クソガキジジイと少年」
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#450 [ザセツポンジュ]
「第3問目〜このイケてるおにいさんは誰でしょう〜」

「ぁ、きーさん!」

「はぁ!?胸くそ悪いヤツの名前を出すんじゃないよ。ブッブ〜不正解で〜す。そのきーさんてヤツは史上最強の最低最悪な歴史上人物の名前でした〜。……あ?」

すーさんは目を疑った。
前に座る見覚えのある老人を見るやいなや
頭を抱えた。
「すーさん。いやはや。やってるみたいだな。楽しそうに。」
「きーさん。ワシから映るビジョンであんただけが白黒に見えるよ。」
「勝手に殺さないでくれないかさっきから。明日眼科へ付き添ってやってもいいがな。別に。」

⏰:06/09/07 01:33 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#451 [ザセツポンジュ]
きーさんご指名の
きららちゃんが登場した。
「きーさん久しぶりだね。失礼しまぁす。」
「やぁやぁ。先に好きなもの頼みなさい、きららちゃん」

きららちゃんはニッコリ笑い、きーさんのお酒を作る作業に取りかかった。

ふと、きーさんは
マドラーを回すきららちゃんの手を見つめた。

⏰:06/09/07 01:37 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#452 [ザセツポンジュ]
「きららちゃん、最近コケたのかね。どっかて打ったのかね。」

きららちゃんのコブシの下あたりに赤い小さなあざがポツポツとできていた。

火傷でもないし、打ったにしては小さすぎる。
きーさんは疑問を持った。

⏰:06/09/07 01:40 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#453 [ザセツポンジュ]
「あ、これ…は…そうなのちょっと打っちゃって。ヘヘへ。」

きららちゃんが気まずそうに笑った。
きーさんはそれ以上は聞かなかった。

「空ちゃんチュウは?」
「きゃー!すーさん恥ずかしいから二人きりのところで…ね?」
すーさんは目をつぶっているが

空ちゃんは完全に
引いていた。
顔のひきつりなんて尋常じゃない。

⏰:06/09/07 01:45 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#454 [ザセツポンジュ]
今宵楽しい一時を過ごしたすーさんは
満足そうな笑みを浮かべ
「ペケ。」
ボーイにチェックを言い渡した。

帰りのタクシーの中ですーさんは恒例の過去の栄光について
語った
「ワシだって昔はすごかったんじゃよ。月曜日にゃ抱いてオーラを放つ女子が家を押し掛け、火曜日にゃこの街一番のかわいこちゃんと手を繋ぎハニカミデートで水曜日にゃ…」
(あの手のあざはどうやったらできるんだ…う〜ん…)
きーさんは聞き飽きたすーさんの自慢話をよそにきららちゃんの手のあざの事で頭がいっぱいだった。

⏰:06/09/07 01:54 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#455 [ザセツポンジュ]
「あ、すいませんここでワシは降りますので。すーさん。お先に失礼おやすみよ。」
「はぁい、パイパーイ。」
きーさんは決してすーさんと家が隣ですと運転手に教えない。

すーさんは運転手に散々右だの左だの言いながら自慢話を繰り返し話し、運転手に完全に嫌われたところで気がすみ、きーさんをおろした同じところにまた止まる。
「はぁいおやすみよ〜。」

すーさんは死にたくないためか急な階段を登らず、リビングで夢の中に入った。

⏰:06/09/07 01:59 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#456 [ザセツポンジュ]
いつもならすーさんが家路につく頃には
いい夢を見ているきーさんも今日ばかりは
部屋で考え事をしていた。
(手の甲を怪我する方法……きららちゃんはストーカーに狙われていました。裏拳をかわした相手の鼻がさきっちょがやたらとがっていたため、きららちゃんはちょっとしたアザができました……。うん。700%ありえないな。)

きーさんは思考回路をフル回転にさせたが
いつの間にか眠りについたのであった。

⏰:06/09/07 02:05 📱:W41S 🆔:rKVp2pas


#457 [ザセツポンジュ]
翌日━。

きーさんはいつも通りに目が覚めた。
そしてカーテンを開け
窓を開けた。
「冷えるな朝は…。」
空気を吸い込み、すーさんの部屋を見た。

すーさんの部屋のカーテンが
もぞもぞしている。

ガラガラ━。
「わ!ゎゎゎゎゎ!」

⏰:06/09/10 01:22 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#458 [ザセツポンジュ]
「すーさん。ワシは長年連れそった友人だよ。そんな化け物を見るような目で見つめるんじゃないよ。」

すーさんは汚い顔をくしゃくしゃにして
大きなあくびをした。
「やぁやぁきーさん。おはよう。目が覚めるのが同時なんて珍しい事だ。#7791カフェのみーちゃんにでも会いに行かないかね?」

⏰:06/09/10 01:25 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#459 [ザセツポンジュ]
きーさんは、大きくうなずいて、顔を洗いに下へと降りて行った。
昨日の夜から考えているきららちゃんの手の甲のあざ━。

