からっぽの心
最新 最初 🆕
#101 [みぃ]

『何?』


豊と別れたと思ったら、
次は遥か。

一日中テンションの高い奴にまとわり付かれて、疲れる。


「豊くんッてぇー、
 絶対夢芽のこと好きだよねッッ!」

『はぁ?』


遥の手をさりげなく解いて遥を見る。

⏰:07/04/21 13:53 📱:SH903i 🆔:GFRZf3G.


#102 [みぃ]

「だって、毎日お見送りとお迎え♪」

『そんなんじゃないし。』


そんなんじゃない。

豊は家族。


ちょっと(いや、かなり)うるさいけど、大切な家族。


もう、誰一人欠けて欲しくない。


もう、あんな思いするのは嫌だよ・・・。

⏰:07/04/21 13:57 📱:SH903i 🆔:GFRZf3G.


#103 [みぃ]

――――――――――――

昼休みを告げるチャイムが鳴る。

みんなご飯を買いに食堂へ行ったり、
他のクラスへ食べに行ったりして、
教室の机は半分以上空席になった。



頭が重い。

どうしよう・・・。


今日はいつもより一段と頭痛がひどいや。

⏰:07/04/21 14:00 📱:SH903i 🆔:GFRZf3G.


#104 [みぃ]

「夢芽ぇーお昼行こー!」

『――ごめん、
 一人で行って。』

「えッ!どしたの?」


頭を抱えるあたしを見て、
遥が目を丸くする。


『あたま・・・痛い。』


話し声すら頭に響く。

⏰:07/04/21 14:03 📱:SH903i 🆔:GFRZf3G.


#105 [我輩は匿名である]
おもしろい

⏰:07/04/21 18:08 📱:SH702iD 🆔:t9VNk/ZU


#106 [みぃ]

匿名サン

ありがとぉございます(・艸・)
そんなん言われたらやる気出てまうじゃないですか(´`)プ
また暇な時に読んで下さいね


更新します

⏰:07/04/22 15:27 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#107 [みぃ]

「保健室行きなよ!
 ついて行く?」

『うぅん・・・。
 一人で大丈夫。』


遥に別れを告げ、
保健室へと歩く。


入学して初めての保健室。

症状を説明すると、
先生は驚くほど簡単にベッドに案内してくれた。

⏰:07/04/22 15:31 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#108 [みぃ]

「とりあえず5時間目終わるまでは寝てていーからね。」


保健室の先生は笑顔でそう言うと、カーテンを閉めた。

スカートの折り目に気をつけて布団に潜り込む。


あったかい。


柔軟剤の匂い。

ここなら眠れそうな気がする。

⏰:07/04/22 15:35 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#109 [みぃ]


気持ちいぃ。


ふわふわした感じ。


久しぶりの感覚。



―――あ・・・。でも・・・。

今日、まだ紙入れてない。


そう思った瞬間に思考は停止した。

⏰:07/04/22 15:37 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#110 [みぃ]


――――   ―――――

夢芽―――・・・



『・・・お姉ちゃん?』


真っ白な世界。

確かに今、お姉ちゃんの声が聞こえたのに。



夢芽・・・。

泣かないで・・・。

⏰:07/04/22 15:40 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#111 [みぃ]



セメントで塗りたくられた天井。

真っ白な布団に黄色のカーテン。



―――そうだ。

ここ、保健室・・・。


「だから、何で何もしないの!?」

⏰:07/04/22 15:43 📱:SH903i 🆔:3tXVrbEI


#112 [我輩は匿名である]
あげっち

⏰:07/04/24 18:46 📱:SH702iD 🆔:scMS1MSs


#113 [みぃ]


匿名サン

この間コメントくれた匿名さんですよね
あげありがとうございます(人・・)+゚

更新します

⏰:07/04/25 21:19 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#114 [みぃ]
>>111


カーテン越しに聞こえる女の怒鳴り声。


(今・・・何時?)


腕時計で時間を確認する。



――――えッ!?


もう放課後?!

⏰:07/04/25 21:22 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#115 [みぃ]

カーテンの隙間から室内を見渡す。


――あれ・・・?

