クソガキジジイと少年」
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#418 [ザセツポンジュ]
きーさんは、胸のポッケから最新機種だと思い込んでいる老人用の携帯電話を取り出して3つの数字をプッシュした。

「あっ。こんな昼間からすいません。わたくし木田と申します。…ええ、あんの〜ウチの隣に生息しております鈴木さんと言う、まぁ〜ざっと62歳くらいかと思われますが、えぇ、えぇ。はい、そうですそうです。とんでもないスケベの。」

⏰:06/09/06 18:51 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#419 [ザセツポンジュ]
「その鈴木さんが、ちょっと今流行りの認知症と言いますか。わけのわからない事をワーワーキャーキャーわめいちゃあ、梅昆布茶をふきだしていますので、はい、ちょっとわたくし近所の住人も大変迷惑しておりましてですね。」

すーさんはスケベスイッチを止め、我に返った。
「きーさんどこへダイヤルまわしたんじゃ。」

⏰:06/09/06 18:55 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#420 [ザセツポンジュ]
そんなすーさんの質問はフルスルーしてきーさんは電話を続けた。

「あ、はい。そうですねぇ。じゃあお願いできますか。救急車。えーっと住所は…郵便番号から言います791の…」

「ちょちょちょちょちょ、ちょい待てよ!」

すーさんはきーさんの携帯電話を奪いとり通話を切断した。

⏰:06/09/06 18:58 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#421 [ザセツポンジュ]
「なんだすーさん。今のは。キムタクのつもりかね。」

「ん?だろう。かっこよかっただろう。」

「謝罪しに行きなさいジャ○ーズ事務所まで。」
きーさんは冷静に謝罪を進めた。

「きーさん!そんな事よりなぜワシを病院送りにさそうとするだ。説明してくれ。」

「…ワシは野球の話をしていた。すーさんはうそつき空ちゃんの話をした。腹が立った。病院から出てこなければいいと思った。それだけだ。」

「きーさん。そんっな冗談じゃないか。怒らないでくれ。まだワシはキャバクラ遊びがしたいのだよ。」

⏰:06/09/06 19:08 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#422 [ザセツポンジュ]
そう言ってすーさんは再び梅昆布茶を手に取ろうとした瞬間━。


「おぃ!木田シゲル!お前今、空ちゃんにうそつきと言うフレーズを足してなかったか!!!!!!どういうことか!!!!!空ちゃんをバカにするんじゃあないよ。ワシに殺されたいのかね!!!!」

⏰:06/09/06 19:12 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#423 [ザセツポンジュ]
すーさんはものすごい剣幕でまくしたてた。「お?さっそく必殺つば飛ばしで殺そうとでもしているのかねすーさん。」

顔に飛び散ったすーさんのツバをキレイなタオルで拭き取りながらきーさんはため息をついた。

いきなりボルテージを上げたすーさんは過呼吸を起こすまさにカウント3秒前だ。

「すーさん。じゃあ空ちゃんに会いに行って見るか。どんだけうそつきか。」

⏰:06/09/06 19:15 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#424 [ザセツポンジュ]
過呼吸になりそうな苦しさも、空ちゃんの笑顔を思い出しただけで、すーさんの呼吸は通常の値に戻った。
「そうだな。今日あたり行ってもいい頃だよきーさん。いい提案だ。よし!行こう!」

つい3日前も一人で足を運んだすーさん。

「またあとでな。」
すーさんが風呂に入る支度をしたところできーさんは自宅へ戻った。

⏰:06/09/06 19:20 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#425 [ザセツポンジュ]
コンコンコン。

「トーミオちゃん。おじぃちゃんとお話しーましょ。」

ガチャ。

「入っていいって言ってないだろ!俺を何歳児だと思ってるんだクソジジイ!」

ふと下に目を向けたきーさん。

「やかましいわ!14年しか生きてないクソガキがえらそうな口を叩くんじゃない!このせんずり小僧!」

トミーはきーさんの目の向かう先にある
いかがわしいビデオを手に取り、引き出しにしまった。

「……で、何の用事だ。」

⏰:06/09/06 19:27 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#426 [ザセツポンジュ]
「まぁ、今日はじぃちゃんの話を聞け。お前、あれだ。多分すーさんの孫だな。」

「やめてくれ。俺は将来あんなしょうもないジジイにはならない、確実に。62歳になってもダンディでちょい悪で女にモテまくっている俺がいるはずだ。」

⏰:06/09/06 19:32 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#427 [ザセツポンジュ]
「いやいやいや、すーさんだって昔ホントにモテていたんだぞ。この街の象徴と言えば鈴木さんとこのヒトシ君だろと言っても過言ではなかったよ。なのに今は、あんな落ちぶれスケベジジイだ。」

トミーはかすかに聞こえる隣の老人の風呂場からの歌声に寒気を感じた。

「じぃちゃん。その話やめにしないか。」

「まぁ待てよく聞け最後まで。ホントに女を使う事ばかり考えると将来あぁなるぞ。すーさんがいい例だ。怖くないのかトミオよ。ワシゃ心配だよ」

⏰:06/09/06 19:38 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


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