クソガキジジイと少年」
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#874 [ザセツポンジュ]
辺りの空気は冷たく、
吐く息はとても白かった。
最初に口を開いたのは、エノシタさん。
『今日はありがとう。あんな賑やかなオウチで、ジョウくんが羨ましいわ。楽しかったな〜。』
『え?それホントなの?こっちこそありがとう。そしてごめんなさい。相手するのも後始末も大変だけど良かったらいつでも遊びに来てね、エノシタさん、、、。』
:08/06/30 01:15 :PC :3PmgDCPQ
#875 [ザセツポンジュ]
『フフフ。ジョウくんのお兄さん、呼びに行ったのに今日いなかったんでしょ?忙しい人なの?』
『ううん。にいちゃんホントどこ行ったんだろうな。普段は屋根裏部屋にこもって、いろんなものを創作してるんだ。そんでその作ったものを売ってる。』
『へぇ〜すごいね。器用なんだね。例えば何作ってるの?』
『服も縫っちゃうし、絵も描くし、パソコンで何か難しい事してるし、ギターもピアノもやるし、エヴァンゲリヲンマニアだし。何でも出来るオタクだよ。』
『多趣味なのね。ジョウくんは何か趣味あるの?』
:08/06/30 01:16 :PC :3PmgDCPQ
#876 [ザセツポンジュ]
『ボクはね、、、、。』
(、、、。ないんだけど。得に。何でボクとにいちゃんはあんなに違うんだろうか。。。)
『音楽、、、は、よく聴くかな。』
『なに聴くの?』
『笠置シヅコさんとか〜、、、。』
(え?ボク何言ってんの?バカ?中3の女子相手に昭和のブギの女王の話して、どうするんだよ。)
:08/06/30 01:17 :PC :3PmgDCPQ
#877 [ザセツポンジュ]
『知ってる!東京ブギウギとか買物ブギーの人でしょ!ちびまる子ちゃんの映画で見た事あるんだ〜。』
『えぇぇぇぇええぇ!!エノシタさん知ってるの!?うそ、いやぁぁホンッッッット、嬉しいんだけど!!』
尋常じゃないジョウの喜びように
エノシタさんは若干引いていた。
(こんなジョウくん見た事ないわ。。。)
:08/06/30 01:17 :PC :3PmgDCPQ
#878 [ザセツポンジュ]
『あ、あとは、、、何聴いてるの?』
『あとはね〜ハイスタでしょ、ブルーハーツでしょ、倉橋ヨエコでしょ、ジュディマリでしょ、え〜とね〜、、、』
『ジョウくんごめん。全部知らない、、、。』
笠置シヅコさんの一件で、並々ならぬ
テンションアップをしてしまっていた
鈴木家の次男だったが、エノシタさんの一言で
自分の体調を通常値に急いで戻した。
『ハ、、ハハ。今度良かったら貸すよ。全部にいちゃんの私物なんだけどもね。』
『そっか。私、流行の歌とかに、うとくてさ。実は。』
:08/06/30 01:17 :PC :3PmgDCPQ
#879 [ザセツポンジュ]
エノシタさんの、正直な答えを
ジョウは嬉しく思った。
『ボクもね、知らないんだよ。さっき言った人達も少し古いんだよ。いい歌は時代をピョンと飛び越えて来てくれるって、きーさんが言ってたんだ。あ!じゃあさ、エノシタさん学校の歌で好きな歌は何?』
エノシタさんは上を向いて考えた。
『あ。ある。ジョウくんはあるの?』
『あるよ、一番大好きなやつ。』
『じゃあさ、せーので言おうよ。』
:08/06/30 01:24 :PC :3PmgDCPQ
#880 [ザセツポンジュ]
星がとてもキレイなクリスマス。
街灯の明かりはとても小さいけど、二人の真上に広がる夜空は
とてもとても明るかった。
“せーの”
『怪獣のバラード!』
『怪獣のバラード!』
二人は顔を見合わせて笑った。
星がとてもキレイなクリスマス。
街灯の明かりはとても小さいけど、二人の真上に広がる夜空は
とてもとても明るかった。
“せーの”
『怪獣のバラード!』
『怪獣のバラード!』
二人は顔を見合わせて笑った。
:08/06/30 01:26 :PC :3PmgDCPQ
#881 [ザセツポンジュ]
:08/06/30 01:29 :PC :3PmgDCPQ
#882 [ザセツポンジュ]
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エノモトさんを送り終えたトミーは
人が隣にいなくなると
急に寒さを感じるものなんだと
痛感し、ポケットに手を突っ込んで
少し走った。
クシャ。
『あ。じーちゃんに1万円もらってたんだった。』
ケーキを買わなければいけない事に
気づいたトミーは
めんどくささを振り切り
ケーキの置いてある喫茶店まで
急いだ。
(さみぃさみぃ。)
:08/07/03 15:33 :PC :l1y/MU3Q
#883 [ザセツポンジュ]
カランカラン。
『えーと、モンブランと、あとは適当に。5つほど、オススメで。』
トミーはガラスケースのケーキも見ずに
店員の顔を見てオーダーした。
店員はニッコリ笑った。
『かしこまりました。お客様、お待ちの方が、あちらのお席に。どうぞ。』
『は?』
トミーは店員の手の指す方向をゆっくりと辿った。
辿るうちに、大好きだった懐かしい匂いが
漂っている事に気づいた。
『え、、、、。』
:08/07/03 15:34 :PC :l1y/MU3Q
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