クソガキジジイと少年」
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#730 [ザセツポンジュ]
女子達の黄色い悲鳴は止まない。
調子に乗りたい気持ちを抑え
トミーはマイクを持ちステージのそでに立った。
『女子達。キャーキャーピーピーうるさいんですけど。シーよ。シー。俺は、今日来ている君達のママやパパにひとりずつ挨拶してまわらないといけない。そしたらどうなる。全員のパパにボコスコにされてしまうよ。…それで余計かっこよくなれるかもしれないけど。』
腹の立つ勘違い発言だが片田舎のため許された。
いつものことだ。
2階からドっとわかせたところでトミーは口に人差し指を立て、会場をしずめた。
:08/05/19 01:33 :W51CA :UWzOEldU
#731 [ザセツポンジュ]
『皆様今日はお集まり頂き有難うございます。今年も、例年通りの議題で行うように校長から言われました。が、しかし、そんなのなんにもおもしろくないので校長の命令は完全無視する。』
小さな話し声が広がりざわつきはじめた。
校長はキョロキョロしてなにやら教頭に耳打ちした。
『議題を発表します。』
トミーは裏方の前生徒会長、トキムネ氏に指示を出した。
『そこのファイルにある1枚目をスクリーンに映し出せ。』
トミーの鋭い目に圧倒され、言われるがままに従った。
何も聞かされることのなかった旧生徒会役員。
トミー率いる新生徒会役員との確執は深かった。
:08/05/19 01:45 :W51CA :UWzOEldU
#732 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
《い じ め》
スクリーンいっぱいに
映し出された、たった3文字の言葉。
みんなが議題を飲み込んだのを
確認したトミーは、進行をジョウと交代した。
『はい。ここに出ている文字を見てハッとした人もいると思いますが、この学校にいじめは存在しました。今日来ているお父さんお母さんは、ショックかもしれませんが、娘さん、息子さんが誰かをいじめているかもしれません。』
:08/05/19 16:55 :PC :inGAe7KI
#733 [ザセツポンジュ]
ザワつきのボリュームは
次第にあがって行き、
校長は教頭をステージの上に送り出した。
教頭は校長に言われた通りの
マニュアル的台本を、ジョウの耳元で告げた。
普段は物静かなジョウジロウちゃんも
好きな子を守る
盛大なパーティーの最中、
忠告を聞き入れるわけにはいかない。
ジョウは、教頭の背中を押し
ステージの真ん中へ立たせた。
『今ボクに言った内容を、目の前にいるみんなにも発表してください。』
:08/05/19 17:01 :PC :inGAe7KI
#734 [ザセツポンジュ]
教頭に、マイクを渡した。
『、、、いや、、、あの。』
マイクを持って
突っ立ったまんまの教頭に
生徒からヤジが飛ぶ。
『何言ったんだよ!言えよ!』
『なにやってんだよ、お前コケシか!』
混乱する体育館内と
それ以上に困り果てた、教頭、校長、、、。
教頭はマイクをジョウに渡し、肩に手を置いた。
『やりたいようにやれ。知らないぞ。』
そう言い残し、あまりの恥ずかしさからか
ステージの裏に逃げてしまった。
:08/05/19 17:06 :PC :inGAe7KI
#735 [ザセツポンジュ]
校長がギラリと睨んだ先、
教頭は見えないステージの裏側で
今までにない屈辱を味わい
身震いせざるを得なくなってしまった。
裏方にかまえていた
旧生徒会役員も
この時ばかりは、かける言葉すら無かった。
『教頭が逃げたところで本題に入ります。スクリーンに映し出す資料をみんなで見て行きましょう。あとでみんなにも意見を発表してもらいます。』
:08/05/19 17:16 :PC :inGAe7KI
#736 [ザセツポンジュ]
ジョウはエノシタさんに
資料を渡し、順番に映しすようにお願いした。
エノシタさんは、普段は見せないような
不安な顔でジョウを見つめていた。
何を話せるわけでもなく
ジョウはステージに戻った。
:08/05/23 12:13 :PC :2EGMUVP.
#737 [ザセツポンジュ]
年間、少年少女の自殺が
600件にも達していること、
それを大人達は隠してしまっていること。
いじめをすることによって、
優越感を得る同年代の子達の心理
ネットでの書き込み、中傷が
増え続けている事。
黙って見ている人の立場。
ジョウが説明していくたびに
忠実に資料を映し出して行ったエノシタさん。
ステージの裏でのエノシタさんの様子が
気になって仕方のなかったジョウ、、、。
『暇なんですけど〜。』
ステージで説明するジョウを押しのけ
暇を持て余していた、生徒会長木田トミオが現れた。
トミーの再びの登場に
いちいちザワつく田舎女子。
ジョウはトミーと進行を交代した。
『鈴木くんの資料を見て、だいたい分かったと思いますが、ここで突撃インタビューを開始します。何か意見のある人は手を挙げましょう、、、。もちろん挙がりませんね。では、適当に出席番号を言うので各学年、呼ばれた出席番号の人は立ちましょう。』
新生徒会役員、トミーとジョウをステージに置き
残りの4人がマイクを持ち、体育館に散らばった。
:08/05/23 12:29 :PC :2EGMUVP.
#738 [ザセツポンジュ]
『それでは、出席番号を発表します。男子5番、20番。女子2番18番。今呼ばれた出席番号の人、さっさと起立。』
トミーは、立たされた顔ぶれを眺めた。
そして、質問を開始した。
『1年生、1組の男子5番の子。名前をどうぞ。』
いたって健康そうで、1年生ならではの
ズボンの丈が少し短い男の子だった。
『片岡洋平です。』
名前もいたって当たりさわりなく普通だ。
:08/05/23 14:33 :PC :2EGMUVP.
#739 [ザセツポンジュ]
『片岡君、さっきの資料で、年間600件の自殺が報告されていると言うことだったけども、600件全部がいじめが理由なワケではないと思う。でも死ぬほど嫌になるくらいのことを、片岡君は経験したことがありますか?』
トミーの唐突な質問に
いたって健康そうな片岡君は戸惑っていた。
『、、、ありません。』
『では、塾でもなんでもいい。しんどいな、苦しいなと思ったことはありますか?』
『、、、それは、あります。』
『そこで、そのしんどさをどうまぎらわす事ができましたか?』
『、、、。』
ズボンの丈が少し短い片岡君は
緊張のせいもあり、ガチガチで上のほうを見て考えた。
『僕は、、、。数学が苦手で、よく怒られていて、、、。それが嫌だったけど、友達に打ち明けたら、数学教えてくれるようになって、、、。まだ苦手だけどちょっとは楽になりました。』
:08/05/23 14:59 :PC :2EGMUVP.
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