からっぽの心
最新 最初 🆕
#13 [みぃ]

声なのか鳴咽なのか分からない泣き声で、
途切れながらも必死に叫ぶ。


ひたすらお姉ちゃんの名前を。




3月27日。

お姉ちゃんこと栗山美優(クリヤマ ミユウ)は短い人生の幕を閉じた。

⏰:07/03/28 22:37 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#14 [みぃ]

16歳。

高校2年生になるはずだった。


お姉ちゃんは名前の通り、すごく優しくて、

自慢のお姉ちゃんだった。




血は繋がってない。

でも、物心ついた頃からずっと一緒だった。

⏰:07/03/28 22:40 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#15 [みぃ]

あたし、安幡夢芽(ヤスハタ ユメ)は、
3歳の頃に親に捨てられてこの施設に入った。


ここの児童養護施設は、
何らかの事情があって親と暮らせない3歳〜18歳の男女が生活している。


あたしとお姉ちゃんは

ここで出会った。

⏰:07/03/28 22:45 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#16 [みぃ]

施設に馴染めないあたしを一歳しか変わらないのに、世話してくれた。


本当の姉妹みたいに仲良くなって、

ずっと一緒だった。


あたしとお姉ちゃんは元々一つだったんじゃないか、ってぐらい。

本当のお姉ちゃんみたいで大好きだった。

⏰:07/03/28 22:48 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#17 [みぃ]

ここの施設の子はみんな口が悪いけど、
本当に性格の悪い子なんて一人もいない。


みんな淋しいだけ。

口には出さないけど。


みんな家族みたいで、
親がいなくても平気だった。

この幸せがずっと続くと思ってた。


――――なのに・・・。

⏰:07/03/28 22:51 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#18 [みぃ]

「夢芽?」


施設の部屋の自分のベッドの中に居ると、
同い年の美輝(ミキ)が話しかけてきた。


「あ、起きてたんだ。
 大丈夫?」

『・・・ん。』


春休みなのに美輝は制服を着ている。


『お葬式・・・。
 行ってきたの?』

⏰:07/03/28 22:55 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#19 [みぃ]

美輝は悲しそうに小さく頷いた。


「制服・・・。
 どっちの着てくか迷ったけど、まだ3月だし、
 中学のんで着て行ったぁ!」


美輝はわざと明るく話すけど、
辛いのが丸分かりだった。


お姉ちゃんはみんなに好かれていたから、
みんな辛い。

美輝の目も、赤く腫れている。

⏰:07/03/28 23:00 📱:SH902i 🆔:1wopH5ls


#20 [みぃ]

「夢芽・・・大丈夫?」


返事をしない代わりに、
軽く微笑んでみせる。


「そりゃ・・・。
 平気じゃないよね。
 アンタが一番仲良かったもんね・・・。」



無気力だ。

何もする気にならない。

⏰:07/03/29 20:04 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#21 [みぃ]


ただ、部屋の窓から見える景色をボーっと見ていた。


「――――あ。」


美輝が制服を着替えている時だった。


「夢芽、これ・・・。」


美輝がそう言って制服のポケットから取り出したのは、
小さなビニール袋だった。

⏰:07/03/29 20:08 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


#22 [みぃ]

『何・・・。』


美輝から受け取った掌には、見覚えのある物が入ったビニール袋。


『美輝・・・これ・・・。』

「・・・事故現場に落ちてたんだって・・・。
 警察の人が検視も終わったし、血まみれでもいいならって・・・。
 お葬式、来てくれてたよ。
 直接夢芽に渡したかったらしいけど・・・。」

⏰:07/03/29 20:18 📱:SH902i 🆔:xpnmAmI2


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194