きーさんは顔を洗いながらも
難しそうな顔で
考えていた。

⏰:06/09/10 01:27 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#460 [ザセツポンジュ]
「小夜子ストロベリーふたつ」

「みーちゃん、先に梅昆布茶をワシにひとつ。」

今日もかわいくて小さくて色の白いみーちゃんは
「了解生コン☆」

笑顔で言ってくれた。

⏰:06/09/10 01:30 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#461 [ザセツポンジュ]
「なぁきーさん、ワシは悩むよ全く。空ちゃんとみーちゃん。…空ちゃん。みーちゃん…。空ちゃ…」

「すーさん。短刀直入に言うが、お前が選ぶ立場ではないと言う事を頭に入れて置くんだな。62にもなってみっともないぞ。」
きーさんは、窓の外をぼんやり見つめながら難しい顔ですーさんに忠告した。

⏰:06/09/10 01:33 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#462 [ザセツポンジュ]
「きーさん。今日は何を考えているんだ。」
すーさんは少し心配気味にきーさんの眉間のシワの数を数えていた。
「…あのな、すーさ…」

「おまたせしました、梅昆布茶…」

「みーちゃん。みーちゃん。かわいいねぇ。今日も。ウフフフフ。」

すーさんは親友のきーさんの悩み事よりも
一瞬登場する小さくてかわいいみーちゃんの方が大事なのだ。

⏰:06/09/10 01:37 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#463 [ザセツポンジュ]
きーさんは、この隣に生息している老人と、なぜ今日と言う今日まで一緒にいてしまう友達なのか、心底自分を疑った。

「気持ちが悪いぞ、すーさん。そろそろリハビリテーションの時間じゃないのかね?行かなくて大丈夫か。」

「このヴォケ!ワシはどっこも悪くないわ!」

そしてどこも悪くないすーさんは梅昆布茶をすする。
「ぅあちちちち。」

すーさんは猫舌なのだ。

⏰:06/09/10 01:43 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#464 [ザセツポンジュ]
オシボリで口をちょちょいとふいたすーさんは梅昆布茶が冷めるまでの間、タバコを手に取り火をつけた。

「なぁ。すーさん。手の甲に小さいアザをつくるにはどうしたらいいのかね。」

すーさんはきーさんの顔を3秒ほど見つめ、自分の手に持っているタバコときーさんの顔を交互に見て
決心したかのように
きーさんの手の甲に
タバコの火を近づけた。

⏰:06/09/10 01:48 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#465 [ザセツポンジュ]
「いやいやいやいやいや。君は間違っているよ。テストなら0点より下だ、すーさん。」
きーさんはさっと手を後ろにしまった。

「きーさん。あんた何がしたいんだね。」

「質問を変えよう。ここに小さなアザがポツポツと出来ている子がいたんだが、何をして出来たのだと思う?」

きーさんは昨日きららちゃんが手の甲に小さいアザを作っていたところを指差した。

⏰:06/09/10 01:53 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#466 [ザセツポンジュ]
すーさんは自分の手の甲を見つめ
真剣な眼差しになり

あまり息をしなくなった。

集中しているすーさんは、あまり呼吸をしない。

きーさんはこのすーさんが大好きだ。

⏰:06/09/10 01:54 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#467 [ザセツポンジュ]
「ウォ━━━━!!!!」
すーさんは立ち上がり
拳をそのままパックリ口の中に入れた。

「すーさん、すーさん。ワシが悪かったよ。質問が難し過ぎた。ごめんよ。パニックになるなすーさん。なんなら死んでくれ」

すーさんはスッポリ口の中に入ってしまった拳を、取り出して
そのままきーさんを殴った。

「どさくさにまぎれて死ねとは何だお前!」
きーさんの頭の上にはもはやヒヨコがピヨピヨ飛んでいる。

⏰:06/09/10 01:58 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#468 [ザセツポンジュ]
「お待たせしました………小夜子ストロベリーで……」

みーちゃんは気まずそうに小夜子を静かに置き去りにしてカウンターへ逃げてしまった。
きーさんを殴って気が済んだすーさんは
もうぬるくなった梅昆布茶で喉を潤した。
「きーさんよ。何をしようとしているんだね次は。」

⏰:06/09/10 02:03 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#469 [ザセツポンジュ]
ヒヨコがどこかへ去るのを見届けたきーさんがようやく戻ってきた。

「すーさん。もういい。アザの正体が分かってから話すよ。」

きーさんはパクリと一口小夜子を食べた。

⏰:06/09/10 02:07 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#470 [ザセツポンジュ]
「甘いなぁ。ワシはこんなにも甘い恋心を一体何度抱いた事があるのだろうか…」

