クソガキジジイと少年」
最新 最初 🆕
#491 [ザセツポンジュ]
ジョウはバサっと起き上がり支度を始めた。
こんな早くから支度をしたって、トミーが迎えに来るにはまだまだ時間がある。

ジョウは顔を洗い、制服を来てマフラーを巻き、重たいカバンを背負い、支度をすまして家を出た。

(トミー。今日は先に行くよ。)

ジョウは、隣のトミーの家を少し見つめて歩き出した。

白い息。
冷たい風。
赤い鼻先。

ジョウだけが知っている気持ち。

今日は一段と冷えているからだろうか。

歯をくいしばって

涙が込み上がってこないように

ジョウは歩いた。

⏰:06/09/12 05:47 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#492 [ザセツポンジュ]
「あんた。おばちゃんに会いたいからってこんな早い時間に来て、一体何をしでかすつもりなのよ。スケベね。」

用務員のおばちゃんが教師用の玄関を掃き掃除しながら、一番のりしたジョウをお出迎えしてくれた。

「おはようおばちゃん。朝から言ってくれるじゃない。疲れるよボク。」

ジョウはおばちゃんに愛想笑いをして
生徒用の玄関の扉を引いた。


「ん!?」

⏰:06/09/12 05:59 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#493 [ザセツポンジュ]
くしゃくしゃに丸まった紙くずが
3年のクツバコから
何個も転がっている。
ジョウはしゃがんで
至近距離で紙くずを見つめた。

(……あれ?これクーポン雑誌?)

トミーが毎月エリアカフェで見ているクーポン雑誌が散らばっている…。

首をかしげながらジョウはくしゃくしゃに丸まった紙を広げた。


「え……。」



そしてまだ転がっている丸まったクーポンをひとつひとつ広げていった。

(…なんだ。…なんでだ……。)

⏰:06/09/12 06:10 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#494 [ザセツポンジュ]
その紙くず達をたどって行く━。

顔をあげたジョウは
愕然とし、地べたに座りこんだ。


━━━榎下━━

くしゃくしゃにまるまった紙くずが
ぎゅうぎゅうに押し込まれて、こぼれ落ちてしまうほどのこのクツバコは

紛れもなくエノシタさんのクツバコだった。

⏰:06/09/12 06:14 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#495 [ザセツポンジュ]
カサッッ━━。

涙のようにひとつぶ
、エノシタさんのクツバコからこぼれ落ちた
紙くずを

ジョウは、拾って

ゆっくりと恐る恐る広げた。

《調子乗んな!ブサイク、死ね!》

エノシタさんが美容院のカットモデルをして、ニッコリ笑った顔と一緒にクーポン券になってから2ヶ月たっている。

今月のクーポン雑誌も、変わらずエノシタさんの笑顔と一緒にクーポン券は発行されているのだ。

鋭い言葉を殴り書きされ、顔には落書き━。

⏰:06/09/12 06:38 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#496 [ザセツポンジュ]
ジョウは
心臓にコンパスをぶっ刺したかのような痛みを
押さえて

クーポン券の紙くずを全部ゴミ箱に入れて

焼却炉へと走った。

⏰:06/09/12 06:41 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#497 [なちゅき]
この小説マジ好きですだから上げ
マイペースでぃぃんでがんばってくださぃね

⏰:06/09/14 18:59 📱:N701i 🆔:eymO6fNw


#498 [きーさん]
なちゅきちゃん☆
ありがとぉ
(o`∀´o)
ワシゎ嬉しいよ!

⏰:06/09/14 22:45 📱:W41S 🆔:n3DJ4syY


#499 [ザセツポンジュ]
ジョウが胸を痛めていた早朝、きーさんとすーさんは#7791カフェにいた。


「小夜子ストロベリーをふたつ。」

きーさんは、注文したあと、すーさんがみーちゃん話しかける暇もなく大量の資料をバシっと机の上に置いた。

⏰:06/09/14 22:49 📱:W41S 🆔:n3DJ4syY


#500 [ザセツポンジュ]
「…うん。きーさん。文字のおけいこにドリルに学級新聞とはなかなか画期的な事業に取り組むみたいだがワシは遠慮するぞ。」

すーさんはしかめっ面できーさんを睨んだ。

「ワシは62だぞ。そんな宿題やってられるかこのクソジジイ。イカレポンチ。きもエロス。」

きーさんはいつになく真剣だった。

⏰:06/09/14 22:56 📱:W41S 🆔:n3DJ4syY


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194