〜運命のヒト〜
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#551 [りく☆]
滝沢がだんだんと見えなくなって言った……


祥子『ちがうのに…』


誰もいない公園


ただ


祥子の泣く声だけが、風の音と共に聞こえてくる。


祥子はその場に座りこんでいた

⏰:07/06/13 00:17 📱:SH903i 🆔:UFSfll72


#552 [りく☆]
 

…何で?


オレはこの状況が理解できなかった

確かに滝沢はオレ達の前で"祥子が好きだ"と言っていた

なのに何で?


…もぉ耐え切れなくなったのか?

…好きな人のあんな相談に耐え切れなくなったのか?


そう思うと、少しだけ滝沢の気持ちがわかる

⏰:07/06/13 00:25 📱:SH903i 🆔:UFSfll72


#553 [りく☆]
 

祥子『ちがうのに………………何で……………うまく言えないの』


?????????


祥子のこの発言が、もっとも理解しがたかった


…何が違うんだ?

⏰:07/06/13 00:27 📱:SH903i 🆔:UFSfll72


#554 [拓モ]
頑張ってください
今日一気に読んだけどヤバイです

⏰:07/06/14 02:58 📱:SH703i 🆔:mLYZW5bE


#555 [りく☆]
>拓モさん

ありがとうございますペースが遅いかもしれませんが、どうか読んで下さい

⏰:07/06/15 00:12 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#556 [りく☆]
 

オレは

祥子に近づくことも

慰めることもできず

ただ草むらから見ていることしかできなかった。


…オレの責任だ


オレは自分を責め立てた。2人の関係を壊した1番の原因はオレにあるからだ。

そんな自分が

いやだった

⏰:07/06/15 00:22 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#557 [りく☆]
しばらくして、祥子は1人で去って行った。その姿は悲しみに満ちていて、オレはただ、そんな彼女を見つめていた。



公園には誰もいなくなった


オレは草むらから姿を表した。
いまだにさっきまでの出来事が信じられないでいる。

⏰:07/06/15 00:27 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#558 [りく☆]
 


…オレはどうしたらぃぃのだろうか。


答えの見つからない疑問を自分にぶつける


今のオレは

あまりに無力でいた。


そして

数多くのかけがえのない人達を

傷つけている。


滝沢が…

祥子が…

一人で去って行った道を

オレも歩きはじめた

⏰:07/06/15 00:32 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#559 [りく☆]
 




美里『ねぇ!!りく聞いてる?』

卓也と別れて、美里と帰っている時、美里が少し頬を膨らませながら怒って言ってきた。その姿はかわいらしく、オレはそんな無邪気な彼女に癒されていた………公園での出来事で落ち込んでいるオレを


卓也には言えなかった


何も相談できなかった


美里『りくっ!!!!』

待ちくたびれた美里が大声でオレを呼ぶ

⏰:07/06/15 00:39 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#560 [りく☆]
オレ『ゴメンゴメン……ちゃんと聞いてるよ』

美里『聞いてなかったでしょ………』


呆れながら言う

美里『さっきからケータイ鳴ってるって言ってるのに………無視するんだから。何をさっきから考え込んでるの?』

オレ『何も考えてないさ。ただ……ぼぉっとしとるだけ



てかケータイ鳴ってるん?!』

美里『ずっとね!!!』


オレは慌ててケータイを取り出した

⏰:07/06/15 00:45 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#561 [りく☆]
オレ『もしもし』


卓也『オレだ』


少し慌ただしく卓也が電話にでた

オレ『どうした?』

卓也『猛志先輩が帰ってきた』


相葉 猛志(アイバタケシ)オレ達の2つ年上のバスケ部の先輩だ。


ただの先輩ではない


オレは"猛志先輩"という言葉にしばらく戸惑いを隠せずにいた


…やばぃ

⏰:07/06/15 00:53 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#562 [りく☆]
卓也『さっき猛志先輩がバイクに乗っているのを見たんだ……』


オレ『……そうか


話しかけられたか??』


卓也『ぃゃ……大丈夫だった』


その言葉に安堵のため息をつく。

⏰:07/06/15 00:56 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#563 [りく☆]
相葉 猛志

