟いた
:06/07/07 21:14 :F700iS :Kz.tby9A
#106 [花]
俺は顔がほてる自分に気がつき,焦って城谷に返事を返す
[おす。何だよ,城谷こんなとこでバイトしてたんだ。俺ん家すぐそこだからさ〜]
平然を装ったつもりが,逆に声が裏返った。
[うん。深夜勤務だから会うことなかったんだね]と,城谷はまた呟くような声で言った。
俺は お茶と雑誌を素早く選んで城谷のいるレジに立った。
言わなくきゃいけない…あんなに練習もしたんだ。
言わなきゃ。
今,言わなきゃ…
[城谷!!!!あのさぁ〜]
:06/07/07 21:24 :F700iS :Kz.tby9A
#107 [花]
城谷はレジを打ちながら,上目で俺をちらりと見た。
以外に背が高くないのかも。
170pくらいあると思っていた城谷の身長は165pあるかないかだった。俺は180pだから二人の差は…とくだらない計算を始めて,言おうと思っていた言葉のタイミングを失う。
[バイト,こんな時間まで大変だな]
笑顔で吐き出した言葉は全く練習してきたものとは違う言葉。
俺は自分の不甲斐なさに呆れる。
城谷は無表情で
[これくらい平気だよ]
と言った。
:06/07/07 21:41 :F700iS :Kz.tby9A
#108 [花]
そう言った城谷の目はいつものように綺麗だが,冷たく鋭い。
きっと今の城谷の言葉のあとに続くのは
[これくらい平気だよ…裕也のためなら]
だと勝手に思った。
俺は城谷の髪型の感想やら,品揃えの話やらを口走るが,いいたい言葉は出ない。
たった少しなのに。
だんたんにぎりしめていた携帯が汗で滑る。
明日は土曜だから学校もない。
言うなら今日しかないんだと思った
:06/07/07 21:46 :F700iS :Kz.tby9A
#109 [花]
城谷はお茶と雑誌を袋につめ終わって
[ありがとうございました]
と言って俺に袋を差し出した。
俺は城谷と目を合わせた。城谷も不思議そうに俺を見つめる。
[城谷…]
俺はごくりと唾を飲む。
[あの……連絡先…教えてくれる???]
:06/07/08 16:09 :F700iS :75UxT/gw
#110 [花]
言った!!!!
ついに出した言葉は,震えていたし,小さかったし,何とも情けなかった。勇気を振り絞って言ったものの城谷からの返事はない…
沈黙が少々続いたあと,城谷が申し訳なさそうに返事をくれた
[ゴメン達也。あたし携帯持ってない。
家の電話番教えても,ほとんど家にいないから出ないし…今時ダサいよね。でもあたしには必要ないし]
恥ずかしそうに俯いて,それ以上何も話さない城谷。
:06/07/08 16:28 :F700iS :75UxT/gw
#111 [花]
俺は城谷がすごく愛おしくなった。
俺は俯いた城谷の顔を優しく持ち上げ
[いいんだ。俺こそ悪かった。じゃあ変わりに月曜…屋上で話がしたい]
と言った。
あれだけ連絡先を聞くのに戸惑っていた俺なのに,この時はこんな大胆な言葉がすんなり出たのか自分でもわからない。
でも,城谷と話したい気持ちが強かったからだと思う。
:06/07/08 16:29 :F700iS :75UxT/gw
#112 [我輩は匿名である]
:06/07/08 19:46 :SH901iS :vOG7/W2Y
#113 [花]
:06/07/08 21:01 :F700iS :75UxT/gw
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