保健室の先生いないじゃん・・・。



それと同時に一人の女の人の後ろ姿。


「毎日下駄箱で見張ってたら捕まえられるに決まってんじゃん!!」

⏰:07/04/25 21:26 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#116 [みぃ]

背中まで伸びた茶色の混じった髪の毛をなびかせながら、
女の人は怒鳴る。


ケンカ・・・?


―――――誰と??


視線を右へとずらす。


「そこまでする必要ないじゃん。」

⏰:07/04/25 21:28 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#117 [みぃ]









―――大原 大志!!



あたしの視線の先には、
アイツがいる。

⏰:07/04/25 21:29 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#118 [みぃ]

「じゃあ、このまま嫌がらせ続けられるのを黙って見とけッて言うの?!」

「別に、紙切れだけで殺される訳でもねーじゃん。
 それより足、大丈夫?」


アイツは軽く笑う。


「体育でちょっとくじいただけだから大丈夫ッて・・・
 そーじゃなくて!」

「保健室の先生、どこ行ったんだろなー・・・。」

「大志ッッ!!!」

⏰:07/04/25 21:33 📱:SH903i 🆔:A6A/qrL6


#119 [みぃ]

女の人がアイツの腕を掴む。


「大志・・・。
 何かあってからじゃ遅いんだよ・・・?
 大志に何かあったら・・・あたし・・・。」

「由美・・・。ありがと。
 でも大丈夫だから。」


アイツの手が‘由美’の体を優しく包む。



――――何これ。

⏰:07/04/29 11:37 📱:SH903i 🆔:MpOvwUGM


#120 [みぃ]

目の前で起こっている出来事に思考が追い付かない。


何やってんの、こいつら。


アイツらが出て行った後も、
時間が止まったみたいに、しばらく動けなかった。

怒りで手が震える。


保健室にあったペンと2枚の紙を手に取り、
書きなぐる。

⏰:07/04/29 11:41 📱:SH903i 🆔:MpOvwUGM


#121 [みぃ]

1枚は、先生宛て。


お礼の言葉と、体調の回復の報告。


もう1枚は・・・。




教室に戻り、荷物を整える。

みんな帰って、誰もいない静かな教室。

ふと、携帯を見ると、メールが2件届いていた。

⏰:07/04/29 11:44 📱:SH903i 🆔:MpOvwUGM


#122 [みぃ]

1件目は 遥。

【夢芽、大丈夫ぅ〜?】


ほんとに心配してんのか、コイツは。


2件目は 豊。

【大丈夫?オレ、今日用事あるから先帰るな!
 気ぃつけろよ!】


―――パチン・・・。

⏰:07/04/29 11:48 📱:SH903i 🆔:MpOvwUGM


#123 [みぃ]

今日は入学して以来、
初の一人での下校か。


携帯をポケットにしまいながらそんなことを考える。



やっと、やりたい事ができる。



ふで箱からカッターナイフを取り出し、
セーターの袖に隠して下駄箱へと向かう。

⏰:07/04/29 11:51 📱:SH903i 🆔:MpOvwUGM


#124 [みぃ]

この時間なら、
下校後か部活中で、生徒はいないだろう。


電灯が消えて、うす暗くなり始めた廊下を歩く。

あたしの上履きの音だけが冷たい廊下に響く。


下駄箱へ着き、いつもとは逆の方向へ向かう。


そこは、2年生のロッカースペース。

⏰:07/05/02 16:21 📱:SH903i 🆔:040EPTNg


#125 [みぃ]

慣れた足で、一つのロッカーの前へと進む。


‘大原 大志’


この名前を口に出すのも、
いや、名前を見るだけでも憎しみが沸き上がってくる。


そっとロッカーへ手を伸ばす。

ダイヤル式の鍵。


まだ鍵、変えてないんだ。

⏰:07/05/02 16:25 📱:SH903i 🆔:040EPTNg


#126 [みぃ]

ねぇ、あたし、もう暗証番号知ってるよ?

早く変えた方がいぃんじゃない?


