恋愛喫茶店
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#308 [向日葵]
違う。

真辺君はそれとなく手を差し出したが、私がそれを拒否したのだ。

彼は太智に似てる。
だから思い出してしまうのだ。

新市「……一つ聞いていい?」

音子「え?」

新市「好きな人…いるの?」

『……。』

音子「いた……かな…。過去形…にしたい。」

結婚してる相手をいつまでも引きずるなんてカッコ悪い。

だから過去形にしたい。

⏰:07/04/28 08:39 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#309 [向日葵]
電車に乗って空いてる席に座る。

新市「そっかぁ…。」

音子「アハ。こんな話真辺君にしても仕方ないのにね!」

恥ずかしい。
会って間もない相手に軽く愚痴るなんて。

音子「バカみたい……。」

一途じゃなきゃ、どんなに楽か。
だって忘れられない。
太智といた22年は大きくて、忘れようにも思い出がいっぱいなの。

新市「バカじゃないよ…。」

真辺君は少し悲しそうに呟いた。

新市「無理に過去にしても、絶対無理だよ。だから少しずつ楽しい思い出として残していったらいいんじゃないかなぁ……。」

⏰:07/04/28 08:47 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#310 [向日葵]
『少し……ずつ……』

そんな簡単にできない。
だって22年だよ?
そんな膨大な年数少しずつだろうが出来ない。

音子「私には無理だよ……」

新市「無理だって決めつけたら駄目だよ。」


音子「アンタに何がわかんのよ!!」

思わず叫んでしまった。
同じ車両に乗ってる人達の目線が私に刺さる。

⏰:07/04/28 10:24 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#311 [向日葵]
丁度駅に着いたので、いたたまれなくなった私は最寄りの駅でもないのに降りた。

新市「ちょ、生田さん!」

ドアが閉まる直前に真辺君は降りてきた。

電車は私達と複数の人を残して出発してしまった。

改札に向かう人達とは違って、私と彼は立たずんでいた。

音子「……小さい頃からずっと一緒だったの。」

でも好きだと気付いたのは丁度2年前。
アイツに彼女が出来た頃。

⏰:07/04/28 10:32 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#312 [向日葵]
音子「結局全部遅かった……」

毎日毎日後悔ばっかり。

泣いて泣いて、その日の分の涙が枯れるまで泣く。

新市「俺もいたんだ……そーゆー人。」

音子「……ぇ?」

次の電車が来た時、真辺君は「死んじゃったけどね」と呟いた。

私達は電車に乗ったけど一言も喋らず、最寄りの駅について私は先に降りる。

別れる時でさえ「バイバイ」とは言わなかった。

⏰:07/04/28 10:40 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#313 [向日葵]
音子「ねぇマスター?失恋ってどう癒したらいいと思う〜?」

窓拭きをしながら色々準備しているマスターに訪ねてみた。

マスターは「そうですねぇ…」と考える。

マスター「自分がもう一度信じてみたいと思った人がいたら癒えるのではないですか?」

音子「信じる…?」

マスターはいつもの整った顔で静かに微笑みうなずいた。

マスター「ハイ。例えば裏切られたとかであれば、この人は裏切らないと信じたいと思える。そんな感じではないでしょうか…。」

⏰:07/04/28 10:57 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#314 [向日葵]
『私は……どうかなぁ……。』

痛い思いするのが怖くて避けてきた。
私の場合は、この人なら私を一番に思ってくれると信じることかなぁ…。

そこで真辺君が浮かんだ。

『真辺君の大事な人…死んじゃったんだよね……。』

マスター「音子さん。失恋したんですか?」

頭を思いっきり窓で打った。ゴンッと派手な音が喫茶店に響く。

音子「マスター…そーゆーのは乙女に聞いちゃいかんてー!」

⏰:07/04/28 11:01 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#315 [向日葵]
マスター「クスクス。失礼しました。」

マスターはカウンターの下で何かゴソゴソやっている。

ガラガラ

音子「マスター?」

ヒョコッと出てきたマスターの手には小さな袋に入った氷。

マスター「私が余計なことを聞いてしまったから、大事なお顔を傷つけてしまいましたね…。」

袋を私のおでこに当てる。

音子「そんな事してー彼女に怒られちゃいますよー♪」

⏰:07/04/28 11:06 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#316 [向日葵]
マスター「彼女?……あぁ世津さんですか?なんでです?」

音子「とぼけないでください!前2人でいるトコ見たんですからね!」

マスター「まだ返事は頂いてないんで……。」

とは言え幸せそうな顔のマスター。
ってか、からかったのにかわされたー!!!
1つしか代わんないくせに!!何この人!!

⏰:07/04/28 11:14 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


#317 [向日葵]
・・・・・・・・・

音子「外磨いてきまーす!」

カランカラン

もうすぐ夏が近づく為か、太陽が少し暑い。でも幸い磨くトコは日陰だ。

音子「うーっし!やるべな!!」

持っていたバケツを置いて雑巾を搾る。
中を予め拭いたから水は少し黒くなっている。

『でもあんまり汚れてないんだよねー……。』

⏰:07/04/28 11:23 📱:SO903i 🆔:GeKhGg3I


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