冷めた身体
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#300 [主]
『もしも-し
唯ちゃんどした?』
あ-和也の声だ。
安心する。
「和ちゃん、唯ね
和ちゃんが1番大事だよ」
『いきなりど-した笑
やっと気付いた〜?』
いたずらに笑った。
「うん‥やっと気付いた。
だからちゃんと和ちゃんだけにする」
:06/11/25 12:10 :V703SH :U8tK2JUU
#301 [主]
『‥ん?‥うん』
「今から会ってくる。
ちゃんとしてくるから」
和也はしばらく黙った。
驚きとか不安とか嫉妬が
あったんだと思う。
1番は不安かな。
和也は心配症だから。
:06/11/25 12:13 :V703SH :U8tK2JUU
#302 [主]
『やだよ‥』
「え?」
『会って欲しくないよ。だってそいつもどうせ唯の事好きなんだろ?』
「‥ちゃんと
終わりにするから。」
『…分かった。
信じてるから行っていいよ。頑張ってな』
和也
強がり言わせてごめん。
でも最後だから。
:06/11/25 12:17 :V703SH :U8tK2JUU
#303 [主]
『唯!俺まじでお前の事好きだから!』
いきなり告ってきたよ。
「知ってるよ(笑」
『やだーって言っても絶対離さんからね!』
「はいはい」
『帰ってきたら絶対連絡してよ‥』
「うん分かってる。ごめんね、和ちゃんありがと。」
:06/11/25 12:22 :V703SH :U8tK2JUU
#304 [主]
和也は明るく電話を切った。
今まで相手を想いながらも
結局自分本位だった。
でもあたし達
少しは成長したよね?
これからも二人で
支え合って
いけたらいいね。
和也がコケたら
あたしが手を貸すし
あたしがコケたら
馬鹿にしたみたいに
優しい笑顔で笑ってね。
そ-やって行こうね。
:06/11/25 12:32 :V703SH :U8tK2JUU
#305 [主]
電話を切るとすぐに
雅樹から着いたよのメール。
コ-トを羽織って
急いで部屋を飛び出した。
最後
最後
最後
この言葉が
頭の中を駆け回っていた。
ガチャ‥
玄関を開けると
雅樹の車があった。
これを見るのも最後‥
:06/11/25 12:37 :V703SH :U8tK2JUU
#306 [主]
「唯ちゃん」
この声を聞くのも最後‥
この手の温もりも最後‥
助手席を開けてもらって
お礼を言うのも最後‥
芳香剤と香水の匂いが混ざった
心地良い香りも最後‥
雅樹に逢うのも
今夜で最後。
:06/11/25 12:40 :V703SH :U8tK2JUU
#307 [我輩は匿名である]
:06/11/25 15:15 :N902i :k0MXok0c
#308 [主]
胸が苦しい。
息がうまく
出来てない気がする。
あたしを助手席に乗せた雅樹が
運転席に座りドアを閉める。
バタンッ
:06/11/26 01:23 :V703SH :deuPE37A
#309 [主]
「唯ちゃんだ〜♪」
ええ。
唯ちゃんですよ。
拍子抜けの第一声に
気持ちが緩んだ。
「雅樹だぁ(笑」
:06/11/26 01:25 :V703SH :deuPE37A
#310 [主]
「唯ちゃん〜
唯ちゃん〜」
「なぁに?」
「なんも-。
呼んでるだ-け」
「え〜?
なにそれ-笑」
「もしや俺キモい?笑
」
笑いながら
あたしの手を握って
車を発進させる。
:06/11/26 01:29 :V703SH :deuPE37A
#311 [主]
変わらない雅樹の温もり。
やっぱりあったかくて
あたしはじっと
握られた手を見てた。
車はいつも走らない様な道を進む。
どこ行くんだろ。
:06/11/26 01:32 :V703SH :deuPE37A
#312 [ちか]
続き気になるぅ」
:06/11/26 01:59 :W41CA :LXN8irv.
#313 [主]
ちかサンありがとう☆
車は走る。
雅樹は黙って運転してた。
こんなに静かな雅樹見た事ないくらい
話さない。
あたしはドキドキしながら
雅樹の体温を感じてた。
:06/11/26 02:09 :V703SH :deuPE37A
#314 [主]
「え?」
気付いた時には
車は左折して
お城の門みたいな入り口に
入ってった。
綺麗なクリスマスツリーに
ピカピカの電灯。
「えッえッ?」
出会ったの場所とか
二人で行った場所とかじゃなく
着いたのはホテルだった。
:06/11/26 02:14 :V703SH :deuPE37A
#315 []
応援してます
:06/11/26 02:19 :N902iS :UqCsuBo2
#316 [我輩は匿名である]
:06/11/26 02:51 :SH902i :OQqSUJYQ
#317 []
:06/11/26 13:27 :P701iD :rTDFpdLU
#318 [ぽち◆p0ch1/x5S.]
