きみを送る
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#901 []
「起きまくっとるけど!」

「そうじゃろ…例えば?」

「は?」

「例えばなんじゃ?」

占い師ならわかるんちゃうんけ!

「今この現状」

「…………」

「今しがた目の前にとめちゃんと名乗る妖怪が現れたんですよ」

「それはおかしな事ではない」

明らかおかしいやろ!

⏰:07/04/23 02:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#902 []
「おぬし…近々災いが起きるであろう」

もう起きてますけど

「おぬしの近くにいる者…そやつが元凶じゃ」

「まさか…」

俺はコウをチラリと見た。

「なんですか志乃くん」

「お前か…」

「なにが」

「災いの元凶はお前か」

「まさか」

コウは鼻で笑った。

⏰:07/04/23 03:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#903 []
「おぬし心当たりはあるのか?」

俺は再度コウを見た。

「なんですかさっきから」

「コウしかおらん」

「なにがですか」

「災いの元凶やゆーとるやん!!」

「僕のわけないです」

お前以外に心当たりないんですけど

⏰:07/04/23 03:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#904 []
「気をつけるのじゃ…お前の近くにいる者…そやつが必ず災いを招く…」

妖怪とめちゃんはそれだけ言い残し、フッと消えた。

「とめちゃん消えましたね」

「コウ!!」

「なんですか」

「俺の前から消えろ!」

「何言ってるんですか無理です」

⏰:07/04/23 03:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#905 []
「お前のせいで俺に災難がふってくる!!」

「何ゆってるんです」

「今妖怪がゆーとったやん!お前が近くにおったら災いが起きるて!」

「僕の名前はでてないでしょう」

「お前しかおらんし!」

コウはハァーっと大きく溜め息をついた。

「僕の方が志乃くんのおかげで災難だらけですよ」

⏰:07/04/23 03:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#906 []
「はぁ?」

「僕の方が志乃くんのおかげで災難だらけですよ」

誰が二回言えと言いましたか

「明らかにお前が災難を招いてるやんけ!」

「どこが」

「全部!全て!!」

むしろお前自体が俺にふりかかる災難やから!!

⏰:07/04/23 03:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#907 []
「志乃くん…あなたは本当に子供ですね」

………は?
今なんつったこいつ

「はあー?」

「“はあー?”という単語は辞書にはのってません」

知るか!!

「今なんつった」

「“はあー?”という単語は辞書にはのってません」

「その前」

「あなたは子供だと言いました」

⏰:07/04/24 01:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#908 []
俺が…
俺が子供だと?

「俺が子供?」

「はい。考え方が幼稚です。自分の不幸を人のせいにしかできない、子供です」

「……………」

「ほら、何も反論できないでしょう」

呆れてるんですけど。

⏰:07/04/24 01:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#909 []
「言うなれば、世の中にはたくさん大人になりきれない人がいます。志乃くんだけが幼稚なわけではありません」

ほな俺だけにゆーな。

「自分に災難が起きれば、他人のせいにする…自分が一番不幸だと思ってしまう。それは人間当たり前の感情です」

「……コウ…どしたん?」

話しながらコウは
涙を流していた。

⏰:07/04/24 01:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#910 []
【第15章 コウ】

「コウ…泣いてるんか?」

「……………」

「おい……」

「目にゴミが入りました。すみません」

…古い言い訳やな。

コウは目を拭って部屋をでていった。

…なぜ泣いた?

俺は一人になり
コウの座っていた椅子をじっとながめていた。

⏰:07/04/24 01:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#911 []
 
そういえば俺

コウの事何も知らない。

以前さくらが出た時

あいつは冗談だと言ったが

《母が亡くなった時、お腹にいたのがさくらです》

あれは…あの言葉は…

コウの母親の死を意味している。

⏰:07/04/24 02:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#912 []
 
コウの母親は

亡くなっている……

父親は……?

いる…んだよな…?

