からっぽの心
最新 最初 全 
#101 [
みぃ
]
『何?』
豊と別れたと思ったら、
次は遥か。
一日中テンションの高い奴にまとわり付かれて、疲れる。
「豊くんッてぇー、
絶対夢芽のこと好きだよねッッ!」
『はぁ?』
遥の手をさりげなく解いて遥を見る。
:07/04/21 13:53
:SH903i
:GFRZf3G.
#102 [
みぃ
]
「だって、毎日お見送りとお迎え♪」
『そんなんじゃないし。』
そんなんじゃない。
豊は家族。
ちょっと(いや、かなり)うるさいけど、大切な家族。
もう、誰一人欠けて欲しくない。
もう、あんな思いするのは嫌だよ・・・。
:07/04/21 13:57
:SH903i
:GFRZf3G.
#103 [
みぃ
]
――――――――――――
昼休みを告げるチャイムが鳴る。
みんなご飯を買いに食堂へ行ったり、
他のクラスへ食べに行ったりして、
教室の机は半分以上空席になった。
頭が重い。
どうしよう・・・。
今日はいつもより一段と頭痛がひどいや。
:07/04/21 14:00
:SH903i
:GFRZf3G.
#104 [
みぃ
]
「夢芽ぇーお昼行こー!」
『――ごめん、
一人で行って。』
「えッ!どしたの?」
頭を抱えるあたしを見て、
遥が目を丸くする。
『あたま・・・痛い。』
話し声すら頭に響く。
:07/04/21 14:03
:SH903i
:GFRZf3G.
#105 [我輩は匿名である]
おもしろい

:07/04/21 18:08
:SH702iD
:t9VNk/ZU
#106 [
みぃ
]
:07/04/22 15:27
:SH903i
:3tXVrbEI
#107 [
みぃ
]
「保健室行きなよ!
ついて行く?」
『うぅん・・・。
一人で大丈夫。』
遥に別れを告げ、
保健室へと歩く。
入学して初めての保健室。
症状を説明すると、
先生は驚くほど簡単にベッドに案内してくれた。
:07/04/22 15:31
:SH903i
:3tXVrbEI
#108 [
みぃ
]
「とりあえず5時間目終わるまでは寝てていーからね。」
保健室の先生は笑顔でそう言うと、カーテンを閉めた。
スカートの折り目に気をつけて布団に潜り込む。
あったかい。
柔軟剤の匂い。
ここなら眠れそうな気がする。
:07/04/22 15:35
:SH903i
:3tXVrbEI
#109 [
みぃ
]
気持ちいぃ。
ふわふわした感じ。
久しぶりの感覚。
―――あ・・・。でも・・・。
今日、まだ紙入れてない。
そう思った瞬間に思考は停止した。
:07/04/22 15:37
:SH903i
:3tXVrbEI
#110 [
みぃ
]
―――― ―――――
夢芽―――・・・
『・・・お姉ちゃん?』
真っ白な世界。
確かに今、お姉ちゃんの声が聞こえたのに。
夢芽・・・。
泣かないで・・・。
:07/04/22 15:40
:SH903i
:3tXVrbEI
#111 [
みぃ
]
セメントで塗りたくられた天井。
真っ白な布団に黄色のカーテン。
―――そうだ。
ここ、保健室・・・。
「だから、何で何もしないの!?」
:07/04/22 15:43
:SH903i
:3tXVrbEI
#112 [我輩は匿名である]
あげっち

:07/04/24 18:46
:SH702iD
:scMS1MSs
#113 [
みぃ
]
:07/04/25 21:19
:SH903i
:A6A/qrL6
#114 [
みぃ
]
>>111カーテン越しに聞こえる女の怒鳴り声。
(今・・・何時?)
腕時計で時間を確認する。
――――えッ!?
もう放課後?!
:07/04/25 21:22
:SH903i
:A6A/qrL6
#115 [
みぃ
]
カーテンの隙間から室内を見渡す。
――あれ・・・?