入学して始めの半月、
携帯をいじるフリして何回もロッカー開ける所見てたから。



・・・・1・・・・2・・・・4・・・・



カチャ。

⏰:07/05/02 16:27 📱:SH903i 🆔:040EPTNg


#127 [みぃ]

鈍い音と共に鉄のつっかえが外れる。

小さな長方形の扉が口を開く。


無造作に積まれた教科書。

体育館シューズ。

上履き。


もうこの二ヶ月間、毎日見てる景色だ。

その中に、紙を2枚置く。

⏰:07/05/02 16:31 📱:SH903i 🆔:040EPTNg


#128 [みぃ]

昨日の夜に書いたものと、
保健室で書いたもの。



生きてるなんて許さない

裏切り者



ここ二ヶ月間、毎日彼への憎しみを文にして、
ロッカーへ投げ込んだ。


朝、休み時間、体育の移動の時、放課後。

隙を見つけて、あたしの思いをぶつけた。

⏰:07/05/02 16:34 📱:SH903i 🆔:040EPTNg


#129 []
あげ

⏰:07/05/03 23:32 📱:SH703i 🆔:iKB/PF4w


#130 [みぃ]

サン

あげありがとうです
更新まちまちですいません(・`;

更新します

⏰:07/05/05 14:39 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#131 [みぃ]

扉を閉め、セーターの袖からカッターを取り出す。


カチカチカチ・・・。


独特の音。

3p程出した刃で決まったスペースの中を傷つける。


――ガリッ・・・ギギギ・・・


不気味な音が廊下に響く。

⏰:07/05/05 14:43 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#132 [みぃ]

憎い名前が貼付けてある、
そのロッカーにあたしの心の刃を刻んでいく。



‘陰湿’



今のあたしにはそんな言葉がぴったりだ。


自分でも分かってる。

馬鹿なことしてるって。

⏰:07/05/05 14:47 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#133 [みぃ]

だけど、これを見た時のアイツの顔を見ると、
自然と笑みがこぼれる。



苦しめ。


苦しめ。



これっぽっちの刃で痛いなんて言わせない。

どれだけ願ったって、
もうお姉ちゃんは還って来ないからんだ。

⏰:07/05/05 14:50 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#134 [↑ ‘から’要らないです]

誰も分からなくていい。

あたしの気持ちはあたしだけの物。


あたしとお姉ちゃんの絆を知らない奴からの同時なんて、尚更要らない。


1番お姉ちゃんの近くに居たのはあたしで、アイツじゃない。



例え、それがお姉ちゃんの愛した人だとしても。

⏰:07/05/05 14:54 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#135 [みぃ]

まるで何かにとり憑かれた様に、右手が動く。

その握り締めた手にどんどん力が加わる。




ギギッ・・・ギギギッ・・・



―――――バキッ!!

⏰:07/05/05 14:57 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#136 [みぃ]
>>133

アイツの顔を見ると
   ↓
アイツの顔を考えると


>>134

同時なんて
  ↓
同情なんて


の間違いです

誤字ばっかですみません(・ω・`)

⏰:07/05/05 22:14 📱:SH903i 🆔:FWuQmt/g


#137 [みぃ]


〇  ο
o     Ο   οО








一瞬、何が起こったのか分からなかった。

⏰:07/05/10 16:40 📱:SH903i 🆔:i3Ua3MDA


#138 [みぃ]


左頬に走る痛み。


スカートと地面に浮かぶ赤。



『・・・血?』


足元には、力の作用に耐えられずに折れたカッターの刄が転がっている。

⏰:07/05/10 16:43 📱:SH903i 🆔:i3Ua3MDA


#139 [みぃ]

左頬から静かに流れる血。


刄が飛んだ拍子に切れたのか・・・。




アイツの反撃・・・?

なんて、心の中で思って一人で鼻で笑う。


再び顔を上げた時、固まった。

⏰:07/05/10 16:46 📱:SH903i 🆔:i3Ua3MDA


#140 [みぃ]

ロッカーに刻まれた無数の傷。

そこからは憎しみ以外の何も感じられない。



―――これ、あたしがやったの・・・?



