クソガキジジイと少年」
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#815 [ザセツポンジュ]
唇を震わせ、
体中全ての神経を
困惑させ
自分の愚かさを知るため
今宵、育毛剤と言う名のシャワーよ
奴に魔法をかけて。
目は何の為に
余計な物を見ない為に
鼻は何の為に
近道をかぎわけるために
口は何の為に
嘘をこぼし、自分を弁護する為に、、、。
戻り先はふりだし。
:08/06/06 12:05 :PC :GiYNkI5c
#816 [ザセツポンジュ]
好きな子が泣いていたら。
大切な人が応援してくれていたなら。
たったひとりでも味方でいてくれたなら。
もしかして
救われただろうか。
救えたのだろうか。
向き合うことを忘れた
大きな子供達。
背中ばかりを追いかけて叫んだ
小さな子供達。
思春期爆弾が
手元に届いた時
使い道は、自分次第。
自分の為に
誰かの為に。
決められるのは
自分だけ。
:08/06/06 12:06 :PC :GiYNkI5c
#817 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
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最終章 クリスマスの夜に。
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:08/06/06 12:08 :PC :GiYNkI5c
#818 [ザセツポンジュ]
鈴木家の床暖房は
とても温かい。
『きーさん寒いよう。わしゃ寂しいよう。』
すーさんはきーさんにまとわりつき
寒さを忍んでいた。
『ええい!老いぼれがベタベタ触るんじゃないよ!酔っ払い!』
昼間からする事もなく
酒を飲んだくれている老人二人。
我が孫に、家から追い出されたと言う
かわいそうなこの老人
木田シゲル62歳。
:08/06/06 12:45 :PC :GiYNkI5c
#819 [ザセツポンジュ]
『きーさん、ワシはな、きーさんの事が、、、、す、、、す、、、、』
ボコン!ゴツン!
お決まりのゲンコツを食らわしたが
何度殴られても、こたえないこの老人
鈴木ひとし62歳。
『その先が何語であってもそれ以上口に出すなよ!通報するぞ!』
すーさん。
娘が設計した
老人にとって心臓やぶりの
階段を、チョボチョボ上がり
ジョウの部屋を開けた。
:08/06/06 12:45 :PC :GiYNkI5c
#820 [ザセツポンジュ]
ボコン!
『い、痛い!なんだよ!ノックしてよ!』
意味不明に殴られた事よりも
ノックをしなかった我が祖父に
腹を立てていた。
『今な!きーさんが来てる。』
『分かるよ。そのたんこぶ見れば。で、何?』
『トミオちゃんが女を連れ込むからと行って追い出されたそうだ。で、もっと遠くへ行って死ねばいいのに、すぐ隣のウチへ来たんじゃよ。その辺どう思うかね?ジョウジロウ。』
すーさんは、思い出したかのように
頭をさすりだした。
『ふーん。女を連れ込む時は追い出されるのか、きーさんは。』
上を向いて思い浮かぶのは
エノシタさんのことばかり。
:08/06/06 12:46 :PC :GiYNkI5c
#821 [ザセツポンジュ]
『お前な、トミオちゃんは立派なのは充分承知の上で言うが、ヤラハタ決定だぞ。お前よ、そこのお前!鈴木さんちのジョウジロウちゃん!ワシは近所の人に言われるようになるんじゃ。あ〜れ〜ヤラずにハタチを迎えたお孫さんをお持ちの鈴木さ〜ん、ごきげんよいかが〜?そう言えばこないだ、、、』
『どうでもいいけど用事は何なの?』
ホロ酔い気分のジジイにかまっていられる気分じゃないのだ。
バコン!
『ただちに、去年のお年玉を崩して、クリスマスケーキを買いに行け!ついでに壁にもたれかかった娼婦に抱かれて来い!分かったな!』
『はいはい。』
ジョウは頭をさすりながら財布を持ち
ジャケットをはおり、マフラーをまいた。
タッタッタッタッタッタ、、、。
『あいつ、、、。階段をタッタタッタおりよって。年寄りの苦労も知らずに。』
:08/06/06 12:46 :PC :GiYNkI5c
#822 [ザセツポンジュ]
すーさんはまた、一段一段チョボチョボと階段を
降りるのであった。
『ジョウジロウちゃん、メリークリスマス!』
きーさんは、さも我が家かのように
堂々とリビングでくつろいでいた。
『やあ!きーさん!メリークリスマス!』
挨拶を済ませたジョウはそそくさと玄関へと向かった。
『ちょちょちょ〜ちょ〜っと待て。どこに行くんじゃ?』
ジョウはスニーカーのつま先を
トントンと2回。
『スペシャルゲストのきーさんとパーティーでもしようかと思ってちょっとケーキ屋までね。』
:08/06/06 19:31 :PC :GiYNkI5c
#823 [ザセツポンジュ]
『そうか。ジョウジロウちゃん、クリスマスじゃ、おこづかいをあげよう。』
きーさんはポケットから出したお札を
ジョウに渡した。
『えええええ!1万円も!ウチのじーちゃんとは大違い!ありがとうきーさん!ケーキ何がいい?』
『モンブランとカルピスな。』
『りょ、了解なまこん!』
冷たい風が吹き、マフラーに顔をうずめた少年。
行って帰る頃には夕日も沈み出すだろう。
肌を刺す寒さもよそに、
うっすらと浮かんだケーキ屋さん。
道は定かではないが
エノシタさんの顔が思い浮かぶ。
ジョウはケーキ屋まで
小走りで向かった。
:08/06/06 19:31 :PC :GiYNkI5c
#824 [ザセツポンジュ]
(エノシタさんなにしてるかな、今日。エノシタさんちサンタさん来たかな。。。なんつって。)
カランカラーン。
『ぎゃっ!うわ!!!!!!』
ケーキ屋の扉を開き、
マフラーから顔を出したジョウは
ベタにも自分のほっぺたを叩いてしまっていた。
『、、、。そんなにびっくりしないでよ。ジョウくんこんにちわ。』
かわいい手袋をした
エノシタさんが、目の前にいる。
『な、な、なななな、なにしてんの?』
『ケーキを、、、買いに来て、、、』
『そっそうだよね、ケーキ屋だもんね。バカだよねボク。頭おかしいよね。ハハ』
ジョウは並べられたケーキをガラスケース越しに覗き込んだ。
エノシタさんもすぐ隣でジョウと同じようにケーキを見ていた。
:08/06/06 19:32 :PC :GiYNkI5c
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