クソガキジジイと少年」
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#877 [ザセツポンジュ]
『知ってる!東京ブギウギとか買物ブギーの人でしょ!ちびまる子ちゃんの映画で見た事あるんだ〜。』
『えぇぇぇぇええぇ!!エノシタさん知ってるの!?うそ、いやぁぁホンッッッット、嬉しいんだけど!!』
尋常じゃないジョウの喜びように
エノシタさんは若干引いていた。
(こんなジョウくん見た事ないわ。。。)
:08/06/30 01:17 :PC :3PmgDCPQ
#878 [ザセツポンジュ]
『あ、あとは、、、何聴いてるの?』
『あとはね〜ハイスタでしょ、ブルーハーツでしょ、倉橋ヨエコでしょ、ジュディマリでしょ、え〜とね〜、、、』
『ジョウくんごめん。全部知らない、、、。』
笠置シヅコさんの一件で、並々ならぬ
テンションアップをしてしまっていた
鈴木家の次男だったが、エノシタさんの一言で
自分の体調を通常値に急いで戻した。
『ハ、、ハハ。今度良かったら貸すよ。全部にいちゃんの私物なんだけどもね。』
『そっか。私、流行の歌とかに、うとくてさ。実は。』
:08/06/30 01:17 :PC :3PmgDCPQ
#879 [ザセツポンジュ]
エノシタさんの、正直な答えを
ジョウは嬉しく思った。
『ボクもね、知らないんだよ。さっき言った人達も少し古いんだよ。いい歌は時代をピョンと飛び越えて来てくれるって、きーさんが言ってたんだ。あ!じゃあさ、エノシタさん学校の歌で好きな歌は何?』
エノシタさんは上を向いて考えた。
『あ。ある。ジョウくんはあるの?』
『あるよ、一番大好きなやつ。』
『じゃあさ、せーので言おうよ。』
:08/06/30 01:24 :PC :3PmgDCPQ
#880 [ザセツポンジュ]
星がとてもキレイなクリスマス。
街灯の明かりはとても小さいけど、二人の真上に広がる夜空は
とてもとても明るかった。
“せーの”
『怪獣のバラード!』
『怪獣のバラード!』
二人は顔を見合わせて笑った。
星がとてもキレイなクリスマス。
街灯の明かりはとても小さいけど、二人の真上に広がる夜空は
とてもとても明るかった。
“せーの”
『怪獣のバラード!』
『怪獣のバラード!』
二人は顔を見合わせて笑った。
:08/06/30 01:26 :PC :3PmgDCPQ
#881 [ザセツポンジュ]
:08/06/30 01:29 :PC :3PmgDCPQ
#882 [ザセツポンジュ]
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エノモトさんを送り終えたトミーは
人が隣にいなくなると
急に寒さを感じるものなんだと
痛感し、ポケットに手を突っ込んで
少し走った。
クシャ。
『あ。じーちゃんに1万円もらってたんだった。』
ケーキを買わなければいけない事に
気づいたトミーは
めんどくささを振り切り
ケーキの置いてある喫茶店まで
急いだ。
(さみぃさみぃ。)
:08/07/03 15:33 :PC :l1y/MU3Q
#883 [ザセツポンジュ]
カランカラン。
『えーと、モンブランと、あとは適当に。5つほど、オススメで。』
トミーはガラスケースのケーキも見ずに
店員の顔を見てオーダーした。
店員はニッコリ笑った。
『かしこまりました。お客様、お待ちの方が、あちらのお席に。どうぞ。』
『は?』
トミーは店員の手の指す方向をゆっくりと辿った。
辿るうちに、大好きだった懐かしい匂いが
漂っている事に気づいた。
『え、、、、。』
:08/07/03 15:34 :PC :l1y/MU3Q
#884 [ザセツポンジュ]
目をやった先には
自分が近年、葛藤し続けて来た
原因そのものが
椅子に座っている。
それはとても美しく
本来なら、飛びついてしまいたいほどの
事だったが、
トミーはそれを許してはいなかった。
顔を見る事もできず、
とりあえず席に座った。
『、、、、。』
何も話す事のできない自分。
喫茶店の暖房がよく効いている事だけは
分かった。
『トミオ。ケーキ食べる?』
トミーは相手の手だけを見つめ
首を横にふった。
:08/07/03 15:34 :PC :l1y/MU3Q
#885 [ザセツポンジュ]
『元気、、、だった?』
『、、、。うん。分かるだろ見たら。』
『そうね、、、。あの、、、。怒ってる?』
『、、、。その質問、間違ってると思わないの?』
いつになく緊張して
顔をこわばらせているトミーは
列記とした14歳の少年なのだ。
『トミオは、何にも聞きたくないかもしれないけど、』
『聞きたくないよ、ホントに。何も。ってか何でいるの?どうせじーちゃんに頼まれたんだろ。』
:08/07/03 15:35 :PC :l1y/MU3Q
#886 [ザセツポンジュ]
複雑な気持ちだけが
トミーに絡みついていた。
怒るにも怒れない。
笑うにも笑えない。
見るにも見れない。
そんな初めての気持ちと
緊張が、トミーを襲っていた。
『、、、。トミオ。』
その言葉にビクっとしたトミーは
顔をあげた。
そこには大好きな人が
困った笑顔を浮かべ
まっすぐにトミーを見つめていた。
『、、、。ごめんね。ママのこと、許してだなんて言わないわ。だけど、、、ごめんね。トミオ。』
トミーはテーブルにひじをついて
両手を頬にあてた。
ふくれっつらで
言葉もでないまま。
:08/07/03 15:36 :PC :l1y/MU3Q
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