クソガキジジイと少年」
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#127 [ザゼツポンジュ]
ママがいなくて淋しい時の、我慢した涙の分。
冷凍食品が多くて、ママの作ったご飯が食べたいなーと、泣きたくなった時の分。
みんながママとの出来事を楽しそうに話している時の、悲しい気持ちの分。              泣きたい時がたくさんあっただろう。
シールの数がそれを表していたのだった。

⏰:06/06/15 13:47 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#128 [ザゼツポンジュ]
トミーは、次の日平然と、ジョウを迎えに来た。
いつもはジョウがトミーのうちに迎えに行くのだが、ママがいなくなった時から逆転した。
『ママがいなくなったらしいけど、お前はトミーにいつもどうりに接するのだよ。いいね!!?トミーがお前に頼った時は、せいいっぱいチカラになってやるんだ。』
『にぃちゃん、わかってるよ。そんなことくらい』
俺は、念を押してジョウに言ったのにジョウは平然としていて、熱くなった俺が少し恥ずかしかった。

⏰:06/06/15 13:55 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#129 [ザゼツポンジュ]
トミーは平気な顔で明るく振る舞っていた。
よくモテた。
昔からチョコをトミーんちにわざわざ持ってくる子もいた。
トミーと仲良しになりたいがためにジョウに近づく子もいた。
人気者は今だ健在だが、保っていられるのは、悲しみに耐えるチカラをきーさんにもらったからだと思う。

⏰:06/06/15 16:31 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#130 [ザゼツポンジュ]
                                    ━『ボク小夜子ストロベリー』
ジョウは単純に甘いものが好きだ。
『ちーちゃん、今日もかわいいねぇ。いつから付き合ってもらおうか。』
『フフフ。やーよ、トミーモテるから。』
ちーちゃんは完全にトミーをクソガキとして見ているナイスおねぇさんだ。

⏰:06/06/15 17:10 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#131 [ザゼツポンジュ]
『ふん、オレ梅昆布茶。』ちーちゃんは19歳。実はみーちゃんの妹なのだ。
昼の二時でちーちゃんと交代してしまうため、トミー達はみーちゃんの存在は、まだ知らない。
『ってゆうか、誰もいねーじゃんかよ!!痛恨のミスだぜ、オシャレ損だぜ!!……香水ふり損だぜ!!』
『トミー…たまには甘い物食べた方がいいよ。今のお前は生理前の女のようだ。』

⏰:06/06/15 17:16 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#132 [ザゼツポンジュ]
毎回、黄色いノートを死に物狂いチェックするトミー。
たまに電話番号が載っているがブスが多い。
『お前さ、女に触った事もないのにいつ機嫌が悪くなるとかよく分かるよな。変態だ、ジョウ。お前は変態だ。』
トミーは、1ページ1ページ真剣にくまなく読み、…しかも毎回だ。プリクラに関してはライト加減でかわいく映っているだけの女ではないかとか、その他もろもろ要チェックしている。

⏰:06/06/15 17:24 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#133 [ザゼツポンジュ]
『あぁ、すーさん変態だもんな。』
『トミーが言ってることとあまり変わらないけどな』ジョウも、ノートを覗き込んだ。
『おまたせしました。小夜子ストロベリーです。』
トミーは女の品定めに夢中だったが、ちーちゃんを二度見した。
『ちーちゃんなぜだ。オレの梅昆布茶はなぜこない。』 
ちーちゃんは申し訳なさそうに
『あぁ、ごめんねトミー。きれてたみたいで、今買いに行ってるからもぉちょっと待って。』
『ぅぁーいーょ、いーょ。ちーちゃんかわいいしな。』

⏰:06/06/15 17:32 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#134 [ザゼツポンジュ]
トミーはノートに目が行ったまんま離れなくなった。
『あ、ちーちゃん。ところで、どうして小夜子ストロベリーなんだい!!?誰がネーミングしたの!!?』
アメリカンなこのカフェにいかにもニッポンな、小夜子というネーミングに、ジョウは以前から疑問を抱いていた。
『お前、気やすくちーちゃんに話しかけんなよ。オレのだぞ、ちーちゃんは。』『ここのオーナーさんのおばぁちゃんの名前らしいよ。』
ちーちゃんはクソガキの甘い言葉には、フルスルーである。

⏰:06/06/15 17:39 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#135 [ザゼツポンジュ]
『あ、そうなの。オーナーさんのが決めてるのか。へぇ。ちーちゃんはオーナーさんに会ったことあるの?』
『たまにここに来るから。イラストを張り替えたりしにくるの。ここのイラストはみんなオーナーが描いてるのよ。』
#7791カフェの中に、ポツポツとだが、存在感のあるイラストが壁に飾られていた。
60年代くらいのアメリカンチックでポップな絵が主にだった。
『イラストもオーナーさんが描いてんのかぁ。』

⏰:06/06/15 17:46 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#136 [ザゼツポンジュ]
納得したジョウは甘い甘い小夜子をパクっと一口食べた。
やっとトミーの梅昆布茶がテーブルへやってきた。
フーフーと冷ます時でも、横目でノートを見ていた。そうすると、ハッと何かに気付き二度見した。
『あ!!エノモトさんだ!!!!』
トミーは飛び上がった。
『ちーちゃん!!ちょっと来てよ!!ぃや!!それは横着だ、迎えに行くよ』
トミーはチャラチャラしているようだが、かわいい女には優しい。

⏰:06/06/15 17:54 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


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