クソガキジジイと少年」
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#474 [ザセツポンジュ]
「お前な、自分が好きなものなら自分の力で手に入れろ。人の情報をあてにするんじゃないよ………ん?」

トミーはスプーンをくわえたまんまクーポン雑誌の一部分に眉をひそめ目を落とした。

そんなトミーの様子を見たジョウも

クーポン雑誌をのぞきこんだ。

⏰:06/09/11 19:54 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#475 [ザセツポンジュ]
「エノシタさんじゃない!?」

ジョウはびっくりして少し声のボリュームをあげてしまった。
古着屋ミッシェルの上にある美容室の割引き券にエノシタさんが映っているのである。

トミーはジョウの顔とクーポン雑誌を交互に見た。
「お前やっぱエノシタさんが好きなんじゃん。俺はこっちを見ていたんだよ。」

トミーの指差した欄には美容室のコーナーではなく隣のページの

《新規OPEN★ホテルミラクル。休憩1000円割引き!宿泊半額★先着5名様》

新しく近所にできたラブホテルの欄だった。

⏰:06/09/11 20:04 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#476 [ザセツポンジュ]
「違います。ボクはエノシタさんに気付いただけです。」
ジョウはやたらキョロキョロしながら弁解をした。

「ジョウジロウちゃん。君は、ウソをついたり怒ったりすると丁寧語になるクセがある。」
トミーは意地悪な笑みを浮かべた。

「……怒っている方です。」

ジョウは小夜子をほうばった。

「そうか、そうか。」
トミーも、今日はジョウと同じ甘い甘い小夜子を食べた。

⏰:06/09/11 20:14 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#477 [ザセツポンジュ]
━木田家。


「トミオ。座りなさい。」
トミーは家に帰るなり、真剣な瞳で玄関にたたずむ我が祖父に素直に従った。
「なんだ、今日は。」
トミーは玄関に座った。
「立て。」
「え!?」
真剣な瞳が気色の悪い我が祖父を2度見した。
「じぃちゃんの部屋に来なさい。」

きーさんはそう言い残して自分の部屋へと移動した。

(なぜ一度座らせる必要があるんだ…あのクソジジイ。)

⏰:06/09/11 20:23 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#478 [ザセツポンジュ]
きーさんは部屋で仁王立ちで偉そうにかまえていた。

「じぃちゃん…何がしたいんだ。」

「決闘だ。」

「……どうしてだ。」
「…すーさんが腹立つ行動ばっかりするからだ。」

「おい、すーさんを直接殴ればいいんじゃないのか、それ。」

⏰:06/09/11 20:31 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#479 [ザセツポンジュ]
「いいかトミオ。じぃちゃんのココ。拳の下にちっちゃいアザを作るような攻撃をくわえる事だけを考えろ」

「じいちゃん。俺は110を押した方がいいのか?おかしいぞ。」

「つべこべ言わずファイ!!」

きーさんはトミーに飛びついた。

⏰:06/09/11 20:37 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#480 [ザセツポンジュ]
「気持ちが悪いぞ!コノヤロウ!」

トミーはきーさんを殺さない程度に叩きまくった。
「トミオちゃ〜ん」
きーさんはトミーの顔をベタベタ触りチューを試みた。
「死ねジジイ!」

トミーは、きーさんの手を思いきり噛んだ。
「イッチチチチチチ!」
きーさんは目をつぶり手を押さえた。

⏰:06/09/11 20:42 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#481 [ザセツポンジュ]
その時だった。


きーさんの脳内の小さい引き出しが全て開放されたのだ。

気が狂って、拳をまるまま口に入れたすーさん。

気持ち悪さに抵抗して思いきり噛みついた
我が孫、トミー。


共通点は歯形。


女の子がキレイな自分の手を口の中に入れる━━。



「ハッッッ!!分かったぞトミオ!!」

ゴツン━。

きーさんは嬉しさついでにトミーにゲンコツをくらわした。

「くぅ……ぅぅ。」

きーさんのゲンコツは痛いのだ。

⏰:06/09/11 20:48 📱:W41S 🆔:szQEfsT2


#482 [ザセツポンジュ]
「鈴木ヒト━━━━━━シ!!!!」
トミーは、たまらず隣の家のエロジジイに叫んだ。
「こんのクソガキやっかましぃわ!!!!62歳のジジイだと思ってなめるんじゃないよ!!!今大事なビデオを観賞中なんじゃ!!!!次叫んだら売り飛ばすぞこのボケタレ!!!」
ピシャン━。
すーさんは窓の鍵をしめてカーテンをきっちりとしめ電気を消したた。
「ムフフフ…」


「わぁ〜〜ん。」
トミーの両目から涙がちょちょぎれた。

やっぱりきーさんのゲンコツはとっても痛いのだ。

⏰:06/09/12 00:18 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


#483 [ザセツポンジュ]
━━季節は冬になった。

寒い寒い
冬になった。

ジョウはまだストラップを渡せずにいた。

生徒会役員が集まる生徒会室にエノシタさんはいつもいた。

用事以外何にも話せないジョウがいた。

それとは逆にかわいくなったエノシタさんとも、他の女子ともわけへだてなく楽しそうに話しているトミーがいた。

⏰:06/09/12 00:30 📱:W41S 🆔:x4l6J1Kg


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