オレ達の先輩であり

県内最強と言われる暴走族の総長でもある。


オレ達が1年の時

彼は高校を退学になった

⏰:07/06/15 01:03 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#564 [りく☆]
いろいろな問題を起こしていた


その重なりで退学となったのだ


そして


彼の巻き添いになって退学になった人も


少なくない


誰も彼には逆らえないため、言われた事は必ず実行しなくてはならない

そうしないと

バスケができない体になる

そんな人だ

⏰:07/06/15 01:06 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#565 [りく☆]
オレ達はできるだけ猛志先輩と関わらないようにしてきた。

しかし同じ部活なだけあって

お互い知っている

⏰:07/06/15 01:09 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#566 [りく☆]
猛志先輩は上京したと聞いていたが………帰ってきたらしい



卓也『猛志先輩のバイトの後ろに…………勇貴が』


!!!!!!!


オレ『…………滝沢が?』


美里『りく………どうしたの?』



滝沢が?


何で?

⏰:07/06/15 01:12 📱:SH903i 🆔:RcoX.WgE


#567 [我輩は匿名である]
何回読んでも面白いですテ これからも頑張ってください

⏰:07/06/15 01:46 📱:W51K 🆔:wUqWjY6M


#568 [拓モ]
最近ょく最初から読んでます
頑張って

⏰:07/06/15 02:08 📱:SH703i 🆔:1wH1gnSw


#569 [りく☆]
>匿名さん

そんな風に言ってもらえるのが、何よりも嬉しいです

>拓モさん

何回も読んでいただいてありがとうございます



感想や指摘がありましたらドン言ってください。

⏰:07/06/16 01:07 📱:SH903i 🆔:IQkcD.Nk


#570 [りく☆]
 

オレ『何で………滝沢がバイクに!?』


卓也『オレにもわからない』


オレも、卓也も不安を隠せずにいた。

オレ達3人の中で1番猛志先輩と仲がよかったのは滝沢だが……一緒にバイクに乗るなんて考えられない

⏰:07/06/16 14:56 📱:SH903i 🆔:IQkcD.Nk


#571 [りく☆]
 


卓也『とりあえずオレは勇貴を探してみる』


そぉ言って電話が切れた…

美里『りく………どうしたの?』

不安げな顔で美里が見つめている。よほどオレの顔が強張っていたのだろうか…

オレ『ぃや……ちょっとな……

とりあえず先帰っててくれ』

そう言い残して

オレは走りだした………後ろで美里が何か言っていたが、オレは振り返らずに走り続けた。

⏰:07/06/16 15:03 📱:SH903i 🆔:IQkcD.Nk


#572 [りく☆]
 



オレ『どこにいるんだ…』

1時間以上走り続けただろうか……手掛かりも何もなくただ滝沢を探していた。

しかし見つかるわけもなく、オレはただ額を流れる汗を拭いていた

⏰:07/06/17 22:19 📱:SH903i 🆔:z4JtUlhA


#573 [りく☆]
 


普通ならこんなに大袈裟には探さないだろう

しかし相手は猛志先輩だ……オレの不安はそこだった
……そもそも何故滝沢はそんなことを?


……何か滝沢にあったのか?



…何か…


!!!!!!!


…あの電話!!


…猛志先輩からだったのか?

⏰:07/06/17 22:24 📱:SH903i 🆔:z4JtUlhA


#574 [りく☆]
……祥子と話し合っていたときにかかってきた電話、あの相手が猛志先輩だったのか?


でも電話なら……断れるはずなのに



オレは公園のベンチにすわり考え込んだ

⏰:07/06/17 22:28 📱:SH903i 🆔:z4JtUlhA


#575 [りく☆]
滝沢が何故あんな事をした理由を探しても、オレにはみつけることはできなかった。


…せめて滝沢に会ってはなしたい

その一心で、滝沢が居そうな場所を予想していた。




?『あのぉ……すいません』


!!!!!

突然見知らぬ人に話しかけられた

⏰:07/06/17 22:33 📱:SH903i 🆔:z4JtUlhA


#576 [りく☆]
 


…だれだ?

