〜運命のヒト〜
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#751 [りく☆]
朝ゆっくりと顔を出し、オレを照らし起こしてくれた太陽は、輝く色を変えだんだんと見えなくなってきていた。
そんな景色を目に焼き付けながら、オレは口元の煙草に火を燈す。
口から出た煙りは、風に乗って夕日へと向かっていった。
"夜の8時に学校で…"
そぉ言い残して卓也と祥子はオレの家をあとにした。
:07/08/05 23:39
:SH903i
:3EH4JpDs
#752 [りく☆]
まだ6時……
行動を起こしには少し早い時間帯だった。
そんなわけで、とりあえず一服しているのである。
オレ『チロ、起きたのか?』
ベランダで煙草をふかすオレの元にチロがゆっくりとよってきた。
チロはあれからずっとキッチンで寝ていたのだ。
:07/08/05 23:43
:SH903i
:3EH4JpDs
#753 [りく☆]
…こんなに寝てて太らないのか?
大事な行事を控えている前だというのに、ふとチロの体調が気になった。
オレ『時間もあるし………よしっ!!チロ♪散歩に行くか♪』
チロの頭を撫でながらオレは語りかけた
チロは言葉を理解したかのように玄関へと歩きだした
:07/08/05 23:46
:SH903i
:3EH4JpDs
#754 [りく☆]
首輪も何もなく、チロとの散歩は始まった。紐でリードしなくても、チロはゆっくりとオレの後ろをついてくるから、逸れる心配がない。
ただ……歩くペースが遅いのが難点…
オレ『このペースじゃぁすぐ家に戻らないと間に合わないな…』
なんて小言をもらしていた。
ふと夕焼けに照らされた山を見た……太陽に染められた山は、綺麗で……どことなく偉大に感じた
:07/08/06 00:19
:SH903i
:lc3LPVBQ
#755 [りく☆]
…滝沢
…お前もこの景色見てるか?
時間がたつに連れて、滝沢への心配が増えていった……
"クゥゥン"
か弱くチロが鳴いた
そして急にペースを上げ歩き始める…
オレ『おぃっ……チロ!?どうした?』
チロは構わず歩き進んでいく
:07/08/06 00:24
:SH903i
:lc3LPVBQ
#756 [りく☆]
チロに逸れないように早足で後ろをついていく。
…どうしたんだ?
チロの不可解な行動に少し混乱していた。
しばらく歩くと、オレは公園にたどり着いていた。祥子と滝沢の想いが噛み合わなかった公園に……
チロはベンチまで歩いた後、その下で休む様に寝始めた。
:07/08/06 01:06
:SH903i
:lc3LPVBQ
#757 [りく☆]
チロの行動は相変わらず理解に苦しまさせられる。
オレはとりあえず下でチロが寝ているベンチに腰を下ろした。
オレ『まだ6時半か……』
腕時計を見ながら呟いた。
まだ少し時間に余裕があるため、チロが目覚めるまで一服して待つことにした。
:07/08/06 01:11
:SH903i
:lc3LPVBQ
#758 [りく☆]
…この公園で
…もし祥子と滝沢の想いが通じ合っていたら
そんな考えが頭を過ぎる。
しかし本当に2人の想いが通じ合っていたら、きっと今とは全く違う2人の世界ができていただろう…。
けどそれは…
叶わない夢だった
:07/08/06 01:15
:SH903i
:lc3LPVBQ
#759 [りく☆]
?『すいません…』
たそがれ、考え込んでいたオレに誰か話しかけてきた
?『あっ……やっぱり♪あの時の君だね』
オレ『はぁ?』
…誰だこいつは?
どうやら男らしいが……あまり記憶にないような………とりあえず名前がでてこない
一体だれなんだ?
:07/08/06 01:21
:SH903i
:lc3LPVBQ
#760 [りく☆]
オレ『ぼ……僕に何か…?』
恐る恐る尋ねてみた。
するとその人はいきなり"クスクス"と笑い出したのだ。
…なんだ?
疑問がまたもや頭を過ぎる
?『前と全く同じ台詞だね』
笑いながら男性が言う
:07/08/06 01:33
:SH903i
:lc3LPVBQ
#761 [りく☆]
夕焼けで微かに見える男性は、とても上品なシーツをカジュアルに着こなしていた…。
!!!!!!!!!!!
