クソガキジジイと少年」
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#152 [ザゼツポンジュ]
    ***
数日後えのしたさんがコンタクトを付着させる日がやってきた。

ピルピルピル
朝6時25分
エノシタさん
─昨日、お母さんとコンタクトを買いに行ってきた★今日からメガネを外そうと思う…(*_*)

きーさんは窓を開けすーさんを呼んだ。
『すーさん、おーい、すーさん!!!!』
カーテンを開け、すーさんが顔を出した
……ステテコ姿、ただのジジイの何者でもない。

⏰:06/06/16 00:24 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#153 [ザゼツポンジュ]
きーさんは窓を開けたすーさんに、耳の横できつねマークをした。
すーさんはウインクができないため、両目をつぶり、OKサインを出した。
これが糸電話のハンドサインだと分かるのが、このジジイ達の素晴らしいところだ。

⏰:06/06/16 00:28 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#154 [ザゼツポンジュ]
『すーさん、エノシタさんが本日、メガネを外して戦場へ向かう模様。早急に支度をして、7時ぴったりには#7791へ到着できるように!!いいか!!?』
『ふわ〜…了解なまこん』
またもや紙コップをつけたままなのが痛恨のミスだが、きーさんの一方的な命令を受けただけてらあるため、差し支えはたかった。

⏰:06/06/16 00:32 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#155 [ザゼツポンジュ]
きーさんもすーさんも、実はオシャレなのだ。
トミーが通う古着屋“ミッシェル”で最高の味方をつけたのだ。
それはピーマンと言う店員である。
絶妙な組み合わせ、バランスを一瞬で頭に浮かべられ、例え老人であろうとも、オシャレな生活を提供できるハンサムな男だ。
ただ、それ以外はトント優れないため、頭が空っぽのピーマンと言うニックネームがついたのだ。

⏰:06/06/16 00:41 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#156 [ザゼツポンジュ]
そんなジジイら二人は62歳のわりにはうんとオシャレな格好で#7791カフェへ出掛けたのである。
『小夜子ストロベリーをふたつ』
『……うーん、まぁいい。今日は晴舞台だ。いたしかたがない。みーちゃん。朝からごめんよ。』
みーちゃんは今日も小さかった。
そして白くてとってもかわいかった。
『いいえ、了解なまこんっっ。』
『かーゎぃッッ、ヒュッッ』
すーさんは両目をつぶった。ウインクのつもりなのだ。

⏰:06/06/16 00:45 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#157 [ザゼツポンジュ]
62歳のジジイらは老人にもかかわらず緊張した。
きーさんなんて
『甘い』
としか口にしていない。いつもの決めゼリフさえもままならない始末だ。               『ままままま、ま、まだか!!?すーさん』
『言語障害か、きーさん!!?がらにもないことは、やめてくれないか』
 5分10分と時が過ぎる。今日は晴天だ。

⏰:06/06/16 00:49 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#158 [ザゼツポンジュ]
エノシタさんをまぢまぢと見れるチャンスだ。
『お、えのしたさんじゃ。今日もやっぱりかわいいのう。』
『……すーさん、その子はエノモトさんだよ。この間も言っただろう?』  
次々と、中学生が通り過ぎる中、先にエノシタさんを見つけたのはきーさんだった。
遠慮もなく変質者並みに窓に張りついているすーさんは、ただの役立たずでしかない。

⏰:06/06/16 00:54 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#159 [ザゼツポンジュ]
エノシタさんはキョロキョロと落ち着きなく、一人で登校していた。
『…すーさん。えのしたさんじゃ。やっぱりメガネを外して正解だったようだな。』
しかし、すーさんはまゆをしかめた。
『あれじゃまだまだだよ、きーさん。髪型がダメだ。自信ねなさそうな顔もダメだ。…悪いが、メガネを洗面所に忘れて来たとしか思われないに決まっている。700%勇気が無駄だあれじゃあ。』

⏰:06/06/16 00:58 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#160 [ザゼツポンジュ]
きーさんは、ホッとした。すーさんの真剣なまなざしがキラキラと輝いている。
『そうだな、すーさん。いったん家へ帰ろう。そして11時になったら、ピーマンに会いに行こう。』
『…あぁ。…ん!!?なぜピーマンに会うんだ!!?』
『なぜって、ピーマンに聞くのが一番早いだろう、どこの床屋がいいだとか。』
『きーさんやめてくれないか。床屋だなんて。美容室と言うんだよ。』

⏰:06/06/16 01:03 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


#161 [ザゼツポンジュ]
『おぉ、そうかそうか了解なまこん。』
そして、食べかけの小夜子を口にした。
きーさんはホッとした表情で
『甘いなあ、ワシはこんなにも甘い恋心を抱いた事が、一体何度あっただろうか。』
お見事です。きーさんは忘れてはいませんでした。

⏰:06/06/16 01:06 📱:P701iD 🆔:LtWl5Ezk


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