きみを送るA
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#158 [
]
【第18章 過去】
……今…なんて?
「コウ…?」
俺は震えた声でコウを呼び掛けた。
「弟でした。本当にかわいらしい…」
コウは背を向けながら
親指の爪を噛んだ。
「しかし僕は…弟を憎んで……」
「?」
コウはフッと笑ったような息をもらした。
「ああ、憎んでいたんですね僕は。彼を」
:07/05/05 16:24
:SH901iS
:☆☆☆
#159 [我輩は匿名である]
更新待ってます
:07/05/06 00:14
:SH903i
:ZYObUyyU
#160 [
]
匿名さん

ありがとうございます

:07/05/06 00:47
:SH901iS
:☆☆☆
#161 [
]
「憎んで…?」
「はい。その話はまた…」
「また今度とかはなし。今全部聞かして」
俺の強気な発言に
コウはびっくりしたように振り返り目をまんまるにした。
「俺はコウの事全部知りたい」
:07/05/06 00:48
:SH901iS
:☆☆☆
#162 [
]
「…全部…ですか」
「おー、全部」
「…………」
「…………」
「志乃くん…」
「なに」
「僕に惚れたとかはやめて下さいね」
誰が惚れますか!!
「惚れんから聞かして」
:07/05/06 00:50
:SH901iS
:☆☆☆
#163 [
]
コウは少し俯き、
少し考えてから
わかりました、と話した
「まずりえさんの話を解決してからにしたいのですがいいですか」
「…わかった」
俺の答えにコウはフッと笑みをもらし、りえを見た。
「今からりえさんも知らなかった過去を話します。覚悟はいいかな?」
また笑っていいとも!?
:07/05/06 00:53
:SH901iS
:☆☆☆
#164 [
]
「……………」
「りえさん」
「……………」
「りえさん覚悟は」
「…わかった」
「覚悟はいいかな?」
「……わかった」
「そんな答えでは話せません。覚悟はいいかな?」
「……………………」
りえは長い沈黙のあと、ようやく いいとも と答えた
「では話しましょう」
:07/05/06 00:55
:SH901iS
:☆☆☆
#165 [
]
「義母の妊娠がわかった時義父はとても喜びました。が、喜べないたったひとつの原因は、りえさん。あなたでした」
「…それって」
「はい、志乃くん?」
「喜べへんのは流産したりえに悪い…からか?」
「いえ、違います」
:07/05/06 00:58
:SH901iS
:☆☆☆
#166 [
]
コウはりえを凝視し、
りえは目線をそらした。
「りえさんの存在自体が、これから子を授かる義父にとって邪魔でしかなくなってしまったんです」
「…なんで…?」
「義父が今までりえさんに注いでいた愛情…仮に愛情があったとしたならば、ですが。それが全て我が子に注がれる。つまり」
:07/05/06 01:02
:SH901iS
:☆☆☆
#167 [
]
「りえへの愛情がなくなっ…た……?」
コウは俺を見て頷いた
「その通りです」
その後コウはオレンジジュースを口に含みながら淡々と話し続けた。
長いので略します。
:07/05/06 01:05
:SH901iS
:☆☆☆
#168 [
]
語り手は俺。柏木志乃。
りえに嫌気がさした尚人(コウの義父)は、りえとの連絡を一切とらなくなった。が、りえは尚人を愛していた故、一方的に連絡をしてきたり会いにきたりしていたらしい。
尚人は完璧主義者故、りえとの関わりは一切他人にばれていなかった。
「そこを、義父は利用したんです」
:07/05/06 01:10
:SH901iS
:☆☆☆
#169 [
]
再度語り手。柏木志乃。
尚人は事故に見せ掛け、
りえを殺そうと計画をした。それはもう念密に。
計画殺人よりも事故の方が罪が軽い。だが尚人には事故に見せ掛けなければならないもう一つの理由があった。
「…それは……?」
「義父にも僕達同様……いえ、僕同様に霊が見える能力がありましたから」
:07/05/06 01:17
:SH901iS
:☆☆☆
#170 [
]
「なんで言い直すん?」
「志乃くんより…僕の方が霊能力が高いです。志乃くんには見えなくとも僕に見えている霊は多々ありますから」
コウは目線を窓に向けた
「…何かおるん…?」
「いえ、何も」
ほな意味ありげに窓見るな!!!
:07/05/06 01:19
:SH901iS
:☆☆☆
#171 [
ミルキー
]
:07/05/06 10:11
:N701i
:dd03RjNM
#172 [まなと]
やった