見知らぬ男性だった。
綺麗なスーツを着こなした上品な感じの人で、年は間違いなくオレより上だ。おそらく22〜25歳くらいだろう。


そんな男性が何故オレに?

⏰:07/06/18 00:28 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#577 [りく☆]
?『別に怪しい者じゃないから…大丈夫ですよ』


オレの顔色をみて、男性が言った。オレは固まったまましばし男性を見ていた。

オレ『ぼ……僕に何か…?』

ようやく口から言葉がでてきた。

男性はオレの鞄に視線をうつす。

⏰:07/06/18 00:32 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#578 [りく☆]
?『君はこの鞄の高校の子だよね?』

落ち着いた口調でオレに尋ねてきた。


オレ『はい…』

?『3年生?』

オレ『そうですけど………何か?』


怪しい感じの人ではないとわかるが、何故そんな事を聞いてくるかがわからなかった

⏰:07/06/18 00:39 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#579 [りく☆]
男性はニコリと笑みを浮かべた。その微笑みには何も疑う要素がなく、オレはただ聞かれた質問に答えればいい………そんな気持ちにおちいっていた。


?『荒井 優希って知ってるかな?』

カジュアルなネクタイを軽く締め直しながら男性がいう。何気ない仕草に品があった。




!!!!!

オレ『えっ?』

オレは質問の意味にようやく気がついた。

⏰:07/06/18 01:06 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#580 [りく☆]
オレはまるで時を止められたかのように固まっていた。


…優希


?『知ってる?』


男性はあらためて尋ねてきた。スーツに見え隠れする腕時計は、高級感が漂っていた。


…こんな男性と一体優希はなんの関係なんだ?

⏰:07/06/18 01:10 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#581 [りく☆]
 

まったく関係がわからない…
そして男性の目的も完全に把握できずにいた。

とりあえず今わかる情報は、この人は悪い人ではないということだけ。


オレは重い唇をゆっくり開いた

⏰:07/06/18 01:13 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#582 [りく☆]
オレ『……知ってます』

その言葉に男性はにんまりと笑う。目的は定かではないが余程彼女を捜し求めていたのだろう。

しかし何故?




?『よかった……知ってたか。』

オレ『はぃ……』

?『じゃぁ彼女の居場所わかるかな?』

⏰:07/06/18 01:18 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#583 [りく☆]
 


!!!!!!


オレ『えっ?!』

思わず驚きの言葉がでてきた。

…優希の居場所?

そんな事……オレがわかるわけがない。むしろオレはそのような事は知ってはならない人間なのだ。


オレ『すいません…知りません…』


目線を少し下に落としながらオレは答えた。知らない事は事実であり、オレの口からはこの言葉しかでてこない。

⏰:07/06/18 01:23 📱:SH903i 🆔:p1IwmC6o


#584 [りく☆]
 


?『そこまでは知らないか……』

顔を下に向け男性は落ち込み気味に言った。
余程優希に会わなければならない理由があるのだろうか…


…何故そこまで知りたがるのだろうか?

不思議でならなかった

⏰:07/06/19 01:10 📱:SH903i 🆔:ZVpUDzLc


#585 [りく☆]
そもそも仮に優希の居場所を知っていたとしても、オレは素直に男性に教えていただろうか。

きっと隠し通しただろう

悪い人ではない…

それは直感的に感じるのだが……
オレの心の中の何かがきっと邪魔をするだろう

何故か抵抗を感じる

⏰:07/06/19 01:12 📱:SH903i 🆔:ZVpUDzLc


#586 [りく☆]
それはまだ優希が好きだということを意味しているのか?この男性に優希をとられる……そんな錯覚に陥っていたのか?

オレはその答えに辿り着けずにいた。



理由はどうであれオレと優希はもぉ"無関係"なのだ。


ふとその事実に気がついたとき……オレはどこと無く寂しさを覚えた。

⏰:07/06/19 01:14 📱:SH903i 🆔:ZVpUDzLc


#587 [りく☆]
 


?『……大丈夫?』


!!!!!!!!!