パンダになッて∪まッたあ
笑
雅樹ッて漢字違うけど
彼氏と一緒の名前
笑
これからも頑張ッて
:06/11/26 15:38 :N702iD :jcht11RM
#319 [主]
皆様ありがとう☆とッてもうれしいデス涙
あたしは戸惑いながら
雅樹を見た。
だってこんなとこ来るなんて
予想外もいいとこ。
え?だって雅樹は‥
え?身体だけだったの?
:06/11/26 22:08 :V703SH :deuPE37A
#320 [主]
冷たい
冷たい
感覚が
身体を覆い尽くす。
今夜は外も
寒いからかな。
「着いたよ」
車を停めた雅樹は
一言残し
車を出る。
「…身体‥か。」
:06/11/26 22:11 :V703SH :deuPE37A
#321 [主]
虚しくなった。
愛じゃなかった?
温もりは
なんだったんだろ。
でもいい。
今まで雅樹を苦しめた分
あたしの身体で埋められるなら。
:06/11/26 22:15 :V703SH :deuPE37A
#322 [主]
ガチャ
外から助手席のドアが開けられた。
「唯ちゃん‥」
差し出される手を
握った。
手を引かれ
無言のまま
ホテル内に入る。
カツカツカツって
あたしのパンプスの音だけが
響いてた。
:06/11/26 22:18 :V703SH :deuPE37A
#323 [主]
自動ドアが開くと
暖かい空気に包まれる。
雅樹が部屋を選んでる時も
エレベーターに乗り込む時も
あたしはずっと下を向いてた。
何かを考えてた訳じゃない。
ただ
すごく
身体だけが冷たかったんだ。
:06/11/26 22:23 :V703SH :deuPE37A
#324 [主]
部屋に着いたらしく
雅樹がドアを開ける。
ためらう事なく
あたしも中に入る。
「唯ちゃん
こっち来て」
スリッパに履き代えて
あたしは雅樹の背中を見る為
顔を上げた。
なんかこの部屋‥
めちゃくちゃ広い。
:06/11/26 22:27 :V703SH :deuPE37A
#325 [主]
ドアを一つ開けると
部屋の片面が
全部‥窓?
なんてゆ-の?
とにかく
景色が一望出来る様になってた。
あたしは言葉を失った。
「唯ちゃん
綺麗なの
好きだもんね」
雅樹が優しく
髪を撫でた。
:06/11/26 22:32 :V703SH :deuPE37A
#326 [主]
ぶわって
涙が。
よくわかんない。
嬉しいんじゃない。
悲しいんじゃない。
寂しいんじゃない。
雅樹
ごめんなさい。
傷付けて
ごめんなさい。
:06/11/26 22:34 :V703SH :deuPE37A
#327 [主]
「あ-あ
泣いちゃッた笑」
髪を撫でる掌は
やっぱり雅樹で
自分だって泣きそうな顔してるくせに
あたしを想って笑う所も
やっぱり雅樹で
どこまでいっても
雅樹は雅樹で
ほんと
あったか過ぎるよ。
:06/11/26 22:37 :V703SH :deuPE37A
#328 [主]
「唯ちゃん?
俺さ-唯ちゃん好きになれて良かったな」
「‥ヒクッ‥」
「俺みたいな男でも
ちゃんと人をさ-好きになれるって分かったから」
「‥ズッ‥ぅん」
「いっぱい悩ませてごめんね」
首を横に振った。
悩ませたのは
どっち付かずだった
あたし。
:06/11/26 22:42 :V703SH :deuPE37A
#329 [主]
「この景色‥
唯ちゃんに見せたかったんだ」
「‥ヒクッ‥前に‥誰と来たんだよ」
「‥あ゙。」
「ぷッ(笑」
分かってる。
分かってるよ。
わざとそ-やって
言うの。
優しい雅樹の癖だもん。
:06/11/26 23:02 :V703SH :deuPE37A
#330 [主]
「唯ちゃん。
ゆーいちゃん♪
唯ぴょん♪
‥ユイリンオブジョイトイ。」
「‥M字やるべきですか?」
「お願いします。」
真面目な顔した後
吹き出して笑って
あたしを見た。
「かわい-ね
ユイリンわ。」
:06/11/26 23:07 :V703SH :deuPE37A
#331 [主]
「かわいくないよ。
ちょ-ひねくれてるし。」
「可愛いよ」
「ん-ん。
悪女ってゆ-か悪魔だもん」
「はは笑
俺悪魔にハマッちゃッたわ」
雅樹は冷蔵庫から缶チューハイを出し
一口飲んだ。
:06/11/26 23:13 :V703SH :deuPE37A
#332 [主]
ぼーっと
下の夜景を見渡す。
もう遅いのに
明かりがたくさん。
和也
何してるかな。
雅樹
一緒に見る景色
これが最後だね。
:06/11/26 23:19 :V703SH :deuPE37A
#333 [主]
少し振り返って
雅樹を見上げる。
その視線に気付き
雅樹はあたしを見下ろす。
「ちッちゃいな(笑」
「‥」
「あ、ヒ-ルじゃないからかぁ(笑」
「‥」
