砂糖が甘い理由
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#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
#332 [花◆AV8KevAYKk]
病室の扉を開けると,柔らかい風が吹いた。
紗弥の甘いかおりが漂う…
いや,部屋中紗弥と同じ匂いがする。
[裕也ぁ〜]
紗弥は広い部屋の片隅にある白いベッドのカーテンを勢いよく開けた。
ベッドの上には水色のパジャマを着た,細くてなんとも華奢な男の子が体を半分だけ起こして,空を見上げていた。
髪は茶色くて,目が丸い。髪がもう少し長かったら女の子に間違いそうだ。
[お姉ちゃん!]
裕也君は紗弥を見て嬉しそうに言った。
:06/08/21 22:01 :F700iS :9MSW5YGA
#333 [花◆AV8KevAYKk]
しかし,その愛らしい顔は紗弥の後ろについていた俺の姿を見て,一瞬だけ顔色を曇らせた。
紗弥はそれに気付いて
[ほら,この前写メで見せた…達也だよ?]
[あッ,初めまして!柿山達也でーす…]
一応俺なりの最大の微笑みをしたつもり。
裕也君は写メを思い出したみたいに,あッという顔をして紗弥と目を合わせて笑った。
そしてすぐ俺に向き直して,白くて綺麗な歯を出して笑ってくれた。
[城谷裕也です!]
:06/08/21 22:07 :F700iS :9MSW5YGA
#334 [花◆AV8KevAYKk]
[ねぇ裕也!うちら一緒に裕也の好きなケーキ買ってきたんだよ〜?
ねッ,達也]
[え!ほんとう?]
裕也君は,可愛い笑顔をより一層にして笑い,ベッドの窓側から椅子をとって並べてくれた。
[ほらッ。俺も一緒に食っていい?]
俺は愛想よく裕也君がとってくれた椅子に座って,ケーキの箱を裕也君に渡した。紗弥もすぐ横に座った。
紗弥は学校の紗弥じゃ考えられなかったくらい,裕也君の前ではよく笑って,よく喋った。
俺もなんだかそれが嬉しかった。
:06/08/21 22:14 :F700iS :9MSW5YGA
#335 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は棚から小皿とフォークを出して,ケーキを取り分けた。
[裕也,今は一個ね。]
[うん!]
裕也君にはガトーショコラ。俺と紗弥は苺のショートケーキ。
だけど箱にはまだケーキが残ってる。一体裕也君に何個買ったんだよ。
B人でケーキを食べていると,なんだか俺も家族の一員みたいになれた。
裕也君はおいしいね,と俺に笑ってくれた。
可愛くていい子だな…
みんなが食べ終わると,紗弥はすぐ使った食器を洗ってくると言って,ついでに花瓶を持って病室を出て行った。
:06/08/21 22:22 :F700iS :9MSW5YGA
#336 [花◆AV8KevAYKk]
…おいおいおいおい!!
A人にされると何話したらいいのかわからねえーよ。
と思っていたら案の定沈黙…
裕也君はさっきみたいに窓の外を見て,まぶしそうにしていた。
[あ…カーテン閉めようか?]
俺が立ち上がって動こうとすると,裕也君は俺の服を掴んで,ゆっくり首を横にふった。
[ありがとう!でも僕,空が好きだからいいんだ]
そう言って笑った顔は,決して紗弥には似ていないんだけど,雰囲気や瞳の奥が紗弥にそっくりだった。
:06/08/21 22:30 :F700iS :9MSW5YGA
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