追い付いた

むちゃくちゃおもしろいから友達にも教えるたし

:07/05/06 22:47
:910SH
:RHMz7gLM
#173 [まなと]
↑失敗ありH

:07/05/06 22:49
:910SH
:RHMz7gLM
#174 [
]
ミルキーさん

アンカーありがとうございます

まなとさん

ありがとうございます

友達にも教えてくれるとか…ありがたいです

:07/05/07 03:15
:SH901iS
:☆☆☆
#175 [
]
>>170から続き
「志乃くん、霊は人間の心理…人間の心の中までは覗く事ができませんよね」
「……………」
そんなん霊になった事ないからわからんけど。
「義父は霊能力があった。ですからりえさんの死後も義父はりえさんが霊になり自分の傍に憑く、とわかっていたんです」
:07/05/07 03:18
:SH901iS
:☆☆☆
#176 [
]
「だから事故に見せ掛ける必要があった…?」
「それもあります」
「それも?」
「義父の能力は特殊です。以前僕は志乃くんに、霊は人に手を出せない、そう言いましたよね」
「…言ってたけど」
「義父ほどの能力を持てば、それができるんです」
:07/05/07 03:21
:SH901iS
:☆☆☆
#177 [
]
「………………」
意味不明。
コウは俺のなんとも微妙な顔つきを見て、フッと微笑んだ。
「義父はりえさんとの交際中、ある実験をしていました」
「…実験?」
「ええ、…霊に人を殺せるのか、という実験です」
:07/05/07 03:23
:SH901iS
:☆☆☆
#178 [
]
「なんじゃそれ」
「僕にもその辺はわかりませんが、結局実験は何の成果も得られず…もしくは、義父自身が実験をしなかったのかもしれません。ですがその実験内容を、ある時りえさんは見てしまった」
「…じゃあ…まさか」
「はい、りえさんはその実験を試し、義父母を殺害したんです」
:07/05/07 03:26
:SH901iS
:☆☆☆
#179 [
]
「その実験内容って?」
「それは僕も知りません。りえさん教えてもらえますか」
「……………」
りえは俯き黙っていた。
「…まぁ、忘れてしまったんでしょう…もしくは」
コウはオレンジジュースを一口飲んだ。
「実験内容が、人に乗り移る方法だったのか」
:07/05/07 03:28
:SH901iS
:☆☆☆
#180 [
]
「いい加減にしやがれ!!てめぇは全部知ってんだろ!!あたしが尚人をどうやって…どんな気持ちで殺したのかを!!!」
突然りえがコウに向かってでかい声で怒鳴り、俺はびっくりして目を見開いた
「どんな気持ちか…そんな事知りません。僕は他人の気持ちなどわかりませんから」
:07/05/07 03:32
:SH901iS
:☆☆☆
#181 [
]
「…てめえ……」
「なんですか?また誰かに乗り移るつもりですか」
コウは椅子に乗りくるくる回りながらニヤリと笑って見せた。
「あなたはここに存在してはいけない者です。成仏して下さい。もちろん」
コウは一枚の紙切れをポケットから出した。
:07/05/07 03:35
:SH901iS
:☆☆☆
#182 [
]
コウはその紙切れを
りえの顔の前でぴらぴらと揺らした。
「……なんだ……?」
りえは怪訝な顔でその紙切れを見る。
俺も紙切れを覗きこんだ
「……伊豆…?」
紙切れはコウの別荘のある伊豆の地図だった。
ある部分に赤い丸がついている。
「こちらに探し物…あなたの右足があります」
:07/05/07 03:38
:SH901iS
:☆☆☆
#183 [
]
伊豆に……
コウの別荘の近くに…
りえの右足がある…?
りえはコウの手から地図をバッと奪った。
「本当か…?」
「はい、本当です。ですから思い残す事はないでしょう?成仏しなさい」
コウは腕を組み直し、微笑みながら言った。
:07/05/07 03:41
:SH901iS
:☆☆☆
#184 [
]
「ここに…あたしの右足が……」
りえは紙切れを見ながら
ぶつぶつと呟いている。
…こいつ大丈夫か?
「おいりえ」
「……くる……」
「え?なんて?」
「探してくる」
それだけ言い残し、りえは窓の外へ飛んでいった。
:07/05/08 01:54
:SH901iS
:☆☆☆
#185 [
]
「…さっぱりわからん…」
「わかりませんか」
「わかりません」
コウはため息をついた
「志乃くん、あなた結構馬鹿ですね」
馬鹿ですけど!?
「りえさんはただ右足を探したいがために下界に残っていただけです」
:07/05/08 01:56
:SH901iS
:☆☆☆
#186 [
]
「ほななんでその右足のありかをお前が知ってんねん」
「僕はなんでも知ってますから」
「……………」
「……………」
「……………」
「なんですかそんな目で見るのやめて下さい」
