きらきら
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#775 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・
遠くで珊瑚君と深夜さんが握手をしていた。
好きな人と次いつドコで会えるかわからないのは、すごく悲しいことだろう。
それは永遠に会わないに近いくらいの確率であって、結局は忘れることしか出来ないのだと思う。
『永遠って……なんだろうな……』
その儚く、だけど現実味がない2文字に私は疑問を抱きながら深夜さんが手を振って去って行くのを、それこそ儚い気分で見届けた。
:07/04/14 02:13
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#776 [向日葵]
携帯で時間を確かめると9時30分だった。
そして秋帆からのメールが届いていた。
<ドコにいんのよ

早く来なさい

>
友姫「秋帆に怒られちゃった……。」
珊瑚「なぁ友姫。図書室に行かないか?」
友姫「え?でも卒業式…。」
珊瑚「まぁいいから。」
珊瑚君には珍しく、強引に引っ張られていった。
:07/04/14 02:17
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#777 [向日葵]
カツ…カツ…
友姫「なんかここ来るの久々だねっ。…あ、座れる?」
珊瑚「あぁ。っとー。……。」
私は珊瑚君の松葉杖を横に置いて珊瑚君の隣に座った。
珊瑚「人生ってわかんねぇな……。」
友姫「だねぇ…。もぅ永遠に会わないかもしれないね……。」
自分で永遠と言って、悲しくなった。
永遠とは、とても残酷な言葉だと思った。
とても果てしなく、あてどない道が続くようで……少し恐くなった。
:07/04/14 02:24
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#778 [向日葵]
それからは本をパラパラ見たり、くだらない話をしたりして時間を過ごした。
気がつくと既に卒業式が終ってる時間帯だった。
珊瑚「そろそろ帰るかぁー。」
友姫「うん。」
私達は玄関へと向かった。
:07/04/14 02:26
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#779 [向日葵]
玄関や校門付近では、卒業生が友達や学校を惜しんで泣いていたり、写真を撮ったりしていた。
友姫「珊瑚君。私は永遠って言葉が恐い。」
珊瑚「…なんで?」
泣いてる卒業生達を見ながら私は話を続けた。
友姫「先が見えない様な気がして恐いの。一寸先は闇って言うように……。私は真っ暗で何も見えない気がする……。」
:07/04/14 02:31
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#780 [向日葵]
珊瑚「恐くないよ。」
私は卒業生から珊瑚君に目線をやった。
珊瑚「1人だったら、果てしない道のりかもしれない。でも誰かと一緒ならきっと永遠なんて足りないくらいだと思うよ。」
友姫「じゃあ…私は珊瑚君がいるから、平気かな……。」
私は珊瑚君の手をギュッと握った。
律「あ、友姫に寛和ー!!」
:07/04/14 02:40
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#781 [向日葵]
まだ蕾の桜の木の下に、皆がいた。
友姫「あ、行こうか!」
珊瑚「友姫。」
呼ばれたので後ろを向くと、珊瑚君が優しく笑っていた。
珊瑚「じゃあお前は永遠に俺から離れないんだな?」
友姫「え!!いやあの言葉のあやって言うかその……っ!ウン!!離れないよ!!」
恥ずかしかったが開き直って威張りながら言ってみた。
:07/04/14 02:44
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#782 [向日葵]
珊瑚君は私の隣まで来て立ち止まった。
そして少し意地悪な笑顔を浮かべて言った。
珊瑚「ま、俺も離すつもりないけどな。」
そう言った瞬間。
珊瑚君の背後に未来の珊瑚君が見えた気がした。
それも輝かしく“きらきら”して。
私は目を擦ると、きらきらも未来の珊瑚君もいなくなっていた。
珊瑚「?どーした?」
友姫「え?いや何も?ホラ行こう!!」
:07/04/14 02:49
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#783 [向日葵]
そして私達はみんなの元へ。
秋帆「まったく!!メールも返さないで!!」
友姫「ゴメンネ(汗」
暁「じゃあ皆で昼飯食いに行こうぜー!!」
佳苗「賛成ぃ☆」
私達は校門を出て、いつの間にか決まったお好み焼き屋に行った。
千歳「俺何枚食うかなぁ。」
律「何枚食べる気よ……。」
:07/04/14 02:53
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#784 [向日葵]
暁「男子は育ち盛りだから。なっ!珊瑚!!」
珊瑚「あーまぁ……。」
私は珊瑚君をじーっと見つめた。
確かめたかったのだ。
珊瑚「ん?何?」
友姫「うぅん。ちょっとね!あ!!桜咲いてる!」
:07/04/14 02:55
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