保健室の先生いないじゃん・・・。
それと同時に一人の女の人の後ろ姿。
「毎日下駄箱で見張ってたら捕まえられるに決まってんじゃん!!」
:07/04/25 21:26
:SH903i
:A6A/qrL6
#116 [
みぃ
]
背中まで伸びた茶色の混じった髪の毛をなびかせながら、
女の人は怒鳴る。
ケンカ・・・?
―――――誰と??
視線を右へとずらす。
「そこまでする必要ないじゃん。」
:07/04/25 21:28
:SH903i
:A6A/qrL6
#117 [
みぃ
]
―――大原 大志!!
あたしの視線の先には、
アイツがいる。
:07/04/25 21:29
:SH903i
:A6A/qrL6
#118 [
みぃ
]
「じゃあ、このまま嫌がらせ続けられるのを黙って見とけッて言うの?!」
「別に、紙切れだけで殺される訳でもねーじゃん。
それより足、大丈夫?」
アイツは軽く笑う。
「体育でちょっとくじいただけだから大丈夫ッて・・・
そーじゃなくて!」
「保健室の先生、どこ行ったんだろなー・・・。」
「大志ッッ!!!」
:07/04/25 21:33
:SH903i
:A6A/qrL6
#119 [
みぃ
]
女の人がアイツの腕を掴む。
「大志・・・。
何かあってからじゃ遅いんだよ・・・?
大志に何かあったら・・・あたし・・・。」
「由美・・・。ありがと。
でも大丈夫だから。」
アイツの手が‘由美’の体を優しく包む。
――――何これ。
:07/04/29 11:37
:SH903i
:MpOvwUGM
#120 [
みぃ
]
目の前で起こっている出来事に思考が追い付かない。
何やってんの、こいつら。
アイツらが出て行った後も、
時間が止まったみたいに、しばらく動けなかった。
怒りで手が震える。
保健室にあったペンと2枚の紙を手に取り、
書きなぐる。
:07/04/29 11:41
:SH903i
:MpOvwUGM
#121 [
みぃ
]
1枚は、先生宛て。
お礼の言葉と、体調の回復の報告。
もう1枚は・・・。
教室に戻り、荷物を整える。
みんな帰って、誰もいない静かな教室。
ふと、携帯を見ると、メールが2件届いていた。
:07/04/29 11:44
:SH903i
:MpOvwUGM
#122 [
みぃ
]
1件目は 遥。
【夢芽、大丈夫ぅ〜?】
ほんとに心配してんのか、コイツは。
2件目は 豊。
【大丈夫?オレ、今日用事あるから先帰るな!
気ぃつけろよ!】
―――パチン・・・。
:07/04/29 11:48
:SH903i
:MpOvwUGM
#123 [
みぃ
]
今日は入学して以来、
初の一人での下校か。
携帯をポケットにしまいながらそんなことを考える。
やっと、やりたい事ができる。
ふで箱からカッターナイフを取り出し、
セーターの袖に隠して下駄箱へと向かう。
:07/04/29 11:51
:SH903i
:MpOvwUGM
#124 [
みぃ
]
この時間なら、
下校後か部活中で、生徒はいないだろう。
電灯が消えて、うす暗くなり始めた廊下を歩く。
あたしの上履きの音だけが冷たい廊下に響く。
下駄箱へ着き、いつもとは逆の方向へ向かう。
そこは、2年生のロッカースペース。
:07/05/02 16:21
:SH903i
:040EPTNg
#125 [
みぃ
]
慣れた足で、一つのロッカーの前へと進む。
‘大原 大志’
この名前を口に出すのも、
いや、名前を見るだけでも憎しみが沸き上がってくる。
そっとロッカーへ手を伸ばす。
ダイヤル式の鍵。
まだ鍵、変えてないんだ。
:07/05/02 16:25
:SH903i
:040EPTNg
#126 [
みぃ
]
ねぇ、あたし、もう暗証番号知ってるよ?
