クソガキジジイと少年」
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#809 [ザセツポンジュ]
『…にーちゃん…ちょっと頼みがあるんだ。』
オレの弟は
優しい奴なんだ。
だけど少し内気で
不器用なだけなんだな。
14歳の少年は
ビニール袋に集めた紙くずを、ひっくり返してきた。
オレはその紙くずを
ひとつひとつ手にとって
見てみたんだ。
クーポン雑誌で
美容室の広告塔になったエノシタさん。
卑猥な言葉を書き殴られたエノシタさんもいれば、ビリビリに破られているエノシタさんもいて、落書きされているエノシタさんもいた。
:08/06/03 21:29
:W51CA
:zIUGw8LY
#810 [ザセツポンジュ]
『ボクね、自分でやりたかったんだけど、うまい使い方を思いつかなくって。』
ショボンと肩を落とすジョウジロウだったが
ちょうど見ていた
アンディーウォーホルの作品集のこともあり
必ず素敵な
1枚のポスターにすることをオレは約束した。
『充分だよ。こんだけ回収したんだもの。よくやったよお前。』
毎日毎日
気づかれないように
ゴミ箱を一個一個
見回ったのだろうか。
そして初めて好きな子ができたことも思春期の少年には打ち明けにくかったのではないだろうか。
:08/06/03 21:35
:W51CA
:zIUGw8LY
#811 [ザセツポンジュ]
少年は少年なりにいろいろ考えていくにつれ、時間がなくなってしまったのだろうか。
あれこれ憶測を巡らせていくうちに
自分の弟だが
だんだんかわいく思えてきたオレだった。
アンディーウォーホルの
代表的な作品に
同じような
コカ・コーラのビンを
ひたすら描いているものがある。
だけど、よく見れば違う。
その意味を考えさせられるポスターに仕上げようと思ったんだ。
案はモロパクリだけれども。
:08/06/03 21:42
:W51CA
:zIUGw8LY
#812 [ザセツポンジュ]
同じ顔のはずの
クーポン雑誌のエノシタさんが
誰かの手が加わって
違う顔に変わっている。
いじめたみんなが
いけないアートをほどこした
エノシタさんが100人。
それをかき集めた
ジョウジロウがいて
それを受け取ったオレがいる。
一枚の厚紙に
エノシタペーパーが100枚並んで問いかける。
『これを、いじめととらえますか?アートととらえますか?』
:08/06/03 21:48
:W51CA
:zIUGw8LY
#813 [ザセツポンジュ]
:08/06/03 21:50
:W51CA
:zIUGw8LY
#814 [ザセツポンジュ]
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年月を重ね、見開いた目で
世界を飲み込む。
知識と言う種ばかりを
埋め込んだ
脳みその使い道は
いかほどなものだろうか。
都合の悪い物事は
焼却炉へと飛び込ませ
蓋を閉めたその先
灰色の煙を見送る
ハゲ散らかした頭よ。
少年の思春期爆弾を
いざ受け止めよ。
:08/06/06 12:05
:PC
:GiYNkI5c
#815 [ザセツポンジュ]
唇を震わせ、
体中全ての神経を
困惑させ
自分の愚かさを知るため
今宵、育毛剤と言う名のシャワーよ
奴に魔法をかけて。
目は何の為に
余計な物を見ない為に
鼻は何の為に
近道をかぎわけるために
口は何の為に
嘘をこぼし、自分を弁護する為に、、、。
戻り先はふりだし。
:08/06/06 12:05
:PC
:GiYNkI5c
#816 [ザセツポンジュ]
好きな子が泣いていたら。
大切な人が応援してくれていたなら。
たったひとりでも味方でいてくれたなら。
もしかして
救われただろうか。
救えたのだろうか。
向き合うことを忘れた
大きな子供達。
背中ばかりを追いかけて叫んだ
小さな子供達。
思春期爆弾が
手元に届いた時
使い道は、自分次第。
自分の為に
誰かの為に。
決められるのは
自分だけ。
:08/06/06 12:06
:PC
:GiYNkI5c
#817 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
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最終章 クリスマスの夜に。
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:08/06/06 12:08
:PC
:GiYNkI5c
#818 [ザセツポンジュ]
鈴木家の床暖房は
とても温かい。
『きーさん寒いよう。わしゃ寂しいよう。』
すーさんはきーさんにまとわりつき
寒さを忍んでいた。
『ええい!老いぼれがベタベタ触るんじゃないよ!酔っ払い!』
昼間からする事もなく
酒を飲んだくれている老人二人。
我が孫に、家から追い出されたと言う
かわいそうなこの老人
木田シゲル62歳。
:08/06/06 12:45
:PC
:GiYNkI5c
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