別荘まであるんやから…

もし………

もし父親までもおらんかったらあいつは

あいつは一人で生活してる事になる。

いや、父親はいる。

父親は絶対いるはずや

⏰:07/04/24 02:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#913 []
《ガチャ》

俺が頭の中で
思いを巡らせていた時、
部屋のドアが開いた。

「先程はすみませんでした。そろそろ帰りましょうか?志乃くんも幸子さんに会いたいでしょうし」

「……………」

「どうかしましたか?」

俺はよほど変な顔でコウを見ていたのだろう、コウは俺を心配した表情で見ていた。

⏰:07/04/24 02:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#914 []
……聞くべきか?

なぜ泣いていたかを。

でも俺には

そんな勇気はなかった。

もし………

《お前の親父は?》

と聞いたとして

《いませんよ》

などと言われたら

俺は…

俺は何も言えなくなる。

「帰る準備するわ」

⏰:07/04/24 02:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#915 []
「そうですね、このはさん達は、あと一泊するそうです」

「お前は?」

「志乃くんと帰りますよ」

不本意ですが…とコウは続けた。

「なんで」

「志乃くん一人では迷子になりそうで心配ですから」

「……………」

「どうしました?突っ込まないんですか」

⏰:07/04/24 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#916 []
「……いや…悪い…」

「なぜ謝るんですか」

「……………」

「志乃くん?」

「……………」

「……マルハゲ…」

「ちゃうわ!」

「そこは否定するんですね」

コウは俺を見てニッコリ笑った。

⏰:07/04/24 02:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#917 []
 
聞かない方がいいのかも知れない。

泣いていた事を

見なかった事にした方がいいのかも知れない。

目にゴミが入ったと言い訳したコウは

母親の死を造り話と言ったコウは

コウは隠したいのかも知れない。

………なにを?

⏰:07/04/24 02:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#918 []
「志乃くん早く準備して下さいよ」

いつも敬語を使い

あまり感情を表に出さないコウ。

コウは…

コウは何を隠している?

何を…

何を考えている?

コウの敬語に隠された本心は…?

⏰:07/04/24 02:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#919 []
「志乃くん!」

「えっ…」

急にコウがでかい声を出して、俺は身体をびくつかせた。

「何考えてるんですか。早く準備して下さいよ」

「あ…悪い…」

「どうかされました?志乃くん変ですよ?」

「……いや……」

「まぁ、髪形が一番変ですけど」

「やかましい」

⏰:07/04/24 02:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#920 []
俺は荷物をまとめ、
コウと一緒に別荘をあとにした。

「志乃くん楽しめましたか?」

駅へ向かう道中、コウは俺に向かって聞いてきた。

「まぁまぁ」

「それは予想外です」

「なんで?」

「いえ、僕なら髪の毛が燃えたらショックで楽しかったなどという言葉は言えませんから」

そりゃもうかなりショックですけどね!

⏰:07/04/24 03:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#921 []
「俺にはもっとショックな事がある」

「なんですか?」

俺はコウをじっと見た。

「なんですかそんなに見つめて」

コウはフッと笑った。

俺は意を決して口を開いた

「お前なんで泣いた?」

コウは俺の言葉に足を止め、
俺の顔をじっと見た。

⏰:07/04/24 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#922 []
「……………」

「目ーにゴミ入ったとか…古いねん言い訳が」

「……………」

「なぁ、なんで泣いたん」

「…泣いてませんよ」

「泣いてたやん!」

「泣いていたとしても志乃くんに話すような事ではありませんから」

「ほんなら俺の前で泣くなや!心配するやんけ!」

「…心配…ですか」

⏰:07/04/24 03:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#923 []
コウは驚いた表情で
俺を見ている。

なぜ驚く…

「心配する。つーか今も心配しとる」

「……………」

コウは少し微笑み、
俺から目を伏せた。

「心配…ですか……初めてされましたよ」

⏰:07/04/24 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#924 []
もうすぐ1000

区切りよく終われるといいですが…

寝ます

コメントいただけたら
うれしいです

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2061/

⏰:07/04/24 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#925 []
「そりゃ…な…心配するやろ普通に」

俺は悲しそうな表情で微笑むコウに対し、
どうしていいかわからず
少しぶっきらぼうに言った

「ありがとうございます。ですが心配は不要です」

「…………」

「僕、大丈夫ですよ」

コウはニッコリとし、歩きだした。

⏰:07/04/25 01:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#926 []
何も聞くな、と言われているようで
俺はそれ以上コウに何も言えなかった。

電車に乗った途端、
コウはすぐに寝てしまった

俺と話すのが気まずいのか?