オレ『あっ!!………もしかして』
?『思い出したかい?』
この優しげで、上品な口調……間違いない。
あの日公園で出会った、男性だ。優希と"ある関係"にある人……
この4日間ですっかり忘れてしまっていたが……思い出すのは容易だった。
あの嫌な記憶をたどっていけばよいのだから。
:07/08/06 01:40
:SH903i
:lc3LPVBQ
#762 [連絡
]
:07/08/06 01:43
:SH903i
:lc3LPVBQ
#763 [りく☆]
オレ『久しぶりです……』
何をいったらよいかわからず、とりあえず言葉をだしてみた。
?『久しぶり…かなぁ。まさかこんなに早く会えるとは。』
あまりの早い再開に少し驚いていた様にも見えたが……少し嬉しそうな感じがした
?『彼女に……話してくれた?』
…やっぱり
優希のことが聞けると思って、喜んでるんだろう
:07/08/09 01:01
:SH903i
:k0m4VRG6
#764 [りく☆]
ただでさえ滝沢のことで混乱している頭をさらに掻き乱された。
オレ『ぃゃ……それはまだ……』
少しトーンを落としながら言う
?『そっか……それは残念だな。』
男性のトーンも少し落ちたきがした。
:07/08/09 01:09
:SH903i
:k0m4VRG6
#765 [りく☆]
辺りが少し暗くなってきたのを感じたのか、男性はスーツの袖をめくり腕時計を見た。
?『時間だなぁ…
君とはもう少し話しときたかったんだけどな……優希のことを聞きたかったし。
まぁまた会えるのを楽しみにしとくよ。
てか連れて来れるようになったら連絡くれないか?』
そぉ言いながら男性は、あの写真の入ったカード入れから名刺を取り出した。
?『これに僕の電話番号が書いてあるから』
オレ『は…い』
?『じゃぁ連絡よろしくね』
そう言って男性は去っていった
:07/08/09 01:20
:SH903i
:k0m4VRG6
#766 [りく☆]
…何なんだあの人は?
相変わらず謎が多いひとである。
発言や
行動など
あまり理解できない。
だいたい優希とそれなりの関係があるなら、彼女と会うことなんて容易なはずなのに…
とりあえず少しくらい、あの男性の情報を得ようと名刺に目をやった
:07/08/09 01:33
:SH903i
:k0m4VRG6
#767 [りく☆]
オレ『まじかよ……』
名刺は全て英語で書かれていた。まぁローマ字ぐらいは読めるだろうと、名前を探す。
"Kai Aiba"
しかし名前くらいがわかったところで謎は何も解決はしなかった
:07/08/09 01:39
:SH903i
:k0m4VRG6
#768 [りく☆]
再会により、あの日の事が鮮明に思い出される…。
…美里の嘘は
…何だったんだ?
あのときの怒りは、今も消えることはなく、オレの心の中に残り続けている。
オレは噴き出しそうな怒りを押さえ、チロ抱き抱えて帰宅した。
:07/08/09 01:42
:SH903i
:k0m4VRG6
#769 [りく☆]
オレ『……ここか?』
卓也『あぁ…』
オレ達3人は今、古い建物の前にいる。その建物の辺りは外灯がなく、暗闇に包れ、どこと無く不気味に感じられた。その不気味さは暗闇からくるものなのか、古びた建物によるものなのか、それとも建物内からくる緊張感によるものなのか…定かではなかった。
:07/08/10 00:17
:SH903i
:VNa0/jjM
#770 [りく☆]
オレ達は学校に集まった後、卓也の案内によりここまで来た。この情報をどこから手に入れたのか知りたかったが、卓也は語ろうとはしなかった。
祥子『入る?』
扉に手をあて、オレ達を見る。その顔は緊張によりどこと無く強張っている様に思えたが、滝沢に会えるという期待感も隠れているように思えた。
:07/08/10 00:25
:SH903i
:VNa0/jjM
#771 [りく☆]
オレ『卓也…行こう』
一呼吸ついて、卓也を見る。
卓也『よしっ……入るぞ』
"ガチャ"
3人の手で、古びた大きな扉を開けた。
建物内は外とは比べものにならない明るさで、外の暗闇に慣れたオレ達はしばらく目を開けれなかった。
『だれや?』
低く、強い口調の声が響いた。
:07/08/10 00:36
