クソガキジジイと少年」
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#61 [ザゼツポンジュ]
メールのやりとりはこうだ。
きーさん(ジョウ)
『仲良いよー。どうしたの!!?』

えのした
『トミーって彼女いるのかな!!?』

きーさん(ジョウ)
『いやぁわかんないな、今は。でもだいたいいつもいるけど。』                   えのした
『そうだよね…わかったありがとう☆彡』

きーさん(ジョウ)
『ちょっと待ってよ、トミーが好きなら協力するよ!!えのしたさん頑張ろおよ!!大丈夫だよ!!』

えのした
『えっっ(*_*)じゃあ…お願いしようかな…』

きーさん(ジョウ)
『うん、うん、うんその方がいいよ。あとはまかせてね。おやすみ。またメールするよ』

⏰:06/06/13 01:34 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#62 [ザゼツポンジュ]
さとしはすでによっぱらっていた。
『ボク、いい気分でちゅーフフフ。やーん。』
もう夜の九時半をまわっていた。
『きーさん、さとしちゃんがこんなうちに家へ帰ろう。最悪ツケになるが今日は食い逃げだ。』
そっからの行動は速い。
小便に行きたかったきーさんも、我慢し、店の外へ出て、男の特権立ちションを暗やみの中でかますのだ。

⏰:06/06/13 01:42 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#63 [ザゼツポンジュ]
『すーさん、明日えのしたさんが、どんないでたちなのか、ちょいと朝偵察に行こう。』
ホロ酔いのジジイ二人はいい気分でヨタヨタ歩き帰っていた。
『おぉ、いーねぇ。女子中学生をたくさん見れるのか』
『しかし、なんたることだ、えのしため。すーさん、ジョウジロウにはくれぐれも、しーだぞ。』
『ぅぁーん、わかってるわかってる。きーさん風呂は入ってから寝ろよ。明日若い女のところへ行くんだ。わかったな。』
『了解なまこん』

⏰:06/06/13 01:51 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#64 [ザゼツポンジュ]
了解なまこんとは、きーさんが14歳の時に思いついたセリフだが、半世紀たった今でもはやる気配がまるでない。だがきーさんは流行語を生み出したんだと今だに思い、今だに言い続けているのだ。
『すーさん、この稲を刈った後のたんぼの匂いというのは実にいいな。秋がやってきたのだよ。』
九月も中旬に入り、きーさん達が暮らす田舎町は稲刈りシーズンだった。
きーさんは季節を肌で感じ楽しむなかなか古風な人なのである。
すーさんは、女さえいれば春だろうが夏だろうが氷河期に入ろうがどーだっていい。

⏰:06/06/13 01:55 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#65 [ザゼツポンジュ]
きーさんは家へ帰るなり、トミーの部屋へと向かった。
トミーの部屋のドアノブをクルっとまわし顔半分だけお邪魔した。
『トミオ入っていいか…』トミーはパラパラ漫画をつくっていた。
『入る前に聞け、なんだクソジジイ』
きーさんは座りとりあえずたばこに火をつけた。
『灰皿を出さないか!!ゲストがこうして来ているんだぞ』
『何様なんだよ!!用事を言え!!』
町内会でもらったきーさん用の灰皿をしぶしぶ出してあげたトミー。

⏰:06/06/13 02:02 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#66 [ザゼツポンジュ]
『えのしたって女知ってるか?』
トミーはそくざにこう答えた。
『ブスだ。』
『ほぅ。3文字で片付けたな。えのしたさんは処女か!!?』
『処女じゃないとしたら近親相姦としか考えられない。』 
『お前は物凄いことを口にする14歳だな。ところでそのえのしたさんがなんっっでもするから付き合ってくれと言われたら、トミオよどうする。』
『オレに触らず金だけくれるっつーんなら考えてやってもいいぜ。つーかお前なんであんなブス知ってんだよ』

⏰:06/06/13 02:08 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#67 [ザゼツポンジュ]
『お!!?……最近なスーパーで、うっかり小銭をばらまいてしまった時拾ってくれたんだよ。名札にえのしたと書いていた。』
きーさんは平気でウソをつく大物ゲストだ。
『は!!?じーちゃんはそんな事であのブスを気に入ったのか!!?』
きーさんは蚊取線香の匂いが大好きだ。夏も終わりそうだが夏の名残を惜しむようにそっと火を付けた。
『トミオ、えのしたさんは中3か!!?』
『ああ。』
きーさんは心の中でッッッシャ!!と叫んだ自分の推理が当たったのだ。

⏰:06/06/13 02:14 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#68 [ザゼツポンジュ]
『ワシは、えのしたさんを知らなかった。はたまたえのしたさんもワシの事は知らない。トミオの事は知っている。だがワシは名札なんぞつけてはいないのだ。ワシがトミオのじーちゃんである事は、えのしたさんは知らないワケだ。それでも親切に小銭を拾ってくれたのだ。いい子ではないか。』
『…まぁな。』
……架空の話だがな。
『で、トミオはえのしたさんと話した事があるのか!!?』
シャーペンを回しながらトミーは考えた。

⏰:06/06/13 02:22 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#69 [ザゼツポンジュ]
『……新学期早々の話なんだけど、理科の教室で、あのブスがノート置き忘れてたんだよ。たまたまオレ、えのしたさんと同じ席だったんだ。で、届けに行ったんだよ3年のクラスまで。オレさぁ、そこでミスを犯したんだ。3年に榎下(エノモト)さんてゆうかわいい子がいるんだけど、ブスな榎下(エノシタ)さんと、かわいい榎下(エノモト)さん漢字が一緒だから、オレえのもとさんの方だと思ったんだよ。』

⏰:06/06/13 02:28 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#70 [ザゼツポンジュ]
『それで、気分ウキウキでノート渡しに行ったらさ、かわいいえのもとさんに、ぁ、これ、えのしたさんのよ。あたしが渡しとくねぇなんて言われちゃてさ、発展なしだよ。親切したのに損したよ。しかもオレそのノートの最後のページに相合傘書いてオレ、オマエなんて書いちゃっててさぁ。』
きーさんは孫を二度見した。
『…お前気持ち悪がられているんじゃないのか…そんなこそくな手が現代的にはマルなのか!!?』
『まぁとりあえず、相合傘書いたくらいで話したことは一度もないよ。』

⏰:06/06/13 02:35 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


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