からっぽの心
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#371 [
みぃ
]
大志くんの瞳からは、
止まる気配のない大粒の涙が溢れている。
一粒
一粒
意味を持って。
何も言わないかわりに
大志くんの気持ちが重力に逆らうことなく
こぼれていく。
:07/12/16 00:51
:SH903i
:c6k9jGDY
#372 [
みぃ
]
あたしは少し乱れた呼吸を整えながら、
その様子をボーっと見ていた。
『ありがとう・・・。
・・・夢芽ちゃん。』
大志くんの言葉があたしのからっぽだった心に突き刺さる。
胸のつっかえがスーッと音を立てて消えていくのが聞こえた気がした。
:07/12/16 00:55
:SH903i
:c6k9jGDY
#373 [
みぃ
]
あたしの体中の悪いものが一瞬にして浄化したような開放感。
至福に包まれているようなフワフワした感覚。
本当は ずっと
こんな風に
人と向き合いたかったの。
【アタシ】
を認めて欲しかったの。
:07/12/16 00:59
:SH903i
:c6k9jGDY
#374 [
みぃ
]
――――――――――――
「おかえり。」
大志くんと別れて施設の門をくぐろうとしたあたしの足は、
その声で動くことを止めた。
:07/12/21 19:36
:SH903i
:4ZPSdW3c
#375 [
みぃ
]
破れたポスターの貼りつけてある電柱の影から現れた姿に、
目を疑った。
『豊・・・?』
思わず声に出して確かめてしまった。
「はッ!
なんで疑問形?」
人を小バカにした様に笑う豊の顔は、
どこか懐かしく思えて涙が溢れた。
:07/12/21 19:42
:SH903i
:4ZPSdW3c
#376 [
みぃ
]
「――は?!
なに泣いてんだよ!?」
慌ててあたしの元にかけ寄ろうとした豊を、
涙を拭っていない方の手で制する。
『―――わかんないからっ・・・。』
「・・・なにが?!」
踏み出した足を半歩戻して豊は尋ねる。
:07/12/21 19:49
:SH903i
:4ZPSdW3c
#377 [
みぃ
]
「ばーか!!」
その場に似つかわしくない豊の間の抜けた声に耳を疑った。
『・・・・・・は?』
頭の中はぐちゃぐちゃだったけれど、
ぐちゃぐちゃなりに様々なパターンを想定していた。
けれど、豊の言葉はどのパターンにも当て嵌まってはいなかった。
:07/12/21 19:54
:SH903i
:4ZPSdW3c
#378 [
みぃ
]
「ばか!
ばーか!
ばか夢芽!」
人を小バカにした様に【ばか】をくり返す豊。
『・・・ばか言うな!』
ふてくされながらも繰り出したあたしの右ストレートを豊は難無くかわし、
あたしの顔面にタオルを押し当てた。
:07/12/21 20:01
:SH903i
:4ZPSdW3c
#379 [
みぃ
]
『―――ぶっ!』
「女みてぇな顔しやがって。
メソメソ泣いてんなよ、ばか夢芽。」
呆れた様に呟きながら、
押し当てたタオルを顔面に滑らせる。
『女だし・・・。
ってか、これは豊が泣かしてんだよ!』
:07/12/21 20:07
:SH903i
:4ZPSdW3c
#380 [
みぃ
]
豊からタオルを奪い、
自分で涙を拭っている時になんとなくラベルに書かれた名前に目をやった。
【たかし】
・・・これ、豊のじゃないじゃん。
『―――ほんっとムカつく・・・。』
:07/12/21 20:10
:SH903i
:4ZPSdW3c
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