砂糖が甘い理由
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#133 [花]
優が止めたクラスはB年D組
城谷は一番下の左隅に写っていた。
今より少し幼いけど,あの目は今と全く変わらない。綺麗な顔でまっすぐこっちを見ていた。
俺はその写真を見つめながら,公園のベンチにゆっくり座った。
:06/07/19 11:35 :F700iS :tbkOFwww
#134 [花]
[達也!]
俺が城谷の写真にみとれているうちに,優は近くの自販機でジュースを買ってきてくれた。
[サンキュー…]
ぼーっと城谷を眺めながら月曜のことを考えた。城谷に会える。
中学の話聞いてみようかな,なんて考えた。
[達也さ〜…もしかして昨日俺と電話したあと城谷に会った???]
優が意外な事を聞いてきて 俺は驚いた。
鋭い…
:06/07/19 21:58 :F700iS :tbkOFwww
#135 [花]
優の真っすぐな言葉に俺は隠し切れずに,小さく頷いた。
優はやっぱりといったように,俺を見下ろし,空を仰いだ。
[でも,城谷とはコンビニで少し話しただけで,すぐ帰ったんだ]
俺は焦って話す。
[連絡先とか聞かなかったのか?達也らしくないな〜]
見透かしたように優は軽く言った。
[別に俺は…]
俺が言葉に詰まっていると,優はため息をついた。
:06/07/20 17:38 :F700iS :vh5TIEvQ
#136 [花]
[無理にうそつくなよ。らしくない
俺は何もやましく思ってねーし,達也の事なら少しは理解してるつもりだよ]
話しながら優は飲み終えた缶ジュースをごみ箱に投げた。
…少しじゃねーよ。優は俺の全て理解してくれてるじゃん。
泣きそうになった。
俺城谷のことが好きなんだ…!!
逃げ続けてきた俺の中の事実をしっかり自分自身で確かめた。
優は泣きそうな俺を察して,背を向けたままでいてくれた。
:06/07/20 17:44 :F700iS :vh5TIEvQ
#137 [花]
そんな時,俺の携帯がいきなり鳴った。
正直二人とも驚いて,優は背を向けていたが振返り,苦笑いをした。
携帯の着信の相手は美穂子。まさにバットタイミング…
俺はため息をついてから思い切りまた空気を吸い込み,電話に出た。
[もしもし,美穂子???]
:06/07/22 19:09 :F700iS :O2aYlb92
#138 [花]
[達也ァ-!今どこにいる???家???]
美穂子はハイテンションで明るく話し掛けてくれる。
俺は少しためらったが,すぐ返事を返した。
[今は駅前の公園。優と一緒だよ]
[そっかぁ。ねぇ明日会える???]
この美穂子の言葉に
[悪い。明日は家族で出掛けるんだ]
と咄嗟に言ってしまった。明日は何も予定なんかないのに…
優は黙って俺のほうを心配げにみている。
弱くて卑怯な自分がいやになった。
:06/07/22 19:24 :F700iS :O2aYlb92
#139 [寿]
仕事中だけど更新まってます 頑張ってね
:06/07/28 12:45 :P901iS :RTRQQiHE
#140 [花]
:06/07/28 17:30 :F700iS :YbfMQd/6
#141 [花]
美穂子は一瞬電話の向こうで静まった。
そしてすぐ
[わかった!!!!また連絡する]
と言って,明るく返事をした。
俺は自分の弱さに加えて美穂子に申し訳なくて,また涙が出そうになった。
電話を切ったあと,また深いため息が出た。
優は俺の肩を軽く撫でてくれた。
[なぁ…優
俺 どうしたらいいんだろう。わかんねぇよ]
:06/07/28 17:40 :F700iS :YbfMQd/6
#142 [花]
情けなくて,不甲斐なくて,優柔不断な自分。
俺は城谷のコトを思えば思うほど,城谷に魅かれていく。
でも美穂子に別れを告げる自信なんか…あるわけない。
優は少しの間黙っていた。
[…達也は優し過ぎるんだよ。
でもその優しさがきっと両方をいつか傷つけることになる。
ケジメ…つけるんだよ]
と おおらかに言った
:06/07/28 17:47 :F700iS :YbfMQd/6
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