:SH903i
:VNa0/jjM
#772 [りく☆]
この声は………間違えない
猛志先輩だ。
まだ眩しくて目を開けることができないが、この声と緊迫感が彼の存在を教えてくれた。
:07/08/10 00:52
:SH903i
:VNa0/jjM
#773 [りく☆]
『猛志先輩久しぶりです。横井です』
少し震えていたが、大きな声で卓也が言った。
『横井?………あぁ〜バスケ部後輩の横井か。何か見た事ある顔(ツラ)だと思ったぜ』
機嫌がいいのかわからないが、少しテンションが上がったような口調で猛志先輩が言う。
:07/08/10 01:06
:SH903i
:VNa0/jjM
#774 [りく☆]
目も慣れてきて辺りを見渡した……。
建物の中心に置いてある廃材の上に、どっしりと猛志先輩は座って構えていた。そして、彼の両サイドには彼の仲間(ツレ)らしき人が立っている。
『おっ……お前は新垣じゃねぇか。久しぶりだな』
辺りを見渡していたオレに猛志先輩が言ってきた。
『ひ…久しぶりです』
思わず声が畏まってしまった。こんな緊張感久しぶりだ。
:07/08/10 01:12
:SH903i
:VNa0/jjM
#775 [りく☆]
『お前ら懐かしいなぁ……元気か?』
笑いながら猛志先輩が尋ねてきた。
『はいっ……何とか元気でやってます。』
すぐに卓也が答えた。
祥子はさっきからずっと辺りを見渡している。恐らく滝沢を探しているのだろう。
………しかし滝沢は見当たらない。
『んで何の用だ?もしかしてオレの族(グループ)にはいりたくなったか?』
おちょくる様な口調で猛志先輩が言う。両方サイドにいる二人も笑っていた。
:07/08/10 01:19
:SH903i
:VNa0/jjM
#776 [りく☆]
『いや……その…一つ聞きたいことがあって』
恐る恐る卓也が口を開いた。
『滝沢のことか?』
オレ達の頭の中を見たかのように猛志先輩は言った。オレ達はその発言にただ驚くしかなかった。
『あいつは…今ここにはいねぇ』
煙草をふかしながら猛志先輩は話しを続けた。
『何日か前くらいにオレの所にきて……んでいきなり姿眩ませやがった』
煙りをはきながら言う彼の顔は、少しキレ気味だった
:07/08/10 01:41
:SH903i
:VNa0/jjM
#777 [りく☆]
『何で滝沢は先輩の所に?』
1番の疑問をオレは猛志先輩にぶつけた。卓也と祥子は黙ってその答えを待っていた。
『それは…オレもはっきりわからねぇな。まぁ大体予想はつけどよ』
煙草を床に捨て、猛志先輩は喋りながらオレの前まできた。
『新垣……お前、ぃぃダチもったな』
オレの肩に手を置きながら猛志先輩は言った。しかし、その内容は全く理解できなかった
:07/08/10 01:48
:SH903i
:VNa0/jjM
#778 [りく☆]
『まぁ……今あいつが何処にいるかはオレにはわからねぇ。だからこれ以上ここにいても無駄だ………早く帰れ。巻き込まれたくなかったらな』
新しい煙草に火をつけながら猛志先輩が言う。その言い草は何か意味ありげな感じがした。
『ここが賑やかになる前に、帰ったほうがいいよ。今日はお客さんがいっぱいくるから』
猛志先輩の仲間(ツレ)の人が優しくオレ達に言う。
:07/08/10 01:57
:SH903i
:VNa0/jjM
#779 [りく☆]
『お客さん?』
思わずオレは聞き返してしまった。
『今日の喧嘩相手って言ったらわかるかな?』
丁寧な口調でその人が答えた。しかし、決して顔は穏やかではない。
『早く失せろ!!』
猛志先輩が強い口調でオレ達に言った。
結局オレ達は何も情報を得ることができないまま、建物をでていった。
:07/08/10 02:02
:SH903i
:VNa0/jjM
#780 [連絡
]
:07/08/10 02:06
:SH903i
:VNa0/jjM
#781 [りく☆]
『結局……何も収穫なしか』
ため息混じりに卓也がぼやいた。本人は間違いなくあの場に滝沢がいるか、何かしら情報を得られると確信していたのだろう。この状況をかなり悔しがっている。
『勇貴………いなかったね』
祥子も…落ち込むことしかできなく、そんな言葉をもらしている。
…滝沢は何処にいるんだ?