オレがあまりにも長く黙って考え込んでいたため、男性がオレを心配そうに見つめていた。その瞳は偽りのない純粋なものだった。


オレ『あっ……すいません。考え事してて』

オレはとっさに言葉を出した

⏰:07/06/19 01:22 📱:SH903i 🆔:ZVpUDzLc


#588 [りく☆]
?『なら僕が言ったことも聞いてないね♪』

その言い方に怒ったような気配はなく、笑いかけるようにオレに言った。


オレ『すいません…』

?『大丈夫♪僕が捜してる"荒井優希"って女の子もよくそんな事があったから、慣れてるんだよ。』

⏰:07/06/20 00:48 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#589 [りく☆]
 

この男性と

優希との関係は


少し深いように思えた。

⏰:07/06/20 00:49 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#590 [りく☆]
そぉ思ったとき


オレは男性に少しだけ……嫉妬していた。


?『君にお願いがあるんだ』


突然男性が話を切り出した。おそらく先程オレが放心状態のときに言った台詞だろう

⏰:07/06/20 00:53 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#591 [りく☆]
オレ『何ですか?』

男性は身嗜みを整え始めた。さりげない仕草に品がある。


?『その女の子を連れて来てくれないかい?』



オレ『っえ!?!?!?』

オレは思わず大声を上げた

…連れて来いって?

…オレが?

⏰:07/06/20 00:57 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#592 [りく☆]
話かける事さえ困難なオレに、そんな事できる見込みがなかった。


オレ『あっ……オレがですか?』


…オレ以外だれがいるんだよ!


心の中で自分にツッコミんだ。気が動転しているオレにはそんな言葉しかでてこないらしい。


?『そうだよ。駄目かな?』

穏やかな表情でオレの返事を待っている

⏰:07/06/20 01:02 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#593 [りく☆]
オレ『あ……ぃゃ……』


言葉が


何処を探しても全く出てこない


…やばい



?『もしかして仲良くないのかな?それとも彼女が嫌い?』


しどろもどろなオレをゆっくり誘導するかのように、男性が尋ねる

⏰:07/06/20 01:13 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#594 [りく☆]
仲良いわけでもなく

ましてや嫌いでもない


…どうしよう


"プルルルルルル"


?『あっ!僕の携帯だ……ちょっとゴメンね』


そう言い残して男性は携帯を取り出した

⏰:07/06/20 01:17 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#595 [りく☆]
 



…助かったぁ

オレはひとまず安堵のため息をつく。

優希を連れてくる……そんな事オレには無理な注文だ。

オレは今すぐここから逃げ去りたかった

⏰:07/06/20 01:19 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#596 [りく☆]
?『待たせてゴメンね』

電話を終えた男性が戻ってきた。

何か急用ができたのだろうか……

男性は先程の落ち着きはなく、ひどく慌てている。


?『ゴメンね急用ができちゃって………また会えるかな?』

オレ『…多分』

?『その時またこの話の続きをしよう』

⏰:07/06/20 01:25 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#597 [りく☆]
そう言って

男性は車に駆け込み去って行った。



オレ『何だあの人?』


オレは結局なにもわからないまま男性と別れてしまった

⏰:07/06/20 01:27 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#598 [りく☆]
 


!!!

オレ『何だ?』

男性が走り去った道しるべに何か落ちている。


…カード入れ?


オレは手に取ってそれを見た。折りたたみの財布のような形をしたカード入れだった。

中には名刺や見たことないようなカードがぎっしり詰まっている

⏰:07/06/20 01:32 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#599 [りく☆]
 

…名前くらい知りたいな

そんな好奇心から、オレは名刺を取り出した。


"ヒラッ"


名刺と一緒に何かが出てきて、地面に落ちていった。

オレ『何だ?』


オレは落ちていった物に視線を移す


!!!!!!!!!!


オレ『っえぇぇ!!!』


オレの叫び声が響く

⏰:07/06/20 01:38 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


#600 [りく☆]
それは



あの男性と

優希の


2ショット写真だった


その写真には、二人がまるでカップルのように写しだされている。



オレは慌てて写真を拾いあげた

⏰:07/06/20 01:41 📱:SH903i 🆔:YKRvc0uE


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