クソガキジジイと少年」
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#716 [ザセツポンジュ]
六さんの店に通ううちに
バランスの良い食事を
こころよくとらせてもらっていることに
気が引けて
週に2、3回程度
中居として働かせてもらうことになったと言うきららちゃん。
ちなみに
六さんと言う老人と
セックスをしてしまうほどアバズレではない。
うそつき空ちゃんと
働くキャバクラには
出勤を減らし
こちらも週3程度で働いている。
精神的なバランスも
徐々にとれだしていた。
『きーさん。私ホントに感謝してます。ありがとう。』
:08/05/13 23:38 :W51CA :aYBz2q7U
#717 [ザセツポンジュ]
きーさんの手を握った
きららちゃんの手の甲から見える
吐きダコの跡が
少し薄くなっていることに、きーさんは安心した。
『きららちゃん。空ちゃんはワシのこと寂しそうに待っているんじゃろ。ワシも会いたいよ。なのにきーさんときたら、何遍誘っても首を縦に振ってくれないんじゃ。きーさんはインポなんじゃ。』
『すーさん。いい加減、死のうとは思わないのかね。この町内のためにも。ちょっと黙っててくれ。』
くすくすと笑うきららちゃんは何かを少しとっぱらったような可愛い笑顔だった。
:08/05/13 23:43 :W51CA :aYBz2q7U
#718 [ザセツポンジュ]
『もう今日は暇だし、アンタもきーさん達とご飯食べなさい。仕事はもういいから。ね。』
六さんの登場に
すーさんはブーイングした。
『六さん!アンタ、きららちゃんをアンタ呼ばわりして何様のつもりかね!変態!ワシですら空ちゃんとチュウもしたことないのに若い娘をなめまわしやがって!』
ゴツン!
『…っつ…。』
きーさんのゲンコツは痛いのだ。
六さんの料理フルコースを食べあさるうちに
日本酒に酔っ払った
すーさんは
ウトウトしだし、大人しくなった。
:08/05/13 23:50 :W51CA :aYBz2q7U
#719 [ザセツポンジュ]
きーさんはタバコに火を付け
一息ついたところで
ゆっくり話だした。
『きららちゃん。本名は何と言うか知らないがそれはどーでもいい。だが…あの…その…手の…事だけども、…体が痩せてキレイになったからと言って解決する問題と言うワケではないのは分かるかい?』
きららちゃんは
手の甲の自分をいじめた赤色の痕跡にそっと手でおおいかぶせ
話し出した。
:08/05/13 23:55 :W51CA :aYBz2q7U
#720 [ザセツポンジュ]
『はい。私ちょっと、勘違いと言うか、過剰に思いすぎていたところがあった…。何かうまく行かない事があると、太っているせいだとか、容姿端麗ならこんな風にはならなかったはずだとか、胃の中に入れたら太ってしまう…出してしまわないと自分は醜いだとか…』
きーさんは
静かな空気の中
フゥっと煙を吐き出した。
『だけど、それよりももっともっと奥の方に、きららちゃんがそうなってしまった原因があるだろう?』
きーさんの
とても柔らかい口調に
きららちゃんは
ほだされていった。
:08/05/14 00:04 :W51CA :FHLTeiMw
#721 [ザセツポンジュ]
『そうね…。それがどうなれば解決とされるのかは分からないけれど、まずは自分を安定させて、それから少しずつ向き合って行けたらなと思うの。』
せめてきららちゃんは
このまま
今、描いているイメージ通りに
進んでいけることを
きーさんは切に願った。
『ピーピーピー。ピピッピピー。空ちゃ〜ん。ワシの空ちゃ〜ん。』
すーさんは顰蹙係。
酔っ払った時は
いつだってこうだ。
:08/05/14 00:08 :W51CA :FHLTeiMw
#722 [ザセツポンジュ]
口の中の
歯ぐきが
ガクガク踊り出して
次は
のどに
次は
心臓に
次は
胃に
次は
心臓に
次は
のどに。
顔を憎み
腕を憎み
胸を憎み
腹を憎み
足を憎み
怖くなって
怖くなって
眠る。
:08/05/14 00:14 :W51CA :FHLTeiMw
#723 [ザセツポンジュ]
チョコレートもポテチも牛丼も
お母さんもお父さんも近所の人も
サンドイッチもハンバーガーもラーメンも
学校も友達も先生も。
アイスもケーキもワッフルも。
妹も妹も妹も…
私の中から出て行って
いらないわ、何もかも
邪魔だわどれもこれも
ずっと比べていればいいわ。
:08/05/14 00:17 :W51CA :FHLTeiMw
#724 [ザセツポンジュ]
どうだっていいもの。
私にはどうだっていいもの。
無くなればいい。
死ねばいい。
私は醜い。
消えてしまえばいい。
どうだっていい。
どうだっていいもの。
全部
どうだっていいもの。
:08/05/14 00:19 :W51CA :FHLTeiMw
#725 [ザセツポンジュ]
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『おはようございます。木田です。生徒会長です。皆様、ご機嫌はいかが?』
恒例の、全校集会が幕を開けた。
《キャーーーー!!!!トミーーーーー!!!》
何を土地狂ったのか
片田舎の女子中学生の
黄色い声援と言うものは
トミーをつけあがらせる
最大の覚せい剤だ。
:08/05/14 00:23 :W51CA :FHLTeiMw
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