:07/08/17 00:17
:SH903i
:Ju5iouVs
#782 [りく☆]
この謎は猛志先輩に会ったことでさらに深まった。
家にも、学校にも、猛志先輩のところにもいない。もはやこれ以上滝沢の居場所を予想することは不可能だった。
そんな状況におかれたオレ達は、ただ沈黙を貫くしかなかった。
:07/08/17 00:18
:SH903i
:Ju5iouVs
#783 [りく☆]
"ププッーー"
オレ達の沈黙も車のクラクションが打ち砕いた。
『何だ?』
あまりに突然の出来事に卓也は驚き、声をあげた。
…まてよ
…この車ってもしかして…
『また会ったね。こんな所で何してるんだい?』
…やっぱりあの男性だ!!
:07/08/17 00:20
:SH903i
:Ju5iouVs
#784 [りく☆]
『いや……ちょっとあの建物に用があって…』
おどおどしながら答えてしまった。そんなオレを卓也と祥子はじっと見つめている。おそらくオレとあの男性の関係が気になってしかたないのだろう。
『あの建物に?』
男性は首を傾げながら言う
:07/08/17 00:21
:SH903i
:Ju5iouVs
#785 [りく☆]
『はいっ。ちょっと中にいる人に聞きたいことがあったんですよ。ところで……えっと……』
…ヤッベッ!!名前がわからない!!!!
オレは慌ててポケットに手を突っ込み、名刺を探した。
『呼び名は"カイ"でいいよ。名刺見なくても思い出せるようにしといてね。』
オレの慌てた動作に見兼ねたのか、優しくカイさんがいった。
:07/08/17 00:22
:SH903i
:Ju5iouVs
#786 [りく☆]
『すいません!!ところでカイさんは何でここに?』
『僕もあの建物に用があるんだよ』
…えっ?
あまりに驚き、言葉にできない。何故あの建物にカイさんが………
『もしかして……猛志先輩の言ってた"お客さん"?』
やや顔を強張らせながら卓也が言った。
:07/08/17 00:24
:SH903i
:Ju5iouVs
#787 [りく☆]
『そんな訳ないだろ!!』
まるで自分に言い聞かせるかの様にオレは卓也に言い返した。
まだ数回しか会っていないが、カイさんは喧嘩とかするような人ではない。確実な理由はないが、直感的にそう思えた。
『君達……猛志の知り合いなのかい?』
オレと卓也のやり取りに、カイさんが突っ込んできた。少し驚いたような顔をしている。
:07/08/17 00:24
:SH903i
:Ju5iouVs
#788 [りく☆]
『猛志先輩は…高校の先輩です』
『そうだったのか……。あいつは馬鹿だからなぁ、君達にいろいろと迷惑をかけただろう。悪かったね。兄として謝るよ。』
少し申し訳なさそうにカイさんが言う。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…兄としてって
『猛志先輩と兄弟なんですか!?』
:07/08/17 00:26
:SH903i
:Ju5iouVs
#789 [りく☆]
思わず大きな声になってしまった。しかし、そうなるくらい驚きは大きかった。
カイさんと猛志先輩が兄弟だなんて…考えられないからだ。
『兄弟だよ。あいつはオレの3歳年下の弟だ。あんまり似てないからわからなかったかな?
名刺にはちゃんと"Aiba"って書いてあっただろ。ちゃんと見なきゃ』
カイさんは微笑みながら言う。彼にとってはそんなにたいしたことではないかもしれないが、オレには大問題だった。
あの猛志先輩の兄がまさかカイさんだなんて…
:07/08/17 00:27
:SH903i
:Ju5iouVs
#790 [りく☆]
『あいつまた変なことやり始めたから、連れ戻しに来たんだよ。いい年してバイク乗り回しやがって…』
カイさんの口調は、本当に弟を心配している兄のような感じだった。だからこそオレは2人の関係をすぐに認めることができたのだろう。
:07/08/17 00:28
:SH903i
:Ju5iouVs
#791 [りく☆]
『とりあえず僕は行かなきゃ。早くしないと猛志がやんちゃしだすからね。また、連絡してね。
次は優希と一緒がいいな。』
微笑みながらカイは言い、立ち去って言った。
『あの人誰だ?』
カイさんが見えなくなった途端に卓也がオレに尋ねてきた。
『オレもよくわからないんだ…』
オレは下を向き答える。
:07/08/17 00:29
:SH903i
:Ju5iouVs
