クソガキジジイと少年」
最新 最初 🆕
#816 [ザセツポンジュ]
好きな子が泣いていたら。
大切な人が応援してくれていたなら。
たったひとりでも味方でいてくれたなら。

もしかして
救われただろうか。
救えたのだろうか。

向き合うことを忘れた
大きな子供達。

背中ばかりを追いかけて叫んだ
小さな子供達。

思春期爆弾が
手元に届いた時

使い道は、自分次第。
自分の為に
誰かの為に。

決められるのは
自分だけ。

⏰:08/06/06 12:06 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#817 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
============
最終章 クリスマスの夜に。
============

⏰:08/06/06 12:08 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#818 [ザセツポンジュ]
鈴木家の床暖房は

とても温かい。


『きーさん寒いよう。わしゃ寂しいよう。』


すーさんはきーさんにまとわりつき
寒さを忍んでいた。

『ええい!老いぼれがベタベタ触るんじゃないよ!酔っ払い!』


昼間からする事もなく
酒を飲んだくれている老人二人。
我が孫に、家から追い出されたと言う
かわいそうなこの老人
木田シゲル62歳。

⏰:08/06/06 12:45 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#819 [ザセツポンジュ]
『きーさん、ワシはな、きーさんの事が、、、、す、、、す、、、、』


ボコン!ゴツン!

お決まりのゲンコツを食らわしたが
何度殴られても、こたえないこの老人
鈴木ひとし62歳。

『その先が何語であってもそれ以上口に出すなよ!通報するぞ!』


すーさん。
娘が設計した
老人にとって心臓やぶりの
階段を、チョボチョボ上がり
ジョウの部屋を開けた。

⏰:08/06/06 12:45 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#820 [ザセツポンジュ]
ボコン!

『い、痛い!なんだよ!ノックしてよ!』

意味不明に殴られた事よりも
ノックをしなかった我が祖父に
腹を立てていた。

『今な!きーさんが来てる。』

『分かるよ。そのたんこぶ見れば。で、何?』

『トミオちゃんが女を連れ込むからと行って追い出されたそうだ。で、もっと遠くへ行って死ねばいいのに、すぐ隣のウチへ来たんじゃよ。その辺どう思うかね?ジョウジロウ。』

すーさんは、思い出したかのように
頭をさすりだした。

『ふーん。女を連れ込む時は追い出されるのか、きーさんは。』

上を向いて思い浮かぶのは
エノシタさんのことばかり。

⏰:08/06/06 12:46 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#821 [ザセツポンジュ]
『お前な、トミオちゃんは立派なのは充分承知の上で言うが、ヤラハタ決定だぞ。お前よ、そこのお前!鈴木さんちのジョウジロウちゃん!ワシは近所の人に言われるようになるんじゃ。あ〜れ〜ヤラずにハタチを迎えたお孫さんをお持ちの鈴木さ〜ん、ごきげんよいかが〜?そう言えばこないだ、、、』

『どうでもいいけど用事は何なの?』

ホロ酔い気分のジジイにかまっていられる気分じゃないのだ。

バコン!

『ただちに、去年のお年玉を崩して、クリスマスケーキを買いに行け!ついでに壁にもたれかかった娼婦に抱かれて来い!分かったな!』

『はいはい。』

ジョウは頭をさすりながら財布を持ち
ジャケットをはおり、マフラーをまいた。

タッタッタッタッタッタ、、、。

『あいつ、、、。階段をタッタタッタおりよって。年寄りの苦労も知らずに。』

⏰:08/06/06 12:46 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#822 [ザセツポンジュ]
すーさんはまた、一段一段チョボチョボと階段を
降りるのであった。


『ジョウジロウちゃん、メリークリスマス!』

きーさんは、さも我が家かのように
堂々とリビングでくつろいでいた。

『やあ!きーさん!メリークリスマス!』

挨拶を済ませたジョウはそそくさと玄関へと向かった。

『ちょちょちょ〜ちょ〜っと待て。どこに行くんじゃ?』

ジョウはスニーカーのつま先を
トントンと2回。

『スペシャルゲストのきーさんとパーティーでもしようかと思ってちょっとケーキ屋までね。』

⏰:08/06/06 19:31 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#823 [ザセツポンジュ]
『そうか。ジョウジロウちゃん、クリスマスじゃ、おこづかいをあげよう。』

きーさんはポケットから出したお札を
ジョウに渡した。

『えええええ!1万円も!ウチのじーちゃんとは大違い!ありがとうきーさん!ケーキ何がいい?』

『モンブランとカルピスな。』

『りょ、了解なまこん!』


冷たい風が吹き、マフラーに顔をうずめた少年。
行って帰る頃には夕日も沈み出すだろう。
肌を刺す寒さもよそに、
うっすらと浮かんだケーキ屋さん。
道は定かではないが
エノシタさんの顔が思い浮かぶ。

ジョウはケーキ屋まで
小走りで向かった。

⏰:08/06/06 19:31 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#824 [ザセツポンジュ]
(エノシタさんなにしてるかな、今日。エノシタさんちサンタさん来たかな。。。なんつって。)



カランカラーン。


『ぎゃっ!うわ!!!!!!』

ケーキ屋の扉を開き、
マフラーから顔を出したジョウは
ベタにも自分のほっぺたを叩いてしまっていた。

『、、、。そんなにびっくりしないでよ。ジョウくんこんにちわ。』

かわいい手袋をした
エノシタさんが、目の前にいる。

『な、な、なななな、なにしてんの?』

『ケーキを、、、買いに来て、、、』

『そっそうだよね、ケーキ屋だもんね。バカだよねボク。頭おかしいよね。ハハ』

ジョウは並べられたケーキをガラスケース越しに覗き込んだ。
エノシタさんもすぐ隣でジョウと同じようにケーキを見ていた。

⏰:08/06/06 19:32 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


#825 [ザセツポンジュ]
(近いし!近いし、エノシタさん近いし!頭とかぶつかったらどうすんのさ!)

『あたし何にしよっかな〜。ホールで買ってもな〜。ジョウくん何買うの?』

クルっとジョウの方に顔を向けたエノシタさん。
ジョウは尋常じゃない速さで目が泳いだ。

『え?え、ボクんち今トミーのじーちゃんが来てるから、とりあえずモンブランと、、、』

『トミーのおじいちゃんが来てるの?何で?』

『いや、、、そんの〜、、、居心地がいいからだと思うよ、うん。』

ジョウはさもケーキを探すふりをしたが、
緊張と興奮から、分かっているのに
お目当てのケーキを見つけられない。

『ハッハ〜ン。エノモトさんが来てるからトミーに追い出されたのね、おじいちゃ、、、』

ジョウはビシっと顔を上げて頭をフル回転させ、
オマケにものすごい早口で店員に告げた。

『モンブランひとつと、ストロベリーなんとか。あ、それです。それでチョコレートケーキと、にいちゃん、ウチのにいちゃんは何がいいだろうか?知らない。そうですか。ボクも知らないし、この店のオススメ適当に!はい、以上で。』

⏰:08/06/06 19:34 📱:PC 🆔:GiYNkI5c


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194