考えすぎか?

俺は俯いてコウの足元をずっと見ていた。

⏰:07/04/25 01:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#927 []
 
「……くん…」

 …乃くん……

 ……志乃くん!」

……?

ああ、俺も寝てたのか。

「着きましたよ」

コウが荷物を持って
早く降りないと、と言った

⏰:07/04/25 01:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#928 []
駅につき、ホームに幸子が立っているのが見えた。

「志乃くんお迎えきてますよ」

「……あ、おう…」

「羨ましいです」

「……………」

「ではまた」

コウはそれだけ言い、足早に帰って行った。

「志乃〜!おかえり!」

⏰:07/04/25 01:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#929 []
幸子が俺に向かって走ってきた。

「ただいま」

「ボウズ!!」

「似合わんやろ〜?」

幸子はクスクス笑い、俺のボウズ頭を触った。

「似合わん!!」

わかってますけど…

「うっせ〜よ!」

「アハハ!いいやん!伊豆は楽しかった〜?」

⏰:07/04/25 01:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#930 []
「…………」

「どしたん?」

「…ん〜…まぁまぁ」

「そっか。今度はあたしも連れてってね〜」

「そりゃもちろん」

幸子はニッコリ笑い、俺の手を握った。

「帰ろ〜!今日志乃んち行っていいやろ?」

⏰:07/04/25 01:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#931 []
「……………」

「志乃?」

いつもの俺なら
幸子が家に来る、となればテンションはマックスになるのだが

「……悪い…ちょっと…」

「え?だめなん?」

幸子は悲しそうな表情をした。

「ごめん…」

俺はコウが気になって仕方なかった。

⏰:07/04/25 01:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#932 []
「…志乃どうかしたん?元気なくない?」

「………ちょっと気になる事あってな…」

「………そっか」

幸子は俺に何も聞かなかった。幸子は優しい。
俺の顔を見て、
自分が聞く事じゃない、と思い詮索はしなかったんやろう。

「じゃ、今日は帰るよ。そのかわり今度は家行かせてな〜!!」

⏰:07/04/25 01:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#933 []
「悪いな…」

「毎度の事やんっ!」

そんなに毎度か?

「ごめん」

「気にしやんといて!ほなまた連絡する〜!!」

幸子は俺に手を降り、元きた道を歩いて行った。

⏰:07/04/25 02:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#934 []
「…どうすっかな……」

遠くにコウの後ろ姿が見える。

「……………」

俺コウの家行った事ないな

俺はこっそりコウのあとを着けた。

ストーカーみたくて嫌なんやけど

俺はどうしてもコウの家に行ってみたかった。

⏰:07/04/25 02:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#935 []
しばらく歩くと

コウはでかい家の前で立ち止まり、門を開けた。

なんじゃこのでけー家は…って……そんな事今はいい

「コウ!!」

俺の呼び掛けに、コウはくるりと振り返り
驚いた表情で目を丸くした

「志乃くん…どうしたんですか」

⏰:07/04/25 02:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#936 []
 
どうしたかと言われても…

俺は何も考えずに
コウを呼び止めたが…

「……………」

うろたえる俺を見て、コウは少し困惑気味な表情をしたが、

「上がっていかれますか」

と、俺に向かって言った。

⏰:07/04/25 02:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#937 []
「お邪魔します…」

俺は少し遠慮がちに玄関を上がった。

で…でけ〜!!

