クソガキジジイと少年」
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#733 [ザセツポンジュ]
ザワつきのボリュームは
次第にあがって行き、
校長は教頭をステージの上に送り出した。
教頭は校長に言われた通りの
マニュアル的台本を、ジョウの耳元で告げた。
普段は物静かなジョウジロウちゃんも
好きな子を守る
盛大なパーティーの最中、
忠告を聞き入れるわけにはいかない。
ジョウは、教頭の背中を押し
ステージの真ん中へ立たせた。
『今ボクに言った内容を、目の前にいるみんなにも発表してください。』
:08/05/19 17:01 :PC :inGAe7KI
#734 [ザセツポンジュ]
教頭に、マイクを渡した。
『、、、いや、、、あの。』
マイクを持って
突っ立ったまんまの教頭に
生徒からヤジが飛ぶ。
『何言ったんだよ!言えよ!』
『なにやってんだよ、お前コケシか!』
混乱する体育館内と
それ以上に困り果てた、教頭、校長、、、。
教頭はマイクをジョウに渡し、肩に手を置いた。
『やりたいようにやれ。知らないぞ。』
そう言い残し、あまりの恥ずかしさからか
ステージの裏に逃げてしまった。
:08/05/19 17:06 :PC :inGAe7KI
#735 [ザセツポンジュ]
校長がギラリと睨んだ先、
教頭は見えないステージの裏側で
今までにない屈辱を味わい
身震いせざるを得なくなってしまった。
裏方にかまえていた
旧生徒会役員も
この時ばかりは、かける言葉すら無かった。
『教頭が逃げたところで本題に入ります。スクリーンに映し出す資料をみんなで見て行きましょう。あとでみんなにも意見を発表してもらいます。』
:08/05/19 17:16 :PC :inGAe7KI
#736 [ザセツポンジュ]
ジョウはエノシタさんに
資料を渡し、順番に映しすようにお願いした。
エノシタさんは、普段は見せないような
不安な顔でジョウを見つめていた。
何を話せるわけでもなく
ジョウはステージに戻った。
:08/05/23 12:13 :PC :2EGMUVP.
#737 [ザセツポンジュ]
年間、少年少女の自殺が
600件にも達していること、
それを大人達は隠してしまっていること。
いじめをすることによって、
優越感を得る同年代の子達の心理
ネットでの書き込み、中傷が
増え続けている事。
黙って見ている人の立場。
ジョウが説明していくたびに
忠実に資料を映し出して行ったエノシタさん。
ステージの裏でのエノシタさんの様子が
気になって仕方のなかったジョウ、、、。
『暇なんですけど〜。』
ステージで説明するジョウを押しのけ
暇を持て余していた、生徒会長木田トミオが現れた。
トミーの再びの登場に
いちいちザワつく田舎女子。
ジョウはトミーと進行を交代した。
『鈴木くんの資料を見て、だいたい分かったと思いますが、ここで突撃インタビューを開始します。何か意見のある人は手を挙げましょう、、、。もちろん挙がりませんね。では、適当に出席番号を言うので各学年、呼ばれた出席番号の人は立ちましょう。』
新生徒会役員、トミーとジョウをステージに置き
残りの4人がマイクを持ち、体育館に散らばった。
:08/05/23 12:29 :PC :2EGMUVP.
#738 [ザセツポンジュ]
『それでは、出席番号を発表します。男子5番、20番。女子2番18番。今呼ばれた出席番号の人、さっさと起立。』
トミーは、立たされた顔ぶれを眺めた。
そして、質問を開始した。
『1年生、1組の男子5番の子。名前をどうぞ。』
いたって健康そうで、1年生ならではの
ズボンの丈が少し短い男の子だった。
『片岡洋平です。』
名前もいたって当たりさわりなく普通だ。
:08/05/23 14:33 :PC :2EGMUVP.
#739 [ザセツポンジュ]
『片岡君、さっきの資料で、年間600件の自殺が報告されていると言うことだったけども、600件全部がいじめが理由なワケではないと思う。でも死ぬほど嫌になるくらいのことを、片岡君は経験したことがありますか?』
トミーの唐突な質問に
いたって健康そうな片岡君は戸惑っていた。
『、、、ありません。』
『では、塾でもなんでもいい。しんどいな、苦しいなと思ったことはありますか?』
『、、、それは、あります。』
『そこで、そのしんどさをどうまぎらわす事ができましたか?』
『、、、。』
ズボンの丈が少し短い片岡君は
緊張のせいもあり、ガチガチで上のほうを見て考えた。
『僕は、、、。数学が苦手で、よく怒られていて、、、。それが嫌だったけど、友達に打ち明けたら、数学教えてくれるようになって、、、。まだ苦手だけどちょっとは楽になりました。』
:08/05/23 14:59 :PC :2EGMUVP.
#740 [ザセツポンジュ]
『ありがとうございます。座ってください。』
片岡くんはズボンの丈を気にする事もなく
ホっとした表情で着席した。
『同じく1年1組の男子20番。名前から。』
『福井祐樹です。』
ドラえもんで言うスネオポジションとおぼしき
男の子。
『いじめと言うのは、どこからがいじめと呼ぶのかは難しいかもしれませんが、誰かがいじめをしているのを見た事がありますか?』
『まだありません。』
『では、仲の良い友達に、簡単に言うといじめを誘われたらどうしますか?』
『、、、断ると思います。』
『断ると、思います?』
『、、、断ります。』
『今みんなの前で言ったその言葉を忘れないでください。座ってください。』
:08/05/23 15:13 :PC :2EGMUVP.
#741 [ザセツポンジュ]
ジャイアンポジションに
のび太ポジションをいじめようと誘われたら
きっとジャイアン側についてしまうだろう。
そんな自分の性格をなんとなく把握していた福井は
なかば強制的に宣言した言葉を重く受け止めた。
『では1組の2番女子。』
『安達さきです。』
安達さん、トミー軍団の一味である。
ニヤニヤしながらマイクを自らぶんどっていた。
『さきちゃん。無視したり、はみごにしたりと言う経験はありますか?』
『あ、ありません。でもしている人なら見た事があります。』
堂々とした発言に体育館がどよめいた。
:08/05/23 15:26 :PC :2EGMUVP.
#742 [ザセツポンジュ]
『どういう風な形で始まりますか?』
『目立つか暗いかでターゲットが決まるケースが多いです。』
1年1組女子から安達さんにブーイングが起きている。
『1組女子静かにして。まだ質問が残っている。』
1組女子達はふてくされながら口を閉じた。
『さきちゃんは、それに加わった事はないと言いましたが、ではそのされている人や、している人に、何か注意とかはできましたか?』
1組女子は全員安達さんを睨みつけた。
『注意はしたけど、、、聞いてくれませんでした。』
:08/05/23 15:32 :PC :2EGMUVP.
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