まるで、あたしの心を表しているかのような傷。


‘卑怯’

そんな言葉が頭の中を廻った。

⏰:07/05/10 16:49 📱:SH903i 🆔:i3Ua3MDA


#141 [みぃ]

『あ・・・あぁ・・・。』


全身に寒気が立つ。


自分のしたことの卑劣さに目を向けることができず、

逃げるように荷物を抱えて、
学校を飛び出す。



それと同時に、あの日の事が甦る。

⏰:07/05/10 16:53 📱:SH903i 🆔:i3Ua3MDA


#142 [放置しすぎた]

━--・・━━━-・━--・・━━

「どした?夢芽。」


電話片手に固まったあたしに、
事務室へ戻ってきた男子棟の先生が尋ねる。


『加山せんせ・・・。
 おね・・・。』


途切れ途切れに言葉を発するあたしに何かを感じたのか、
加山先生はあたしから電話を奪う。

⏰:07/05/23 23:49 📱:SH903i 🆔:YyEvP3JA


#143 [誰も読んでないけど更新]

「もしもし?!
 ――え?美優が?!」


加山先生が警察と電話している間も、
他の先生に連絡している間も、
あたしは放心状態だった。

ただ、頭の中に映る嫌な映像をかき消すことに必死だった。


「夢芽!
 先生病院行ってくるから!」

『――待って!
 あたしも行く!!』

⏰:07/05/23 23:53 📱:SH903i 🆔:YyEvP3JA


#144 [みぃ]

事務室から飛び出して行く先生を追いかけ、
一緒に車に乗り込む。


心臓が今までに感じたことのない程の速さで波打っている。


(お姉ちゃん・・・。)



やだ・・・。

やだよ・・・。

⏰:07/05/24 00:01 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#145 [みぃ]




病院へ着いた時には、
もう手遅れだった。


医師から一通り話を聞いて、霊安室へと案内される。


機械的な説明。

事務的な案内。


人事でしかない医師に腹が立つ。

⏰:07/05/24 00:04 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#146 [みぃ]


他にこの複雑な想いをぶつける場所がないから。



嘘だよね?


お姉ちゃんが何したって言うのよ。


誰かに迷惑かけるような人生じゃなかった筈なのに。


こらえ切れずに病院を飛び出した。

⏰:07/05/24 00:07 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#147 [なォ]
読んでますょ
がんばれッ

⏰:07/05/24 01:56 📱:N902iS 🆔:☆☆☆


#148 [みぃ]

なォサン

コメントありがとうございます

俄然やる気でちゃいます
最後まで頑張るんで、良かったら付き合ってやって下さいね(・艸・)

⏰:07/05/24 08:41 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#149 [にゃんちゅ]
うぉーΣ(´Д` )なんだこのぉもろぃ小説ゎ
久しぶりにハマる作品
見つけたじぇ
絶対完結させてネ
頑張れッ

⏰:07/05/24 13:42 📱:D903iTV 🆔:EDrri.JI


#150 [みぃ]


にゃんちゅサン

そんな言葉もったいないです

こんな駄作ですが、最後まで頑張るんで良かったら読んで下さいね

⏰:07/05/24 15:55 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#151 [みぃ]
>>146



「―――夢芽ッ!!」


加山先生の制止も無視し、
警察から聞いた場所へ向かう。





―――そう、事故現場。

⏰:07/05/24 15:58 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#152 [みぃ]


そこは、大通りに面した歩道だった。


まだパトカーが何台か止まっていて、
野次馬がたかっている。


野次馬の群れを掻き分け、
一番前にいた警察官に食らいついた。


『何があったんですか!?』

⏰:07/05/24 16:01 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#153 [みぃ]

いきなり袖をつかまれた警察官は驚きつつも、


「―――誰だ?!
 ほら、このテープの中は立入禁止!!」


と言って、あたしを追い出す。


『事故に遭った女の人の妹です!!』

「じゃあ君、施設の・・・。」

⏰:07/05/24 16:06 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#154 [みぃ]

