きみを送る
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#937 []
「お邪魔します…」

俺は少し遠慮がちに玄関を上がった。

で…でけ〜!!

なんじゃこの家は。

「お前…金持ちやな…」

「そうですか普通です」

だから普通は俺んちみたいな事を言うんですけど!

「でけーよ」

⏰:07/04/25 02:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#938 []
俺はコウに連れられ、
居間に通された。

シンと静まりかえる部屋。

「何か飲みますか?」

「…や、いい…」

「そうですか。何もありませんが」

ほな聞くな。

「家の人留守なん?」

「僕一人ですから」

…………はい?

⏰:07/04/25 02:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#939 []
「え…一人て?」

「僕一人です」

「今日は一人って意味?」

「いえ、いつも一人です」

「……………」

いつも……?

いつも一人……?

「僕に家族はいませんので」

⏰:07/04/25 02:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#940 []
「………え……」

なんとなく

予想はしてたけど

直接聞くと

やっぱり俺はショックだった。

「…お前…一人で生活してるんか…?」

「はい」

「…いつから」

「もう、ずっとです」

⏰:07/04/25 04:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#941 []
…ずっと?

「…なんで……か…聞いたらまずいか…?」

「……………」

「……………」

しばらく沈黙が続き、
コウは力なくフッと笑った

「今から話す事に、同情はしないで下さいね」

「………わか…った」

⏰:07/04/25 04:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#942 []
「捨てられたんです僕」


……捨てられた?

「…誰に……」

「両親にです」

「え…でも……」

さくらは?

さくらは妹なんちゃうん?

「僕は幼いころ、両親に捨てられました」

「………さ…さくらちゃんは?」

「さくらは妹です。が」

⏰:07/04/25 04:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#943 []
コウは居間にある写真たてをチラリと見た。

そこには
コウの母親だろう
女の人の写真が飾られていた。

「さくらが妹だという事は、さくらが霊になってから知りました」

「……………」

「母の死も、僕はさくらが現れるまで知りませんでしたから」

⏰:07/04/25 04:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#944 []
「僕は幼いころ両親に捨てられ、施設で育ちました。幸い僕は裕福な家庭…つまり今のこの家に引き取られました」

「…ほな、今家族おるんやろ?」

コウは俺の言葉に少し微笑みながら
首を横に振った。

「いいえ、義父母は殺害されてしまいましたから」

⏰:07/04/25 04:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#945 []
「……………」

俺は言葉を失った。

何も言えなかった。

「僕は義父母が殺害された時、何もできなかったんです。…最低です僕は……」

「……なんで……」

「僕、義父母が殺害された時ホッとしたんです」

…………え?

今…なんて……?

⏰:07/04/25 04:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#946 []
「最低でしょう」

「……………」

ホッと……した?

殺害された時

ホッとした……だと?

「志乃くん震えてますよ。僕が怖いですか?」

コウは…

コウも…

震えながら俺に微笑んだ。

⏰:07/04/25 04:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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