からっぽの心
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#225 [
みぃ
]
診察室からは“病院”というものが全然感じられなくて、
“子どもの部屋”って感じ。
窓ガラスにはピンクや黄色のステンドグラス。
「眠れる?」
『えッ!?』
部屋を見渡していたあたしは、
先生の一言で現実へと戻される。
:07/08/03 22:16
:SH903i
:jzIdGWE.
#226 [
みぃ
]
「夜。
見た感じ、快眠そうには見えないけど。」
―――あ・・・。くま。
『―――あんまり・・・。』
さっきまで頑なだった心も、
不思議と和らいでいた。
この部屋がそうさせるのか、先生の声がそうさせるのかは分かんないけど。
:07/08/03 22:19
:SH903i
:jzIdGWE.
#227 [
みぃ
]
「川口先生から全部聞いたわよ。
・・・大変だったわねぇ。」
別に同情して欲しかった訳じゃない。
ただ、先生の声が本当に心のこもった声で、
優しくて、
あたしを包んでくれてるみたいで・・・。
自然と涙がこぼれたの。
:07/08/03 22:23
:SH903i
:jzIdGWE.
#228 [
みぃ
]
『―――ごめんなさ・・・。』
急いで涙を拭おうとするあたしの手を、
先生の手が掴む。
「拭かなくていいよ。
泣きたい時は泣けばいいの。」
『だって・・・。』
「我慢するから、そんな顔しなくちゃいけなくなるの。
先生の前では我慢しなくていいから。」
:07/08/08 02:35
:SH903i
:hw/5GTf2
#229 [
みぃ
]
先生は小さい子をあやすみたいに、
あたしの頭を優しくなでる。
「先生しかいないから。
夢芽ちゃんの思ってること、全部話して?」
それからの事は、
はっきりと覚えていない。
上手く説明できたか分かんないけど、全部話した。
:07/08/08 02:38
:SH903i
:hw/5GTf2
#230 [
みぃ
]
お姉ちゃんのこと
後悔
大原大志のこと
憎悪
豊のこと
不信感
先生はうんうん、って頷きながら、
ずっとあたしの手を握ってくれていた。
:07/08/08 02:42
:SH903i
:hw/5GTf2
#231 [
みぃ
]
その手が本当に温かくて・・・。
顔も覚えてない自分の母親の姿を重ねた。
あたしを捨てた親。
二度と顔も見たくないって、思ってた。
でも今、目の前の先生の温もりが、自然と母親の温もりと重なる。
:07/08/08 02:45
:SH903i
:hw/5GTf2
#232 [
みぃ
]
「あなたは一人ぼっちじゃないのよ?」
心の奥底で望んでいた言葉。
いつか、お姉ちゃんが言ってくれた言葉。
あたしが本当はずっと望んでいた言葉。
この先生、何であたしの考えてる事が分かるんだろう。
何で、あたしの欲しい言葉をくれるんだろう。
:07/08/08 02:48
:SH903i
:hw/5GTf2
#233 [お久しぶりです]
心に沈んだ思い鉛が、
少し軽くなった気がした。
散々泣いた後に先生は笑顔で、
「泣きたくなったらまたおいで?
他の人には内緒にしてあげるから。」
そう言い、口元に人差し指をあてる。
『・・・泣きたくなかったら、来ちゃダメ?』
:07/08/26 13:04
:SH903i
:0za1Wi56
#234 [
みぃ
]
先生は一瞬きょとんとした顔をして、すぐに笑った。
「いつでもおいで。
待ってるから。」
部屋を出る時に軽く会釈をして、
ドアを開けた。
「夢芽!」
待ち合い室にいた川口先生が、
あたしの顔を見るなり駆け寄ってきた。
:07/08/26 13:07
:SH903i
:0za1Wi56
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