からっぽの心
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#375 [みぃ]

破れたポスターの貼りつけてある電柱の影から現れた姿に、
目を疑った。


『豊・・・?』


思わず声に出して確かめてしまった。


「はッ!
 なんで疑問形?」


人を小バカにした様に笑う豊の顔は、
どこか懐かしく思えて涙が溢れた。

⏰:07/12/21 19:42 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#376 [みぃ]

「――は?!
 なに泣いてんだよ!?」


慌ててあたしの元にかけ寄ろうとした豊を、
涙を拭っていない方の手で制する。


『―――わかんないからっ・・・。』

「・・・なにが?!」


踏み出した足を半歩戻して豊は尋ねる。

⏰:07/12/21 19:49 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#377 [みぃ]


「ばーか!!」


その場に似つかわしくない豊の間の抜けた声に耳を疑った。


『・・・・・・は?』


頭の中はぐちゃぐちゃだったけれど、
ぐちゃぐちゃなりに様々なパターンを想定していた。

けれど、豊の言葉はどのパターンにも当て嵌まってはいなかった。

⏰:07/12/21 19:54 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#378 [みぃ]


「ばか!
 ばーか!
 ばか夢芽!」

人を小バカにした様に【ばか】をくり返す豊。


『・・・ばか言うな!』


ふてくされながらも繰り出したあたしの右ストレートを豊は難無くかわし、
あたしの顔面にタオルを押し当てた。

⏰:07/12/21 20:01 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#379 [みぃ]

『―――ぶっ!』

「女みてぇな顔しやがって。
 メソメソ泣いてんなよ、ばか夢芽。」


呆れた様に呟きながら、
押し当てたタオルを顔面に滑らせる。


『女だし・・・。
 ってか、これは豊が泣かしてんだよ!』

⏰:07/12/21 20:07 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#380 [みぃ]


豊からタオルを奪い、
自分で涙を拭っている時になんとなくラベルに書かれた名前に目をやった。

【たかし】


・・・これ、豊のじゃないじゃん。


『―――ほんっとムカつく・・・。』

⏰:07/12/21 20:10 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#381 [みぃ]

「え?
 オレ、ムカつかれてんの?」


半笑いで、あたしを試すような言い方。


もう、どうしたらいいのかわからない。


考えるのが面倒臭くなってきた。


『・・・知んねぇよ!
 ほんっと嫌い、おまえ。』

⏰:07/12/21 20:15 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#382 [みぃ]

吐き捨てる様に言って施設の門をくぐる。



喧嘩がしたい訳じゃないのに。

こんなことが言いたいんじゃないのに。


なんで上手くいかないの。




「オレは夢芽が好きなのに。」

⏰:07/12/21 20:17 📱:SH903i 🆔:4ZPSdW3c


#383 [みぃ]





『―――――え?』



豊の言った言葉の意味を考え直して振り返った時、
豊の足は既に男子棟の方角へと向いていた。


『―――まって、豊!
 今、なんて・・・』

「夢芽ぇーーー!!」

⏰:07/12/23 02:07 📱:SH903i 🆔:F9LNNOLU


#384 [みぃ]

あたしの問いかけは、
突然響き渡った大声によってかき消された。

声のした方向を見ると、
男子棟の二階に加山先生の姿が見えた。


「あんた!
 授業も出ないで学校に何しに行ってたの!!」

『・・・げ。』


そういえば、授業サボったこと忘れてた。

⏰:07/12/23 02:10 📱:SH903i 🆔:F9LNNOLU


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