#792 [りく☆]
『全く知らないわけはないだろ?……それに次は勇貴と一緒がいいってどういうことだ?』
『それは……ってか滝沢のことじゃぁないぞ!!』
とりあえず誤解をとくため言い返す。
『もしかして……荒井優希のこと?』
祥子が鋭くついてきた。祥子の勘は相変わらず鋭い。
『まぁ……』
少し曖昧に答えてみたが、2人は納得してないようだ。
:07/08/17 00:30
:SH903i
:Ju5iouVs
#793 [りく☆]
『少し詳しく教えてくれないか?もしかしたら勇貴のことがわかるかもしれない』
真剣な眼差しで、卓也はオレを見ながら言う。
『それは…また別の話だろ』
もはや言い訳にもならない、根拠のない言葉しか、オレは口にすることができない。
『とりあえず、りくとあのカイって人の関係を教えてよ。』
祥子も真剣だった。
オレがあやふやにしている真実を知りたいのか、それとも滝沢の情報が手に入ると信じオレに問いただしているのか、わからなかった。
:07/08/17 00:42
:SH903i
:Ju5iouVs
#794 [りく☆]
『カイさんとは本当に関係なんてないんだ…』
それは事実だ。
カイさんとは、ただたまたま出会っただけで、そしてあの人は優希と会いたがっているだけ。そんなカイさんにオレはただ頼み事をされているだけなのだから、関係なんて……
"ドサッ"
『た……卓也!?!?』
突然だった。
卓也が胸を押さえ付けながら倒れたのだ。そんな卓也にオレはただ呼びかけることしかできない
:07/08/17 01:07
:SH903i
:Ju5iouVs
#795 [りく☆]
『卓也……どうしたの…』
祥子は今にも泣きだしそうな声で卓也に問いかける。
しかし…卓也は苦しそうに胸を押さえ付けながら、咳込んで、祥子の言葉に反応しない。
『救急車呼んで!!』
卓也を抱き抱えながらオレは祥子に叫んだ。オレ達にはどうすることもできない状態だから、救急車を呼ぶことしかできないと考えたからだ
:07/08/17 01:13
:SH903i
:Ju5iouVs
#796 [りく☆]
その時だった。
"ガシッ"
弱々しくオレの腕を卓也が掴み、
『救急車は……呼ぶ…な。すぐ…大丈夫…に…なる。』
苦しそうに言う。
必死の卓也の訴えだったが、すぐに大丈夫になるようには思えなかった。
『バカッ!!こんなんで強がるなよ。病院に行けばすぐ楽になるぜ』
そう言って祥子に再び救急車を呼ぶように、目で合図を送った。祥子は黙って頷き、携帯をとりだし救急車を呼ぼうと番号を押し始める
:07/08/17 01:20
:SH903i
:Ju5iouVs
#797 [りく☆]
『呼ぶな!!……ゴホッ
頼…む。救急車は…呼ばないでくれ。』
苦しそうに卓也が訴える。
…そんなに苦しんでいるのに…何故拒否するんだ?
卓也の思考がまったくつかめなかった…。オレはただ黙って卓也を見守るしかできない
:07/08/17 01:23
:SH903i
:Ju5iouVs
#798 [りく☆]
祥子は自分の携帯をしまい、心配そうに卓也を見つめていた。
本当は救急車を呼ぶのが1番なのだが、あそこまで必死になって止められたら、呼ぶ気も失せてしまう。
『オレ…の……ポケットに……薬が……』
咳込みながら卓也がオレに言う。オレはすかさず卓也のポケットに手を突っ込み、卓也の言う薬を探した。
:07/08/17 01:28
:SH903i
:Ju5iouVs
#799 [りく☆]
『これか?』
ポケットから薬を取り出し、卓也に確認を求める。卓也は、もはやしゃべる気力もなく、黙って頷いた。
『りく…水あるよ』
祥子が自分の鞄から取り出し、直ぐさまオレに渡す。
そして、何とか卓也に薬を飲ます事ができた。
:07/08/17 01:32
:SH903i
:Ju5iouVs
#800 [りく☆]
しばらく時間がたつと、薬が効き始めたのか、卓也は大分落ち着き、胸の苦しみが消えていった様に思えた。しかし、まだ万全な体調には程遠い様子である。
『卓也って……持病とかないよな?』
確認のため、祥子に聞く。祥子は黙って頷いた。
しかし、卓也は薬を持っていた。つまりそれは、卓也自身は、自分に何らかの病が潜んでいる事を自覚しているということを意味する。
:07/08/17 01:40
:SH903i
:Ju5iouVs
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