早く変えた方がいぃんじゃない?
入学して始めの半月、
携帯をいじるフリして何回もロッカー開ける所見てたから。
・・・・1・・・・2・・・・4・・・・
カチャ。
:07/05/02 16:27
:SH903i
:040EPTNg
#127 [
みぃ
]
鈍い音と共に鉄のつっかえが外れる。
小さな長方形の扉が口を開く。
無造作に積まれた教科書。
体育館シューズ。
上履き。
もうこの二ヶ月間、毎日見てる景色だ。
その中に、紙を2枚置く。
:07/05/02 16:31
:SH903i
:040EPTNg
#128 [
みぃ
]
昨日の夜に書いたものと、
保健室で書いたもの。
生きてるなんて許さない
裏切り者
ここ二ヶ月間、毎日彼への憎しみを文にして、
ロッカーへ投げ込んだ。
朝、休み時間、体育の移動の時、放課後。
隙を見つけて、あたしの思いをぶつけた。
:07/05/02 16:34
:SH903i
:040EPTNg
#129 [
]
あげ

:07/05/03 23:32
:SH703i
:iKB/PF4w
#130 [
みぃ
]
:07/05/05 14:39
:SH903i
:FWuQmt/g
#131 [
みぃ
]
扉を閉め、セーターの袖からカッターを取り出す。
カチカチカチ・・・。
独特の音。
3p程出した刃で決まったスペースの中を傷つける。
――ガリッ・・・ギギギ・・・
不気味な音が廊下に響く。
:07/05/05 14:43
:SH903i
:FWuQmt/g
#132 [
みぃ
]
憎い名前が貼付けてある、
そのロッカーにあたしの心の刃を刻んでいく。
‘陰湿’
今のあたしにはそんな言葉がぴったりだ。
自分でも分かってる。
馬鹿なことしてるって。
:07/05/05 14:47
:SH903i
:FWuQmt/g
#133 [
みぃ
]
だけど、これを見た時のアイツの顔を見ると、
自然と笑みがこぼれる。
苦しめ。
苦しめ。
これっぽっちの刃で痛いなんて言わせない。
どれだけ願ったって、
もうお姉ちゃんは還って来ないからんだ。
:07/05/05 14:50
:SH903i
:FWuQmt/g
#134 [↑ ‘から’要らないです
]
誰も分からなくていい。
あたしの気持ちはあたしだけの物。
あたしとお姉ちゃんの絆を知らない奴からの同時なんて、尚更要らない。
1番お姉ちゃんの近くに居たのはあたしで、アイツじゃない。
例え、それがお姉ちゃんの愛した人だとしても。
:07/05/05 14:54
:SH903i
:FWuQmt/g
#135 [
みぃ
]
まるで何かにとり憑かれた様に、右手が動く。
その握り締めた手にどんどん力が加わる。
ギギッ・・・ギギギッ・・・
―――――バキッ!!
:07/05/05 14:57
:SH903i
:FWuQmt/g
#136 [
みぃ
]
:07/05/05 22:14
:SH903i
:FWuQmt/g
#137 [
みぃ
]
〇 ο
o Ο οО
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
:07/05/10 16:40
:SH903i
:i3Ua3MDA
#138 [
みぃ
]
左頬に走る痛み。
スカートと地面に浮かぶ赤。
『・・・血?』
足元には、力の作用に耐えられずに折れたカッターの刄が転がっている。
:07/05/10 16:43
:SH903i
:i3Ua3MDA
#139 [
みぃ
]
左頬から静かに流れる血。
刄が飛んだ拍子に切れたのか・・・。
アイツの反撃・・・?
なんて、心の中で思って一人で鼻で笑う。
再び顔を上げた時、固まった。
:07/05/10 16:46
:SH903i
:i3Ua3MDA
#140 [
みぃ
]
ロッカーに刻まれた無数の傷。
そこからは憎しみ以外の何も感じられない。
―――これ、あたしがやったの・・・?
