クソガキジジイと少年」
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#380 [ザセツポンジュ]
「シンちゃん。ママの事気にしてるのか?」

俺は心臓をコンパスでぶっさされるかのように痛くなった。

「…俺な、今でも思い出すよ。ママの事。大きくなったらクラブに顔出しに行こうかなぁとか考えたりする。けど、ママがどんな顔をするか検討もつかない。」

「………。」
俺は言葉が出てこなかった。

⏰:06/09/04 04:17 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#381 [ザセツポンジュ]
ちょっと周りを片付けたりしてみた。

自分の情けなさを隠すために

一人せわしく
あたりにある物を触ってみたのだ。

⏰:06/09/04 04:19 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#382 [ザセツポンジュ]
俺は手を止めた。

と言うか触る物が段々なくなってしまった。
「トミー。ママに会いたいのか。」


しばらく沈黙になり
俺は緊張していたが
平然なフリをした。

トミーは口を開いた。

⏰:06/09/04 04:21 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#383 [ザセツポンジュ]
「むかつくけど会いたいな。」

⏰:06/09/04 04:22 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#384 [ザセツポンジュ]
それ以上俺は
なんにも聞けなかった。

「そうか。そうだな。お前、今日学校早引けか。」

「……こんな過密なスケジュールを耐えれるのはお前の弟くらいだ。ちょっとシンちゃん。俺は寝るよ。」

「…あぁ、おやすみ。」


ちょっと気持ちが悪いが俺はしばらくトミーを見ていた。

⏰:06/09/04 04:26 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#385 [ザセツポンジュ]
ママが具合が悪いと
学校へ行かなかった
トミー。

ママが大好きだったトミー。

ママがいなくなったトミー。

寂しさをこらえ続けているトミー。

いつか爆発してしまったらどうしようか。

俺は何をしてやれるだろう。

女をとっかえひっかえしているのも
チャラチャラしているのも

大好きな人がいなくなる寂しさを
トミーはよく知っているからだ。

それはもう二度と味わいたくないに決まっている。

目をつぶったトミーは今何を思い出しているのだろうか。

⏰:06/09/04 04:32 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#386 [ザセツポンジュ]
「…シンちゃん。」

「お。おう。」

「もうちょっと大きくなったら話すよ。」

トミーは俺に背中を向け
丸くなって
眠り出した。

ちょっと悲しかった。

⏰:06/09/04 04:38 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#387 [ザセツポンジュ]
まぁ
俺が悲しいと思う
その100万倍くらい
トミーは悲しいだろう。

俺は今日
トミーの感情をひっかきまわさしたにも関わらず
トミーは冷静で

最低な事をしてしまったような気になった。

⏰:06/09/04 04:40 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#388 [ザセツポンジュ]
「ちーちゃん。小夜子ストロベリー」

「ジョウくん。今日一人なの。珍しい。」

「はぁ…。ちーちゃん。今ボクは明日が来るのが待ち遠しい気持ちと、切ない気持ちが戦争しているところだよ。」

ちーちゃんは目が点になった。

「大丈夫?何かあったの?おねえさんになんでも言ってよ。」

⏰:06/09/04 04:45 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#389 [ザセツポンジュ]
━━━━

「それは恋よ。ジョウくん。」

「やっぱそうだよね。ボクはどうしたらいいか分からないよ。」
と肩を落として小夜子ストロベリーをほうばった。
「女の子ゎね、恋なんかした日にはこんな甘くて美味しいものですら食べられないのよ。」

ジョウはスプーンを置いて、ちーちゃんを冷たい目で見た。

「……いや、食べていいよ。あたしは疑ってないよ。恋だよ。いくら世界史好きのジョウくんだって恋くらいするわよ。そうよ。」
ジョウはため息をついた。

⏰:06/09/04 04:51 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


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