きみを送るA
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#261 []
「コウ………?」

俺は部屋の中を歩いた。

コウはいない。

「どうなってんねや…」

俺は階段を上がり、
部屋の一つ一つを見た

「…ここは……」

俺はあるドアの前で足を止めた。
ドアにはプレートがかかっている。そこに書かれた名前は

《しゅん》

⏰:07/05/14 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#262 []
俺はドアを開けた。

《ガチャ…》

「コウ!!」

部屋の中にはコウが立って驚いた表情でドアを見た

「………コウ……」

俺が立っているドアを目を丸くして見つめ、しばらくしてからコウはフッと笑った。

「…旬……ですか?」

⏰:07/05/14 03:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#263 []
「え……?」

コウはドアから目をそらし、部屋にある机を撫でながら呟いた。

「旬……僕を憎んでますよね……」

「おい、コウ?」

俺の呼びかけも聞こえないのか、コウは俯いたまま小さな声で言った。

「すみません…すみません……旬……」

⏰:07/05/14 03:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#264 []
「コウ!!」

俺はコウの肩を掴もうと手を延ばした。

「うわっ!!」

………?
なにこれ……?

俺の身体はコウをすりぬけ俺は床に倒れ込んだ。

「…なんや?」

俺は自分の両手を見る。

「…透けてる……?」

⏰:07/05/14 03:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#265 []
俺は窓ガラスを見た。

ない……

俺が……ガラスにうつっていない……

どうなってる……?

俺が窓ガラスを見ながら呆然としていた時、背後から声が聞こえた。

「兄は…」

「!?」

俺はびっくりして声の主を振り返る。

⏰:07/05/14 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#266 []
「…きみは……」

背後には
あの時の少年

旬の姿があった。

「兄はずっと僕の幻影に怯えてるんだ」

「……幻影?」

俺の問いに、旬はコクリと頷いた。

「兄に僕の姿が見えるわけないんだ。僕は特殊能力があるから兄に僕の姿を見せない事ができる。でも…」

⏰:07/05/14 03:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#267 []
旬は口を止め、コウをじっと見つめた。

「旬…すみません……」

コウは
旬がいる場所とは全く真逆の場所を見つめ、涙を流している。

「兄は《僕》という幻影を自ら造りだして苦しんでいる。兄を憎んでる《僕》っていう幻影をね」

⏰:07/05/14 03:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#268 []
「…じゃあ……コウはきみの事…」

「本当の僕は見えてないよ。兄には偽物の…幻影の僕が見えてるんだよ」

旬は俯きながら
悲しそうな表情をした。

やっぱり…

「きみはコウを憎んでへんねやな…」

「……………」

⏰:07/05/15 03:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#269 []
旬はコウをじいっと見つめた。

俺も視線をコウに向ける

「……………?」

あれ?
なんかこのコウ…

「…幼い……?」

「僕の記憶をあげるって言ったでしょ?今あなたが見てるのは僕の記憶。兄の中学時代なんだよ」

「……中学時代……」

「そう…兄が一番苦しんでいた時期…」

⏰:07/05/15 03:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#270 []
「…コウが………」

苦しんでいた時期……

俺の知らないコウの

過去………

「志乃さん…」

ふいに旬が俺の名を呼んだ

「…なに……?」

「志乃さんは、いじめにあった事ある?」

⏰:07/05/15 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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