まるで、あたしの心を表しているかのような傷。
‘卑怯’
そんな言葉が頭の中を廻った。
:07/05/10 16:49
:SH903i
:i3Ua3MDA
#141 [
みぃ
]
『あ・・・あぁ・・・。』
全身に寒気が立つ。
自分のしたことの卑劣さに目を向けることができず、
逃げるように荷物を抱えて、
学校を飛び出す。
それと同時に、あの日の事が甦る。
:07/05/10 16:53
:SH903i
:i3Ua3MDA
#142 [放置しすぎた
]
━--・・━━━-・━--・・━━
「どした?夢芽。」
電話片手に固まったあたしに、
事務室へ戻ってきた男子棟の先生が尋ねる。
『加山せんせ・・・。
おね・・・。』
途切れ途切れに言葉を発するあたしに何かを感じたのか、
加山先生はあたしから電話を奪う。
:07/05/23 23:49
:SH903i
:YyEvP3JA
#143 [誰も読んでないけど更新
]
「もしもし?!
――え?美優が?!」
加山先生が警察と電話している間も、
他の先生に連絡している間も、
あたしは放心状態だった。
ただ、頭の中に映る嫌な映像をかき消すことに必死だった。
「夢芽!
先生病院行ってくるから!」
『――待って!
あたしも行く!!』
:07/05/23 23:53
:SH903i
:YyEvP3JA
#144 [
みぃ
]
事務室から飛び出して行く先生を追いかけ、
一緒に車に乗り込む。
心臓が今までに感じたことのない程の速さで波打っている。
(お姉ちゃん・・・。)
やだ・・・。
やだよ・・・。
:07/05/24 00:01
:SH903i
:4QW/7sIY
#145 [
みぃ
]
病院へ着いた時には、
もう手遅れだった。
医師から一通り話を聞いて、霊安室へと案内される。
機械的な説明。
事務的な案内。
人事でしかない医師に腹が立つ。
:07/05/24 00:04
:SH903i
:4QW/7sIY
#146 [
みぃ
]
他にこの複雑な想いをぶつける場所がないから。
嘘だよね?
お姉ちゃんが何したって言うのよ。
誰かに迷惑かけるような人生じゃなかった筈なのに。
こらえ切れずに病院を飛び出した。
:07/05/24 00:07
:SH903i
:4QW/7sIY
#147 [
なォ
]
:07/05/24 01:56
:N902iS
:☆☆☆
#148 [
みぃ
]
:07/05/24 08:41
:SH903i
:4QW/7sIY
#149 [にゃんちゅ]
うぉーΣ(´Д` )なんだこのぉもろぃ小説ゎ

久しぶりにハマる作品
見つけたじぇ


絶対完結させてネ

頑張れッ

:07/05/24 13:42
:D903iTV
:EDrri.JI
#150 [
みぃ
]
:07/05/24 15:55
:SH903i
:4QW/7sIY
#151 [
みぃ
]
>>146「―――夢芽ッ!!」
加山先生の制止も無視し、
警察から聞いた場所へ向かう。
―――そう、事故現場。
:07/05/24 15:58
:SH903i
:4QW/7sIY
#152 [
みぃ
]
そこは、大通りに面した歩道だった。
まだパトカーが何台か止まっていて、
野次馬がたかっている。
野次馬の群れを掻き分け、
一番前にいた警察官に食らいついた。
『何があったんですか!?』
:07/05/24 16:01
:SH903i
:4QW/7sIY
#153 [
みぃ
]
いきなり袖をつかまれた警察官は驚きつつも、
「―――誰だ?!
ほら、このテープの中は立入禁止!!」
と言って、あたしを追い出す。
『事故に遭った女の人の妹です!!』
「じゃあ君、施設の・・・。」
:07/05/24 16:06
:SH903i
:4QW/7sIY
#154 [
みぃ
]
『ねぇ、何があったの?!
