恋愛喫茶店
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#415 [向日葵]
私は頭に何か重い物を乗せた気分で部屋を出た。

『リンゴと蜂蜜でも買ってこよ……。』

暑い日差し。
私の心は暑さとショックで暗雲が垂れ込んでいた。

音子「誰よ鈴って……。」

重い足取りでスーパーへ向かう。その間も自分が呟いたセリフで頭がいっぱいだった。

・・・・・・・・・

手にリンゴと蜂蜜を入れた袋を持って私は涼しいスーパーから暑い外へ行く。

⏰:07/05/04 00:20 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#416 [向日葵]
天国から一気に地獄。
鈴のことも頭にひっついて離れない。

もしかしたら男友達かもしれないじゃん!!!…いやおかしいおかしい。ならなんで抱きしめるんだよ!!っとかさっきからグルグルグルグル頭を巡る。

音子「せっかく幸せ全開だったのに……。」

ジワァっと涙が滲む。
ハァ…と溜め息をついて少し汗ばんでいる手で拭った。

「あれ?音子さん?」

少し遠くでマスターと黒髪美少女が立っていた。

音子「あ、マスター…。」

⏰:07/05/04 00:31 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#417 [向日葵]
まだ目に残る涙を全部拭き取ってマスターに近づく。

マスター「こんにちは。今日はデートじゃなかったんですか?」

マスターが挨拶をすると同時に黒髪美少女がペコッと頭を下げた。
私もニコッと笑い軽く下げる。

黒髪美少女「マスター。私中に入ってますね。」

マスター「すいません世津さん。」

『あぁ…。あの子がマスターの……。』

世津「構いませんよ。」

カランカラン

⏰:07/05/04 00:40 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#418 [向日葵]
マスターが世津ちゃんを見届けると私の方に向き直った。

マスター「で、どうしたんです?」

音子「マスターもすみには置けませんね〜♪」

聞かれた事とは別の事を答えた。
マスターは一回咳払いすると、もう一回どうしたのかと尋ねた。

音子「ねぇマスター?新市君の知り合いで“鈴”って知ってます?」

マスター「鈴さん?鈴さんは確かお亡くなりになった新市さんの幼なじみですよ。」

⏰:07/05/04 00:47 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。

亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。

マスター「それがどぅ……音子さん?」

私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。

ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。


でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。

⏰:07/05/04 00:54 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#420 [向日葵]
私は大丈夫。

だから死んだ人を忘れないであげて。

新市君なら分かるよね?

思い出にしてしまう辛さを。


バンッ

勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。

そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。

新市「……鈴?」

まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。

でもいいの。

⏰:07/05/04 00:57 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」

私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。

新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」

私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。

新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」

その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。

『……それは、私の事…?』

新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」

⏰:07/05/04 01:08 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。

生きていたなら……。

鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。

だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。

そして見守ってあげてください……。

思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。

その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。

⏰:07/05/04 01:12 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#423 [向日葵]
――……

「――…ね。音子。」

ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。

音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」

新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。

音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」

新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」

⏰:07/05/04 01:21 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』

顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。

音子「全部食べたんだ……。」

新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」

そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。

音子「…っ!」

新市君がまた後ろから抱きしめてきた。

⏰:07/05/04 01:27 📱:SO903i 🆔:Nr.atdks


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