からっぽの心
最新 最初 🆕
#432 [みぃ]

「あ、何、笑ってんの!」

『ぷくく・・・
 やだよ、こんな泣き虫なお兄ちゃん。』

「えー?ひどっ!!」


そう言って2人で笑った。

何故かツボに入って、
2人で大声で笑い転げた。

⏰:08/01/31 20:30 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#433 [みぃ]


こんな風に笑える日なんて来ないと思ってた。


腐るのを待つだけのあたしが人と向き合えるなんて

もう無いと思ってた。


昔、お姉ちゃんが言ってた。


「どん底まで落ちたら、
 あとは昇るだけだよ。」

⏰:08/01/31 20:34 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#434 [みぃ]


あの頃のあたしは確かにどん底で、
這い上がる気力さえなかった。

でも、少しずつ暗い穴を抜け出そうともがいてる。


自分一人の力じゃなくて
周りのパワーを分けてもらって。

みなぎる力を武器にして
心に覆い被さる闇をやっつけてやる。


あたしは  生きてるから

⏰:08/01/31 20:39 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#435 [みぃ]

――――――――――――

霊園で大志くんに別れを告げ、
バス停までの坂道を下っていく。


一歩一歩、今を踏み締めながら。


バス停のベンチに人影を見つけた。

ゆっくり近付き、覗き込む。

⏰:08/01/31 20:44 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#436 [みぃ]


『豊?』


その人物はゆっくりと顔を上げてあたしを見る。


「美優、元気だった?」


豊の微笑みはあたしの固い心を溶かしてくれる。


『うん、大志くんに会えたからね。』

⏰:08/01/31 20:50 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#437 [みぃ]


そう言って横に腰掛けた時、豊が嬉しそうに
「そっか。」
と笑った。

『豊は?
 会わなくていいの?
 今、来たんでしょ?』


あたしの問いに、
豊は渋い顔をした。


「追試受かるまで顔合わせらんねぇ。」

⏰:08/01/31 20:56 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#438 [みぃ]

『あはッ!馬鹿だ。』


豊は2年最後の期末考査で数学と英語を落として、
次で再々々追試。


『一緒に3年なれないかもね〜。』


皮肉を込めた口調で言ったけど、
豊にはさほど効果がないみたいだった。

⏰:08/01/31 21:00 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#439 [みぃ]

「んな訳ねーだろ。
 オレは天才だから。」

『天才は追試なんかなんねぇよ、ばーか。』


そう言って2人で笑っている時の豊の手はあたしの上。

今は世間で言う恋人同士。


自分でもまさかの展開。

⏰:08/01/31 21:06 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#440 [みぃ]


施設の中では自重してるけど、
みんなあたしたちのことを喜んでくれた。


あたしにとって

初めての体験と感情で、
なんかくすぐったい気がしたけど、

嫌な気分じゃなかった。


恥ずかしさの方が大きいのかも。

⏰:08/01/31 21:11 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#441 [みぃ]

お姉ちゃんが死んだ時、

この命を捨てていいとさえ思えた。

生きてることに何の意味も見出だせなくなっていた。


心が泉みたいで水が張ってあるのなら、


あの時のあたしはまさに、
からっぽだった。

⏰:08/01/31 21:14 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194