「ん?なんか顔付いてる?」
「雅樹、
ありがとう」
:06/11/26 23:22 :V703SH :deuPE37A
#334 [主]
「‥え?」
「ごめんって‥
言わなきゃいけないけど‥
唯ね、雅樹にありがとうって
いっぱい思うよ」
「‥」
雅樹の顔見て
気持ちが溢れる。
苦しくて
右手を掴んだ。
:06/11/26 23:27 :V703SH :deuPE37A
#335 [主]
「こんな事‥
唯に言う資格ないし
言っちゃいけないと思う。
でも最後に‥」
雅樹があたしの手を握り返した瞬間
涙が零れ落ちた。
「最後に‥ヒック
言わせてくださ‥い
雅樹の事
ほんとにほんとに
大好きでした」
:06/11/26 23:30 :V703SH :deuPE37A
#336 [主]
初めて言葉にした
あたしから
雅樹への想い。
零れる涙が
気付かせる。
あたしほんとに
雅樹の事好きだった。
大好きだったんだ。
:06/11/26 23:35 :V703SH :deuPE37A
#337 [主]
「‥なんで
そ-ゆう事言う‥」
雅樹は強くあたしの手を引っ張り
すぐ後ろにあった
ベットに
押し倒した。
上に乗り
乱暴に唇を塞ぐ。
「んん‥ッ」
痛くない。
苦しくない。
切ない。
:06/11/26 23:38 :V703SH :deuPE37A
#338 [リぉ]
:06/11/27 03:48 :N901iC :cUKJB3YA
#339 [さき]
ァタシ泣いちゃってるよぉ
更新楽しみデス
:06/11/27 14:39 :P902i :☆☆☆
#340 [主]
コメ嬉しいです☆ありがとぉッ
絡み合う舌が
音を立てる。
唇を離した。
静かに開いた瞳に
泣きそうな雅樹が映った。
:06/11/28 01:09 :V703SH :hV0rypts
#341 [主]
「俺‥
唯ちゃんとは遊びだし‥ッ」
あたしは目を見たまま
頷く。
「うん‥」
「唯ちゃんとか‥
最初からヤリ目だったし‥ッ」
「うん‥」
「唯ちゃんなんか
唯‥」
:06/11/28 01:12 :V703SH :hV0rypts
#342 [主]
無理だよ雅樹。
あたしには
分かっちゃうんだよ。
雅樹のキスが優しい事
あったかい事
愛がある事。
:06/11/28 01:13 :V703SH :hV0rypts
#343 [主]
雅樹は起き上がり
思いっきりあたしの腕を引っ張り
立て膝のまま
強く抱きしめた。
「俺最初から‥
好きだったよ
唯ちゃんの事」
やり場のない言葉が
腕の強さと一緒に
胸に刺さる。
「まじで
好きだったんだよ‥」
:06/11/28 01:15 :V703SH :hV0rypts
#344 [主]
「うん‥」
あたしは背中に手を回して
頷く事しか出来なかった。
「唯‥」
抱きしめる身体は
いつも大きかったのに
今日はとても
小さく感じて
雅樹の声が
消えてしまいそうで。
:06/11/28 01:17 :V703SH :hV0rypts
#345 [主]
「雅樹‥」
強く抱きしめる。
何をしても
結末は変わらないって
あたし達ちゃんと
分かっていたよね。
それでも最後に
求め合ったんだ。
:06/11/28 01:18 :V703SH :hV0rypts
#346 [主]
首筋を舌先が走る。
「ん‥ッ」
ちゅ‥
甘い感触が
身体中を包む。
「ハァ‥あ‥ンッ」
「唯‥」
:06/11/28 01:22 :V703SH :hV0rypts
#347 [主]
なんで
いつもは「あ〜やべ-」とか
「まじ気持ちい-」とかしか
言わないくせに
今日に限って
名前ばかり
繰り返すの?
耳元に残っちゃうよ。
大好きだった
甘くて低い
あなたの声が。
:06/11/28 01:22 :V703SH :hV0rypts
#348 [あーこ]
初めまして
呼んでて涙がとまらないです
二股の経験はないけど愛してるのに離れなきゃいけなくて…その最後の夜を思い出したぁ
愛があるって本当に大事ってあらためて実感した
今の彼氏との恋愛を大事していくためにこれを読めてよかったです
最後まで応援してます
:06/11/28 15:43 :D902iS :o1Ubt8Oc
#349 [みぃ]
:06/11/29 11:24 :SH902i :l/1k9dEc
#350 [主]
嬉しいコメントとあげて下さってありがとうございます☆
雅樹は
いつもより荒っぽく
胸を触り
下着に手を入れる。
「ハァ‥んッ」
速くなる鼓動も
乱れる呼吸も
全てが愛しくて
仕方なかった。
:06/11/29 20:41 :V703SH :zROrZxN6
★コメント★
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