:07/05/08 01:58
:SH901iS
:☆☆☆
#187 [
]
「なんかあっさり解決しすぎなんですけど」
「当たり前です」
「……………」
「志乃くん、下界にさまよう霊の未練は、案外しょうもないんですよ」
しょうもないて!!
「それに僕にはどうしても早く解決しなくてはいけない理由がありましたので」
:07/05/08 02:00
:SH901iS
:☆☆☆
#188 [
]
「……理由て?」
「今日、夕方から合コンがあるんですよ」
今、な ん て ?
「志乃くんも行きます?」
「……………」
「美女が揃ってますが」
「行きますけど!!」
その前にさぁ…
「お前の話聞かせて」
:07/05/08 02:02
:SH901iS
:☆☆☆
#189 [
]
「僕の?」
「お前の」
「僕の…」
「お前の!」
「…僕の……」
ええいしつこい!!
「お前の事聞かせえ!!」
「……………」
「……………」
:07/05/08 02:05
:SH901iS
:☆☆☆
#190 [
]
「僕の過去を、ですか」
「そーです」
「たいした事ないですよ」
「聞かせて」
「……………」
コウは俯き親指を噛み、しばらくしてから口を開いた
「僕は幼い頃、義弟を殺した。ただそれだけです」
:07/05/08 02:07
:SH901iS
:☆☆☆
#191 [
]
「……なんで」
「先程言った通りです。憎んでいたから、です」
「だからなんで」
「………………」
「………………」
「…なぜ…でしょうね」
コウは悲しげに微笑んだ。
:07/05/08 02:09
:SH901iS
:☆☆☆
#192 [
]
「僕が義父母にひきとられたのは僕が5歳の時でした。その時、義父母にも僕と同じ5歳の子供がいました。ただ、僕の方が二ヵ月ほど先に産まれたので僕が兄、と呼ばれていました」
「……………」
「義父母は僕を引き取ったすぐ何ヵ月かは、とても優しかった。弟も、僕を本当の兄のように慕ってくれていました。ですが」
:07/05/08 02:13
:SH901iS
:☆☆☆
#193 [
]
コウは眉間にしわを寄せ、たばこに火をつけた。
「だんだんと…義父母は僕を人形としか見なくなってしまった」
…言ってたな…。
「僕は産まれつき頭が良すぎました」
頭えーのって産まれつきとかなんか?
「その頭の良さが、義父母は気に入らなかったんでしょう」
:07/05/08 02:17
:SH901iS
:☆☆☆
#194 [
]
「弟は…産まれながら能に問題がありました」
「問題…?」
「はい、知的障害です。………志乃くん」
ふいにコウが煙を吐きながら俺を見た。
「志乃くんはどうします?我が子よりも養子にした子の方が優れていたならば」
:07/05/08 02:21
:SH901iS
:☆☆☆
#195 [
]
「……わからん」
「そうですか、僕ならば…憎むでしょうね…」
「誰を?」
「養子…いえ……我が子の運命を」
「……………」
「だから殺してあげたんです、僕が」
コウはニヤリと笑った。
:07/05/08 02:23
:SH901iS
:☆☆☆
#196 [
]
「どうしました?」
コウは俺を見て、
震えていますよ、と続けた
俺は自分でもわかるくらい震えていた。
怖い
怖い…
怖い………?
……誰が?
「僕が怖いんですか」
:07/05/08 02:25
:SH901iS
:☆☆☆
#197 [
]
「……………」
「僕は弟が憎くてたまらなかった。義父母は、知的障害の弟より優れた、僕を憎んで…僕を人間として扱ってはくれなかった…だから僕は弟を殺した。弟がいなくなれば僕は愛されると」
「ちゃうやろ!!!」
:07/05/08 02:28
:SH901iS
:☆☆☆
#198 [
]
「お前は殺してへん…お前弟を殺してへんやろ!」
「……なぜです」
「………わかる」
「なぜ」
「お前憎くて殺したゆーたやろ?」
「はい、憎かったです」
「ほんならなんで…」
俺は目頭が熱くなった。
「何でお前泣いてるん…」
:07/05/08 02:30
:SH901iS
:☆☆☆
#199 [
]
コウは
涙を流していた。
「…なんで殺したとか嘘つくん……」
「…僕は………」
コウは窓を見つめた。
「やめ…て下さい……」
「…コウ?」
「そんな目で…見ないで下さい……」
「コウ!?」
:07/05/08 02:33
:SH901iS
:☆☆☆
#200 [
]
コウは窓に目を向けながら頭をかかえた。
「僕は…………」
「コウ?どしたん?」
俺はコウの目線を追い、窓の外を見た。
「……?」
何も見えない。が、
コウは明らかに何かを見ている。
「許して下さい……」
:07/05/08 02:35
:SH901iS
:☆☆☆
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