クソガキジジイと少年」
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#797 [ザセツポンジュ]
少年達2人のご帰宅だ。
『おや!ジョウジロウちゃん!よく来たねぇいらっしゃい。』
バタン。
2人はストリートファイターのために
挨拶もそこそこ
トミーの部屋へと急いだ。
そこですーさんの怒りは
さらにヒートアップした。
『おい、見たか!きーさん!ワシに挨拶もナシじゃ!ジョウジロウのやつめ!ワシにおじゃましますくらい言え!』
『すーさん、ここはワシの家だ。それにジョウジロウちゃんはあんたの孫だよ。』
『いや!もうそんなこたぁどうでもいい!トミオちゃんですらワシに声もかけん!いかん!いかんです!』
『町内みなすーさんと話せば性病になると思っとるんじゃよ。』
きーさんは
将棋のコマを一個一個拾った。
:08/06/03 19:35 :W51CA :zIUGw8LY
#798 [ザセツポンジュ]
『はぁ!!!?なんたる不謹慎!きーさん!トミオちゃんの部屋へ突入じゃ!』
バタン。
すーさんは足の裏に
将棋のコマを
2つ3つ踏んづけたまま
トミーの部屋へ移動した。
きーさんは
片付けもそこそこに
好き勝手やられちゃ
困ると、あとを追いかけた。
:08/06/03 19:39 :W51CA :zIUGw8LY
#799 [ザセツポンジュ]
『ヤァ!ヤァヤァヤァヤァヤァ!ヤヤヤヤヤ!』
『もうトミーったら、チュンリー使ったらひゃくれつキックしかやらないんだもんな!うぅ…』
『ヤヤヤヤヤ!ヤァヤァ』
『いちいち声に出さなくてもいいよ、トミー』
『ヤァヤァヤァヤァヤァ!』
ガチャ!
『ヤァ……ヤァヤァヤァヤァヤァ!!』
トミーは
部屋に入って来たすーさんを2度見して、プレイを続けた。
ジョウは見向きもしなかった。
『ヤァ!じゃないわ、クソガキどもめ!』
すーさんは足の裏に
貼りついた将棋のコマを
2人に思いくそ投げつけてテレビを消した。
『いて!』
『いてて!じーちゃん何してんの?付けてよテレビ!』
:08/06/03 19:46 :W51CA :zIUGw8LY
#800 [ザセツポンジュ]
すーさんは少年達から
コントローラーを取り上げた。
『まずは、ジョウジロウ。きさま、ワシに挨拶もなしにインベーダーゲームか!』
ジョウジロウの胸ぐらをつかみ鼻息を荒くさせた老人。
『違うよ、ストリートファイターだよ。ボクはエドモンド本田。トミーはチュンリー…』
『パキスタン塩田でもトミーフェブラリーでもどっちゃでもいいわい!』
ゴツン。
『うぅ…。やりやがったな木田シゲル…』
理不尽なすーさんは
きーさんからゲンコツをくらった。
きーさんのゲンコツは
痛いのだ。
:08/06/03 20:33 :W51CA :zIUGw8LY
#801 [ザセツポンジュ]
『そんなことより、トミオもジョウジロウちゃんも最近帰りが遅いじゃないか。部活か?』
きーさんの問いかけに
2人とも首を横に振った。
『女か?』
再び首を横に振った。
ゲンコツのダメージから、なんとか起き上がったすーさんは
きーさんにもたれかかった。
『ジョウジロウが女なワケないじゃろ。どうせ古本屋でエロ本の立ち読みでもしとるんじゃよ?このいかれぽんち!変態!』
弱ったすーさんを
平気な顔で再びどつき
きーさんは2人の顔を見た。
『おや?隠しごとかい?』
少年2人は顔を見合わせて笑って首を横に振った。
:08/06/03 20:39 :W51CA :zIUGw8LY
#802 [ザセツポンジュ]
『会議だよ。今度学校の参観日に集会があるんだ。それの話し合い。』
そう言ってトミーは
テレビを付けて
ゲームをセットした。
『ほお!ジョウジロウちゃんもその話し合いか!変態ではないんだな!』
ジョウはうなずき
トミーの横に座って
ツーコンを握った。
『きーさん、見に行こう!まだギリギリきれいなお母さんも何人かはいるだろう!』
『それはどうでもいいが、孫の晴れ舞台に家でワイドショーを見ているわけにはいかんからな!』
トミーとジョウは
いったんゲームを止め
くるっと振り返り
お互い、我が祖父を見つめ、声を揃えて言った。
『絶対に来ないでね。』
:08/06/03 20:47 :W51CA :zIUGw8LY
#803 [ザセツポンジュ]
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(あぁ、とんでもないことをボクはしているんじゃないだろうか…今さら逃げられない…)
『。。。。』
校長は黙ったまま
次第に少し焦りだしていた。
トミーは
校長の焦りを見逃さなかった。
『では、これを見てくれたら校長も何か分かると思います。ジョウジロウちゃん!!アレ持って来て!』
(き…来た…。)
トミーの少し大きな声に生徒達も2階の父兄達にも緊張感が漂った。
:08/06/03 20:52 :W51CA :zIUGw8LY
#804 [ザセツポンジュ]
ジョウは
丸まった紙を抱えて
立ち上がった。
そして
近くにいる
エノシタさんを見た。
心臓もバクバク鳴る中
暗いステージ裏で
エノシタさんは
ジョウの肩にふれた。
『いってらっしゃい。』
こくん。と頷いた
14歳の少年。
ジョウの
心臓の高鳴りを
エノシタさんと
半分こできたなら。
(ボクはエノシタさんのことが好きなんだよ。とても好きなんだよ。)
:08/06/03 21:01 :W51CA :zIUGw8LY
#805 [ザセツポンジュ]
ジョウは
エノシタさんの目を
しっかり見つめたあと
歩き出した。
体育館中の視線が
ジョウに向けられている。
ラストボス。
校長とトミーの
目の前に立ち、
生徒達に背を向けた。
(ジョウジロウちゃん、お疲れ様。)
トミーはジョウを
見守った。
そしてゆっくりゆっくり丸めていた紙、大きなポスターを
広げて行った。
:08/06/03 21:09 :W51CA :zIUGw8LY
#806 [ザセツポンジュ]
『え?何?』
『何が書いてあるの?』
『な〜に〜??』
覗こうとしても
見られないポスターに
生徒達はもどかしさを
あらわにした。
皆がザワつくなか
ポスターで顔の隠れた校長。
目をひんむいて
口をガクガクさせていた。
トミーとジョウは
しっかりと見たのだ。
ラスボスを倒す瞬間を。
:08/06/03 21:13 :W51CA :zIUGw8LY
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