からっぽの心
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#385 [
みぃ
]
「荷物置いて着替えたら、
すぐ職員室来なさい!」
「あーあ、お説教。」
鼻で軽く笑うと、
豊は男子棟の中へと消えていった。
『――――ゆたっ・・・』
「ゆーーーめーーー!!」
:07/12/23 02:13
:SH903i
:F9LNNOLU
#386 [
みぃ
]
豊の後ろ姿を追いたいあたしの意志を、
加山先生のハスキーな怒鳴り声が遮る。
その時、
見上げた加山先生越しに、
星が顔を出し始めた夕空が映った。
あぁ・・・。
空なんて見たの、
いつぶりだろう・・・。
:07/12/23 02:17
:SH903i
:F9LNNOLU
#387 [
みぃ
]
首を上に向けると、
こんなにたくさんの光が見えるのに。
そんな簡単なことなのに。
たったそれだけのことなのに。
あたしはずっとこの光から目を反らしてた。
でも、その間にも、
こうやって光を届けてくれてたんだよね。
:07/12/23 02:19
:SH903i
:F9LNNOLU
#388 [
みぃ
]
久しぶりに見た空は
絵の具のケースにある何色かの色を混ぜても
きっと造れない複雑な色で
でも、優しくて
どこか懐かしくて
すごくキレイで
:07/12/23 23:20
:SH903i
:F9LNNOLU
#389 [
みぃ
]
この暗闇を晴らして
早くあの青を見たい
そう思った。
明日が待ち遠しく思える日なんて、
もう来ないと思ってた。
でも
今はこんなにも
早くあの鮮明な青空に会いたい。
:07/12/23 23:24
:SH903i
:F9LNNOLU
#390 [
みぃ
]
:07/12/23 23:25
:SH903i
:F9LNNOLU
#391 [
みぃ
]
市街から少し離れた場所へ向かうバスの本数は少なく、
バス停の待合室で、
止む気配のない雨を見つめていた。
予想外の雨は100円ショップで買ったビニール傘では対処しきれずに、
ジャケットの肩は湿ってしまっている。
やっと三月の終わりに咲いた桜だというのに、
この雨で大方散ってしまった。
:07/12/23 23:30
:SH903i
:F9LNNOLU
#392 [
みぃ
]
そんなことを考えているうちにダイヤ表に記された時間になったみたいで、
あたしの前にバスはゆっくりと停まる。
バスに乗ってしばらくすると、
灰色で埋めつくされていた窓の外の景色に
少しずつ緑が顔を出し始め、
あっという間にコンクリートの冷たい色は見えなくなった。
:07/12/23 23:34
:SH903i
:F9LNNOLU
#393 [
みぃ
]
春休みの週末だというのに、
バスの中はあたしの他に二、三人しか乗っていない。
バスの本数と合わせて考えても、
需要が少ないことに納得した。
他の人の傘を見る限り、
この雨は天気予報でも知らされていたのだろう。
雨の被害に遭ったのはあたしだけのようだ。
:07/12/23 23:38
:SH903i
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#394 [
みぃ
]
湿気で髪が濡れてしまうことは分かっていたけど、
ひんやりとしたガラスが気持ち良くて、
バスの窓にもたれかかって目を閉じた。
雨がガラスに当たる音と車内の揺れが心地良くて、
自然に眠りにおちる。
どれぐらいこうしていたのだろう。
車内に流れるアナウンスの声で浅い眠りから呼び戻された。
:07/12/23 23:43
:SH903i
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