『ねぇ、何があったの?!
 教えてよ!!』


警察官の服を両腕で掴み、
かすれた声で答えを促す。


警察官は他の警察官と目を合わせて、
ゆっくりとあたしに目線を戻す。


「・・・君のお姉さんと交際相手の男の人がここの歩道を歩いている時、
 トラックが追突して来たんだよ。」

⏰:07/05/24 16:11 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#155 [みぃ]


追突・・・。


「トラックの運転手が居眠り運転でね・・・。
 それが偶然君のお姉さん達の場所に・・・。」


歩道には、生々しい血痕が飛び散っている。


「それで、お姉さんにだけ・・・。」

『・・・大志くんは・・・。
 彼氏はどこですか!?』

⏰:07/05/24 16:18 📱:SH903i 🆔:4QW/7sIY


#156 [みぃ]

「え?あぁ・・・。
 一緒に救急車に乗って行ったから、病院じゃないかな・・・。」


病院・・・。

霊安室に居たのかな・・・。


『ありがとう・・・ございました・・・。』


ふらつく足を引きずる様にして、警察官から離れる。

⏰:07/05/26 23:10 📱:SH903i 🆔:.Cl4W36g


#157 [みぃ]


「大丈夫?」


抜け殻の様になったあたしに、
警察官が心配そうな顔で問い掛ける。


『大丈夫・・・。』


自分に言い聞かせるように呟き、人込みを抜ける。

⏰:07/05/26 23:16 📱:SH903i 🆔:.Cl4W36g


#158 [みぃ]


野次馬の好奇の目が突き刺さる。



何笑ってんだよ・・・。


人が一人死んでんのに。


見せ物じゃねぇんだよ。



群がる野次馬を睨みながら歩いた時だった。

⏰:07/05/26 23:21 📱:SH903i 🆔:.Cl4W36g


#159 [みぃ]


「ひどいよね、彼氏も。」


小さく囁いたその会話を聞き逃さなかった。


『それッ・・・!
 どーゆー意味ですか?!』


いきなり話に入ってきたあたしに驚きながらも、
その女の人は答えてくれた。

⏰:07/05/26 23:25 📱:SH903i 🆔:.Cl4W36g


#160 [みぃ]


「えッ・・・。
 何かねー、トラックが突っ込んで来た時、
 彼氏が彼女置いて逃げたらしいよ。」



『――――は?』



「あたしが見てた訳じゃないんだけど、
 反対側の歩道から見てた人がいるらしいよ!!」


頭の中が真っ白になる。

⏰:07/05/29 16:09 📱:SH903i 🆔:.J7yiuPU


#161 [みぃ]


「トラックが突っ込んで、
 瞬間的に彼氏が避けて、彼女だけがひかれちゃったんだって!!」


『―――それ・・・。
 本当ですか?』

「本当じゃないのー?
 実際2人で並んで歩いてたのに、
 彼女だけひかれるなんて、有り得なくない?」



大志くんが・・・?

⏰:07/05/29 16:17 📱:SH903i 🆔:.J7yiuPU


#162 [みぃ]

「男なら女の前に立ちはだかって、
 守れってモンだよねぇ。」

『ありがとう・・・ございました・・・。』


まだ愚痴を続けようとする女の人を残し、
トボトボと家へ帰った。



信じられない。

大志くんはお姉ちゃんを裏切ったんだ・・・。


お姉ちゃんは、アイツに殺されたんだ・・・。

⏰:07/05/29 16:24 📱:SH903i 🆔:.J7yiuPU


#163 [みぃ]

━━━━━------・・・・


施設に戻ると、暗い雰囲気が皆を包んでいた。


ここには、毎週のように親が面会に来る子もいれば、
入所したっきり一度も会いに来ない親もいる。


ここにしか家族がいない子がたくさん居る。



あたしもその一人。

⏰:07/05/29 16:30 📱:SH903i 🆔:.J7yiuPU


#164 [みぃ]