教えてよ!!』
警察官の服を両腕で掴み、
かすれた声で答えを促す。
警察官は他の警察官と目を合わせて、
ゆっくりとあたしに目線を戻す。
「・・・君のお姉さんと交際相手の男の人がここの歩道を歩いている時、
トラックが追突して来たんだよ。」
:07/05/24 16:11
:SH903i
:4QW/7sIY
#155 [
みぃ
]
追突・・・。
「トラックの運転手が居眠り運転でね・・・。
それが偶然君のお姉さん達の場所に・・・。」
歩道には、生々しい血痕が飛び散っている。
「それで、お姉さんにだけ・・・。」
『・・・大志くんは・・・。
彼氏はどこですか!?』
:07/05/24 16:18
:SH903i
:4QW/7sIY
#156 [
みぃ
]
「え?あぁ・・・。
一緒に救急車に乗って行ったから、病院じゃないかな・・・。」
病院・・・。
霊安室に居たのかな・・・。
『ありがとう・・・ございました・・・。』
ふらつく足を引きずる様にして、警察官から離れる。
:07/05/26 23:10
:SH903i
:.Cl4W36g
#157 [
みぃ
]
「大丈夫?」
抜け殻の様になったあたしに、
警察官が心配そうな顔で問い掛ける。
『大丈夫・・・。』
自分に言い聞かせるように呟き、人込みを抜ける。
:07/05/26 23:16
:SH903i
:.Cl4W36g
#158 [
みぃ
]
野次馬の好奇の目が突き刺さる。
何笑ってんだよ・・・。
人が一人死んでんのに。
見せ物じゃねぇんだよ。
群がる野次馬を睨みながら歩いた時だった。
:07/05/26 23:21
:SH903i
:.Cl4W36g
#159 [
みぃ
]
「ひどいよね、彼氏も。」
小さく囁いたその会話を聞き逃さなかった。
『それッ・・・!
どーゆー意味ですか?!』
いきなり話に入ってきたあたしに驚きながらも、
その女の人は答えてくれた。
:07/05/26 23:25
:SH903i
:.Cl4W36g
#160 [
みぃ
]
「えッ・・・。
何かねー、トラックが突っ込んで来た時、
彼氏が彼女置いて逃げたらしいよ。」
『――――は?』
「あたしが見てた訳じゃないんだけど、
反対側の歩道から見てた人がいるらしいよ!!」
頭の中が真っ白になる。
:07/05/29 16:09
:SH903i
:.J7yiuPU
#161 [
みぃ
]
「トラックが突っ込んで、
瞬間的に彼氏が避けて、彼女だけがひかれちゃったんだって!!」
『―――それ・・・。
本当ですか?』
「本当じゃないのー?
実際2人で並んで歩いてたのに、
彼女だけひかれるなんて、有り得なくない?」
大志くんが・・・?
:07/05/29 16:17
:SH903i
:.J7yiuPU
#162 [
みぃ
]
「男なら女の前に立ちはだかって、
守れってモンだよねぇ。」
『ありがとう・・・ございました・・・。』
まだ愚痴を続けようとする女の人を残し、
トボトボと家へ帰った。
信じられない。
大志くんはお姉ちゃんを裏切ったんだ・・・。
お姉ちゃんは、アイツに殺されたんだ・・・。
:07/05/29 16:24
:SH903i
:.J7yiuPU
#163 [
みぃ
]
━━━━━------・・・・
施設に戻ると、暗い雰囲気が皆を包んでいた。
ここには、毎週のように親が面会に来る子もいれば、
入所したっきり一度も会いに来ない親もいる。
ここにしか家族がいない子がたくさん居る。
あたしもその一人。
:07/05/29 16:30
:SH903i
:.J7yiuPU
#164 [
みぃ
]
どれだけお姉ちゃんがみんなに好かれているか、
この状態を見れば分かる。
部屋に入り、お姉ちゃんのベッドに寝転ぶ。
ベッドからお姉ちゃんの匂い。
甘くて大好きな香り。
あたしの大好きな匂い。
:07/05/29 16:33
:SH903i
:.J7yiuPU
#165 [ぁぃュ]
:07/05/30 11:54
:W43S
:plfesnEE
#166 [
みぃ
]
:07/05/31 16:46
:SH903i
:dT268xD.