なんじゃこの家は。

「お前…金持ちやな…」

「そうですか普通です」

だから普通は俺んちみたいな事を言うんですけど!

「でけーよ」

⏰:07/04/25 02:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#938 []
俺はコウに連れられ、
居間に通された。

シンと静まりかえる部屋。

「何か飲みますか?」

「…や、いい…」

「そうですか。何もありませんが」

ほな聞くな。

「家の人留守なん?」

「僕一人ですから」

…………はい?

⏰:07/04/25 02:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#939 []
「え…一人て?」

「僕一人です」

「今日は一人って意味?」

「いえ、いつも一人です」

「……………」

いつも……?

いつも一人……?

「僕に家族はいませんので」

⏰:07/04/25 02:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#940 []
「………え……」

なんとなく

予想はしてたけど

直接聞くと

やっぱり俺はショックだった。

「…お前…一人で生活してるんか…?」

「はい」

「…いつから」

「もう、ずっとです」

⏰:07/04/25 04:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#941 []
…ずっと?

「…なんで……か…聞いたらまずいか…?」

「……………」

「……………」

しばらく沈黙が続き、
コウは力なくフッと笑った

「今から話す事に、同情はしないで下さいね」

「………わか…った」

⏰:07/04/25 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#942 []
「捨てられたんです僕」


……捨てられた?

「…誰に……」

「両親にです」

「え…でも……」

さくらは?

さくらは妹なんちゃうん?

「僕は幼いころ、両親に捨てられました」

「………さ…さくらちゃんは?」

「さくらは妹です。が」

⏰:07/04/25 04:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#943 []
コウは居間にある写真たてをチラリと見た。

そこには
コウの母親だろう
女の人の写真が飾られていた。

「さくらが妹だという事は、さくらが霊になってから知りました」

「……………」

「母の死も、僕はさくらが現れるまで知りませんでしたから」

⏰:07/04/25 04:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#944 []
「僕は幼いころ両親に捨てられ、施設で育ちました。幸い僕は裕福な家庭…つまり今のこの家に引き取られました」

「…ほな、今家族おるんやろ?」

コウは俺の言葉に少し微笑みながら
首を横に振った。

「いいえ、義父母は殺害されてしまいましたから」

⏰:07/04/25 04:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#945 []
「……………」

俺は言葉を失った。

何も言えなかった。

「僕は義父母が殺害された時、何もできなかったんです。…最低です僕は……」

「……なんで……」

「僕、義父母が殺害された時ホッとしたんです」

…………え?

今…なんて……?

⏰:07/04/25 04:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#946 []
「最低でしょう」

「……………」

ホッと……した?

殺害された時

ホッとした……だと?

「志乃くん震えてますよ。僕が怖いですか?」

コウは…

コウも…

震えながら俺に微笑んだ。

⏰:07/04/25 04:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#947 []
「どうして……」

声が震える。

怖いとかじゃない。

ただ、コウが本当に

本当に悲しく微笑むから
俺は泣きそうになった。

「どうしてホッとした?」

「…僕は…義父母の人形でしかなかったんです。ただ言いなりになるしかない…僕は義父母に人間として見られていませんでした」

⏰:07/04/25 04:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#948 []
「志乃くん…僕は義父母に引き取られてから感情を表に出すのが苦手になりました」

……なるほど。苦手か…。

「いえ…苦手というよりも……」

「いうよりも?」

「……怖いんです」

「怖い?」

「はい。僕は…」

⏰:07/04/25 09:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#949 []
 

「…コウ?」

コウは話すのを止め、
じっと窓の外を眺めた。

「…コウ!!」

「志乃くん静かに…」

…?なんや?

「……やはり……」

「?どしたん?」

「すみません志乃くん今日は帰ってもらえますか?」

⏰:07/04/25 09:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#950 []
「え…でも」

「本当にすみません」

「……わかった」

俺は玄関を開け、振り返りコウを見た。

コウはやはり悲しげに微笑み、また連絡します、と言った。

⏰:07/04/25 09:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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