クソガキジジイと少年」
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#67 [ザゼツポンジュ]
『お!!?……最近なスーパーで、うっかり小銭をばらまいてしまった時拾ってくれたんだよ。名札にえのしたと書いていた。』
きーさんは平気でウソをつく大物ゲストだ。
『は!!?じーちゃんはそんな事であのブスを気に入ったのか!!?』
きーさんは蚊取線香の匂いが大好きだ。夏も終わりそうだが夏の名残を惜しむようにそっと火を付けた。
『トミオ、えのしたさんは中3か!!?』
『ああ。』
きーさんは心の中でッッッシャ!!と叫んだ自分の推理が当たったのだ。

⏰:06/06/13 02:14 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#68 [ザゼツポンジュ]
『ワシは、えのしたさんを知らなかった。はたまたえのしたさんもワシの事は知らない。トミオの事は知っている。だがワシは名札なんぞつけてはいないのだ。ワシがトミオのじーちゃんである事は、えのしたさんは知らないワケだ。それでも親切に小銭を拾ってくれたのだ。いい子ではないか。』
『…まぁな。』
……架空の話だがな。
『で、トミオはえのしたさんと話した事があるのか!!?』
シャーペンを回しながらトミーは考えた。

⏰:06/06/13 02:22 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#69 [ザゼツポンジュ]
『……新学期早々の話なんだけど、理科の教室で、あのブスがノート置き忘れてたんだよ。たまたまオレ、えのしたさんと同じ席だったんだ。で、届けに行ったんだよ3年のクラスまで。オレさぁ、そこでミスを犯したんだ。3年に榎下(エノモト)さんてゆうかわいい子がいるんだけど、ブスな榎下(エノシタ)さんと、かわいい榎下(エノモト)さん漢字が一緒だから、オレえのもとさんの方だと思ったんだよ。』

⏰:06/06/13 02:28 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#70 [ザゼツポンジュ]
『それで、気分ウキウキでノート渡しに行ったらさ、かわいいえのもとさんに、ぁ、これ、えのしたさんのよ。あたしが渡しとくねぇなんて言われちゃてさ、発展なしだよ。親切したのに損したよ。しかもオレそのノートの最後のページに相合傘書いてオレ、オマエなんて書いちゃっててさぁ。』
きーさんは孫を二度見した。
『…お前気持ち悪がられているんじゃないのか…そんなこそくな手が現代的にはマルなのか!!?』
『まぁとりあえず、相合傘書いたくらいで話したことは一度もないよ。』

⏰:06/06/13 02:35 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#71 [ザゼツポンジュ]
トミオの話を聞き納得した。
(エノモトさんという奴はトミオがノートの忘れものを渡しに来てくれたとエノシタさんに伝えた。そうしてエノシタさんはだいぶたってノートを使い終わろうとした時、最後のページにトミオからの勘違いメッセージに気付いて恋をしてしまった…馬鹿な女だ。)

⏰:06/06/13 02:44 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#72 [ザゼツポンジュ]
きーさんはすーさんと糸電話をしようと思ったのだが、やめた。すーさんが伊勢崎ブルースを歌う声が聞こえて来る。長風呂中だろう。
『♪テレッテ、テレレレッテレンッッ、あっは〜ん…テレッテ、テレレレッテレン!!うふーん…あなたしぃってるぅ…てれって…』

やっっかましい!!

⏰:06/06/13 02:45 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#73 [ザゼツポンジュ]
━━朝6時15分。じーさんは早起きなのだ。
『実にいい朝だなきーさん。大雨だ。』
15歩程度しか歩かないにもかかわらず、嫌味にもすーさんはカッパを装着し、きーさん宅へ現われたのだ。一見準備のいいように見えるが雨に濡れたくないというすーさんのせいいっぱいの反抗である。

⏰:06/06/13 03:16 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#74 [ザゼツポンジュ]
『…すーさん、大雨だからと言ってやめにしようというのはワシはあまり好きではないのだよ。嫌な事があったらすぐ様諦めるようなのは好きじゃない。わかるか!!?すーさんは可愛いモロタイプの女が、たまたまおしっこを漏らしたからと言ってあきらめるのか!!?』
『…むしろ大歓迎だ。』

⏰:06/06/13 03:21 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#75 [ザゼツポンジュ]
『まぁすーさんの変な趣味はどうでもいいし朝からはキツイものがあるが、なぁ、考えてみろ。雨の方が身も隠れる。晴天の場合ワシらのシャツすら透けてしまうくらい丸見え、いや、まる見せになる可能性だってあるんだ。この雨に感謝しよう。望遠鏡を持って出掛けようじゃないか、すーさん』
すーさんは肩を落としため息をつき半分泣きかけた。

⏰:06/06/13 03:26 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


#76 [ザゼツポンジュ]
雨がこの町一嫌いなのだ。理由はすーさんが若かった頃のある日ドシャブリで道すらわからなくなる始末だった。その日すーさんは大好きな鞠(まり)ちゃんと言う子に男女交際を申し込もうと、とある喫茶店で待ち合わせをしていた。
すーさんはずぶぬれになり、好きな女のために必死をこいて喫茶店へ行ったのだ。
が、鞠ちゃんはすーさんの姿にどん引きし、以来口も聞いてくれないようになったのだ。
という、理由があり雨の日がとにかく嫌いなのだ

大雨の日

⏰:06/06/13 03:33 📱:P701iD 🆔:5A22jEVw


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