#167 [
みぃ
]
あれは、小学三年生の時・・・。
周りは誕生日とかクリスマスとか、
親が面会に来たり、一次帰宅の為に迎えに来たり、手紙やプレゼントが届いていたのに、
あたしはいつも一人ぼっちで。
声を押し殺して泣いてた。
気持ちを押し殺して泣いてた。
:07/05/31 16:49
:SH903i
:dT268xD.
#168 [
みぃ
]
その時だよ。
お姉ちゃんが二段ベッドの上から一緒に寝よう、って言ってくれたの。
短い階段登って、
お姉ちゃんの布団に潜り込んで。
お姉ちゃんが優しく何度も頭を撫でてくれた。
:07/05/31 16:52
:SH903i
:dT268xD.
#169 [
みぃ
]
親なんて、いらない。
お姉ちゃんさえずっと隣に居てくれたら、
それでいい。
心からそう思えたの。
お姉ちゃん、
昔みたいに優しく頭を撫でてよ。
:07/05/31 16:54
:SH903i
:dT268xD.
#170 [
みぃ
]
溢れそうになる気持ちを唇を噛み締めて抑え、
顔を上げて周りを見渡す。
ベッドの脇にある写真立てを手に取る。
それは、あたしとお姉ちゃんが笑顔で映った写真。
もう、お姉ちゃんは写真の中でしか笑えないの?
:07/05/31 16:58
:SH903i
:dT268xD.
#171 [
みぃ
]
ご飯食べて
「おいしいね。」
って笑うことも、
施設の子と喧嘩して泣くことも、
「早く起きなさい!」
って布団めくりながら怒ることも、
もうできない。
:07/05/31 17:00
:SH903i
:dT268xD.
#172 [
みぃ
]
写真の中でしか
みんなの記憶の中で生きることしかできない。
やだよ。
そんなのやだよ。
ねぇ、
お姉ちゃん返してよ。
:07/06/03 00:53
:SH903i
:ETPWO7I2
#173 [
みぃ
]
神様か仏様か知んないけど
誰でもいいから時間を戻してよ。
やだ。
まだ出てこないで。
お姉ちゃんが帰って来た時まで待って。
その時は2人で嬉し涙、流すから。
:07/06/03 00:56
:SH903i
:ETPWO7I2
#174 [
みぃ
]
お姉ちゃんの枕に顔を埋めた瞬間、
部屋の中に強い風が入り込んできた。
窓に一番近いお姉ちゃんの机の上の紙が飛ぶ。
けだるい身体を起こし、
床に散らばった紙を一枚ずつ拾い集めていく。
テストの答案用紙、ピアノの楽譜、宿題のプリント。
:07/06/03 01:02
:SH903i
:ETPWO7I2
#175 [
みぃ
]
その中に、一枚のメモ用紙を見つけた。
そこには、走り書きながらもお姉ちゃんの手で記入された字が浮かんでいた。
『・・・住所?』
(誰の・・・?)