ヒヨコを飛ばしていたきーさんもこのセリフだけは欠かした事がない。

きーさんの考え事は続いた。

⏰:06/09/10 02:11 📱:W41S 🆔:sOXotDB6


#471 [ザセツポンジュ]
━━
困った祖父を持ってしまった14歳の少年達も同じ日の夕方《エリアカフェ #7791》に来ていた。

「なぁかわいぃかわいぃちーちゃんよ。今月のクーポンもう来てる?」

ちーちゃんは手元にあったクーポン雑誌を
トミーに手渡した。

「これ今月の。お待たせしました小夜子ストロベリーです。」

トミーはクーポンと黄色いノートを小夜子ストロベリーのサイドに起き、めまぐるしく目の玉を動かしていた。

⏰:06/09/11 19:41 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#472 [ザセツポンジュ]
「トミー…物色するか探すか食べるかどれかにしなよ。欲張りな男だな。それにしても今日は小夜子ストロベリーを食べるなんて珍しいね。」
そう言ってジョウはいつものお約束、小夜子ストロベリー食べた。
「だってこのクーポンで安くなるんだもん。」

トミーはクーポン雑誌からエリアカフェの欄を見つけ、
小夜子ストロベリー100円引きと書いているところの点線をやぶった。
「……なんで小夜子好きのボクに今までそれを教えてくれなかったの?」

⏰:06/09/11 19:48 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#473 [ザセツポンジュ]
ジョウはクーポン雑誌にあまり興味がなかったためそんな事実がある事ですら把握できていなかった。

一方トミーは、いち早くトレンドのものを脳みその引き出しに入れておきたいがために、毎月必死に要チェックをしている。

安くなるなら一回くらい食べて見てやってもいいだろうと考えたのだろう。

⏰:06/09/11 19:51 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#474 [ザセツポンジュ]
「お前な、自分が好きなものなら自分の力で手に入れろ。人の情報をあてにするんじゃないよ………ん?」

トミーはスプーンをくわえたまんまクーポン雑誌の一部分に眉をひそめ目を落とした。

そんなトミーの様子を見たジョウも

クーポン雑誌をのぞきこんだ。

⏰:06/09/11 19:54 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#475 [ザセツポンジュ]
「エノシタさんじゃない!?」

ジョウはびっくりして少し声のボリュームをあげてしまった。
古着屋ミッシェルの上にある美容室の割引き券にエノシタさんが映っているのである。

トミーはジョウの顔とクーポン雑誌を交互に見た。
「お前やっぱエノシタさんが好きなんじゃん。俺はこっちを見ていたんだよ。」

トミーの指差した欄には美容室のコーナーではなく隣のページの

《新規OPEN★ホテルミラクル。休憩1000円割引き!宿泊半額★先着5名様》

新しく近所にできたラブホテルの欄だった。

⏰:06/09/11 20:04 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#476 [ザセツポンジュ]
「違います。ボクはエノシタさんに気付いただけです。」
ジョウはやたらキョロキョロしながら弁解をした。

「ジョウジロウちゃん。君は、ウソをついたり怒ったりすると丁寧語になるクセがある。」
トミーは意地悪な笑みを浮かべた。

「……怒っている方です。」

ジョウは小夜子をほうばった。

「そうか、そうか。」
トミーも、今日はジョウと同じ甘い甘い小夜子を食べた。

⏰:06/09/11 20:14 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#477 [ザセツポンジュ]
━木田家。


「トミオ。座りなさい。」
トミーは家に帰るなり、真剣な瞳で玄関にたたずむ我が祖父に素直に従った。
「なんだ、今日は。」
トミーは玄関に座った。
「立て。」
「え!?」
真剣な瞳が気色の悪い我が祖父を2度見した。
「じぃちゃんの部屋に来なさい。」

きーさんはそう言い残して自分の部屋へと移動した。

(なぜ一度座らせる必要があるんだ…あのクソジジイ。)

⏰:06/09/11 20:23 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#478 [ザセツポンジュ]
きーさんは部屋で仁王立ちで偉そうにかまえていた。

「じぃちゃん…何がしたいんだ。」

「決闘だ。」

「……どうしてだ。」
「…すーさんが腹立つ行動ばっかりするからだ。」

「おい、すーさんを直接殴ればいいんじゃないのか、それ。」

⏰:06/09/11 20:31 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#479 [ザセツポンジュ]
「いいかトミオ。じぃちゃんのココ。拳の下にちっちゃいアザを作るような攻撃をくわえる事だけを考えろ」

「じいちゃん。俺は110を押した方がいいのか?おかしいぞ。」

「つべこべ言わずファイ!!」

きーさんはトミーに飛びついた。

⏰:06/09/11 20:37 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#480 [ザセツポンジュ]
「気持ちが悪いぞ!コノヤロウ!」

トミーはきーさんを殺さない程度に叩きまくった。
「トミオちゃ〜ん」
きーさんはトミーの顔をベタベタ触りチューを試みた。
「死ねジジイ!」

トミーは、きーさんの手を思いきり噛んだ。
「イッチチチチチチ!」
きーさんは目をつぶり手を押さえた。

⏰:06/09/11 20:42 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


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