どれだけお姉ちゃんがみんなに好かれているか、
この状態を見れば分かる。



部屋に入り、お姉ちゃんのベッドに寝転ぶ。


ベッドからお姉ちゃんの匂い。

甘くて大好きな香り。


あたしの大好きな匂い。

⏰:07/05/29 16:33 📱:SH903i 🆔:.J7yiuPU


#165 [ぁぃュ]
>>151

⏰:07/05/30 11:54 📱:W43S 🆔:plfesnEE


#166 [みぃ]

ぁぃサン

アンカーありがとうございます

更新します

⏰:07/05/31 16:46 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#167 [みぃ]

あれは、小学三年生の時・・・。


周りは誕生日とかクリスマスとか、
親が面会に来たり、一次帰宅の為に迎えに来たり、手紙やプレゼントが届いていたのに、
あたしはいつも一人ぼっちで。


声を押し殺して泣いてた。


気持ちを押し殺して泣いてた。

⏰:07/05/31 16:49 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#168 [みぃ]

その時だよ。

お姉ちゃんが二段ベッドの上から一緒に寝よう、って言ってくれたの。


短い階段登って、
お姉ちゃんの布団に潜り込んで。


お姉ちゃんが優しく何度も頭を撫でてくれた。

⏰:07/05/31 16:52 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#169 [みぃ]

親なんて、いらない。


お姉ちゃんさえずっと隣に居てくれたら、
それでいい。


心からそう思えたの。



お姉ちゃん、

昔みたいに優しく頭を撫でてよ。

⏰:07/05/31 16:54 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#170 [みぃ]

溢れそうになる気持ちを唇を噛み締めて抑え、
顔を上げて周りを見渡す。


ベッドの脇にある写真立てを手に取る。

それは、あたしとお姉ちゃんが笑顔で映った写真。


もう、お姉ちゃんは写真の中でしか笑えないの?

⏰:07/05/31 16:58 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#171 [みぃ]

ご飯食べて
「おいしいね。」
って笑うことも、


施設の子と喧嘩して泣くことも、


「早く起きなさい!」
って布団めくりながら怒ることも、



もうできない。

⏰:07/05/31 17:00 📱:SH903i 🆔:dT268xD.


#172 [みぃ]


写真の中でしか

みんなの記憶の中で生きることしかできない。


やだよ。


そんなのやだよ。



ねぇ、

お姉ちゃん返してよ。

⏰:07/06/03 00:53 📱:SH903i 🆔:ETPWO7I2


#173 [みぃ]


神様か仏様か知んないけど


誰でもいいから時間を戻してよ。



やだ。

まだ出てこないで。


お姉ちゃんが帰って来た時まで待って。

その時は2人で嬉し涙、流すから。

⏰:07/06/03 00:56 📱:SH903i 🆔:ETPWO7I2


#174 [みぃ]

お姉ちゃんの枕に顔を埋めた瞬間、
部屋の中に強い風が入り込んできた。

窓に一番近いお姉ちゃんの机の上の紙が飛ぶ。


けだるい身体を起こし、
床に散らばった紙を一枚ずつ拾い集めていく。


テストの答案用紙、ピアノの楽譜、宿題のプリント。

⏰:07/06/03 01:02 📱:SH903i 🆔:ETPWO7I2


#175 [みぃ]

その中に、一枚のメモ用紙を見つけた。

そこには、走り書きながらもお姉ちゃんの手で記入された字が浮かんでいた。


『・・・住所?』

(誰の・・・?)


何気なく目を紙の下の方へ走らせ、
入り込んできたもの。




『―――大原大志・・・!!』

⏰:07/06/03 01:09 📱:SH903i 🆔:ETPWO7I2


#176 [みぃ]





――――ドクンッ・・・




心臓が大きく波打つ。


身体の体温が一瞬で上昇する。



忘れかけていた感情が沸き上がってくる。

⏰:07/06/03 01:11 📱:SH903i 🆔:ETPWO7I2


#177 [みぃ]


近くにあったペンと紙をおもむろに取り、

一文字一文字心を込めて書く。


日も暮れ、すっかりと夜に包まれた室内に、

ペンが紙の上を走る音が響く。


紙が破れるんじゃないか、ってぐらいの筆圧。

⏰:07/06/07 21:55 📱:SH903i 🆔:ZyI0szvc


#178 [みぃ]