何気なく目を紙の下の方へ走らせ、
入り込んできたもの。
『―――大原大志・・・!!』
:07/06/03 01:09
:SH903i
:ETPWO7I2
#176 [
みぃ
]
――――ドクンッ・・・
心臓が大きく波打つ。
身体の体温が一瞬で上昇する。
忘れかけていた感情が沸き上がってくる。
:07/06/03 01:11
:SH903i
:ETPWO7I2
#177 [
みぃ
]
近くにあったペンと紙をおもむろに取り、
一文字一文字心を込めて書く。
日も暮れ、すっかりと夜に包まれた室内に、
ペンが紙の上を走る音が響く。
紙が破れるんじゃないか、ってぐらいの筆圧。
:07/06/07 21:55
:SH903i
:ZyI0szvc
#178 [
みぃ
]
大原大志様
一生 笑わないで下さい。
自分の罪を償い、幸せにならないで下さい。
私はあなたを一生恨みます。
どうか、笑わないで下さい。
:07/06/07 21:56
:SH903i
:ZyI0szvc
#179 [
みぃ
]
――――――――――――
差出人の名前は書かず、
切手を貼ってポストに出す。
彼の家へ送ったのは、
これが最初で最後。
後は、入学してからずっと下駄箱へ。
自分で汚い女だって分かってる。
こんなことしたって何も変わらないのも分かってる。
もう、お姉ちゃんは死んでしまったのだから。
:07/06/07 21:59
:SH903i
:ZyI0szvc
#180 [
みぃ
]
――――――----・・・
外はあっという間に暗闇に包まれる。
何の頼りもなく駅の周りの街を歩いているうちに、
すっかり夜になっていた。
時間を確かめる為に携帯を開くと、
すごい着信履歴の数だった。
『―――あ・・・。
マナーモード・・・。』
:07/06/07 22:04
:SH903i
:ZyI0szvc
#181 [
みぃ
]
マナーモードを解除して、
履歴を確認していく。
“施設”
“施設”
“豊”
“施設”
“美輝
“豊”
“施設”
“豊”
“美輝”
・・・・ただ今 18:40。
:07/06/07 22:09
:SH903i
:ZyI0szvc
#182 [
みぃ
]
(やば・・・門限過ぎてる。)
慌てて施設へ電話する。
[はい、あおば学園です。]
『――あッ・・・。
・・・夢芽。』
[――夢芽ッ!?
アンタ今どこにいんのッ?!]
受話口の先生の口調が変わる。
:07/06/10 23:45
:SH903i
:BmAgIcJs
#183 [
みぃ
]
うわ・・・。加山先生だ。
『ごめん、ボーッとしてて・・・。』
[どんだけ心配したと思ってんの!!]
耳がキーンとなる。
声でかいんだよ、加山先生は。
『ごめんッてば。
今から帰るから・・・。』
電話を切って足早に施設へと戻る。
:07/06/10 23:48
:SH903i
:BmAgIcJs
#184 [実習から帰ってきた主です
]
うちの施設の門限は18時。
部活がある子は20時。
二週間前に申し出て、
その内容に許可が出た場合は、21時まで延ばすことができる。
あの事故の日、
お姉ちゃんはあいつと遊ぶ為に門限を延ばしてた。
:07/07/03 23:21
:SH903i
:zauvG9rE
#185 [
みぃ
]
――――――――――――
施設に着いて、
廊下で会う先生たちに謝りまくった。
「もー・・・本当心配したんだから・・・。」
『ごめん・・・。
あ、加山先生は?』
「たぶん事務室かな。」
『ありがと。』
今からお説教が始まると思うと、かなりの憂鬱。
:07/07/03 23:25
:SH903i
:zauvG9rE
#186 [
みぃ
]
ため息をつきながら事務室へ向かう。
ノックをしようと思ったら、
中から怒鳴り声が聞こえた。
「なんで一人で帰らせたのッ!!」
顔なんて見なくても分かる。
このハスキーなデカイ声は加山先生だ。
:07/07/03 23:31
:SH903i
:zauvG9rE
#187 [
みぃ
]
恐る恐るドアを開け、
隙間から事務室を覗く。
加山先生と・・・・・
豊?!
:07/07/03 23:33
:SH903i
:zauvG9rE
#188 [
みぃ
]
「あれだけ一人にさせないでって言ったのに・・・。」
「悪かったって。
今日はどうしても行く所あったんだよ。」
「あの子・・・何するか分かんないから・・・。
一番さりげなく一緒に居れそうな豊に頼んだのに・・・。」
・・・何?
