からっぽの心
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#425 [みぃ]

本当は、笑って

「おめでとう」

そう言うべきなんだろうけど


最後まで‘いい子’になれないあたし。


でも、変わらなきゃいけない。

大志くんの重荷にならないように。

⏰:08/01/29 19:32 📱:SH903i 🆔:760GA90o


#426 [みぃ]

「夢芽ちゃ・・・」

『――わかった、
 ごめんね、頑張って!』


精一杯気持ちを噛み殺して見上げた大志くんの顔は、
笑顔だった。


本当はずっとこの笑顔でいて欲しい。

困らせてばっかじゃダメだよ。

⏰:08/01/29 21:39 📱:SH903i 🆔:760GA90o


#427 [みぃ]

『大志くん・・・。
 これ・・・。』


そう言いながらポケットから取り出した物を見て、
大志くんの表情が変わる。


「―――なんで・・・。」


大志くんの独り言に近い呟きに応えず、
大志くんの掌にそれを転がせる。

⏰:08/01/29 21:43 📱:SH903i 🆔:760GA90o


#428 [みぃ]


シルバーのペアリング。


お葬式の日に、
美輝が警察から受け取ったもの。


『本当はね・・・
 もっと早くに渡さなきゃいけないと思ったんだけど・・・。』


大志くんがこびりついた血を見て、
悲しそうな顔をする。

⏰:08/01/29 21:47 📱:SH903i 🆔:760GA90o


#429 [みぃ]

「オレが・・・
 苦しむと思った・・・?」


目を伏せながら小さく頷く。


『受験に集中して欲しかったのもあるの。
 でも、これ握りしめて毎日お祈りしてた。』


そう言って大志くんの掌ごと指輪を包み込んだ。


「お祈り・・・?」

⏰:08/01/29 21:51 📱:SH903i 🆔:760GA90o


#430 [みぃ]

『うん。
 大志くんが合格しますようにって。』


ひんやりとしていた指輪が、2人の体温で温まっていく。


『でも、失敗したな。』

「え?」

『合格した後でお守りとして渡しとけば良かったなって後悔した。』

⏰:08/01/31 20:12 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#431 [みぃ]

ははっと小さく笑うと、
大志くんが大きな両手であたしの身体を抱きしめてくれた。


「泣きたくなったらすぐ呼んで。
 こんな兄ちゃんで良ければすぐ行くからさ。」


目の奥が熱くなっていくのが分かる。


でも、
かっこいい事言う割に鼻声なのが笑えた。

⏰:08/01/31 20:25 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#432 [みぃ]

「あ、何、笑ってんの!」

『ぷくく・・・
 やだよ、こんな泣き虫なお兄ちゃん。』

「えー?ひどっ!!」


そう言って2人で笑った。

何故かツボに入って、
2人で大声で笑い転げた。

⏰:08/01/31 20:30 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#433 [みぃ]


こんな風に笑える日なんて来ないと思ってた。


腐るのを待つだけのあたしが人と向き合えるなんて

もう無いと思ってた。


昔、お姉ちゃんが言ってた。


「どん底まで落ちたら、
 あとは昇るだけだよ。」

⏰:08/01/31 20:34 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


#434 [みぃ]


あの頃のあたしは確かにどん底で、
這い上がる気力さえなかった。

でも、少しずつ暗い穴を抜け出そうともがいてる。


自分一人の力じゃなくて
周りのパワーを分けてもらって。

みなぎる力を武器にして
心に覆い被さる闇をやっつけてやる。


あたしは  生きてるから

⏰:08/01/31 20:39 📱:SH903i 🆔:MYCX6XLk


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