大原大志様



一生 笑わないで下さい。

自分の罪を償い、幸せにならないで下さい。


私はあなたを一生恨みます。



どうか、笑わないで下さい。

⏰:07/06/07 21:56 📱:SH903i 🆔:ZyI0szvc


#179 [みぃ]

――――――――――――

差出人の名前は書かず、
切手を貼ってポストに出す。

彼の家へ送ったのは、
これが最初で最後。


後は、入学してからずっと下駄箱へ。


自分で汚い女だって分かってる。

こんなことしたって何も変わらないのも分かってる。
もう、お姉ちゃんは死んでしまったのだから。

⏰:07/06/07 21:59 📱:SH903i 🆔:ZyI0szvc


#180 [みぃ]

――――――----・・・


外はあっという間に暗闇に包まれる。


何の頼りもなく駅の周りの街を歩いているうちに、
すっかり夜になっていた。

時間を確かめる為に携帯を開くと、
すごい着信履歴の数だった。


『―――あ・・・。
 マナーモード・・・。』

⏰:07/06/07 22:04 📱:SH903i 🆔:ZyI0szvc


#181 [みぃ]

マナーモードを解除して、
履歴を確認していく。


“施設”
“施設”
“豊”
“施設”
“美輝
“豊”
“施設”
“豊”
“美輝”




・・・・ただ今 18:40。

⏰:07/06/07 22:09 📱:SH903i 🆔:ZyI0szvc


#182 [みぃ]

(やば・・・門限過ぎてる。)


慌てて施設へ電話する。


[はい、あおば学園です。]

『――あッ・・・。
 ・・・夢芽。』

[――夢芽ッ!?
アンタ今どこにいんのッ?!]


受話口の先生の口調が変わる。

⏰:07/06/10 23:45 📱:SH903i 🆔:BmAgIcJs


#183 [みぃ]

うわ・・・。加山先生だ。


『ごめん、ボーッとしてて・・・。』

[どんだけ心配したと思ってんの!!]


耳がキーンとなる。

声でかいんだよ、加山先生は。


『ごめんッてば。
 今から帰るから・・・。』


電話を切って足早に施設へと戻る。

⏰:07/06/10 23:48 📱:SH903i 🆔:BmAgIcJs


#184 [実習から帰ってきた主です]

うちの施設の門限は18時。

部活がある子は20時。


二週間前に申し出て、
その内容に許可が出た場合は、21時まで延ばすことができる。


あの事故の日、
お姉ちゃんはあいつと遊ぶ為に門限を延ばしてた。

⏰:07/07/03 23:21 📱:SH903i 🆔:zauvG9rE


#185 [みぃ]
 

――――――――――――

施設に着いて、
廊下で会う先生たちに謝りまくった。


「もー・・・本当心配したんだから・・・。」

『ごめん・・・。
 あ、加山先生は?』

「たぶん事務室かな。」

『ありがと。』


今からお説教が始まると思うと、かなりの憂鬱。

⏰:07/07/03 23:25 📱:SH903i 🆔:zauvG9rE


#186 [みぃ]

ため息をつきながら事務室へ向かう。

ノックをしようと思ったら、
中から怒鳴り声が聞こえた。


「なんで一人で帰らせたのッ!!」


顔なんて見なくても分かる。

このハスキーなデカイ声は加山先生だ。

⏰:07/07/03 23:31 📱:SH903i 🆔:zauvG9rE


#187 [みぃ]

恐る恐るドアを開け、
隙間から事務室を覗く。






加山先生と・・・・・





豊?!

⏰:07/07/03 23:33 📱:SH903i 🆔:zauvG9rE


#188 [みぃ]

「あれだけ一人にさせないでって言ったのに・・・。」

「悪かったって。
 今日はどうしても行く所あったんだよ。」

「あの子・・・何するか分かんないから・・・。
 一番さりげなく一緒に居れそうな豊に頼んだのに・・・。」





・・・何?