・・・この会話。
:07/07/03 23:40
:SH903i
:zauvG9rE
#189 [にゅー]
この小説何か好き

最後まで書いてくれ
たら嬉しいです

何か続ききになる


:07/07/04 19:50
:N703iD
:f9E9xluo
#190 [
みぃ
]
:07/07/05 09:21
:SH903i
:RzssrUic
#191 [
みぃ
]
「明日からちゃんと目ぇ離さねーから!
結局無事だったんだろー?」
「そうだけど・・・。
もう・・・。
寿命縮まっちゃうわよ・・・。」
―――――どういう事?
「あ、夢芽!」
:07/07/05 09:25
:SH903i
:RzssrUic
#192 [
みぃ
]
「えッ?!」
豊が扉の前にたたずむあたしの姿に気付き、
近づいてくる。
「おまえ、みんな心配してたんだぞ?!
どこ行ってたんだよ。」
豊の手があたしの肩に触れる。
『・・・・・・・触んなッ!!』
:07/07/05 09:28
:SH903i
:RzssrUic
#193 [
みぃ
]
あたしの左手が無意識に豊の手を払いのける。
「・・・夢芽?」
「夢芽、とりあえず話は後で聞くから先にご飯食べておいで。
あんたの分、取ってあるから。」
加山先生に言われ、食堂へ向かう。
バカみたい。
:07/07/05 09:31
:SH903i
:RzssrUic
#194 [
みぃ
]
何、心開きかけてんの?
豊のあたしへの優しさは、
あたしの事心配してるからじゃない。
先生に頼まれたからだ。
あたしが変なことしないかどうかの見張り役。
あたしが大切だからじゃない。
あたしの傍に居てくれたのは、
あたしの為じゃない。
:07/07/05 09:33
:SH903i
:RzssrUic
#195 [
みぃ
]
「夢芽ー。
どこ行ってたんだぁー??」
食堂のおじちゃんが夕食を運んでくれながら、
語りかける。
『えへへ、ちょっとね。』
「心配してたんだぞー?
まぁ、無事で良かった。」
そう言って、おじちゃんはあたしの頭をなでる。
『・・・ありがと。』
:07/07/05 09:37
:SH903i
:RzssrUic
#196 [
みぃ
]
おじちゃんには昔から、
何か弱い。
「今日の晩御飯はー・・・
あ!夢芽、レバー食えなかったな!」
目の前にはレバーの炒め物が他の食べ物と一緒に並んでいる。
「レバー食べると、湿疹出るんだっけ?
他のに代えるよ。」
:07/07/08 22:52
:SH903i
:GpES.BMM
#197 [
みぃ
]
おじちゃんが皿に手をかける。
『―――――いい。』
「――――へ?」
唾を飲み込み、
一息でレバーの炒め物をかきこむ。
「――ちょッ・・・夢芽!?」
:07/07/08 22:55
:SH903i
:GpES.BMM
#198 [
みぃ
]
『――ごほッ!うッ・・・。』
「あぁあ〜何やってんだよー。
だから他のに代えるって言ったのにー!!」
むせるあたしの背中を、
おじちゃんは優しくさすってくれる。
『気持ち・・・わる・・・うッ・・・。』
:07/07/08 22:58
:SH903i
:GpES.BMM
#199 [
みぃ
]
「何で食べられない物食べたのー!!」
おじちゃんが水を渡してくれる。
『だって・・・大好物だったの・・・。』
「え?」
『お姉ちゃんの・・・大好物だったの・・・。』
「夢芽・・・。」
:07/07/08 23:01
:SH903i
:GpES.BMM
#200 [
みぃ
]
バカみたい。
希望なんて何もなかったはずなのに・・・。
こんなに傷ついてるあたしが悔しい。
少しでも周りに期待してた証拠じゃない。
―――――バカだよ。
:07/07/08 23:03
:SH903i
:GpES.BMM
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194