・・・この会話。

⏰:07/07/03 23:40 📱:SH903i 🆔:zauvG9rE


#189 [にゅー]
この小説何か好き
最後まで書いてくれ
たら嬉しいです

何か続ききになる

⏰:07/07/04 19:50 📱:N703iD 🆔:f9E9xluo


#190 [みぃ]

にゅーサン

コメありがとうございます
大分放置しちゃいましたけど、最後まで頑張るんで、良かったら見て下さいね

更新します

⏰:07/07/05 09:21 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#191 [みぃ]

「明日からちゃんと目ぇ離さねーから!
 結局無事だったんだろー?」

「そうだけど・・・。
 もう・・・。
 寿命縮まっちゃうわよ・・・。」





―――――どういう事?




「あ、夢芽!」

⏰:07/07/05 09:25 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#192 [みぃ]

「えッ?!」


豊が扉の前にたたずむあたしの姿に気付き、
近づいてくる。


「おまえ、みんな心配してたんだぞ?!
 どこ行ってたんだよ。」


豊の手があたしの肩に触れる。





『・・・・・・・触んなッ!!』

⏰:07/07/05 09:28 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#193 [みぃ]


あたしの左手が無意識に豊の手を払いのける。


「・・・夢芽?」

「夢芽、とりあえず話は後で聞くから先にご飯食べておいで。
 あんたの分、取ってあるから。」


加山先生に言われ、食堂へ向かう。




バカみたい。

⏰:07/07/05 09:31 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#194 [みぃ]


何、心開きかけてんの?


豊のあたしへの優しさは、
あたしの事心配してるからじゃない。

先生に頼まれたからだ。


あたしが変なことしないかどうかの見張り役。

あたしが大切だからじゃない。


あたしの傍に居てくれたのは、
あたしの為じゃない。

⏰:07/07/05 09:33 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#195 [みぃ]

「夢芽ー。
 どこ行ってたんだぁー??」


食堂のおじちゃんが夕食を運んでくれながら、
語りかける。


『えへへ、ちょっとね。』

「心配してたんだぞー?
 まぁ、無事で良かった。」


そう言って、おじちゃんはあたしの頭をなでる。


『・・・ありがと。』

⏰:07/07/05 09:37 📱:SH903i 🆔:RzssrUic


#196 [みぃ]

おじちゃんには昔から、
何か弱い。


「今日の晩御飯はー・・・
 あ!夢芽、レバー食えなかったな!」


目の前にはレバーの炒め物が他の食べ物と一緒に並んでいる。


「レバー食べると、湿疹出るんだっけ?
 他のに代えるよ。」

⏰:07/07/08 22:52 📱:SH903i 🆔:GpES.BMM


#197 [みぃ]
 

おじちゃんが皿に手をかける。


『―――――いい。』


「――――へ?」


唾を飲み込み、
一息でレバーの炒め物をかきこむ。


「――ちょッ・・・夢芽!?」

⏰:07/07/08 22:55 📱:SH903i 🆔:GpES.BMM


#198 [みぃ]


『――ごほッ!うッ・・・。』

「あぁあ〜何やってんだよー。
 だから他のに代えるって言ったのにー!!」


むせるあたしの背中を、
おじちゃんは優しくさすってくれる。


『気持ち・・・わる・・・うッ・・・。』

⏰:07/07/08 22:58 📱:SH903i 🆔:GpES.BMM


#199 [みぃ]

「何で食べられない物食べたのー!!」


おじちゃんが水を渡してくれる。


『だって・・・大好物だったの・・・。』

「え?」




『お姉ちゃんの・・・大好物だったの・・・。』

「夢芽・・・。」

⏰:07/07/08 23:01 📱:SH903i 🆔:GpES.BMM


#200 [みぃ]


バカみたい。

希望なんて何もなかったはずなのに・・・。


こんなに傷ついてるあたしが悔しい。


少しでも周りに期待してた証拠じゃない。




―――――バカだよ。

⏰:07/07/08 23:03 📱:SH903i 🆔:GpES.BMM


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194